ジャーナリストになるには?向いている人や役立つスキルなども紹介

ジャーナリストは、報道機関(メディア)に情報を提供する職業です。世の中で起こるさまざまな出来事を取材し、記事などの形で広く発信します。未経験者がジャーナリストを目指すルートや身に付けておくべきスキル、キャリアパスを紹介します。

ジャーナリストになるには

ジャーナリズムのイメージ

(出典) pixta.jp

ジャーナリスト(記者)は、国内外で起こっている出来事を取材し、新聞社や報道関係者に報道の素材となる情報や記事を提供します。未経験者がジャーナリストを目指すには、どのような方法があるのでしょうか?

報道機関に就職する

一番の近道は、報道機関への就職です。報道機関とは、新聞社・放送局・出版社といった報道を目的とする機関で、一般的に「マスメディア」と呼ばれています。

記者・ディレクター・アナウンサー・レポーターとして入社した後、実務経験を積みながらジャーナリストに必要なスキルを磨いていきます。

ただし、報道機関への就職は難関で、入社できるのは志望者のうちごく一握りです。入社試験の難易度も高く、大卒以上の学歴が必要ともされています。ジャーナリズム学科やマスコミュニケーション学科で学んだ人は、就職・転職が有利に進むかもしれません。

なお、日本ではジャーナリストと記者は同種の職業として位置付けられています。厳密には、取材や調査の事実のみを報道するのが記者、独自の批評・見解を入れるのがジャーナリストです。

専門性を高められる職種に就く

報道機関に就職する道を選択しない人は、自分の専門性を確立し、その道のプロフェッショナルを目指しましょう。

ジャーナリストにはさまざまな種類があり、高い専門性を有している人ほど活躍できる機会は多くなります。以下は、ジャーナリストの種類の一例です。

  • 国際ジャーナリスト
  • 宗教ジャーナリスト
  • 戦争ジャーナリスト
  • 医療ジャーナリスト
  • 音楽ジャーナリスト
  • スポーツジャーナリスト

例えば、スポーツチームの監督やコーチの経験がある人が、ジャーナリストとしての素養を身に付ければ、スポーツジャーナリストとして活躍できる道が開けるでしょう。

フリージャーナリストとして活躍する

ジャーナリストは、報道機関に所属するジャーナリスト(企業内記者)と、報道機関に所属しないフリージャーナリストに大別されます。

フリージャーナリストは、報道機関から取材・執筆・出演の依頼を受けるのが一般的です。報道機関で多くの経験を積んだ人が多く、高い専門性と広い人脈がなければ、本業としてやっていくのは難しいでしょう。

報道機関に就職しない場合は、事前取材や資料集めを請け負う「データマン」という仕事からスタートし、フリーライターを目指します。専属契約のフリーライターとして一定のキャリアを積めば、ジャーナリストへの道が開ける可能性もあるでしょう。

ジャーナリストに向いている人

取材をする男性

(出典) pixta.jp

どの職業にも向き・不向きがあり、適職に就けば、自分の長所や強みを最大限に発揮できます。ジャーナリストに向いている人には、どのような特徴があるのでしょうか?

探究心がある

ジャーナリストを目指す上では、探究心が欠かせません。探究心とは、物事を納得いくまで深く掘り下げ、本質を見極めようとする能力です。

常に、「なぜ?」「どうして?」という知的好奇心を持ち、疑問点や納得できない点があれば徹底的に調べる姿勢が求められるでしょう。

時には、1つのテーマを何年にもわたって追い続けるケースもあるため、粘り強さや忍耐力も不可欠です。行き詰まってすぐに諦めてしまう人よりも、気になったことはとことん追求する人の方が、ジャーナリストとして成功しやすいといえます。

正義感や批判精神がある

国内外で起こっているさまざまな出来事を取材し、事実や真実を伝えるのがジャーナリストの使命です。

取材対象を追っているうちに、組織ぐるみの不正や犯罪行為が発覚するケースも多く、人一倍の正義感と不当な権力に屈しない強い意志が求められます。

そもそもジャーナリズム(報道)には、権力を持つ機関を監視する「権力チェック機能」があります。

もし、ジャーナリストが高い倫理観と批判精神を持ち合わせていなければ、権力チェック機能は失われてしまうでしょう。権力機関からの情報操作や誘導に乗らないためにも、自分たちの役割を常に意識しなければなりません。

体力がありフットワークが軽い

取材やインタビューは深夜や明け方になる場合も多く、生活は不規則になりがちです。国内外を飛び回って情報収集を行うため、体力に自信がある人やフットワークが軽い人が向いています。

紛争地や被災地を取材する場合は、常に命の危険と隣り合わせです。戦争ジャーナリストになる人は、体力はもちろん、恐怖やプレッシャーに負けない強靭な精神が必要でしょう。

取材期間が長期にわたるケースも多いため、健康面に重大な問題がなく、かつ自分の体調管理がしっかりできることが求められます。

ジャーナリストに必要なスキル

ペンとノート

(出典) pixta.jp

ジャーナリストに求められるスキルは数多くあります。中でも、「文章力」と「コミュニケーション能力」は必須で、これらがなければ、任務を遂行できないといってもよいでしょう。

文章力

ジャーナリストは、新聞やテレビ、ニュースサイト、雑誌、書籍などを通じて、自分が取材した事柄を世の中に広く伝えます。情報から記事を起こすには、一定レベルの文章力が欠かせません。

文章は、切り口や表現の仕方によって、読み手の受け取り方が大きく異なります。これから目指す人は、5W1Hをしっかりと盛り込んだ「誰が読んでも分かりやすい文章」を書く訓練をしましょう。

取材後の限られた時間の中で、膨大な文章を書かなければならないため、速く・正確に書く技術も身に付ける必要があります。

コミュニケーション能力

取材では、初対面の相手にインタビューをし、さまざまな情報を引き出す必要があります。人と話すのが苦手な人やコミュニケーションが得意でない人は、ジャーナリストの仕事がつらく感じるかもしれません。

コミュニケーション能力が高い人は、初対面の相手とも良好な信頼関係を築ける傾向があります。人的ネットワークが広がりやすく、他者が知り得ない特ダネをつかめる可能性が高いでしょう。

相手の話にしっかり耳を傾ける「傾聴力」と、自分の考えていることを的確に伝える「発信力」の両方を備える必要があります。

ジャーナリストのキャリアパス

ノートに書き込む女性

(出典) pixta.jp

キャリアの選択肢は、上位職に昇進するルートと、自分の専門性や経験を生かして他の職種に挑戦するルートに分かれます。どのようなキャリアパスがあるのかチェックしましょう。なお、ここではジャーナリストと記者を同一の職業として説明します。

新聞記者や放送記者の場合

新聞社に入社し新聞記者になった場合、地方支局で5~10年の経験を積んでから、本社勤務になります。本社で取材や執筆を経験した後は、記者職の上席である「キャップ」に昇進し、さらに記事編集や紙面構成を考える「デスク」、さらには支局長・編集委員・整理部記者・次部長(部長)などを目指します。

放送記者は、テレビ局の報道部門に所属する記者です。「キャップ」と呼ばれる記者のまとめ役にキャリアアップした後、管理職やニュースデスク、報道局の局次長などへと昇進していきます。

マネジメントが苦手な人の中には、フリーランスの記者や大学教授に転身する人もいます。専門分野があれば、ニュース番組で視聴者に解説を行うニュース解説員になるという道もあるでしょう。

ネット記者やフリーの場合

ネット記者とは、ネットメディアを中心に活躍する記者です。新聞記者や放送記者に比べるとまだ歴史は浅く、キャリアパスは人それぞれです。一般的なルートとしては、取材や執筆の経験を積んだ後、デスクや編集長へと昇進していきます。

報道機関に所属する企業内記者と違い、フリーランスには会社から示されるキャリアパスはなく、将来の方向性は自分で決定する必要があります。

多くの報道機関とコネクションを築き、ジャーナリストとして知名度を上げていく人もいれば、自分の専門分野に関する書籍を出版する人もいるでしょう。

真実を多くの人に伝えるジャーナリスト

取材をする女性

(出典) pixta.jp

ジャーナリストには、真実を多くの人に伝える使命があります。取材や報道を行う中では、批判や誹謗中傷、権力からの圧力もあり、強い正義感や反骨精神が求められるでしょう。

未経験者がジャーナリストになるには、報道機関への就職が一番の近道です。新聞社・放送局・出版社などに就職し、実務経験を積みましょう。ジャーナリストとして活躍できるかどうかは、本人の能力と努力次第です。

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