反響営業の仕事内容とは。向いている人や成功させるコツなども紹介

反響営業とは、問い合わせを受けてから商談につなげる営業手法です。仕事内容や向いている人について理解しておけば、勤務先で取り入れられた際も、迷わず取り組めるでしょう。反響営業の具体的な仕事内容や、成功させるためのコツを紹介します。

反響営業とは?

電話で話す男性

(出典) pixta.jp

反響営業とはその名の通り、反響があった見込み客にアプローチをかける営業方法です。反響営業を導入している主な業界や、反響営業のやりがいについて解説します。

問い合わせから商談につなげる営業方法

一般的な営業活動では、電話営業や飛び込み営業により、営業する側から見込み客に対して商品やサービスを紹介します。このやり方では相手が商材に興味を持つかどうか分からないため、無駄なアプローチになるケースも多いでしょう。

一方で反響営業では、問い合わせがあった相手にだけ営業活動を行います。問い合わせてきた相手は既に商材に対して興味があるため、効率的に商談へとつなげられる点がメリットです。

反響営業では、広告で消費者にアプローチします。どのような媒体を使うのか、ターゲットを誰に定めるのかを考えることが、反響営業では重要なポイントです。

反響営業を行う業界

反響営業では、自社商材に対する消費者の興味を集めるために、多額の広告費を投入します。商品やサービスが売れてもコストに見合った利益を得られなければ、反響営業を行う意味がありません。

そのため、主に高額な商材を扱う業界が反響営業を活用しています。反響営業を行う業界の代表例は、自動車業界・不動産業界・保険業界・証券業界です。

例えば自動車業界の場合は、テレビCMで新車の紹介が頻繁に行われています。個人宅を訪問するスタイルの営業ではなく、テレビやインターネットなどの媒体を使って反響営業を仕掛けているのです。

やりがい

反響営業では、既に商材への興味を持つ相手が営業活動の対象です。電話営業や飛び込み営業のように断られる機会が少ないため、営業担当者のモチベーションを保ちやすくなります。

相手から感謝される機会が多い点も、やりがいにつながるポイントです。商談からストレートに契約へと進むケースが多く、すぐに契約できなくても相手の購買意欲は高いため、高い確度を持って商談を進めていけます。

自分が企画した広告の反響が分かりやすく、明確な数字で成果を確認できる点も、反響営業の大きなメリットです。会社への貢献を実感しやすくなり、やりがいを感じられるでしょう。

反響営業の詳しい仕事内容

電話しながらデータを整理する

(出典) pixta.jp

広告を企画・出稿することや、広告を見た消費者からの問い合わせに対応することが、反響営業での主な仕事です。それぞれの具体的な仕事内容を確認しましょう。

広告の企画や出稿

反響営業では、まずは広告を企画・出稿しなければなりません。自社商材のターゲットを適切に選定することが、効果的・効率的に商材への問い合わせを集めるためのポイントです。

メディアを用いた広告には多額の費用がかかるため、広告の内容も慎重に検討する必要があります。商材を魅力的に見せることや、消費者に刺さるキャッチコピーを考えることが重要です。

大企業では、広告の企画・出稿をマーケティング部門や営業企画部門が担当します。営業部門が担当するのは、消費者から問い合わせを受けて以降のフェーズです。

問い合わせへの対応

広告で商品やサービスに興味を持った見込み客から問い合わせを受けたら、それに対応する形で営業担当がヒアリングを行います。どのような課題を商材で解決したいのか、ほかに潜在的な課題はないかなどを、ヒアリングで聞き出すことが重要です。

反響があっても成約に結び付かなければ利益を得られないため、相手の興味をキープしたまま商談に持ち込むスキルが求められます。無事に商談までこぎ着けて成約に至れば、反響営業は成功です。

一般的な営業手法と異なり、反響営業は見込み客の興味を喚起する手間が省略されています。より深い顧客課題の解決に取り組めるため、ヒアリングや商談のスキルを磨いておくことが大切です。

反響営業に向いている人

リサーチャーのイメージ

(出典) pixta.jp

反響営業では相手のニーズを探る必要があるため、リサーチ力やヒアリング力がある人に向いています。顧客のニーズを的確に捉える分析力や、確実に契約につなげる提案力がある人も、反響営業に適しているでしょう。

リサーチ力、ヒアリング力がある人

反響営業で広告を企画する際は、取り扱う商材のターゲットについて事前に調査を行う必要があります。消費者のニーズや心理を的確に捉えるリサーチ力が必須です。

問い合わせがあった消費者からは、課題や希望を丁寧に聞き取らなければなりません。商材に対して興味は持っていても、すべての問い合わせが好意的であるとは限らないためです。

自社商材に対する相手の疑問点や不安な点を的確に聞き出すためには、高いヒアリング力も求められます。ヒアリング力を発揮できれば、商談にもつなげやすくなるでしょう。

分析をするのが好きな人

反響営業では、消費者のニーズを的確に捉える分析力やマーケティング力も必要です。ニーズを押さえた広告を通して、消費者に魅力的な訴求を行えれば、成果につながりやすくなります。

問い合わせが思うように集まらなかった場合も、なぜ反響が少ないのか原因を考えなければなりません。改善策を生み出すためにも、優れた分析力が求められます。

原因を的確に分析した上で広告の内容をブラッシュアップできれば、問い合わせが集まるようになるでしょう。

提案力がある人

反響営業は受け身で行う営業スタイルのように思われがちですが、ただ問い合わせを待てばよいわけではありません。自分から営業をかける必要はない一方で、問い合わせを受けたら積極的に動く必要があります。

ヒアリング力を発揮して相手の希望や課題を把握できたら、相手にとって最適な提案を行うことが重要です。購買意欲が高まる提案ができなければ、問い合わせのみで終わるケースが増えてしまうでしょう。

相手の潜在的なニーズを引き出し、双方にとってメリットのある提案を行えればベストです。提案力がある人は、問い合わせを成約まで持っていきやすくなります。

反響営業を成功させるには

データを分析する女性

(出典) pixta.jp

ターゲットを明確にすることや、他社との差別化を図ることが、反響営業を成功させるポイントです。それぞれについて詳しく解説します。

ターゲットを明確にする

反響営業を成功させるためには、ターゲットを明確に設定することが大切です。ターゲットが定まらない広告は訴求のポイントがぶれるため、問い合わせが集まりにくくなります。

ターゲットを明確にできれば、利用するメディアも見極めやすくなるでしょう。例えば、高齢者をターゲットにするなら、インターネット広告よりテレビショッピングの方が大きな効果を得られます。

キャッチコピーの方向性を決めやすくなることも、ターゲットを明確にするメリットの1つです。刺さる言葉は人により大きく異なるため、ターゲットが定まれば魅力的なキャッチコピーを作りやすくなります。

他社と差別化をする

自社の商品やサービスをより魅力的に見せるためには、他社との差別化も重要です。同業他社の商材を徹底的にリサーチし、明確に差別化する必要があります。

昨今は、消費者が自分で各社の商品やサービスを比較できる時代です。販売する側が他社商材について詳しくなければ、消費者のリサーチ力に追い付けなくなってしまいます。

自社にしかない魅力は前面に押し出し、他社商材と似た部分があれば自社の強みを強調するなど、しっかりと他社を意識した広告を企画することが重要です。

反響営業は成果につながりやすい営業手法

電話をしながら仕事する女性

(出典) pixta.jp

反響営業は問い合わせを受けてから営業活動を行う手法です。自動車業界や不動産業界など、高額な商材を扱う業界で活用されています。

反響営業を成功させるためには、ターゲットを明確にした企画と、問い合わせへの適切な対応が重要です。勤務先が取り入れた場合に備えて、反響営業への理解を深めておきましょう。