トリマーとは、どのような仕事なのでしょうか?職種の基本的な概要や、就職先ごとの仕事の流れを紹介します。また、トリマーを目指すための一般的な進路と、必要とされる資格についても確認しましょう。併せて、トリマーに求められやすい適性も紹介します。
この記事のポイント
- トリマーとは?
- トリマーは主に犬・猫などのペットの手入れ全般を行う仕事です。
- トリマーになるための進路や方法
- トリマーになるには、学校で学ぶ以外に講座で資格取得を目指す方法や、アルバイトで実務経験を積む方法があります。
- トリマーに必要な資格
- トリマーに必須資格はありませんが、民間資格を持っている方が転職・就職に有利です。
トリマーとは?
「トリマー」は、飼い主の大切なペットと触れ合える職種です。まずは、基本的な仕事内容や年収について確認しましょう。
主に犬・猫の手入れ全般を担う仕事
トリマーは、主にペットである犬・猫の被毛をカットし、シャンプーや爪切りなどの手入れを行う仕事です。犬・猫の被毛をカットする作業は、トリミングと呼ばれます。
特に長毛種の犬や猫は、定期的なトリミングが必要です。飼い主がブラッシングや簡単なカットを行うこともありますが、トリマーは専門的な技術を生かしてペットの身だしなみを美しく整えます。
トリマーは「グルーマー」と呼ばれることもありますが、日本ではトリマーという呼び方が一般的です。
年収は約394万円
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、トリマーの年収は394万3,000円です。
同じように動物に関わるペットショップ店員は361万円、動物看護は317万円となっています。動物に関わる仕事の中でも、トリマーはある程度安定した収入を得られる職種といえそうです。
ペットのトリミングや基本的なケアには、専門的な技術が求められます。カットの技術やセンスが認められれば、いずれ開業してステップアップを目指すこともできるでしょう。
出典:トリマー - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:ペットショップ店員 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:動物看護 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
主な就職先と仕事の流れ
トリマーとして働く場合、ペットサロン・ペットショップ・動物病院などの就職先があります。それぞれの特徴や、具体的な仕事の流れを確認しましょう。
ペットサロンやペットショップ
トリマーは、ペットのトリミングサロンやペットショップ内のトリミングルームで働きます。
ペットサロンで働く場合、訪れる飼い主・ペットの対応が中心です。希望を聞き出し、トリミングや身だしなみの手入れを行います。
ペットショップでは、トリミングルームでの施術に加えて、ペットの販売や関連商品のおすすめなども仕事の1つです。
ペットショップ内にトリミングルームが設けられているかは店舗によって異なるため、トリマーとして働きたい場合は条件をよく確認しましょう。
動物病院
動物病院でも、トリマーが必要とされます。基本的には動物看護が中心ですが、皮膚疾患による被毛のカットや日常の手入れが欠かせない患者もいるため、トリマーも求められているのです。
あくまでも病院で働くため、ペットサロンやペットショップと異なり、昼休憩が長いなどの特徴があります。
また、トリミングの施術以外に、預かっている犬の散歩や入院中のペットの世話も行うことになるでしょう。動物看護とトリマーの技術・知識を生かしたいときに、向いている就職先といえます。
トリマーになるための進路や方法
トリマーになるには、どのような進路があるのでしょうか?技術を身に付ける方法や、トリマーになるまでの一般的な流れを解説します。
専門学校や大学で学ぶ
トリマーに必要とされる技術・知識は、専門学校や大学で学べます。進路を検討している場合は、トリマーを目指せる学校を探しましょう。
トリマーを養成する専門学校、もしくは大学の動物トータルケア学科や動物医療コースなど、専門的な学部・コースへの進学が一般的です。
専門学校や専門的な大学で学ぶと、トリマーの民間資格や実践的な技術を身に付けられるため、卒業後の就職先も見つけやすいでしょう。
スクールや通信講座でスキルを身に付ける
養成スクールや通信講座でも、トリマーに必要な知識を身に付けて資格取得が可能です。学生のうちは一般学科に通いたい人や、社会人になってからトリマーを目指す人は検討しましょう。
専門学校や大学とは異なり、ある程度短期間で資格を取得できます。取得できる資格は施設によって異なるため、自分が身に付けたい技術・知識と見合っているか確認しましょう。
例えば、通信講座や独学で取得できる資格には、「トリマーペットスタイリスト資格」「ペットトリミングアドバイザー」などがあります。
実技試験が含まれる資格には、一般社団法人 日本ペット技能検定協会が実施する「トリマーライセンス」があり、その取得を目指す「トリマープロフェッショナル講座」もおすすめです。通信講座といっても、試験内容・難易度は資格によって異なるようです。
出典:トリマーペットスタイリスト資格 | 日本能力開発推進協会 (JADP)
出典:ペットトリミングアドバイザー®資格認定試験(トリマー資格) | 日本生活環境支援協会【JLESA】
出典:トリマー – 一般社団法人 日本ペット技能検定協会
出典:トリマープロフェッショナル講座|通信教育講座で資格なら「ヒューマンアカデミー通信講座(旧たのまな)」
アルバイトで実務経験を積む
プロのトリマーの助手として、アルバイトで経験を積む方法もあります。アルバイトで働く場合、資格がなくても雇ってもらえる可能性が高く、就業の難易度は低いでしょう。
最初からカットやシャンプーを任せてもらえるとは限りませんが、サポート役としてプロの技術を身近で学べるチャンスです。
もし、アルバイトからステップアップしたいと考えるのであれば、アルバイトをしながら資格取得を目指すことをおすすめします。
トリマーのアルバイト求人を探すときは、仕事・求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を活用してみましょう。
トリマーに必要な資格
トリマーになるには、どのような資格が求められるのでしょうか?持っておくと役立つ資格や、目指す上で必須の資格はあるのか確認しましょう。
必須資格はない
トリマーになる上で、必須となる資格は特にありません。技術・知識があれば、働くことができます。
しかし、必須の資格が設けられていないからといって、誰でもプロのトリマーとしてすぐに採用されるとは限りません。実績や実務経験がない場合は、資格を取得した方が転職・就職活動がスムーズです。
飼い主の大切なペットを扱う仕事でもあり、資格を持っている方が信頼を得られるため、就業にも有利でしょう。
主な民間資格と特徴
トリマーの主な民間資格には、以下のようなものがあります。
例えば、一般社団法人 ジャパンケネルクラブが実施する「JKC公認トリマー資格」は、団体が認定する養成施設で学ぶか、独学で試験に合格することで取得が可能です。
年齢が満18歳以上であり、独学で試験を受ける場合はジャパンケネルクラブの本会員歴が2年以上であることも要件になります。
また、一般社団法人 全国動物専門学校協会が実施する「トリマー検定」「サロントリマー検定」は、団体が認定する養成施設で、定められている時間数の授業を受けることで受検できる検定です。
そのほか、在宅で取得できる資格もあり、難易度や受験資格の内容は主催する団体によって大きく異なります。また、独立開業の際は「動物取扱責任者」の設置が義務付けられています。
出典:トリマーについて | 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ
出典:検定情報|一般社団法人全国動物専門学校協会
出典:動物取扱責任者について|第一種動物取扱業|東京都動物愛護相談センター
トリマーの適性がある人とは
トリマーという職種は、どのような人に適性があるのでしょうか?最後に、適性がある人の特徴や理由を紹介します。トリマーを目指す上で、必要になる資質を確認しておきましょう。
動物好きでコミュニケーション能力が高い
トリマーは、ペットと触れ合うだけでなく、飼い主ともコミュニケーションを取る仕事です。動物好きで、コミュニケーションも得意な人は適性が高いでしょう。
コミュニケーション能力が高いと、飼い主の希望を適切に聞き取り、求める施術を行いやすくなります。ペットの状態もしっかりヒアリングできるため、扱い方もよく分かるでしょう。
トリマーは、さまざまなペットと触れ合う機会が多くなります。ペットの気性や性質を問わず、個体に合わせたコミュニケーションを取る必要もあるでしょう。
美的感覚が鋭く手先が器用
トリマーの主な仕事は、被毛のカットを中心とする「トリミング」です。外見を美しく整える「ペットの美容師」のような役割のため、美的感覚や手先の器用さが求められます。
カット次第でペットのイメージは大きく変わるため、飼い主が求めるようにカットを施す技術が必要です。加えて、ペットに負担をかけないためにも、手早くきれいに施術を進めなければなりません。
美的センスに優れ、丁寧で器用な人は、トリマーの適性が高いといえるでしょう。
トリマーはペットのケアを担当する仕事
トリマーは、犬・猫などのペットに「トリミング」を施す職種です。ペットショップで働く場合は、ペット・ペット用品の販売なども行います。
トリマーを目指す場合は、学校や講座などで資格取得を目指す方法が一般的です。必須資格はないため、アルバイトなどで実務経験を積む方法もあります。
これからトリマーを目指すのであれば、資格取得を検討した上で、転職・就職活動を進めるとよいでしょう。求人を探すときは、仕事・求人情報一括検索サイト「スタンバイ」をぜひ活用してください。