コンサルタントの志望動機はどう書く?基本の内容を例文とともに紹介

コンサルティングファームの選考を突破するには、コンサルタントの仕事に求められるスキルをアピールすることが大切です。志望動機を仕上げるにあたり、自分を効果的にアピールできる内容を意識しましょう。基本の書き方やポイントを詳しく紹介します。

コンサルタントの志望動機を書く前の準備

コンサルタントの男性

(出典) pixta.jp

応募書類に志望動機を記す際には、事前に準備を整え、効果的な内容を作成することが大切です。事前準備において大切なポイントを2つ見ていきましょう。

応募先で担当する仕事内容を正確に理解する

一言でコンサルタントといっても、活躍する分野や仕事内容はさまざまです。具体的には、以下のような仕事に従事します。

  • 経営戦略の策定や新たなビジネスの創出をサポートする
  • IT技術の活用を推進し、システム導入をサポートする
  • さまざまな分野を横断し総合的にサポートする

コンサルティングファームによって、取引先も異なります。上場企業・大手企業をメインの対象にする会社もあれば、中小企業・ベンチャー企業を相手にする会社もあるでしょう。

応募先のコンサルティングファームが得意としている分野や主な顧客をよく考え、志望動機に落とし込むことが大切です。

これまでの経験と培ったスキルを可視化する

コンサルティング業務では、これまでの経験・スキルを生かすことが求められます。クライアントが抱える経営課題の解決にコミットするのが主な仕事のため、課題解決に携わった経験は生かしやすいでしょう。

まずは、これまでの経験・スキルを可視化します。続いて、転職先のビジネススタイルを精査し、どのようなスキルが求められているのかを考えます。

このように分析する中で、転職先が求める経験・スキルと、自分のキャリアが重なっている部分を見つけ、積極的にアピールするのがおすすめです。

志望動機に盛り込みたい要素

志望動機を記入する

(出典) pixta.jp

応募書類に志望動機を記述するにあたり、応募先にアピールしたい要素を過不足なく盛り込むことが求められます。ここでは、忘れずに盛り込みたい4つの要素を確認しましょう。

志望動機を書くときや見直す際には、抜けている部分がないか確認することが大切です。

コンサルタントを目指す理由

自分がなぜコンサルタントを目指したいと思っているのかを明確にし、志望動機を通じて応募先に伝えましょう。ここで意識するのは、「自分のキャリアを実現するためには、コンサルタントへの転職が適していること」を明確に伝える点です。

コンサルタントの仕事は、クライアントが抱える経営面の課題を解決するためのサポートを提供することです。自社の課題を解決することや、新たなビジネスを創出することではありません。

この点を勘違いした状態で志望動機を書くと、「コンサルタントの仕事についてきちんと理解していない」と判断される可能性があるため注意しましょう。

数ある企業から応募先に魅力を感じた理由

コンサルティングファームと事業会社のどちらを目指すにしても、なぜ応募先に魅力を感じたのかを明確にすることが大切です。

世の中には数多くの企業があるため、採用担当者は本当に自社に入社したいと思っているのか、自社で意欲的に活躍してくれるのか知りたいと思っています。

そのため、自分のキャリアプランを実現するには、その応募先でなければならない点を明確に示しましょう。応募先が得意としている分野と、自分の経験・スキルの共通点を絡めて説明できると、説得力がより高まります。

入社後に実現したいキャリアプラン

志望動機を通じて、入社後のキャリアプランを伝えることも大切です。単に入社したいという意思を伝えるだけでなく、どのように活躍して応募先に貢献したいかを伝えることで、より魅力的な志望動機に仕上がります。

「経験を積んで、より規模が大きな上場企業のコンサルティングに携われるようになりたい」「M&Aの経験を積んで、後継者不足に悩んでいる企業の事業承継をサポートしたい」などと、明確に示せるとよいでしょう。

志望動機を補強するエピソード

自分の経験やスキル、キャリアプランを補強できるエピソードを盛り込むと、より効果的です。

例えば、「CRM・SFA・MAの導入および連携を推進し、チーム間で連携しやすい環境を構築したことで、顧客を綿密にサポートできるようになり、売上が対前年比+30%になった」など、具体的に書けるとアピール材料として有効でしょう。

これまでのキャリアを通じてどのような経験をしてきたのか、転職市場で高く評価される経験は何なのかを考えるのがおすすめです。

志望動機を通じてアピールしたいスキル

考え事をする男性

(出典) pixta.jp

コンサルタントには、経営をサポートする専門家として、さまざまなスキルが求められます。転職市場で特に重要とされる3つのスキルを確認しましょう。

解決策の立案に必要「ロジカルシンキング」

何らかの物事・現象を原因と結果に分け、それぞれの関係性を考慮しながら要素同士を結び付けていく考え方が、ロジカルシンキングです。

企業が抱えている経営課題の背後には、何らかの原因が隠れています。原因は1つとは限らず、まったく関係ないと思われていた要素が裏で関連しているケースもあります。

そのため、クライアントが抱えている課題についてヒアリングしたら、情報を詳しく分析して、原因を洗い出す作業が必要です。

その上で何が原因となっているのか、どのように対処すれば解決できるのかを考えます。要素同士の論理的なつながりを考えて解決策に結び付けるスキルは、コンサルタントとして活躍するために欠かせません。

新たな発見に欠かせない「ラテラルシンキング」

既存の枠組みではクライアントの経営課題を解決できず、新しい発想が求められるケースもあります。その際に求められるのが、ラテラルシンキングです。

ラテラルシンキングは、既存の仕組み・慣習の中で形成された固定観念といった枠組みにとらわれず、柔軟に思考を広げていく考え方を指します。

コンサルタントが扱う経営課題の中には、どのようにすれば解決できるのか、すぐには見えてこないものも多々あります。

そのような課題を解決するには、「予想もしなかったところに解決策があるかもしれない」という前提に立ち、柔軟に考えることが大切です。

提案に必要な「コミュニケーションスキル」

経営課題に対する解決策と効果的な取り組みを発見したとしても、クライアントに取り組んでもらわなければ効果はありません。

取り組みを促すには、説得力のある仕方で「解決策が有効であること」「取り組むことで解決につながる可能性が高いこと」を示す必要があります。

そのため、コンサルタント側には十分なコミュニケーションスキルが求められます。同じ内容を伝えるにしても、伝え方・話し方によって相手が受ける印象は異なってくるものです。

コンサルタントには考案した解決策を、説得力のある仕方でクライアントに伝えることが求められます。

志望動機を書く上でのチェックポイント

履歴書をチェックする男性

(出典) pixta.jp

応募書類に志望動機を書くときは、何を書くかだけでなく、どのように書くかも重要です。伝わりやすい志望動機を書くために、意識したい2つのポイントを紹介します。

「PREP法」を意識して文章を設計する

ビジネス文書を書くときには、伝わりやすくするために「PREP法」を意識するのが基本で、志望動機も例外ではありません。PREP法とは、伝えたいことを以下の順番で並べる論述手法です。

  • Point:結論
  • Reason:理由
  • Example:例
  • Point:結論

冒頭で結論を明示し、続く部分で理由とそれを裏付けるエピソードに言及します。最後に再び結論を伝えることで、大切な点を強調しつつ、伝えたいことを明確にできるのがメリットです。

志望動機では、結論として「応募先に入社したいと思っていること」を明確に示し、続く部分で入社したい理由や生かせるスキル、エピソードを伝えていきます。

適切なボリュームにまとめる

どのような文章でも、適切なボリュームにまとめることは、読みやすさを確保する上で欠かせません。職務経歴書・レジュメに志望動機を書く場合には、基本的に250~300文字程度にまとめるとよいでしょう。

ただし、志望動機を書くための書類を事前に渡されている場合は、書類の記入枠に合わせてボリュームを調整します。おおよその文字数が指定されている場合も、指示に従いましょう。

書き上がったら、冗長すぎて読みにくくなっていないか、短すぎて大切な部分が抜けていないかといった点をチェックするのも大切です。

コンサルタントの志望動機の例文を紹介

コンサルタントのイメージ

(出典) pixta.jp

コンサルティングファームに応募する場合を想定した、志望動機の例文を紹介します。どのように書けばよいか分からず悩んでいる人は、参考にしてみましょう。

効果的な志望動機の例文

私は、多くの中小企業が抱えている事業継続性に関連する課題を、解決するためのサポートを提供したいと思い、貴社を志望いたしました。

貴社は、中小企業に対するM&A関連のサポートを得意としています。中小企業では後継者不足を含めて、事業の継続性を維持できないという課題を抱えているところが多く、解決策の1つとしてM&Aに注目が集まっています。

私は金融機関で、M&Aを検討している企業への融資やアドバイスを担当し、これまでに100社以上をサポートしてきました。この経験を生かし、貴社でより多くの中小企業の事業継続をサポートし、市場活性化に貢献したいと考えております。

上記の例文では、最初に志望動機を明確に示した後、応募したコンサルティングファームの得意分野と自分の経験を絡めて記述しています。

「後継者不足による、事業の継続性に関する問題を抱えている中小企業が多い」ことにも言及し、市場のニーズにマッチしたサービスを提供できることを示せているのも、好印象といえるでしょう。

コンサルティングファームの採用担当者は、「この応募者を採用したら、どのように貢献してくれるのか」を明確にイメージできます。

NGな志望動機の例文と改善点

私は、経営がうまくいかず困っている企業に対して、解決策を提示することで売上アップを目指したいと思い、この度貴社の求人に応募いたしました。

これまでベンチャー企業でCFOとして働き、資金調達・財務戦略の策定を担当してきました。この経験を生かし、主に財務面の課題を抱えている企業に対して、適切な解決策を提示できればと考えています。

「経営がうまくいかず困っている企業に対して、解決策を提示することで売上アップを目指したい」という志望動機は、コンサルティングファームを志望する理由としては弱いといえます。事業会社で経営層として働く場合にも生かせるスキルのためです。

志望動機を書く際は、応募先のコンサルティングファームが得意としている分野が何かを考え、その分野でどのように貢献できるかを明示する必要があります。

財務面のサポートといっても、融資が受けられるように支援したり出資を募ったりするなど、具体的な解決策は多種多様です。コンサルティングファームがどの方法を得意としているのかを知れば、志望動機を応募先に合ったものに修正できます。

効果的な志望動機でコンサルタントへの道を

コンサルタントの女性

(出典) pixta.jp

コンサルタントの選考が控えている人は、応募先コンサルティングファームの得意分野において、自分の経験・スキルをどのように生かせるかという点にフォーカスし、志望動機を書くことが大切です。

自分がどのように応募先に貢献できるかを示せれば、採用担当者の納得を得られ、選考を突破する可能性を高められるでしょう。

もし、志望動機を書く中で応募先とのミスマッチが判明したのであれば、自分に合った企業を探し直すことが大切です。

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