正社員とフリーランスはどっちがおすすめ?迷った場合の確認ポイント

正社員とフリーランスで悩んでいるなら、それぞれのメリットや手取りを比較しましょう。いずれも捨てがたい場合は、兼業するのも1つの方法です。正社員とフリーランスはどちらがおすすめなのか、迷った場合に確認すべきポイントを紹介します。

正社員ならではのメリット

男女のビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

正社員とフリーランスを比較するために、まずは正社員ならではのメリットをチェックしておきましょう。正社員のメリットは、フリーランスのデメリットにもなっています。

収入が安定している

正社員ならではの大きなメリットは、収入が安定していることです。正社員は、月々の基本給が保証されており、通常は収入に大きな波がありません。

収入が安定していることは、お金のやりくりの計画を立てやすいことにつながります。ローンを組んで自動車・住宅を購入する際も、返済計画を立てやすいでしょう。

一方のフリーランスは、収入が不安定です。毎月一定の収入が保証されているわけではないため、収入が少ない月は生活費も確保できないリスクがあります。

福利厚生が充実している

会社の福利厚生が整備されていることも、正社員のメリットです。代表的な福利厚生には、次のようなものがあります。

  • 住宅手当
  • 家賃補助
  • 社宅・独身寮
  • 慶弔見舞金
  • 育児休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 資格取得支援
  • 定期健康診断

福利厚生が充実しているとモチベーションが上がりやすく、仕事に対するやりがいを持てるでしょう。

福利厚生は、会社が従業員のために提供しているものです。フリーランスは会社に雇用されているわけではないため、特定の会社の福利厚生がありません。

社会的信用度が高い

正社員ならではのメリットとして、社会的信用度が高いことも挙げられます。正社員であるというだけで、ローン・クレジットカードの審査に通りやすくなるのが一般的です。

国土交通省住宅局が公表する、2022年度の「民間住宅ローンの実態に関する調査」を見ると、金融機関の約7割が融資の際に雇用形態を重視していることが分かります。

一方のフリーランスは、収入が安定していないため社会的信用度が低く、ローン・クレジットカードの審査に通りにくいのが実情です。必ず審査に落ちるわけではないものの、正社員に比べると融資を認められる可能性は低くなります。

出典:令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 P19 | 国土交通省 住宅局

フリーランスならではのメリット

フリーランスの男性

(出典) pixta.jp

正社員のメリットを把握できたら、次にフリーランスならではのメリットを見ていきましょう。いずれも、正社員のデメリットにつながります。

働き方の自由度が高い

フリーランスは、会社に雇用されているわけではないため、基本的に労働時間・勤務場所の縛りがありません。働き方の自由度が高いことが、フリーランスの大きなメリットです。

フリーランスは早朝・夜間に作業をしたり、自宅・カフェで働いたりできます。平日を休みにして土日に働くことや、好きなタイミングで大型連休を設定することも可能です。納期までに成果物を提出できれば、働き方は問われません。

一方、正社員は労働時間・勤務場所に縛りがあります。会社が定めた働き方のルールに、従わなければなりません。柔軟な働き方ができる会社もありますが、あくまでも会社のルールの範囲内に限定されます。

自分次第で収入を増やせる

フリーランスは、働いた分だけ収入が上がります。自分次第で収入を増やせることがメリットです。実力に応じて単価も上がるため、頑張りが稼ぎに直結しやすくなります。

収入が安定しないデメリットこそあるものの、努力して報酬を底上げできれば、多少の波があっても安心して生活できるでしょう。正社員より高い平均収入を目指すことも、十分に可能です。

それに対し、正社員は収入が安定している半面、いきなり収入を増やすのは困難です。基本的には会社が定めたルールに沿って、勤続年数や成果に合わせて少しずつ収入を上げていくことになります。

やりたい仕事を自分で選べる

フリーランスは、自分で営業をかけて仕事を獲得するため、自分が得意な仕事だけを選べます。苦手な分野の仕事・やりたくない仕事を、わざわざ選んで取り組む必要はありません。

好きな仕事だけを選んで働けば、モチベーションアップにもつながりやすくなります。取引先から仕事を依頼された場合も、やりたいと思えないのなら断ればよいだけです。

一方、正社員は嫌な仕事でもやらなければなりません。自分で仕事を探す必要がない半面、会社から与えられた仕事を断ることは不可能です。

正社員とフリーランスの手取りを比較

給料と電卓

(出典) pixta.jp

正社員とフリーランスは、手取りの考え方も異なります。引かれるお金や手続きの内容、どちらの手取りが多くなるのかを理解しましょう。

正社員は税金と社会保険料が天引きされる

正社員の手取りは、額面給与から税金と社会保険料を差し引いた残りです。給与から天引きされた後、残りが銀行口座に振り込まれるため、自分で控除の手続きを行う必要はありません。

正社員の額面給与から差し引かれる主なお金は、以下の通りです。

  • 健康保険料
  • 介護保険料(40歳以上)
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税
  • 住民税

健康保険・介護保険・厚生年金保険は、会社と折半になります。支払うべき金額の半分を会社に負担してもらえる点が、正社員の大きな特徴です。

フリーランスは自分で手続きを行う

フリーランスの収入に関連して、自身で計算し納めるべき費用の種類には、主に次のようなものがあります

  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税

会社が手続きを行ってくれる正社員と違い、フリーランスは自分で手続きを行わなければなりません。報酬を全額受け取った後、上記のお金を自分で納める必要があります。所得税の確定申告も必要です。

また、フリーランスは保険料が全額自己負担になります。正社員のように会社との折半になるわけではないため、正社員からフリーランスになると負担が増えることを実感するでしょう。

フリーランスの方が手取りは少なめ

正社員の手取りは、額面給与の約8割です。年間の額面給与が300万円なら、手取りは300万円×約80%=約240万円になります。

一方、フリーランスの手取りは正社員より少なくなります。保険料が全額自己負担になる上、正社員なら実質会社負担となる経費も自己負担になるためです。

フリーランスは、手元に残したい金額の約1.5倍の売り上げを上げるのが理想です。例えば、手取り240万円を目指すなら、240万円×約1.5倍=約360万円を売り上げる必要があります。

正社員とフリーランスで迷ったら?

考え事をする男性

(出典) pixta.jp

正社員とフリーランスは、それぞれに向き不向きがあります。どちらにするか悩んだ場合は、向いている人の特徴を参考に検討してみましょう。

正社員に向いている人

正社員は、毎月一定の給与をもらえるため、安定した収入を求める人に向いています。「大きく稼げなくてもよいから収入を安定させたい」という人は、正社員がおすすめです。

また、正社員は嫌な仕事にも取り組まなければならないことから、精神力・忍耐力も求められます。やりたくない業務をこなせる我慢強さがある人は、正社員に向くでしょう。

協調性が高い人も、正社員に適しています。チームを組んで周囲と協力しながら仕事をする機会は、フリーランスより正社員の方が多い傾向にあるためです。

フリーランスに向いている人

フリーランスは、全ての手続きを自分で行わなければなりません。スケジュールも自分で決める必要があります。自己管理能力が高い人は、フリーランスに向くでしょう。

フリーランスは自由度が高い半面、きちんと自己管理ができなければ体調を崩したり収入が減ったりしかねません。自己管理に自信がない人は、縛りが多い正社員の方がおすすめです。

また、フリーランスはさまざまな状況で働くことになるため、変化に対応できる人にも向いています。自分で仕事を選べることから、好きな仕事を突き詰めたい人にも適した働き方です。

正社員とフリーランスは兼業できる?

カジュアルな若手社員

(出典) pixta.jp

正社員とフリーランスをどうしても選べない場合は、兼業を検討するのもおすすめです。兼業ならどちらも経験できるため、とりあえず両方ともやってみた上で、自分に合うかどうかを判断できるでしょう。兼業のメリットや注意点について解説します。

会社が認めていれば兼業は可能

働き方改革の影響もあり、近年は正社員の副業が推奨されています。会社の本音としては、本業に集中してほしいという意向があるものの、世の中の風潮を考慮すると会社も従業員の副業を認めざるを得ないのです。

ただし、会社が副業を認めていない場合、正社員とフリーランスは兼業できません。正社員の副業が推奨されているからといって、勝手に副業を始めるのはNGです。

会社が兼業を認めているかどうかは、会社の就業規則で確認できます。正社員として働きながら、フリーランスとしても活躍したい場合は、就業規則をきちんとチェックしましょう。

正社員とフリーランスの兼業のメリット

正社員の身でフリーランスに挑戦すれば、正社員としての恩恵を受けながら収入を増やせます。収入が安定しないという、フリーランスのデメリットがなくなるのです。

会社ではできない仕事に取り組めるのも、正社員とフリーランスの兼業のメリットといえます。やりたい仕事が会社でできない場合、その仕事にフリーランスとして取り組むことが可能です。

また、正社員として働きながらフリーランスを兼業すれば、スキルアップも図れます。会社の仕事だけではなかなかスキルが向上しないという人は、フリーランスの掛け持ちを検討するとよいでしょう。

正社員とフリーランスの違いを理解しよう

パソコンを操作する男性

(出典) pixta.jp

正社員とフリーランスには、それぞれにメリット・デメリットがあります。手取りの考え方も異なるため、どちらにするか迷うなら、正社員とフリーランスの違いをしっかりと理解することが大切です。

また、正社員とフリーランスを掛け持ちする方法もあります。どうしてもやりたい仕事がある場合や、正社員の恩恵を受けながら収入を増やしたいときは、会社の就業規則を確認した上で兼業を検討するのもおすすめです。

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