バイトで「クビ」になりそうなときの対処法。主な原因や予兆も紹介

バイト先で上司から冷遇されていたり、仕事の量や勤務時間が大幅に減ったりしている場合、最終的に勤務先をクビ(解雇)になってしまう可能性はゼロではないでしょう。バイトをクビになる原因や予兆、クビになりそうな場合の対処法などを解説します。

バイト先でクビを言い渡されたら?

頭を下げる女性

(出典) pixta.jp

バイト先から突然クビを言い渡されたら、どうすればよいのでしょうか?何の予告もなく解雇される可能性は低いですが、さまざまな原因により、最終的にクビになってしまう可能性はゼロではありません。まずは、クビを宣告された場合の対処法を確認しましょう。

クビにされる理由を確認する

クビを言い渡された場合、まずは解雇になる理由をしっかり確認する必要があります。理由が不明なまま、解雇を承諾しないように注意しましょう。

内容によっては不当解雇に該当する可能性もあるので、どういった理由で解雇を通告してきたのか明らかにすることが大事です。

アルバイトでも正社員でも、事業主が従業員をクビにするのはそう容易ではありません。解雇を宣告してきた上司や管理者などが根拠を明らかにしない場合は、人事部門や本社などに確認するようにしましょう。アルバイトの立場でも、解雇理由証明書の請求が可能です。

参考:労働契約の終了に関するルール|厚生労働省

就業規則を必ずチェックしよう

クビになる理由を確認したら、バイト先の就業規則をチェックします。原則として、事業主がアルバイトを解雇する場合には、正当な理由がなくてはいけません。就業規則に記載されている解雇事由に相当するならば、解雇の正当性は認められるでしょう。

しかし、常識の範囲内で仕事をしていたにもかかわらず、規則に書かれていない理由でクビを言い渡された場合には、不当解雇となる可能性があります。解雇の理由にある程度は納得できる場合であっても、就業規則違反に該当しているか必ず確認しましょう。

不当解雇の可能性がある場合

もし就業規則に照らして不当解雇の可能性がある場合、まずは解雇に納得がいかない旨と、仕事を続けたい意思を管理者にしっかりと伝えましょう。

その上で、解雇の撤回を求めます。クビを言い渡された原因を解消・改善できることを示せば、解雇を避けられる場合もあるでしょう。

それでも話し合いがまとまらない場合、不当解雇の証拠を収集して、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどに相談します。

相談の際には、タイムカードの記録など不当解雇を示す証拠と、勤務先が発行する解雇通知書・解雇理由証明書を持参すると、スムーズに話を進められます。

参考:解雇に関する相談|長野労働局

バイトをクビになってしまう原因

謝罪する女性

(出典) pixta.jp

バイトをクビになってしまう原因はさまざまですが、代表的な理由として、以下のものが挙げられます。いずれも、事業主側に正当な理由ありと認められる可能性が高いので、アルバイト側は注意しなければいけません。

勤務態度に問題がある

勤務態度が悪く、上司や周りの指示を聞かないといった場合、懲戒解雇の対象になる可能性があります。特に、無断遅刻や欠勤が多い場合、解雇の理由とされるケースが多いので注意しましょう。

一度のミスで解雇されるケースはまずありませんが、何度注意を受けても改善されない場合、最終的にクビになる恐れがあります。就業規則にも、業務命令に違反している場合、解雇の対象となる旨が記載されている企業がほとんどです。

法律に触れる行為をしている

勤務先のお金を横領したり物品を盗んだりするなど、法に触れる行為をしている場合は、当然ながら解雇対象となります。正当な解雇事由であるだけでなく、さらに賠償請求をされるケースも出てくるでしょう。

勤務中の違法行為はもちろん、プライベートでの犯罪でも、勤め先の営業に悪影響を及ぼす場合は、懲戒解雇を含む処分の対象となる可能性があります。

業務に支障が出る行為を繰り返している

直ちに違法とは見なされなくても、勤め先で業務妨害行為を繰り返している場合、解雇の原因となります。

勤務中に他のアルバイトや社員の仕事を妨害する行為に加えて、近年ではSNSに勤務先の評判を落とすような発言や動画をアップするといった行為も、増えている状況です。

勤務中に妨害行為に及ばなくても、軽い気持ちでSNSに文章や動画などを公開し、後から問題になるケースもあります。実際に、SNSへの投稿がきっかけで、勤め先から懲戒処分を受けた例もあるのです。

勤務先の営業不振

アルバイト側の問題ではなく、勤務先の営業不振により、従業員を解雇せざるを得なくなるケースもあります。一定の要件を満たせば、事業主は経済的な理由により従業員の解雇が可能です。

毎年数多くの事業主が廃業に追い込まれており、そこで働いていた従業員が解雇されている実態があります。

また、従業員を解雇しないまま事業が破綻してしまい、結果的に従業員が新しい勤め先を探さなければならない事態になる場合も、決して少なくありません。

バイトをクビになる予兆やフラグは?

パソコンに疲れた女性

(出典) pixta.jp

必ずしも解雇につながるとは限らないものの、クビになる予兆とされるものがあります。いくつか代表的なものを確認しましょう。予兆が分かっていれば、解雇されないための対策も可能になります。

何の指導も受けられなくなる

仕事でミスをしても、上司や管理者から指導や注意もされなくなったり、仕事自体を任されなくなったりした場合、将来的に解雇を言い渡される恐れがあります。

指導しても無駄だと思われている可能性があるので、仕事を通じて評価を挽回できるように努めましょう。

以前に何度も注意を受けていたにもかかわらず、仕事の進め方や態度を改めなかった場合、上記のように正当な解雇事由となります。

自分に非がある場合は素直に反省し、真面目に仕事に取り組むことが大事です。上司や管理者に再評価してもらえれば、長くアルバイトを続けられるでしょう。

周囲から避けられる・冷遇される

管理者や同僚から避けられるようになったり、冷たく接せられるようになったりした場合、人間関係上の問題から解雇につながる可能性もあるでしょう。勤め先での人間関係は仕事の生産性にも影響するので、日頃から意識的に周囲とコミュニケーションを取ることが大事です。

ただし、自分に原因がなくても、人間関係上の問題やトラブルが発生するケースもあるでしょう。

日頃の勤務姿勢や態度に問題がないにもかかわらず、上司や管理者から冷遇されている場合、パワハラに該当する可能性もあります。企業の人事部門に報告したり、労働基準監督署に相談したりすることも検討しましょう。

もし、自分に非がないにもかかわらず、最終的にクビを言い渡された場合は、不当解雇に該当する可能性があります。

シフトや仕事時間を減らされる

露骨にシフトを減らされたり、本来の業務終了時間よりも早く仕事が終わったりする場合、勤め先の業績悪化により、解雇されてしまう可能性もあります。

本来、就業する際の契約により週の労働時間が決められているので、勤め先が一方的にシフトを減らすことはできません。

しかし業績が悪化し、アルバイトに給料を払う余裕がなくなってきた場合には、シフトや勤務時間を減らされるケースが考えられます。最終的に解雇(整理解雇)される場合もあるでしょう。

クビが避けられない場合は?

スマホを操作する女性

(出典) pixta.jp

仕事の態度や姿勢を改めたり、人間関係の改善を図ったりしても、クビが避けられそうにない場合も考えられます。また、勤め先の業績が悪化しており、廃業になりそうだったり、整理解雇が進められたりする恐れがある場合は、早めに次のアルバイト先を探すことが大事です。

次の仕事を探しておく

クビが避けられなさそうな場合には、早めに次の仕事を探しておきましょう。仕事がなくなると無収入になってしまうので、クビがほぼ決まっているならば、早いうちに次のアルバイト先を見つけておく必要があります。

勤め先の業績悪化により解雇になる恐れがある場合は、より安定した勤め先を探すとよいでしょう。

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クビが決まったらすべきこと

相談する男性

(出典) pixta.jp

実際に勤め先のクビが決まってしまったら、以下の対応が必要です。解雇に当たって手当の支給を請求できる場合もあるので、忘れずに手続きをしましょう。

解雇予告手当の請求

事業主は従業員を解雇する場合、30日前までに解雇の予告が必要です。突然解雇を通告された場合は、勤め先に対して解雇予告手当の支給を請求できるので、覚えておきましょう。

ただし、アルバイト側の責任によって解雇に至った場合、解雇予告手当は請求できないので注意が必要です。

また、働いた日までの給料も確実に請求することが大事です。解雇に至った理由に関わらず、実際に働いた分の給料に関しては、誰でも勤め先に請求する正当な権利があります。

参考:労働契約の終了に関するルール|厚生労働省

失業給付が受給できるか確認する

アルバイトでも雇用保険に加入していれば、解雇された後に失業手当を受給できる可能性があります。解雇されそうならば、事前に雇用保険の加入状況と受給条件をチェックしておきましょう。

退職日以前の2年間において、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある場合、失業手当を受けられます。

失業手当を受けられる場合は、ハローワークで求職の申し込みをして、受給手続きを進めましょう。詳しい手続きの内容は、申請後7日間の待期期間の後に雇用保険受給説明会に出席し、失業認定を受ければ受給できます。

なお、実際に給付を受けられるまでには時間がかかるので、ある程度は経済的な余裕を持っておくことが大事です。

参考:Q20 会社を自己都合により退職した場合、給付制限があると聞いたが給付制限とはなんでしょうか。|厚生労働省

まずはクビにならないように努力しよう

働く女性

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バイトの勤め先で解雇を言い渡された場合、まずは理由を確認して、就業規則をチェックしましょう。不当解雇の場合、専門機関に相談すれば撤回される可能性もあります。

不当解雇の疑いがある場合は、きちんと対応しなければいけませんが、まずは解雇に至らないように、仕事に励むことが大事です。

勤め先の業績が傾いてしまった場合は別ですが、真面目に仕事をしている限り、基本的に解雇される事態にはなりません。クビになる主な原因を知っておき、勤務先に解雇が妥当と判断されないように努めましょう。