「ジェネラリスト」の意味は?向いている人の特徴・職種を紹介!

多くの場合、企業には「ジェネラリスト」が在籍しています。ジェネラリストとは、どのような人を指すのでしょうか?ビジネス用語としての意味や、スペシャリストとの違いを解説します。求められるスキルや、向いている人の特徴も見ていきましょう。

ジェネラリストとは?

ビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

ビジネスシーンでは、「ジェネラリスト」や「スペシャリスト」という言葉をよく耳にします。ジェネラリストは、どのような能力・役割を持つ人なのでしょうか?概要を紹介します。

幅広い知識を持つ万能家

ジェネラリストは、特定の仕事や役職を指す言葉ではありません。一般的な定義は、「広い範囲の知識を持つ万能型タイプの人」です。

ビジネスでは、企業の総合職や管理職、特定の職業において全般的な知識・技術を持つ人が該当します。具体的には、「企画・制作・営業など複数の業務を全てこなせる人」や、「専門職の部下を管理し指導ができる人」などが当てはまるでしょう。

英語の「Generalist」が語源となっており、日本で使われている意味と大きな違いはありません。幅広い知識を生かして、周囲との連携を取りながら仕事を進める点が特徴です。調整役や、管理者としての役割を果たすケースが多いでしょう。

スペシャリストとの違い

スペシャリストは、「専門家」の意味で使われています。特定の知識・技術に特化しており、現場の仕事を監督し、専門的な知識を生かして監修する役割を担う立場です。

ジェネラリストが「浅い知識を幅広く持つ人」であるのに対して、スペシャリストは「特定の分野に対する深い知識・技術を持つ人」を指します。

「職人」「シェフ」「研究者」「エンジニア」「医師」など、特定の知識や技術を極めやすい職業では、スペシャリストを目指しやすいでしょう。

ジェネラリストに必要とされるスキル

女性ビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

ジェネラリストになるには、さまざまな業務で役立つスキルが必要です。具体的には、どのような能力が求められるのでしょうか?身に付けておきたい能力・スキルを紹介します。

臨機応変・柔軟な対応力

ジェネラリストは、自分の知識・技術だけで仕事を進めるわけではありません。各分野のスペシャリストや、適切な人材に仕事を割り振るのが主な役割です。仕事の進捗状況を把握し、それぞれの人材が何を得意としているのか見極める力が求められます。

仕事の割り振りや指示を出すには、冷静さに加えて柔軟性も必要です。問題が起きたときには、その都度適切な解決方法を判断しなければなりません。

毎回同じトラブルばかりが発生するとは限らないため、臨機応変に対処する力も求められるでしょう。さまざまな問題に自信を持って対処するには、ジェネラリストの持つ幅広い知識が役立つはずです。

コミュニケーションスキル

ジェネラリストは、周囲の人たちと協力して仕事を進めます。スペシャリストや顧客、取引先の協力を得るには、コミュニケーションスキルが必要です。

人間関係を良好に保ち、多少のお願いを聞いてもらえるようになっていれば、円滑に作業が進みます。普段から周囲の人たちと触れ合い、信頼を得る努力は欠かせません。

人と話をすることが苦にならず、人に囲まれている状況に楽しみを感じられるのであれば、ジェネラリストに向いているといえるでしょう。

マネジメントスキル

ジェネラリストの多くは、組織や部署のまとめ役として活躍しています。部下を育成し、仕事を円滑に進めるにはマネジメントスキルが必要です。

問題・課題を見つけて目標を設定する役割も、ジェネラリストに求められています。プロジェクトの進行を管理する役割では、納期や進捗状況の管理も任せられるでしょう。

マネジメントには、さまざまなスキルが必要です。部下の育成に必要な知識や、スムーズに仕事を進めるための自己管理能力に加え、周囲の様子を見て的確に指示・調整を担当する気配りも欠かせないでしょう。

進んで学ぶ姿勢

ジェネラリストを目指すには、新たな知識を得ようとする姿勢を維持し、実際に学ぶ意欲を持たなければなりません。

自分に任された業務だけに取り組んでいても、学べる知識は限られてしまいます。チャンスがあれば積極的に勉強会・セミナーに参加し、業務外で資格取得の勉強をするなど、1種類の知識だけで満足しない気持ちを持ち続けるのが大切です。

積極的に学ぶ姿勢があれば、幅広い知識を身に付けるきっかけが生まれます。チャレンジする気持ちと、積極的に知識を吸収しようとするハングリーさを忘れないように心掛けましょう。

ジェネラリストに向いている人の特徴

打ち合わせ

(出典) pixta.jp

性格的な特徴や特性によって、ジェネラリストに向いているかどうかが分かります。主な特徴と、向いている理由を確認しましょう。

好奇心が旺盛

ジェネラリストとして活躍するには、広い分野に対して興味を持ち、知識・技術を身に付けなければなりません。好奇心が旺盛な人は、自然と興味の幅が広がり、多くのスキルが学べるでしょう。

専門分野とは別の知識・技術を学ぶには、新しい分野にチャレンジする熱意も求められます。好奇心のある人は、チャレンジ精神も旺盛です。

新しいものが好きで、さまざまな分野に興味を持てる人なら、苦にせず多くの知識を身に付けられるでしょう。キャリアを積むために、転職や資格取得が求められる場面も多く、持ち前の好奇心が役立ちます。

客観性がある人

ジェネラリストは、プロジェクト全体の把握や、部下に指示を出して適材適所にタスクを割り振る業務も担当します。自分自身の仕事だけでなく、客観性を持ち全体を見渡す能力も必要です。

論理的に考え、自分の思いだけでなく、全体の利益を重視して判断できるかがポイントとなるでしょう。

冷静になり、データ・数値を中心とした評価も下さなければなりません。誰か1人を重宝するのではなく、メンバー全員に公平に接することができるかも、向き不向きを判断する材料になります。

ジェネラリストはいらないといわれている?

男女のビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

ジェネラリストの持つ多くの知識や、周囲を見渡せる広い視野は、業種を問わず役立つものです。しかし、「ジェネラリストはいらない」といわれることもあります。なぜ不要論が出てくるのか、主な理由を確認しましょう。

突出したスキルが少ない

幅広い知識を持つものの、専門分野に特化していないジェネラリストは「何でもそこそこに対応できるオールラウンダー」のような位置付けです。

全ての業務に対応でき、平均点以上を取れる万能型である半面、突出した得意分野はありません。

専門知識・技術を磨いたスペシャリストが多い分野では、ジェネラリストの出番は少なくなります。「それなりに業務をこなせるだけの人員はいらない」という判断もあり得るでしょう。

ただし、ジェネラリストが全員専門スキルを持っていないわけではありません。広い範囲の知識を身に付けながら、特定の分野ではスペシャリストとして活躍できる程度の専門性を維持できれば、魅力的な人材として重宝されるでしょう。

適材適所であることが重要

ジェネラリストが活躍できる場面は、ある程度限られています。例えば、創業期の企業では、全ての業務に対応できる人材が重宝される傾向です。人数が少ないため、さまざまな業務を兼任するケースも多いでしょう。

管理職・マネージャーといった役職も、ジェネラリストが活躍できる分野です。ただし、1つの部署やプロジェクトに必要とされる管理者は少数で、常に多くの求人が見つかるわけではありません。

必要とされる場面は限られるものの、適切な場所に配置されれば力を発揮できるのが、ジェネラリストの特徴です。優秀な人や、管理職として力を発揮できるタイプの人は、「いらない」と言われることはないでしょう。

ジェネラリストに向いているポジション

握手をするビジネスマン

(出典) pixta.jp

ジェネラリストが活躍できるポジションは、幅広い見識とスキルが生かせる仕事です。向いている役割と、特徴を紹介します。

管理職

業種・職種を問わず、管理職にはジェネラリストが向いています。業務に必要な専門知識以外に、経営・マネジメントに必要なスキルが求められます。

管理職は、部下の動向や企業全体が目指す方向性も把握し、適切な指示を出さなければなりません。

主な管理職として、店長・部署のリーダー・複数店舗や支社をまとめるマネージャー・経営層などが挙げられます。ジェネラリストのスキルを生かすには、まず今の職場で昇進を目指すのが近道です。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、何らかのプロジェクトのまとめ役として働く役割です。製品開発に携わり、主にプロジェクトの進行を担当します。

仕事の進捗・チームの状況を把握し、業務の割り振りやコミュニケーションを取るのが主な仕事となるでしょう。マネジメントを中心とした仕事は、ジェネラリストに向いています。

製品開発の戦略を主に担当するプロダクトマネージャーも、似たような仕事です。マネージャー職の中でも、特に製品開発やマーケティング、アイデア出しなどを担当したい場合は、プロダクトマネージャーが向いています。

総務や人事などバックオフィスにも

コミュニケーションスキルや各種の調整が必要になるバックオフィス業務は、ジェネラリストが活躍できる仕事です。バックオフィスでは、社内・社外・顧客とのやりとりが多く、管理・調整に必要なスキルが十分に生かせます。

企業によっては、総務・人事などのバックオフィス業務は、さまざまな経験をしてきた総合職が担っています。企業全体の状況を知るために、営業や品質管理を学び、最終的に本社の総務部に配属されるようなケースです。

そのほか、事務系の総合職では幅広い事務の知識を学ぶため、数年ごとに異なる部署に配属されます。幅広い業務をスマートにこなせるジェネラリストなら、総合職として多くの知識を吸収し、バックオフィスでも活躍できるでしょう。

ジェネラリストを育成するには

研修を受ける社員

(出典) pixta.jp

企業では、管理職候補や柔軟に才能を発揮できる人材を確保するため、人材育成に力を入れています。ジェネラリストの育成は、どのようにして行われるのでしょうか?マルチな才能を持つ人材の育成に向いている、主な教育方法を紹介します。

素質を見いだすことがポイント

ジェネラリストには、幅広い知識・技術・広い視野など多くのスキルが必要です。人にはそれぞれ向き不向きがあり、全員がオールラウンダーになれるとは限りません。

育成をする前に、ジェネラリストに必要なスキルを持っているか、素質を判断することが大切です。元々何でもこなせるタイプであれば、育成によって優秀なジェネラリストに成長する可能性があります。

また、本人の意向も大切な要素です。本人が特定の専門知識を学びたいと考えているなら、希望をかなえる方がモチベーションを維持できます。

多くの分野に興味を持ち、さまざまな仕事を経験することに抵抗がない人は、ジェネラリストの素質があると考えられるでしょう。

定期的な研修

研修の機会を設けると、新しい分野にチャレンジしようと考える社員が増えます。定期的な研修で幅広い知識をキープし、衰えさせない効果もあるでしょう。

研修は、社内研修だけとは限りません。社外で新たな知識・技術を学ぶ機会をつくるのもよいでしょう。資格取得をサポートする制度や資格手当の導入も、ジェネラリストの育成におすすめの手段です。

積極的に研修・制度を推進していけば、ジェネラリストを育成しやすい土台ができます。必要になる知識・スキルを学べるよう、業務や人材に合わせた研修を準備しましょう。

実践形式の教育が向いている

ジェネラリストの育成には、実践形式が向いています。新人教育のようにいくつかの部署を訪れ、業務体験を交えて各部署の仕事内容・流れを学んでいく形が一般的です。

本格的に全ての仕事を身に付けるには、数年単位で各部署に配属され、知識・技術を学ぶことになるでしょう。ただし、一定の知識を身に付けたジェネラリストが異動を繰り返すと、現場ではスペシャリストが育たず、人材不足に陥る可能性があります。

長期間の実践教育が難しい場合は、人員が豊富な部署を選んで配属するか、短期間で教育を終えられるプログラムを作ることも検討しましょう。

ジェネラリストは学ぶ姿勢も重要なポイント

パソコンを前にする男性

(出典) pixta.jp

さまざまな知識を持つジェネラリストは、管理職・マネージャーといった仕事に向いています。幅広い業務を担当する、バックオフィス業務も適しているでしょう。

何でもこなせる才能・器用さがあれば、部下の管理や社員のサポートができる仕事を目指すのもおすすめです。幅広い知識・技術をキープし、さらに磨いていくためには、積極的に学ぶ意欲も求められます。

多方面の才能を生かす場に転職したいと考えているなら、求人サイトを活用しましょう。「スタンバイ」でも、ジェネラリストに適した求人を探せます。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら