コンサルタントを目指すには、仕事に必要なスキルや能力を理解することが大切です。この記事では、コンサルティングをする上で身に付けておきたい基本的なスキルや能力を8つ紹介します。自己研さんの方法も、併せて見ていきましょう。
この記事のポイント
- コンサルタントに必要な内面的なスキル・能力
- コンサルタントには論理的思考力や精神的な強さなど、幅広いスキル・能力が必要です。
- コンサルタントに必要な対外的なスキル・能力
- プレゼンテーション能力や交渉力など、コミュニケーションに関わるスキルが多く求められます。
- コンサルタントがスキル・能力を高める方法
- スキルや能力を高めるには専門分野に関する知識を深め、思考法やコミュニケーションスキルなどを磨くのが効果的です。
コンサルタントに必要なスキル・能力8選
コンサルタントに必要なスキルや能力には、さまざまなものがあります。扱うテーマや業界によっても何が求められるかは異なりますが、ここでは代表的なものを見ていきましょう。
課題解決に導く「論理的思考力」
提案内容に説得力を持たせるには、結論に至った根拠を提示することが大切です。論理的思考力(ロジカルシンキング)は、クライアントが抱える課題を解決するために、なくてはならないものだといえます。
クライアントの信頼を得るだけでなく、業務効率化や生産性向上にも役立つ能力です。さまざまな仕事で必要とされますが、コンサルタントの仕事では特に重要視されます。
入社の段階で、どの程度の論理的思考力を持ち合わせているかを、テストするコンサルティングファームも少なくありません。
膨大な情報を整理する「調査力・分析能力」
コンサルタントは、課題解決に何が必要かを調査します。良い仕事をするには、現状の業務プロセスや課題を正確に把握し、分析する能力が必要です。
市場調査や商品戦略などでは、膨大な情報の中から必要なものを取捨選択しなければなりません。時には、現場スタッフへのインタビューやヒアリングをすることもあります。期日までに必要な情報や分析結果を得るには、素早く正確な対応が求められるでしょう。
また、多種多様な情報の収集・分析をするために、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールや、データベースシステムなどを的確に使いこなす力も必要になります。
相手から信頼を得る「コミュニケーションスキル」
コンサルティングに必要な情報を収集するため、あるいはクライアントの心に寄り添うために、コミュニケーションスキルは不可欠です。
コンサルタントは、クライアントが置かれている状況や立場、環境などを考慮しながら、何が課題となっているのかを発見し、解決策を提案します。
スムーズに仕事を進めるには、相手が本当に伝えたいことを聞き取るヒアリング力や、提案を分かりやすく伝える力などが求められます。
クライアントが認識していない課題を見つけるには、丁寧に対話をしていかなければなりません。さまざまなタイプの相手と接するので、臨機応変に対応する力や忍耐強さも必要になるでしょう。
成果を上げるための「交渉力」
コンサルティング業務では、交渉力を発揮しなければならない場面が多くあります。例えば、案件を獲得するための営業活動や課題解決策を実行するには、現場やクライアント企業との交渉が欠かせません。
交渉とは、違う立場にある双方が合意に達することを目的として、着地点を見つけるための話し合いをすることです。交渉力に優れている人は、相手の状況・立場などを考慮し、タイミングよく話し合いをします。
自分の意見だけを押し通すのではなく、クライアントにとってどのように有益なのかを辛抱強く伝えるように努め、お互いが「よかった」と思える結果に導くことが求められます。
分かりやすく伝える「プレゼンテーションスキル」
コンサルタントは、課題解決に必要なプロジェクトの目的や成果を、効果的にプレゼンテーションしなければなりません。どんなに良い提案であっても、その魅力が伝わらなければ台無しです。
仕事を進めるに当たって、課題や解決に効果的な方法を分かりやすく伝え、相手を納得させる必要があります。優れたコンサルタントは、聞き手が行動に移したいと思えるように伝えることが上手です。
プレゼンテーションを成功させるには、話の順番を考慮し、身振りなどの表現も用いて伝えます。視覚的な資料や核となるメッセージを準備し、心に響く伝え方をすることが大切です。
期日までに結果を出す「進捗管理能力」
コンサルタントの仕事は多岐にわたります。期日までに結果を出すには、時間管理能力が必要です。
自分自身はもちろん、プロジェクトメンバーのスケジュールに対しても責任があります。進捗管理に問題が生じたときは、何が原因でうまくいかないのかを探り、対処しなければなりません。
遅れが出そうな場合は、早い段階でクライアントと打ち合わせをして、折り合いを付ける役割も求められます。進捗管理能力が高い人は、計画通りに仕事を進められ、クライアントの信頼度・満足度を高められるでしょう。
期待に応える「精神的な強さ」
コンサルタントには、精神的な強さも必要です。企業からの期待が大きい分、厳しい要望を受けることもあるでしょう。
プレッシャーに負けないようにするには、打たれ強さが求められます。また、コンサルタントの仕事は相手のスケジュールに合わせるのが一般的です。
場合によっては、残業や休日出勤をして、調査や分析をしなければならないこともあります。精神面だけでなく、肉体面の疲労を回復させるような工夫も必要になるでしょう。
外資系企業では必須「語学力」
外資系企業では英語力が必須です。外国人スタッフと連携する機会が多いため、語学力の有無は重要視されます。
海外のコンサルティングファームとやりとりし、外国語の調査レポートなどを扱う機会がある場合も、語学力が足りないと苦労するでしょう。
論理的思考力やコミュニケーションスキルは、コンサルタントとして身に付けていて当然といえるものです。語学に精通していれば他者との差別化ができ、案件の幅を広げられる可能性があります。
コンサルタントのスキルを磨く方法3選
コンサルタントとして結果を出したい人は、スキルを磨くことが大切です。高いスキルを持っていれば、それだけクライアントから評価される可能性が高くなります。ここでは、日々の業務の中で実践できる方法を見ていきましょう。
特定の業界での専門知識を深める
コンサルタントの仕事は、戦略や人事、ITなどに特化したものから、製造・医療といった業種に特化したものまでさまざまです。
所属するコンサルティングファームの方針にもよりますが、うまく仕事をこなすには、自分の強みを生かせる専門領域を持っていることが大切です。
特定の業界で経験を積んでから、コンサルタントに転職するケースは珍しくありません。業界の事情や動向への理解が深い方が、より高度な情報分析や課題解決に効果的な方法を導き出せるでしょう。
複数の得意分野があれば、より幅広いプロジェクトに関われるため、さらに可能性が広がります。
さまざまな思考法を学び視野を広げる
さまざまな思考法やフレームワークを学ぶと、課題解決の糸口が見つかりやすくなります。1つの思考法だけでは、行き詰まる場合があります。
多様な視点から物事をとらえるには、「水平思考(ラテラルシンキング)」や「批判的思考(クリティカルシンキング)」など、複数の思考法を取り入れましょう。
水平思考は、固定観念・既成概念にとらわれずに物事を考える方法で、新しい発見や柔軟な発想に役立ちます。
批判的思考は、物事の本質を見極めるための思考法です。前提が正しいかどうかを疑い、これまでの見方とは違う部分に注目します。
これらの思考法と「3C分析」「SWOT分析」など、市場環境や企業の状況を分析する複数の手法を組み合わせれば、より効果的な解決策が見つかるでしょう。
コミュニケーションスキルのレベルアップ
コンサルタントの仕事において、コミュニケーションスキルが発揮される機会は少なくありません。例えば、クライアントから情報を引き出す際や実行プロセスなど、多くの場面で対話をしながら進めていきます。
コミュニケーションスキルを磨くためにも、日常的にトレーニングを実践していきましょう。日々の業務の中で、相手の反応を確認しながらどのように対応するかを考え、改良していくことでスキルを磨けます。
また、クライアントとの打ち合わせを想定したロールプレイングや、模擬ディスカッションも効果的な方法です。
同僚・上司などから自分のコミュニケーションスキルについて、客観的なアドバイスを得る方法もあります。自分では認識していなかった課題が分かり、より質の高いサービスを提供できるようになるでしょう。
コンサルタントに必要なスキル・能力を身に付けよう
コンサルタントは、企業の課題解決に貢献する仕事です。仕事量が多くプレッシャーも大きい職種ですが、うまくいけば企業に多くの利益をもたらし、感謝されるでしょう。
必要なスキルや能力を押さえ、高い評価を受けられれば、年収アップやキャリアアップも目指せます。コンサルタントとして成功するために足りないものを見いだし、スキルを磨く方法を実践してみましょう。
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