クライアントの課題解決をサポートするコンサルタントは、業界・業種を問わず活躍しています。実力次第で高収入を得られるので、目指している人も多いでしょう。コンサルタントに求められるスキルや、おすすめの資格などを紹介します。
コンサルタントに必要なスキル
コンサルタントに求められるスキルは、論理的思考力や交渉力、コミュニケーション能力など多岐にわたります。代表的なスキルを確認しましょう。
課題解決に導く「論理的思考力」
クライアントが抱える課題を解決するには、さまざまな情報を論理的に分析する能力が必須です。
論理的思考力は、基本的なビジネススキルとして広く知られていますが、コンサルタントには特に求められる能力です。大手のコンサルティングファーム(コンサルティングを提供している会社)などでは、入社試験で問われるケースも多々あります。
クライアントに解決策を提示する際も、説得力とともに分かりやすく伝えるために、論理的思考力が欠かせません。コンサルタントしての仕事以外に、自らの業務効率化・生産性向上のためにも必要です。
成果を上げるための「交渉力」
クライアントを満足させる解決策を見つける上では、さまざまな人と交渉しなければいけません。交渉を重ねて問題解決につながる提案をするために、相手を納得させるプレゼンテーション能力も求められます。
クライアントの経営者は、限られた時間でコンサルタントの話を聞き、経営課題の解決を図る必要があります。短時間で効果的なプレゼンテーションができるか否かで、コンサルタントとしての評価が決まるといっても過言ではありません。
相手から信頼を得る「コミュニケーション能力」
クライアントの要望を正確に聞き取るヒアリング力や、情報を分かりやすく伝える力など、コンサルタントにはコミュニケーション能力も欠かせません。
相手の置かれた状況や立場、ビジネス環境などをヒアリングし、本質的な問題・課題を抽出した上で、解決策を提示するのがコンサルタントの仕事です。
クライアント自身が問題を正しく認識していないケースも多いため、良質なコミュニケーションの中で改善すべき点を洗い出し、クライアントを納得させる力が求められます。
さまざまなタイプの相手と関係を築く必要があるので、忍耐強くアプローチを続ける姿勢も重要です。
海外スタッフとのやりとりに必須「語学力」
プロジェクトには外国人スタッフが参加するケースも多く、スムーズなコミュニケーションを図るには、英語をはじめとした語学力も必要です。
特に外資系のコンサルティングファームに所属して、海外企業が関わる案件を担当する場合には、英語力は必須といえるでしょう。多くのコンサルタントが実務で語学力が必要と強く感じており、積極的に語学力を身に付けています。
ただし、ファームごとにカバーしている業務領域は異なり、関わるプロジェクトによって語学力の要否は異なります。コンサルタントとして就職・転職を目指す際には、応募先でどの程度の語学力が必要とされるのか、事前に確認しておきましょう。
コンサルタントに役立つ実務経験
コンサルタントとして転職する際に役立つ経験には、プロジェクト管理の経験や、転職希望先のファームが関わる分野の業務などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
戦略やプロジェクト管理などの経験
コンサルタントとしての経験はもちろん、事業戦略・企画立案・プロジェクト管理などの経験も、コンサルタントの業務に役立ちます。
すでにコンサルタントとしての実務経験が豊富な人は、別のコンサルティングファームに転職する際にも有利になります。
また、データ分析を通じて問題・課題の解決につなげる仕事なので、データ分析の経験が豊富な人も、コンサルタントとして活躍できる可能性が高いでしょう。
どういった経験・スキルが求められるかはファームによって異なるので、自分の強みを生かせる転職先を探すことが大切です。
ファームが担当する分野の業務経験
特定分野の専門知識があれば、その分野を扱うファームで重宝される可能性があります。
コンサルタントの関わる分野は多岐にわたり、業界によって求められる知識・技能が異なるため、自分の実績を生かせる分野に絞り込んで、転職先を探すのもおすすめです。
たとえコンサルタントとしての経験がなかったとしても、その分野の知識が豊富で、問題解決に役立つ知見を提供できるのであれば、採用される可能性があります。
新しい分野への進出を考えている会社ならば、当該分野の専門家を募集しているケースもあるでしょう。
コンサルタントのスキルを磨くには?
コンサルタントとしてのスキルを磨くには、どうすればよいのでしょうか?論理的思考力・コミュニケーション能力など基本的な要素を磨くのに加えて、以下のポイントも意識しましょう。
複数の手法を使えるようになる
コンサルタントとして課題解決にあたる際には、さまざまな思考法・フレームワークが役立ちます。うまく活用することで、解決の糸口が見つかる場合もあるので、代表的なものを知っておきましょう。
- 3C分析:Customer(市場・顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)の3つの観点から、市場環境を分析する手法
- 4P分析:Product(商品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販売促進)の4つの視点から、マーケティングを考えるフレームワーク
- SWOT分析:自社を取り巻く外部環境と内部環境を、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの要素から分析する手法
ほかにも、さまざまな思考法・フレームワークがあります。興味のある人は、自分なりに調べてみるとよいでしょう。
幅広い分野の知識を深める
自分の得意分野だけでなく、さまざまな分野の知識を持っていることで、専門外の新しいプロジェクトにも対応できるようになります。
例えば、システム開発に関わる知識・スキルなどを獲得すれば、エンジニアの関わるIT分野の仕事にも携われるようになるでしょう。
さらに、データサイエンスに関する技能を積極的に身に付けることで、データ分析に強いコンサルタントとして重宝される可能性があります。
コンサルタントに求められる基本的なスキルや、自分の強みを生かせる領域に加え、専門外の知識も貪欲に吸収すれば、仕事の幅が大きく広がるでしょう。
コンサルタントにおすすめの資格
コンサルタントにおすすめの資格としては、中小企業診断士や公認会計士などが挙げられます。それぞれの特徴を紹介するので、スキルアップのために取得を目指してみるのもよいでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための資格です。中小企業のクライアントの課題解決に役立ち、資格保持者はコンサルタントとして活動しているケースも少なくありません。
クライアントのビジネス環境の分析を踏まえて、成長に必要な要素をアドバイスするのが主な業務とされますが、それ以外にもさまざまな活動をしている診断士が数多くいます。
他の資格に比べて取得難易度は高めですが、コンサルタントとしての力を示す上でも役立つので、取得を検討してもよいでしょう。
公認会計士
公認会計士は、企業の財務情報を監査する会計の専門家です。会計分野を得意とするファームもあるので、資格を取得しておけば、転職活動が有利になるでしょう。
また、会計実務が分かっているコンサルタントならば、クライアントの視点に立って実践的なサポートができます。特に財務分析や企業価値評価などの分野で、専門的なアドバイスが可能です。
弁護士などと並んで取得が難しい資格として有名ですが、仕事の幅が大きく広がるのに加えて、コンサルタントとして独立する際にも役立つでしょう。
スキルを磨いてコンサルタントとして活躍しよう
一口にコンサルタントといっても、活躍の分野は幅広く、業界によって必要な知識・スキルは異なります。
しかし、論理的思考力・コミュニケーション能力などは共通して求められるので、これからコンサルタントを目指す人は、まずは基本的な能力を重点的に身に付けましょう。
また、自分の経験や実績、培ってきたスキルなどを生かせる業界のコンサルタントを目指すのがおすすめです。
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