仕事で成長すると昇進やスキルアップなど、目に見える結果につながります。成長とはどのような状態を指すのか、一般的な定義や種類を確認しましょう。成長できる人の特徴や共通する行動、反対に成長できない人の特徴についても紹介します。
そもそも仕事における成長とは?
仕事をしていく上で「自分が成長できているのか」は、気になるポイントです。どのような状態を「成長している」と呼ぶのか、定義やタイプを紹介します。
できることが増えていくこと
仕事の成長は、主に「新しいスキル・技術の獲得」「処理速度の向上」によって得られます。獲得したスキルや速度の向上に伴い、任される仕事は増えていくでしょう。
特に、仕事を始めて間もない頃は、任される仕事が少ない時期です。新たな仕事を任され、1人で対応できる仕事が増えていく状態は「成長」といえます。
ある程度同じ仕事を続けていくと、ほぼ全ての業務に対応できるようになるはずです。全般的な業務内容を理解し、全ての仕事ができるようになっても、成長は続きます。
処理速度を向上させ、より高度なスキルを獲得することで、昇進・昇格も可能です。役職が上がり、責任が増えていくのも「成長」といえるでしょう。
成長を実感できる瞬間
仕事の上で、成長を実感できるパターンはいくつかあります。最初のうちは、新しい仕事を覚えるだけでも成長を感じられるものです。
限られた時間の中で、対応できる業務量が増えたときも、技術の向上を実感できるでしょう。上司・先輩に認められ、優しい言葉をかけてもらえたときも、成長を実感できる瞬間です。
仕事を覚え経験を積むと、昇進・昇格によって自分の成長が形になる瞬間も訪れます。新たな資格・スキルを身に付けたときも、今までとは違う自分になったような感覚を得られるでしょう。
仕事における成長には3つのタイプがある
仕事において、「成長」の先にあるものは「将来の理想像」や「目標とする働き方」です。理想とする働き方には、主に3つのタイプがあります。
専門的な知識を生かす「スペシャリスト」、さまざまなスキルを備えた「ジェネラリスト」、指導力・マネジメント力を発揮する「リーダーシップタイプ」です。
特定の専門知識・技術を学び、特化型として成長したい人は、スペシャリストに向いています。全般的に業務をこなし、広い視野を持って周囲のサポートをしたい人はジェネラリストを目指すのが最適です。
役職を得て、部署のリーダー・管理職として活躍したい人は、リーダーシップタイプを目指すとよいでしょう。
仕事で成長できる人の特徴
仕事で成長し、昇進や高い評価を得られる人は、どのような特徴を持っているのでしょうか?共通する性質や、成長を目指すときに心掛けるポイントを紹介します。
自己肯定感が高くポジティブ
仕事で成長しようとすると、失敗もよくあります。ポジティブな人は、仕事での失敗を恐れません。できないことがあっても、チャレンジする精神を持っています。
高いレベルの仕事に挑み、失敗・挫折を恐れない精神は成長につながるでしょう。単にポジティブなだけでなく、自己肯定感が高い人は失敗しても前向きでいられます。
立ち直りも早く、新しい目標に立ち向かえるでしょう。仕事でのストレスもたまりにくく、アクティブに動けるところも魅力です。
基本的に素直な性格
仕事で成長するには、経験を積んだ上司・先輩を見習うのが近道です。指導や指示を素直に受け入れられる性格を持っていると、早く知識・技術を身に付けられます。
新しい業務に取り組むときや、指示の変更があっても、素直さがあれば柔軟に対応ができます。自分のやり方・考えに固執せず、スキルを伸ばしていけるでしょう。
資格取得の勉強や研修セミナーも、成長したいと素直に考える人なら積極的に参加できます。知識・技術を磨くチャンスを逃さず、自分の能力開花につなげられるでしょう。
主体的に動くことができる
自分から動こうとする人には、多くの仕事を学ぶチャンスがあります。仕事を見つけ、何をすればよいか分からないときに質問できる主体性は、成長に欠かせません。
人から指示されなくても動ける人は、評価される可能性も高くなります。昇進にもつながるでしょう。
責任のある仕事を任されたときには、誰かからの指示を待つだけではなく、ある程度自分の裁量で動かなければなりません。上司として、部下への指示や判断を下すには主体性が必要です。
仕事で成長できる人がしていること
成長できる人は、行動・考え方にも共通点があります。いったい、どのようなことをしているのでしょうか?主な例を紹介します。
短期・長期の目標を明確にしている
目標を設定すると、達成するための行動・指針が分かりやすくなります。成長できる人は、容易な短期目標と最終的な長期目標を明確にできている点が特徴です。
例えば、短期目標として挙げられるのは「〇〇の業務を1人で担当できるようになる」「〇時間以内に〇〇を終わらせる」など、比較的明確ですぐに達成できるものです。
対して、長期目標には将来なりたい自分や、目指す働き方などを設定します。最終的に目標とする姿に近づくにはどうすればよいか、中期の目標を組み合わせてもよいでしょう。
苦手なことから逃げない
基本的に、仕事での成長は苦手なことの克服によって成り立ちます。苦手なことから逃げず、努力して乗り越える気持ちこそ、成長につながる行動です。
成長できる人は、コツコツと毎日努力し、苦手なことを減らしていきます。たとえ苦手であっても続けていくうちに苦手意識が薄れ、できるようになるでしょう。
たとえできなかったとしても、努力は無駄になりません。別の仕事を目指すきっかけや、他の部分でカバーするやり方を身に付けるチャンスにもなります。最初から苦手だと避けずに、取り組むことが重要です。
定期的に運動をしている
運動は、ストレス解消や健康な肉体を維持するために必要な行動です。運動習慣は、成長を促すきっかけになります。
必ずしも、激しいスポーツとは限りません。毎日のウォーキングや定期的なストレッチなど、軽い運動も含まれます。
仕事の合間に軽い運動を挟むことで、気分転換や新しいアイデアを生み出すための時間が生まれるでしょう。根を詰めて仕事を続けるより、効率が上がる可能性もあります。
運動によって筋肉が鍛えられ、疲労を感じにくくなるのも魅力です。ちょっとした作業で疲れてしまう人よりも、対応できる仕事の量が増えるでしょう。
仕事で成長できない人の特徴は?
成長できない人の特徴を知っていると、自分が同じようになっていないか判断できます。成長を妨げるきっかけになりやすい行動・考え方について、確認しましょう。
他人を責めがち
仕事がうまくいかないとき、上司・同僚・顧客・取引先に問題があると自己完結すると、成長の機会が失われます。
他者を責める行為は、「自分は精いっぱいやっていてこれ以上努力できない」と言っているのと同じです。たとえ誰かに問題があったとしても、努力を放棄してしまうとそれ以上良い結果は生まれないでしょう。
指導や注意を受けても他人のせいにする人は、自分の悪い点を客観視できません。全てを自分のせいと思う必要はありませんが、自分にできることはないか立ち止まって考えることも大切です。
時間の使い方を間違えている
時間の使い方を理解できていないと、頑張っているつもりでも評価が低くなりがちです。他の人より成長に時間もかかります。
時間を効率的に使うには、周囲を見る力を養うのが近道です。今、誰がどのような仕事をしていて何を求めているのか、次に何が必要になるのか判断できれば、自分の行動に反映させられます。
周囲が効率良く動けるように順序立てて仕事を終わらせていくと、自然と全体の流れがスムーズになります。必要な仕事が早く回ってくるようになり、効率アップを目指せるでしょう。
環境上、対策を練るのが難しいケースを除いて、効率良く行動するよう心掛けることが大切です。自分が集中できる時間帯を把握して、仕事の振り分けを考えるだけでも、効率は良くなります。
慎重すぎる
仕事の成長には、チャレンジ精神や失敗を恐れず行動する能力も必要です。慎重すぎると、新しい挑戦や高いレベルの仕事を請け負う機会が、失われる可能性があります。
フットワークが軽い人の方が、成長の機会を得やすいでしょう。リスクを回避しようとするあまり、無難な判断をしてしまう傾向もあります。
しかし、慎重さは長所にもなる性質です。細かい確認が必要とされる作業や、スピードよりも正確性が求められる仕事では、活躍するきっかけにもなります。前に踏み出す機会を失わない程度に、元々の性質を生かしましょう。
成長できているか不安なときの対処法
自分が成長しているか判断できず、不安なときはどうすればよいのでしょうか?実感が得られない場合でも、自分が気付いていない可能性もあります。今後成長していくために、試してみたい対処法を確認しましょう。
周りの人と話してみる
自分が成長できているかは、形になる数値・昇進・評価がないと判断が難しいものです。自分の成長度合いを知るために、人と会話してみるのは有効な手段でしょう。
上司・先輩に相談したいと考えているなら、人事評価の場を活用すると自分が目指すべき方向性が分かってきます。成長できているか悩んでいることと、フィードバックを受けたいことを伝えれば、指針を答えてくれる上司もいるはずです。
フィードバック面談を設けている企業であれば、利用して「今後の課題」を見つけましょう。
社内で評価やフィードバックを受けるのが難しい場合は、同世代の友人・知人の話を参考にするのもおすすめです。会社が違うため単純に比較はできませんが、昇進の状況や具体的な仕事の話は、自分の現状を判断するのに役立ちます。
自分自身を振り返ってみる
これまでの仕事を振り返ると、自分が成長しているか判断できます。覚えた仕事や業務量の変化、責任のある仕事を任されるようになったかどうかなど、いくつかのポイントを確認していきましょう。
新しく覚えた仕事があり、同じ時間でできる業務の量が増えていれば、少しずつでも成長しています。責任のある仕事を任されたのであれば、上司に評価されている証拠です。たとえ同じ仕事の繰り返しであっても、変化したところはないか考えてみましょう。
成長しているか分からないときは、短期間で達成できる目標を立ててみるのもおすすめです。「〇〇の業務を〇分以内に終わらせる」「今日の確認ミスを0件にする」のように、成果が判断しやすく、1~2日で達成できるものであれば、達成感を得られるでしょう。
成長できる企業の見つけ方
社員が成長できるかどうかは、企業の体質や状況にも関係があります。就職・転職の際に成長できる企業を見つけるには、どのようなポイントを確認すればよいのでしょうか?見つけ方のコツを紹介します。
企業理念が明確
仕事をする上で求められる「成長」とは、一般的に「企業が求める人材を目指してスキル・技術を身に付けること」です。
求めている人材や必要なスキル・技術が不明確では、目指すべき方向性が分かりません。企業理念が明確な企業にはモデルとなる理想像があり、方向性が定めやすいでしょう。
企業全体が明確な目標に向かって動いていると、上司の指示や数値目標もはっきりしています。成長できる企業かどうか判断するためには、従業員が理念を理解し、守っているかを見極めましょう。
企業理念をチェックし、トップの言動や事業の方向性と一致しているか確認すると、判断しやすくなります。
成長している産業か
業界や取り扱っているサービス・商品が成長していると、企業にも活気があります。活気のある企業は、入社した社員にチャンスを与え、新しいチャレンジを積極的に打ち出す余力があると考えられるでしょう。
今後期待できる産業や商品を取り扱う企業を選ぶと、自分自身の成長にもつながります。同じ企業で働き続ける場合は、収入や労働環境を維持でき、スキルアップにお金・時間をかけることも可能です。
キャリアアップのために転職を考えるケースでも、業界に活気があると条件の良い求人が見つかる可能性が高いでしょう。
慣習にとらわれない
「成長」という観点で見た場合、企業の姿勢を確認するのも大切です。これまでの慣習だけにとらわれている企業は、新しい提案の受け入れや事業展開に消極的であるケースもあります。
大きな成長を遂げるには、新しい発想が欠かせません。今までにない発想で新しい技術・事業を生み出せれば、企業の発展につながります。
昔ながらの慣習が悪いわけではありませんが、若いうちに成長し昇進を目指す人や、積極的に新しいアイデアを生み出したい人にとっては、常識を重視する企業より慣習にとらわれない企業がおすすめです。
成長を実感するには積極的な行動が重要
仕事で成長するには、新しい学びを得るためにチャレンジする気持ちが必要です。積極的に動き、自分のスキルを向上させる意識を持ちましょう。
キャリアアップや異業種へのチャレンジを考えている場合は、求人サイトを活用するのがおすすめです。「スタンバイ」でも、目的に合わせた仕事探しが可能です。
自分に合う仕事を見つければ、新しい環境でステップアップし、さらなる成長を促せるでしょう。