フリーターを不安に感じたら?取るべき対策や正社員を目指すコツとは

フリーターの生活に、不安を感じている人もいるのではないでしょうか?正社員への就職を目指そうとしても、社会人経験のなさから自信を持てない人もいるかもしれません。フリーターが取るべき対策や、正社員を目指すコツについて解説します。

フリーターが不安になる理由とは?

スマホを見ている男性

(出典) pixta.jp

フリーターを続けている人は、さまざまな理由で不安を感じることも少なくありません。まずは、主な3つの理由を見ていきましょう。

給与が少ない

同年代の正社員に比べて、給与が少ないことを不安に感じるフリーターもいます。

厚生労働省による「令和4年賃金構造基本統計調査」の、雇用形態別の賃金を年齢計別に比較すると、正社員・正職員は32万8,000円、正社員・正職員以外は22万1,300円と、10万6,700円の差がありました。

雇用形態間の賃金格差は、67.5%となっています。対前年増減率は正社員より高いケースもありますが、基本的な給与の額が低いことから、正社員と同等の額にはなりにくいといえるでしょう。

また、フリーターは正社員のような昇給・昇進が見込めないため、長く勤めても給与が上がりにくい傾向にあります。なかなか給与が上がらないことに、モチベーションが下がる人もいるでしょう。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

結婚・子育てへの影響

フリーターの中には、収入が少なく、結婚できないのではないかという不安を持つ人もいるようです。総務省の「家計調査報告」(2023年11月分)によると、2人以上の世帯の1カ月当たりの消費支出の総額は、28万6,922円となっています。

住居費などを除くと25万4,130円となっているため、住んでいる場所の家賃相場によっては、支出の総額が増える可能性もあるでしょう。子どもを育てる場合は、教育費もかかります。

文部科学省の「子供の学習費調査」(2021年度)によれば、幼稚園から高等学校まで公立に通わせた場合の、子ども1人当たりにかかる教育費の総額は156万9,462円です。

全て私立に通わせると、446万6,655円かかります。子どもが大学に進学することを考えると、教育費の負担はさらに大きくなるといえるでしょう。

出典:家計調査報告 P.2 -2023年(令和5年)11月分

出典:子供の学習費調査:文部科学省

将来の年金額が少なく、退職金もない

厚生年金に加入していないフリーターの場合、将来受け取れる年金額に不安を感じるかもしれません。国民年金は、保険料の負担が大きい割に、厚生年金に比べて将来受け取れる年金額が低いというデメリットがあります。

厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金受給者が2022年度に実際もらった平均月額5万6,428円でした。

一方、厚生年金保険(第1号)に加入していた場合、年金月額の全国平均は14万4,982円となっており、月額8万8,554円の差があります。

また、フリーターの場合、長く勤めても退職金は出ないことがほとんどです。年金額の少なさや、退職金が出ないことなどが、将来の生活への不安につながるといえます。

出典:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 P.24

フリーターを続けることのデメリット

パソコンに向かい男性

(出典) pixta.jp

フリーターを続けると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?3つ挙げて解説します。

社会的信用を得にくい

正社員に比べると、フリーターは社会的信用を得にくいというデメリットがあります。バイトとして真面目に働いていたとしても、フリーターは「定職に就いていない」「安定した収入がない」などのイメージを持たれがちです。

そのため、クレジットカードの作成や、住宅・車を購入する際のローンの審査などに通るのが難しい傾向にあります。賃貸物件の契約は可能ですが、社会的な信用のある人に連帯保証人になってもらう必要があることも少なくありません。

働き方が多様化しているとはいえ、一般的にはまだ「正社員として就職するのが当然」という見方をされることが多いため、フリーターの社会的な信用度は低くなりやすいでしょう。

年齢が上がるほど就職しにくくなる

フリーター歴が長くなって年齢が上がると、正社員への就職が難しくなる点もデメリットです。正社員としての職歴がある人の転職でも、年齢が上がるほどハードルが高くなる傾向にあります。

20代のうちはやる気があれば未経験でも採用されることはありますが、30代・40代になるとスキル・経験が求められるためです。職歴のないフリーターの場合、正社員と比べてさらに不利になる可能性があるでしょう。

求人数自体も、年齢が上がるほど少なくなります。35歳を超えると就職支援を受けにくくなるともいわれており、ハローワークが提供する若者向けの就職支援サービスでも、対象となるのはおおむね35歳未満までです。

出典:わかものハローワーク|厚生労働省

収入が安定せずライフプランを立てにくい

収入が安定せず、ライフプランを立てにくいというデメリットも挙げられます。一般的に、フリーターは時給制・日給制といった給与体系で働いていることが多いため、仕事を休むとその分の賃金は支払われません。

ケガ・病気にならなくても、雇用主側の都合で思うようにシフトに入れないこともあります。1つの職場に長く勤めたいと思っても、契約満了となれば新たな仕事を探さなければならなくなり、最悪の場合無収入の期間ができてしまう可能性もあるでしょう。

自分自身のライフプランをしっかり立てるためにも、収入を安定させ、精神的な余裕を持てる生活を維持するのが望ましいといえます。

フリーターが不安を感じたときにすべきこと

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

不安を感じたときは、何かしらの行動を起こすことも大切です。フリーターが不安を感じたときにすべきことを、2つ紹介します。

正社員を目指して就活する

収入を安定させるには、正社員として働くのがおすすめです。いずれ正社員として就職しようと考えている人は、なるべく早いうちに就活を始めましょう。

職歴のないフリーターでも就職は可能ですが、年齢が上がるほど求人が見つかりにくくなります。ハローワークの就職支援サービスを利用したり、求人サイトを活用したりと、正社員を目指す方法はさまざまにあります。

バイト先に正社員登用制度があれば、上司に打診してみるのも1つの方法です。それまでの経験を生かせる職種を選ぶと、面接でもアピールしやすくなります。

出典:ハローワーク |厚生労働省

社会保険に加入できるバイト先に転職する

正社員として就職するのが難しいときは、厚生年金・健康保険などの社会保険に加入できるバイト先へ転職するという方法もあります。以下の条件を満たせば、正社員ではなくても社会保険への加入が可能です。

  • 勤務先の企業の従業員数が101人以上(2024年1月時点。2024年10月からは従業員51人以上の企業)
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8万8,000円以上
  • 2カ月を超えて雇用される見込みがある
  • 学生ではない

健康保険に加入できれば、傷病手当金・出産手当金などの制度も利用できます。

出典:パート・アルバイトのみなさまへ

フリーターが就職に対して抱く不安

悩む男性

(出典) pixta.jp

フリーターの中には、就職することに不安を感じる人もいるようです。どのような不安があるのか、具体的に見ていきましょう。

正社員経験がないので自信がない

正社員経験がないため、仕事が務まるか自信がないと考える人もいます。ビジネスマナーや、仕事に必要なスキルが足りないことを、不安に感じる人もいるでしょう。

未経験者を採用する企業の多くは、研修制度などが整っています。仕事を始めてから、徐々にスキルを身に付けていけるので心配はありません。

また、正社員としての責任にプレッシャーを感じる人もいるようです。確かにバイトに比べると責任は重くなりますが、現在の仕事をしっかりこなせていれば、正社員としても十分に務まるでしょう。

自由が利かなくなりそう

正社員になると、フリーターのように自由が利かなくなるのではないかと考える人もいるでしょう。正社員には、勤務時間や服装などの規定があることも多いため、確かにフリーターより自由度は低くなるといえます。

とはいえ、正社員でもまったく自由がないということはありません。土日が完全に休みになる企業も多いので、プライベートも充実させやすいでしょう。むしろ、収入が安定することで、フリーター時代より自由に行動できるようになる可能性もあります。

ブラック企業なのではないか

「入社してみたら、労働条件の悪いブラック企業だった」というケースを、不安に思うこともあるでしょう。実際、サービス残業が多い・パワハラが横行しているなどの、いわゆる「ブラック企業」に就職してしまい、早期退職する例は少なくありません。

ブラック企業を見極めるためには、求人票をしっかりチェックすることが大切です。常に求人が出ている会社は、労働環境などの悪さから、従業員が定着しにくい可能性もあります。

また、給与が良すぎる場合は、ノルマを達成したときの報奨金・残業代などが含まれていないか確認しましょう。

フリーターが就職活動を成功させるポイント

ネクタイを整える男性

(出典) pixta.jp

フリーターが就職活動を成功させるための対策についても、知っておきましょう。主なポイントを3つ紹介します。

未経験可の求人を選ぶ

フリーターが就職活動を成功させるには、求人の選び方がポイントです。「未経験者歓迎」「未経験可」などの求人を選ぶと、社会人経験のないフリーターでも採用される確率が上がります。

未経験可の求人には、スキル・経験よりやる気を重視する「ポテンシャル採用」を導入している企業もあり、職歴のない人でも採用されやすいためです。

また、入社後の教育体制が整っており、仕事に必要な知識を身に付けやすいという特徴もあります。営業・接客・販売・一般事務・ITエンジニアなどは、未経験可の求人も多い職種です。

ビジネスマナーやスキルを身に付ける

基本的なビジネスマナーやスキルは、身に付けておきましょう。あいさつの仕方・言葉遣い・身だしなみなどのマナーがしっかりしているだけで、面接での印象が大きく変わる可能性があります。

スキルとしては、パソコンの基本的な操作方法を身に付けておくのがおすすめです。Word・Excelなどのオフィスソフトの使い方が分かれば、事務仕事にも役立ちます。

また、資格を取得しておくのも効果的です。応募したい職種に生かせる資格を取得していれば、面接時の自己アピールにも使えます。簿記やIT・介護関連などは、就職に役立ちやすい資格です。

焦らずしっかり企業研究する

早く就職しようとして、やみくもに応募するのは避けましょう。企業について、事前にしっかり調べておくことが必要です。企業研究には、ブラック企業を避けるためだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐ目的もあります。

給与・福利厚生などの待遇面に加えて、社風なども分かればミスマッチによる早期退職のリスクも防げるでしょう。業務内容についてもできるだけ詳しく調べておくと、入社後にやりたいことなどが明確になり、面接の際に就職への熱意を伝えやすくなります。

フリーターを不安に感じたら早めの行動を

スマホとパソコン

(出典) pixta.jp

フリーターは、収入が安定しにくく、正社員に比べて社会的信用度が低くなる傾向にあります。年齢が上がるほど、正社員への就職は難しくなるため、不安を感じたら早めに行動することが大切です。

正社員を目指すときは、未経験可の求人を選ぶと採用の確率が高まります。「スタンバイ」には、未経験可の求人も豊富です。希望する条件を入れて検索できるので、自分に合った仕事探しに活用してみてください。

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