図書館で働くには?仕事内容や働きながら資格を取得する方法を紹介

本や静かな環境が好きなら、図書館での仕事は最適です。図書館で働く際に、図書館司書の資格は必ず必要なのでしょうか?図書館の仕事内容・資格取得の方法や、図書館で働くメリットについて解説します。

図書館で働くには?

図書館職員の女性

(出典) pixta.jp

図書館の種類は「公立図書館」「私立・専門図書館」「大学図書館」「学校図書館」の4つに大きく分けられます。図書館での働き方には、資格が必要なケースと不要なケースがあることを押さえておきましょう。

正規職員として働くには司書資格が必要

図書館で正規職員として働く場合、一般的には図書館司書の資格が必要となります。図書館司書は、図書館法で定められた国家資格であり、図書館で専門的な仕事をするには司書資格が必須です。

特に、都道府県や市町村が運営する公共の図書館で専門的な仕事に従事するためには、司書資格を持っていなければなりません。

司書資格は、司書講習の受講や大学・短大での単位履修により取得できます。また、公共の図書館で正規職員になるには、各自治体の採用試験に合格する必要があります。

参考:
図書館法 | e-Gov法令検索
司書について|文部科学省

バイト・契約社員としてなら資格なしでも働ける

図書館でバイトや契約社員として働く場合は、司書資格を持っていなくても応募することが可能です。実際に、非正規雇用では司書資格を持たずに働いていることも多くあるようです。

図書館のサービスの中には、資格がなくてもできる仕事があります。バイト・契約社員として採用される場合は、資格なしでも携われる業務を中心に働くことになるでしょう。

ただし、大学や学校の図書館で働く場合は、契約社員や臨時職員であっても資格を求められるケースがあります。求人ごとに資格が必要かどうか確かめることが重要です。

図書館の仕事内容

図書館の窓口

(出典) pixta.jp

図書館で働く人が行う主な仕事の内容を紹介します。実際に携わる業務は、資格の有無や施設により異なるため、あくまでも参考程度に見ておきましょう。

接客を伴うカウンター業務

図書館では本の貸出を行っているため、受付カウンターで利用者の登録や、本の予約・貸出・返却の受付をする必要があります。カウンター業務は接客を伴う仕事です。

利用者からの問い合わせにも対応しなければなりません。本を探している人からの問い合わせが多くなることから、職場の蔵書に関する幅広い知識を得ておく必要もあります。

返却されていない延滞本の返却催促も受付カウンターの仕事です。人と接する機会が多く、クレームにも対応しなければならないため、接客をするのが苦手な人には向かないかもしれません。

本の整理整頓をする

図書館の仕事には、返却された本を元の本棚に戻す「配架」の業務や、並べ方が間違っている本を整理して正しい順番に並べ替える「書架整理」の業務もあります。

本の並び方は日本十進分類法により決まっているため、専門知識が必要です。図書館で新たに購入した本も登録し、日本十進分類法に従って並べる必要があります。

配架と書架整理の業務は、利用者・職員にとっても非常に重要な業務です。利用者が本を探す際も、すぐに見付けられるよう配慮され、職員も目的の本をすぐに探せないと、他の業務に支障を与えかねません。

図書館に行く機会があるときは、本の並び方にも注目してみるとよいでしょう。

参考:日本十進分類法(NDC)区分表|岡山県立図書館

定期的に蔵書点検をする

図書館では、年に1回程度の頻度で蔵書点検を行います。施設を休みにした上で職員総出で行うのが一般的です。

蔵書点検では、登録データと実際の書籍が合っているか、1冊ずつ照合していきます。膨大な量の蔵書に対応しなければならないため、集中力や体力も求められる仕事です。

日本十進分類法により正しい位置に並べられているか、古い書籍や破損している書籍はないかといった点も、蔵書点検の際にチェックします。

蔵書点検時には、館内や本棚の清掃も同時に行うのが一般的です。一般の利用者が蔵書点検を見る機会はほとんどないため、このような仕事もあると覚えておきましょう。

本に触れる機会を増やすイベントの企画・運営

図書館では、本に触れる機会を増やすさまざまなイベントが実施されています。イベントの企画や運営を行うのも、図書館で働く人の重要な仕事です。

図書館で実施されるイベントには、子どもへの読み聞かせや、大人を対象にした講演会などがあります。イベントのターゲットや内容を考えなければならないため、企画力・発想力・計画力のある人は重宝されるでしょう。

イベントに関するポスターやチラシも図書館で作成します。企画を行うのが好きな人や、販促物の作成経験がある人は、イベントが多い図書館の求人を探してみるのもおすすめです。

働きながら図書館司書資格を取得する方法

講習を受ける様子

(出典) pixta.jp

図書館で働くのに資格は必須ではありませんが、図書館司書の資格を持っておけば、選考で有利になります。働きながら資格を取得する方法を見ていきましょう。

司書講習を修了する

大学・短大・高等専門学校を卒業している場合、司書講習を修了すると司書資格を取得できます。司書講習とは、おおむね7~9月に特定の大学で実施される集中講習のことです。

2023年の司書講習は、聖徳大学・明治大学・愛知学院大学・桃山学院大学・別府大学の5大学で実施される予定です。受講申し込み後に選考が行われるため、必ず司書講習を受けられるとは限りません。

司書講習を受講するためには、まとまった時間の確保が必要になることもポイントです。朝から夕方まで講義があるため、働きながら講習を受けるのが難しい人も多いでしょう。

参考:令和5年度司書及び司書補の講習実施大学一覧

司書補として3年以上勤務する

働きながら司書資格を取得するには、司書補として3年以上勤務する方法もあります。司書補とは司書の補佐業務を行う仕事です。

司書補講習を修了し、司書補として3年以上図書館で勤務した後、司書講習を修了すれば司書になれます。2023年の司書補講習を受けられるのは、聖徳大学・愛知学院大学・桃山学院大学の3大学です。

司書補講習は中学・高校の卒業者や高等専門学校第3学年の修了者が受けられます。司書講習より期間は短いものの、まとまった時間の確保は必要です。

参考:令和5年度司書及び司書補の講習実施大学一覧

図書館で働くメリット

図書館のイメージ

(出典) pixta.jp

図書館で働けば、多くの本に出合えるため、本が好きな人は楽しく仕事に取り組めるでしょう。静かで落ち着いた雰囲気の中で働きたい人にも向いているといえます。

たくさんの本に出合える

図書館で働くメリット・やりがいの1つとしては、たくさんの本に出合えることが挙げられます。多くの本を扱うため、仕事を通して本に対する知識も深められるでしょう。

自分が普段読まない本にも触れられることから、読む本のジャンルも広がります。今まで興味がなかったジャンルが好きになるかもしれません。

一般的な本屋には置いていない貴重な古書や、大型の図鑑などにも図書館では接する機会があります。本に囲まれた環境で仕事ができるため、本が好きな人は大きなやりがいを感じられるでしょう。

快適な環境で働ける

静かで落ち着いた雰囲気の中で働けることも、図書館のスタッフになるメリットです。受付カウンターで接客する際も、元気な受け答えではなく、落ち着いた対応が求められます。

うるさい場所が苦手な人も、図書館ならストレスをためずに働けるでしょう。配架や書架整理の業務も、静かな環境の中で集中して進められます。

また、図書館は基本的に空調が整っているため、夏・冬と季節を選ばず働きやすい点も魅力です。より快適な環境で働きたい人には、図書館のスタッフになることを検討してみましょう。

資格がなくても図書館で働く道はある

図書館で働く女性

(出典) pixta.jp

図書館で正規職員として働くためには、一般的に司書の資格が必要です。ただし、バイトや契約社員としてなら資格がなくても働けることが多いため、まずは気になる求人の条件を確認してみましょう。

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