転職回数が多いときの対策は?面接や職務経歴書のポイントを解説

何度も転職を繰り返しているため、選考で不利になるのではないかと不安になる人も多いかもしれません。転職回数が多いことでマイナスイメージを持たれないためには、どうすればよいのでしょうか?面接対策や、職務経歴書を書く際のポイントも解説します。

転職回数が多い人の特徴は?

職務経歴書

(出典) pixta.jp

転職の理由は、人それぞれに異なります。何度も繰り返す人には、何か共通する理由があるのかもしれません。まずは、転職回数が多くなりがちな人の特徴を見ていきましょう。

キャリアプランが決まっていない

仕事で実現させたいことや将来のビジョンが曖昧なまま、転職している人もいます。目的や将来のキャリアプランが定まらないまま転職すると、わずかな不満を感じただけで安易に退職を考えてしまいがちです。

「名の知れた企業だから」「何となく面白そうな仕事だから」などの理由で転職先を決めてしまうと、入社した後に「思っていたのと違う」と感じて辞めてしまうケースもあります。

転職の際には、曖昧な理由ではなく、しっかり目的を定めておくことが大切です。やりたい仕事やキャリアプランが決まっていれば、多少の困難に遭遇したときでも目的のために頑張れるでしょう。

理想が高い

仕事や会社に対する理想が高い人も、転職回数が多くなる傾向にあります。転職するからには、少しでも条件の良い企業に入社したいと考えるのは、誰しも当然のことです。

しかし、「残業なし」「高収入」「福利厚生が充実」「面倒な人間関係がない」など、全ての希望がかなう企業を見つけるのは、ほぼ不可能といってもよいでしょう。

転職の条件として妥協できるもの・できないものの、優先順位を決めておくことが肝心です。優先順位を付けることで、自分に合った企業を探しやすくなるでしょう。

人間関係をうまく築けない

人間関係を理由に、何度も転職を繰り返す人もいます。職場に居心地の悪さを感じたときに、関係性を改善するのではなく、会社を辞める方向に考えてしまうのです。

人間関係をうまく構築できない人の中には、コミュニケーションを取るのが苦手という人も多くいます。しかし、どのような職場でもコミュニケーション能力は必要です。

人間関係に悩んだときは、自分にも改善すべき点がないか振り返ってみましょう。周りに対して不満を抱くだけでなく、自分自身も変わる努力をしなければ、職場が変わっても良好な人間関係を築けず、転職を繰り返してしまう可能性があります。

転職回数が多いことによるメリット

ネクタイを整える男性

(出典) pixta.jp

転職回数の多さが、ポジティブに働くケースもあります。メリットを知っておくことで、自分の強みにも変えられるでしょう。主なメリットを3つ紹介します。

スキル・経験が身に付く

多くの業界・職種を経験することで、身に付くスキルが増えていく点はメリットの1つです。同じ業界内で複数の転職を経験している場合、似たような仕事に対して異なるアプローチの方法を学べるでしょう。

蓄積されたノウハウは自分の強みとなり、次の転職へも生かせます。企業は、転職者に対して即戦力となる経験豊富な人材を求めているものです。

それぞれの職場でしっかりスキルを身に付けていけば、転職回数の多さはむしろプラスに働きます。結果として、自分自身のキャリアアップにもつながるでしょう。

適応能力が身に付く

前向きな理由で転職をしている場合、異なる環境への適応能力が身に付きます。職場が変わるたびに新たな人間関係を構築するには、コミュニケーション能力が必要です。

会社には当然ながら、さまざまな価値観の人が集まっています。全ての人と良好な関係を築くのは困難ですが、仕事をスムーズに進めるためには交渉力・対人スキルが必須です。

いくつもの職場を経験するうちに適応能力が磨かれ、仕事にも生かせる可能性があります。

自分に合った働き方や仕事が分かる

数多くの職場を経験することで、自分に合った働き方・仕事が分かってくるという利点もあります。転職先によっては、自分の苦手な仕事を経験することも少なくありません。

苦手な仕事も経験することによって、自分の得意分野がより明確になる可能性もあります。得意分野が分かれば、自分のスキルを生かせる職場も見つけやすくなるでしょう。

また、同じ会社で働いていると、労働環境・待遇などに不満があっても「仕方ないこと」と諦めがちです。転職によって自分に合った働き方が分かれば、理想のワークライフバランスの実現にもつながるかもしれません。

転職回数が多いことによるデメリット

面接の様子

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転職回数の多さに対する、ネガティブな印象についても知っておきましょう。主なデメリットを3つ挙げて解説します。

面接での印象が悪くなる可能性がある

面接官の中には、「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と思う人も少なからずいます。何度も職場が変わるのは、忍耐力のなさや転職癖があるからなどと思われてしまうこともあるでしょう。

転職理由によっては、「人間関係のトラブルが多い人」「待遇に不満を持ちやすい人」という印象を持たれる可能性もあります。また、1つの職場での経験値が浅く、十分なスキルが身に付いていないと思われるかもしれません。

キャリアアップ・昇進が遅れる可能性がある

同じ職場で長く働いている人に比べて、昇進が遅くなる可能性もあります。転職回数が多い人は、やっとスキル・経験が身に付いたというときに辞めてしまうため、キャリアアップするのが困難です。

また、せっかくスキルを身に付けて転職しても、新しい職場で前職と同じ条件のポジションに就けるとは限りません。転職回数の多さから、経験・実績が十分ではないと判断されることもあるためです。

年齢が上がるにつれてマネジメント力も求められますが、短期間の転職によりマネジメント経験がない場合、スキル不足となって不利になる可能性もあるでしょう。

個人の信用を損なう可能性がある

周囲の人からも「すぐに転職する人」という印象を持たれ、個人的な信用を失う可能性もあるでしょう。転職は、家族・パートナーなど身近な人にも影響を与えます。1つの職場に定着しないと、経済的にも不安定になりがちです。

そのような状況に対し、家族・パートナーは不安を感じてしまいます。短期間で職場を変えている場合、収入が不安定と判断されて、家・車のローン審査に通りにくくなるケースもあるので注意が必要です。

また、同じ業界内で転職を繰り返している場合、長続きしない人といううわさが広まり、業界内での転職が難しくなる可能性もあります。

面接で転職回数の多さを聞かれたら

面接の風景

(出典) pixta.jp

面接では、転職回数の多さについて質問を受けることは、必須だと考えておいた方がよいでしょう。ネガティブな印象を与えないために、答え方のポイントを押さえておくことが大切です。

ポジティブに伝える

転職理由は、ポジティブに伝えることが大切です。異なる職種へ転職している場合は、「新しい仕事にチャレンジしたかった」「さまざまなスキル・経験を身に付けたかった」など、前向きな理由を伝えましょう。

人間関係のトラブルなどネガティブな理由も、ポジティブに変換して伝えるのがポイントです。間違っても、前職に対する不満を口にしないよう注意しましょう。

また、転職回数をごまかしたとしても、バレてしまったときに信用を失ってしまいます。過去の自分の未熟さを認めた上で、改めて仕事へのやる気をアピールすることが必要です。

理由に一貫性を持たせる

「転職回数が多いのは、飽きっぽい性格だから」と思われないようにする必要があります。そのためには、仕事を変えた理由に一貫性を持たせることが大切です。

「営業のスキルを磨きたかった」「もっとユーザーに近い仕事をしたくなった」など、仕事に対するこだわりを伝えるとよいでしょう。

同じ業界・職種への転職の場合は、「異なるアプローチから売り上げを伸ばす方法を学びたかった」といった理由も好印象を与えます。転職の理由に軸があったことを伝えれば、ポジティブな印象を持たれるでしょう。

転職回数が多いときの職務経歴書の書き方

職務経歴書とペン

(出典) pixta.jp

職務経歴書の書き方によっても、与える印象は変わります。分かりやすく、かつポジティブな印象を与えるために、書き方のポイントを押さえておきましょう。

過去の実績を整理して具体的に書く

職務経歴書を書く際は、過去の実績を整理して、具体的に書くことがポイントです。営業職なら、売り上げ実績や新規顧客の獲得数などを数値化するとよいでしょう。

社長賞などの表彰を受けたことがあれば、その経験も記載します。顧客を獲得した際に工夫したことがある場合は、エピソードを交えながら具体的に書くと効果的です。

また、実績が多くなるときは、情報過多にならないよう整理する必要もあります。全て書き切れなければ、応募先の業界・職種にマッチするものを優先するのがおすすめです。

求められているスキルを確認しアピールする

これまでの経験で身に付けたスキルを書いて、アピールすることが大切です。とはいえ、希望する職種と関連のないスキルを書き連ねても、アピールポイントにはなりません。

応募先企業が求めているスキルにマッチするのか、事前に擦り合わせをしておくのがポイントです。入社後にどう生かせるかまで書いておくとよいでしょう。

また、「スキルアップできた」という表現は、使わない方がよい場合もあるので注意が必要です。実務経験の年数によっては知識が浅いと判断されたり、自社でもスキルを身に付けたら転職するのではないかと思われたりする可能性があります。

自分の強みをアピールする

転職回数の多さをポジティブな印象に変えるには、過去の職歴で自分の強みが磨かれたことをアピールするのが効果的です。

例えば、異業種・異業界で転職を繰り返した場合は、コミュニケーション能力や交渉力が磨かれたことを強みとするのもよいでしょう。

多くの職場を経験していても、強みに一貫性を持たせれば、ただ転々と転職を続けたという印象を避けられます。強みをアピールするときも、入社後に活躍する姿をイメージしてもらえるよう、希望する職種にマッチしているか考えてから書くことが大切です。

転職回数の多さで不利にならない年代別対策

面接

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転職回数が多いときの対策は、年代によっても異なります。面接で不利にならないための対策を、20~40代以上の年代別に見ていきましょう。

20代はやる気や人物像をアピール

20代は経験の浅さを、仕事に対するやる気でカバーできます。特に20代前半に対しては、経験値より人物を重視したり、ポテンシャルに期待したりする面接官も少なくありません。

転職回数の多さを気にしてキャリアアップのチャンスを逃すよりも、やる気を評価してもらえる企業に出会えるよう、積極的に動くことが大切です。

20代後半になると、ある程度の経験も期待されます。前職で身に付けたスキルを棚卸しして、アピールできるように準備しましょう。また、今後転職を繰り返さないためにも、キャリアプランやスキルアップの目標を明確にしておくことも必要です。

30代は将来のキャリアプランを明確に

30代は、結婚・出産・介護など、ライフスタイルの変化を経験する人も多い世代です。家庭の事情によって転職回数が増えた場合は、できるだけ具体的な理由を伝えましょう。

また、多くの職場で経験を積んできた30代は、将来的なキャリアについても明確にしておく必要があります。これまでのスキル・経験を整理して、自分に合った働き方・仕事を見極めておくことが大切です。

リーダー・管理職として即戦力となる人材が求められる年代でもあるため、マネジメント経験などがあれば、積極的にアピールしましょう。仕事への熱意や会社への貢献度を伝えることも大事です。

40代以上は経験値の高さと柔軟性が大切

40代以上の場合、長年の経験・実績が強みになります。組織のリーダー・マネジメント職としての経験や、専門性の高さが重視される傾向にあるため、スキル・ノウハウがあれば積極的にアピールしましょう。

スキル・実績が十分にあれば、転職回数はあまり問題視されないケースもあります。とはいえ、中には会社への定着を求める企業もあるので、価値観にミスマッチがないか確認しておくことも必要です。

また、40代からの転職は、柔軟性や新しい仕事への適応力も問われます。数多くの職場を経験し、さまざまな価値観に触れていることが強みにもなるでしょう。

転職回数の多さを強みに変えよう

青空とビジネスマン

(出典) pixta.jp

転職回数が多いと、面接で不利になると考える人は少なくありません。しかし、転職によって蓄積されたノウハウをうまくアピールすれば、逆に強みへと変えることも可能です。

キャリアプランを明確にし、転職の軸に一貫性を持たせることで、仕事への前向きな姿勢を伝えましょう。転職理由を伝えるときは、ポジティブに変換することも重要です。

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