人材会社で働きたい!4つのビジネス形態と必要とされるスキルを解説

人材会社とは、ニーズに合う人材を求める企業とスキルを生かして働きたい求職者をつなげる会社です。形態は主に4つに大別され、それぞれ異なるビジネスモデルで運営されています。人材会社で働きたい人に向け、仕事内容や必要のスキルを紹介します。

人材会社とは

パソコンで作業をする女性

(出典) pixta.jp

働き方の多様化により、人材業界の市場は拡大中です。多種多様な人材会社がありますが、そもそも「人材会社」とはどのような会社なのでしょうか?

人と企業をつなげる仕事

人材会社とは、求人を出している企業と求職者を結び付ける会社です。主な種類には「人材派遣」「人材紹介」「求人広告」「人材コンサルティング」があり、それぞれ業務形態は異なります。

人材会社が行っているのはいわゆる「斡旋」「職業紹介」で、新しいビジネスモデルではありません。日本では労働力の需要が高まった江戸時代に職業紹介事業が登場し、とても繁盛したといわれています。

終身雇用が当たり前ではなくなった昨今、人材の流動性は高まっています。企業は「よりよい人材」を、求職者は「よりよい職場」を求める傾向があり、両者をマッチングする人材会社の存在感は強まっているのが現状です。

人材会社の4つのビジネスモデルと仕事内容

打ち合わせをする男女

(出典) pixta.jp

人材会社には、4つのビジネスモデルがあります。それぞれの概要と仕事内容を見ていきましょう。

企業と人材を結ぶ「人材派遣」

人材派遣は、企業が求める条件にマッチする人を「派遣社員」として斡旋するビジネスモデルです。

人材派遣の特徴は、派遣社員と派遣会社の間で労働契約が結ばれる点です。派遣社員は派遣先企業で業務に就きますが、賃金は派遣会社から支払われます。保険関係も派遣先ではなく、派遣会社で加入するのが一般的です。

人材派遣会社での主な仕事は、派遣登録した派遣社員と派遣先企業との仲介役です。スタッフとして働けば、双方への連絡・調整はもちろん、派遣先企業のヒアリング、派遣社員のケアなどを行うこととなります。

求職者と企業のマッチング「人材紹介」

人材紹介は、求人を出している企業と自社に登録済みの求職者とをマッチングするビジネスモデルです。

人材紹介によって求職者が職を得た場合、求職者が労働契約を結ぶのは紹介先の企業です。入社後は一般社員と同等になり、給料の支払いや保険関係の手続きは紹介先の企業側で行われます。

人材紹介会社の仕事は、「アドバイザー」として企業や登録者に付き、求職者やクライアントのマッチングを行うことです。社員は企業側または登録者側のどちらかを担当するのが一般的ですが、両者を同時に担当するケースもあります。

陰から支える「求人広告」

求人広告は、企業の求人情報を発信するWeb広告やWebサイト・雑誌・フリーペーパーなどを作成・展開するビジネスモデルです。

求人広告会社を利用することで、企業は「応募者の母数を増やしやすくなる」、求職者は「求人企業や募集職種を把握しやすくなる」などのメリットがあります。

求人広告会社は、求人企業から要望を受けて求人広告を作成します。求められるのは、企業ニーズや市場のトレンドにマッチした、訴求力の高い広告です。広告会社が直接求人に関わるわけではないものの、企業の有益な採用活動をサポートすることとなります。

主に企業に提案「人材コンサルティング」

人材コンサルティングは、人材関連の事項に関して問題・課題を抱える企業に対し、コンサルティングを行うビジネスモデルです。専任のコンサルタントが企業に付き、報酬としてコンサルティング料を受け取ります。

人材コンサルティング会社の仕事は、企業の人事戦略や評価制度などについて多角的にリサーチ・ヒアリングを行い、理想的な人事業務制度の構築を支援することです。企業が抱える人材関連の課題を解決し、従業員エンゲージメントの向上や採用力アップにつなげます。

就業のために必須のスキルはありませんが、「社会保険労務士」や「キャリアコンサルタント」の資格があると有利です。

求められる能力

握手をするビジネスマン

(出典) pixta.jp

人材会社は、あらゆるシーンで人と深く関わるのが特徴です。就業したい場合、どのような能力が求められるのでしょうか?

コミュニケーション能力

人材業界は、人と関わるのが仕事といっても過言ではありません。誰とでも円滑な関係を築けるコミュニケーション能力は必須です。

特に人材紹介会社や人材派遣会社では、複数の求職者や派遣登録者を担当することとなります。業務をスムーズにこなすには、初対面の人やタイプの異なる人とでも、臆せず話せることが重要です。

また人材広告や人材コンサルティングでは、クライアントとの密なやり取りが求められます。相手の悩み・課題を引き出すヒアリングスキルや課題解決につながる提案力がある人は、高く評価される傾向です。

情報収集能力があり、好奇心旺盛

あらゆる業種・職種の人とつながる人材業界では、業界理解・企業理解が必須です。情報収集が得意なこと・研究熱心なことが求められます。

人材派遣や人材紹介に携わる場合、派遣先や紹介先の情報は積極的に求めていかなければなりません。情報収集能力が高いほど、企業や派遣スタッフ・求職者が満足できるマッチングを実現できます。

また人材広告や人材コンサルティングも、クライアントは多種多様です。未知の業界にも積極的に飛び込んでいける好奇心旺盛な人は、業界理解や企業理解も早くなります。クライアントの期待に応える成果を上げやすくなるはずです。

営業・プレゼンテーションスキル

人材派遣や人材紹介会社は、派遣先企業や紹介先企業の確保が必須です。社員には、高い営業力が求められます。

また人材業界では、クライアントに有益な提案を行えるプレゼンテーションスキルも必須です。

現在人材会社は数多くあり、クライアント側の選択肢は豊富です。「自社の派遣の何がすばらしいか」「自社ならどのように課題を解決できるか」などをロジカルに伝えられる人は、仕事を得やすくなります。

特に営業職や人材コンサルティングを目指す人は、プレゼンテーション力が高いほど有利です。

人材業界で働く魅力

笑顔の男女社員

(出典) pixta.jp

人材業界は「働きがい」があるとして人気が高まっています。人材業界の魅力を見ていきましょう。

人の人生の節目に関われる

派遣や人材紹介業の魅力は、派遣スタッフや求職者のキャリア構築をサポートできることにあります。誰かの人生の節目に関わる経験は、そうできるものではありません。

人材会社で働けば、求職者のサポートが日常です。親身になって助言していれば、両者の間に信頼関係や絆ができます。サポートした人に就業先が見つかったときは、自分のことのようにうれしく感じるでしょう。

自分が斡旋した派遣先・紹介先でスタッフや求職者が生き生きと働いていれば、仕事をしていてよかったと思えます。

広い人脈を得られる

人材業界で働けば、さまざまな業種・職種の人とつながりやすくなります。よい人材を欲する企業・広告を打ちたい企業・コンサルティングを受けたい企業は、業種・職種を問わず数多く存在するためです。

広い人脈を得られれば、さまざまな業界の専門知識を身に付けられます。経験を積むうちに、人材派遣・紹介も有利に進めやすくなるでしょう。

また、自身の価値観や視野を広げる上でも有益です。仕事を通じて、人生そのものが豊かになります。

自身の成長にもつながる

人材業界で働けば、コミュニケーション能力や営業力・プレゼンテーションスキルが総合的に鍛えられます。どの人材会社で働くにせよ、クライアントや求職者とのやり取りは常に発生するためです。

さまざまなクライアントや求職者と向き合っていれば、人を見る目も養われます。営業を重ねれば提案力や傾聴力も上がり、ビジネスに必要なスキル全般を底上げできるはずです。

ビジネススキルの向上は、仕事の成果となってストレートに表れます。マッチングの確度が上がったり広告やコンサルティングの精度が上がったりすれば、自身の成長を如実に実感できるでしょう。

人材業界の大変なところ

考え事をする女性

(出典) pixta.jp

人材業界への転職を考えるとき注意したいのは、「景気に影響されやすい」「営業職にはノルマがある」などです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

社会情勢の影響を受けやすい

景気が後退して企業の採用が減れば、人材会社の取引量も減少します。一方で景気がよくなれば求人が増え、クライアントも増えるでしょう。人材業界は景気の影響を受けやすく、安定性に欠ける一面があります。

とはいえ不景気の中でも、業績を上げる企業は少なくありません。不景気だからこそ優秀な社員を雇いたいと考える企業もあり、不景気でも売上を伸ばす人材会社はあります。

中でも優秀なデジタル人材と呼ばれる人は、多くの企業が欲している状態です。人材業界に転職する際は、会社が得意とする分野や景気との連動性・企業としての将来性に注目してみましょう。

営業職にはノルマあり

人材会社は、派遣先や紹介先がないと仕事になりません。会社にもよりますが、営業職には厳しいノルマが課せられる傾向です。ノルマ未達の場合は、残業や休日出勤をしてカバーする人も見られます。

また人材会社の営業は、新規クライアントの開拓のほか、派遣人数を増やしてもらうようアプローチするのも仕事です。新規クライアント・既存クライアントと渡り歩く必要があり、精神的・肉体的負担が大きくなります。

人材会社に転職する際のポイント

履歴書をチェックする男性

(出典) pixta.jp

人材会社に転職する際は、スキルの把握やアピール力の高い志望動機が必要です。清潔感を厳しくチェックする企業もあるため、面接時の身だしなみにも配慮しましょう。

転職で注意したいポイントをご紹介します。

職種ごとに求められるスキルを把握しておく

求められる人材は、転職先のビジネスモデルによって異なります。募集職種を確認して、どのようなスキル・資質が求められるのかを把握しましょう。

  • 派遣コーディネーター(人材派遣):ヒアリング力・交渉力
  • キャリアアドバイザー(人材紹介):ヒアリング力・分析力・交渉力
  • 広告営業(人材広告):表現力・プランニングスキル
  • 人材コンサルタント(人材コンサルティング):提案力・洞察力・マネジメントスキル

上記は一例です。自身のスキルや資質と照らし合わせ、アピールできる部分を見つけましょう。

自分の強みを生かした志望動機を

希望の人材会社に転職するには、志望動機を作り込むことも大切です。

まずは企業研究を徹底し、どのような人物が求められているかを把握します。自己分析も同時に行い、強みも見つけなければなりません。

アピール力が高いと思われる経験やスキル・実績があれば前面に出し、「この会社で働きたい」という気持ちを強く伝えましょう。

 

【例文1】未経験者の志望動機

私は、企業と求職者をつなぐ架け橋となりたいと考えます。理想を実現できる人材コンサルタントの仕事に魅力を感じ、貴社に応募いたしました。貴社は幅広い業種・職種を手掛けられており、実績も豊富です。貴社でなら、求職者のニーズに合ったキャリア形成を適切にサポートできると考えます。

現職では、携帯ショップでスマホなどを販売しています。お客様に寄り添った販売により、○年○月から現在まで、販売成績が3位以下に落ちたことはありません。現職で培ったコミュニケーションスキルや顧客対応スキル・ヒアリング力を生かして、貴社に貢献したいと考えています。

 

【例文2】経験者の志望動機

私はマッチング精度の高い派遣コーディネーターとして活躍したく、貴社に応募いたしました。貴社は少数精鋭のチーム制を組んでおられます。求職者への対応が細かく、クライアントとのマッチ度が高い点がすばらしいと感じました。自分もチームの一員となり、求職者をしっかりサポートしたいと考えます。

現職では、文房具会社の採用業務を担当しています。新卒から中途採用まで一通りの採用活動は経験しており、採用経験は豊富です。現職で培った経験により、クライアントと求職者双方に有益な提案ができると確信しています。

 

経験者も未経験者も、応募先企業を徹底的に研究し、業務内容に沿ったアピールを行うことが大切です。

業界柄、身だしなみは特に重要

人材会社は、人と接することの多い業界です。幅広い年代・職種・業種の人とやり取りするため、第一印象でマイナスとなる人は採用されにくくなります。面接では、清潔感を重視した身だしなみを心掛けましょう。

見た人に好印象を与えるポイントは、服にシワ・シミ・汚れなどがないことです。靴やカバンもしっかりと手入れして、細かい部分にも配慮します。髪型は男女共に表情がよく分かるよう、すっきりとまとめるのがおすすめです。

人材会社に入れば、クライアント企業に出向くことも少なくありません。会社が自信を持って「うちの社員です」といえる人が、採用されやすくなります。

仕事内容を把握して希望に合った会社へ転職しよう

面接官の女性

(出典) pixta.jp

人材会社は、人と企業とを結び付けるのが仕事です。人材派遣・人材紹介・人材広告・人材コンサルティングの4種類に大別され、それぞれ求められる資質やスキルは異なります。

まずは希望の職種の求人傾向を知り、どのようにアプローチすべきかを考えましょう。

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