フラワーコーディネーターってどんな仕事。主な業務とキャリアパス紹介

花に囲まれて働くフラワーコーディネーターは華やかな職業に思えますが、仕事内容や働き方はどのようなものなのでしょうか。フラワーコーディネーターの仕事の魅力を掘り下げるとともに、1日の業務の流れやなるための方法を解説します。

フラワーコーディネーターの仕事内容と魅力

花束を作る

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターの仕事は、花を通して空間を彩るアートを創造していく、とてもクリエイティブで魅力的な職業です。ここでは、フラワーコーディネーターの主な業務である、花を使った空間演出と装飾、そして季節や目的に合わせた花選びとアレンジメントについて詳しく解説します。

花を使った空間演出と装飾の仕事

フラワーコーディネーターの主な仕事は、花を使った空間演出と装飾です。結婚式場やホテル、イベント会場などで、季節や目的に合わせて花を選び、美しくアレンジします。

結婚式場なら新郎新婦の好みや会場の雰囲気に合わせて、ゲストテーブルの装花やブーケ、新郎新婦が座るメインテーブルである「高砂」などをデザインします。花の色合いや形、組み合わせを考えながら、オリジナリティあふれる空間を創り上げていくのは、とてもやりがいのある仕事です。

しかし、センスと知識だけでなく体力も必要です。装飾の設置や撤収作業は重労働だからです。

季節や目的に合わせた花選びとアレンジメント

季節ごとに咲く花やイベントの目的に合わせて最適な花を選ぶのもフラワーコーディネーターの腕の見せどころです。

例えば、春の結婚式では桜やチューリップを使ってロマンチックな雰囲気を演出したり、夏の企業イベントではひまわりやトロピカルフラワーで元気いっぱいの空間をつくったりと、TPOに合わせた提案が求められます。

花選びだけでなく、色合いやバランス、花の形など細部までこだわってアレンジするセンスも大切です。花の特性を理解し、長持ちさせる技術も必要です。

フラワーコーディネーターになるための方法

フラワーアレジメント

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターを目指すには、いくつかの方法があります。それぞれについて詳しく解説していきます。

専門学校などでフラワーデザインを学ぶ

専門学校などでフラワーデザインを学ぶのは、フラワーコーディネーターになるための王道ルートです。体系的なカリキュラムで、花の基礎知識からアレンジメント、ブーケ制作、空間装飾まで幅広く学べます。

学校での学びは、座学だけでなく、実習も重要です。花屋やブライダル会社などとの連携で、現場での実践的なスキルを身に付けられるのが魅力です。

また、国家資格であり、技能検定制度の一種である「フラワー装飾技能士」などの資格取得にチャレンジできるのもメリットです。卒業後の就職活動で、専門性をアピールできます。

参考:東京都フラワー装飾技能士会 - 東京都フラワー装飾技能士会

花屋やブライダル会社などでの実務経験を積む

即戦力を求める企業も多いため、花屋やブライダル会社などで実務経験を積むのも有効な方法です。現場での経験は、理論だけでは学べない生花の扱い方やお客さまとのコミュニケーションスキルを磨く機会になります。

例えば、花屋でアルバイトをしながら、先輩フラワーコーディネーターの技術を間近で学べます。結婚式場での装花の手伝いを通して、ブライダルシーンの花装飾のノウハウを吸収できます。

実践の中で培ったスキルは、就職後に即戦力として認められる可能性が高いです。経験を積みながら、フラワーコーディネーターとしてのキャリアを着実に築いていけます。

必須ではないが関連資格の取得が有利

必須ではありませんが、「フラワー装飾技能士」や「フローリスト検定」「フラワーデザイナー資格検定試験」などの関連資格を取得しておくと、就職や独立の際に有利です。

例えば、ブライダル業界ではフラワー装飾技能士の資格が求められるケースが多いです。花の品質管理やデザイン提案力が評価されるためです。

また、資格取得の過程で、専門的な知識やスキルが身に付くのも大きなメリットです。実技試験に向けて練習を重ねることで、アレンジメントの技術が格段に向上します。

資格を取得することで、フラワーコーディネーターとしての自信とキャリアの幅が広がります。スクールや通信講座など、自分に合った方法で資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

出典:フローリスト検定 - FDAフラワーデコレーター協会

出典:フラワーデザイナー資格検定試験 | 公益社団法人日本フラワーデザイナー協会

フラワーコーディネーターの仕事の流れ

花屋

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターの1日は、早朝の花市場での仕入れから始まります。会場の下見を行い、装飾プランを練り上げ、花をアレンジし、設置する一連の流れをご紹介します。

朝の花市場での仕入れと搬入

フラワーコーディネーターの1日は、多くの場合、早朝4時ごろから始まります。花市場は通常、月曜日、水曜日、金曜日の朝5時に開かれるため、仕入れ担当者は市場に向かいます。

市場では、その日に必要な花を仕入れます。新鮮で品質の良い花を選ぶには、豊富な知識と経験に基づいた目利きの力が必要です。花の状態、色合い、開き具合などを見極めながら、最適な花材を選びます。

午前:花の手入れとアレンジメント準備

市場から戻ると、仕入れた花の手入れを行います。これには以下の作業が含まれます。

  • 花の水揚げ:花を水に浸して水分を補給します
  • バケツの洗浄・除菌:花を保管するバケツを清潔に保ちます
  • 水換え:花を新鮮な水に入れ替えます

これらの作業は、花の品質を保つために欠かせません。

次に、その日の予定に合わせて花のアレンジメントを始めます。花の茎を切り揃え、必要に応じて葉を取り除くなどの下準備を丁寧に行います。

午後:会場設営と装飾

午後は主に会場での作業になります。事前に行った下見や打ち合わせに基づいて、会場の装飾を行います。

  • 花材の運搬:アレンジした花を慎重に会場へ運びます
  • 設置作業:会場の雰囲気に合わせて花を配置します
  • 細部の調整:花の向きや高さを微調整し、完璧な仕上がりを目指します

この作業には体力も必要で、時には脚立を使っての高所作業もあります。

夕方:撤収と翌日の準備

イベントが終わると、撤収作業を行います。使用した花器の洗浄や、残った花材の整理などを行います。また、翌日の仕事に向けて、必要な花材のリストアップや在庫確認も行います。

フラワーコーディネーターの勤務条件と収入

花束

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターの勤務条件と収入は、働く場所によって大きく異なります。ここでは、店舗勤務とブライダル関連の仕事に分けて、平均的な勤務時間と休日の状況をご紹介します。

平均的な勤務時間と休日の状況

店舗勤務のフラワーコーディネーターの平均的な勤務時間は、9時から18時までの8時間程度が一般的です。花屋の開店準備や閉店後の片付けなども含まれるため、実際にはもう少し長くなることもあります。休日は週休2日制が多いですが、土日や祝日は営業日であることが多く、平日に休みを取ることが一般的です。

結婚式場やイベント会場での勤務は、早朝からの準備や深夜までの撤収作業があるため、不規則な勤務時間となることが多いです。特に結婚式が行われる土日祝日は繁忙期となり、平日に休みを取ることが一般的です。年間休日数は勤務先によって異なりますが、おおむね120日前後が平均的です。

未経験者と経験者の年収の違い

未経験のフラワーコーディネーターの年収は、約200万~300万円程度が相場です。これは、地域や店舗の規模、業務内容によって異なることがあります。初めはアシスタントとしての業務が多く、花の手入れや店舗の清掃など基本的な作業からスタートします。

経験を積んだフラワーコーディネーターは、年収が400万~600万円程度まで上昇することがあります。特にブライダル業界で活躍するベテランのフラワーコーディネーターは、年収800万円以上を得ることもありますが、これは非常にまれで、トップレベルの専門家や経営者に限られることが多いでしょう。

フラワーコーディネーターの就職先と将来性

花屋さん

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターの主な就職先とテクノロジーの発展による仕事への影響について解説します。

花屋・ブライダル会社・ホテル・イベント会社など

フラワーコーディネーターの主な就職先は、花屋・ブライダル会社・ホテル・イベント会社などです。花屋では店舗での接客販売や装飾、配達などを担当します。

花屋では、店舗での接客販売や装飾、配達などを担当します。ブライダル会社では、結婚式の会場装花や新郎新婦の衣装に合わせたブーケ制作が主な仕事となります。

ホテルやイベント会社では、パーティー会場や式典、展示会などの空間装飾を手掛けます。

季節や目的に合わせて華やかで印象的な空間を演出するのが、フラワーコーディネーターの腕の見せどころです。また、経験を積んだ後に独立して自分の店舗を持つ道も開かれています。

テクノロジーの発展によるフラワーコーディネーターの仕事への影響

テクノロジーの発展により、フラワーコーディネーターの仕事に新たな可能性が生まれています。LEDを組み込んだ花材やIoT技術を活用したカラーリング制御、3Dプリンターやプロジェクションマッピングによる新しい表現方法が登場しました。また、SNSの普及により作品発信や顧客獲得の機会が拡大しています。

フラワーコーディネーターの需要は拡大傾向にありますが、景気の影響を受けやすい職業でもあります。今後は技術革新への適応、独自の付加価値創出、経済変動に左右されにくいビジネスモデルの構築が課題となります。

伝統的な技術を大切にしながら、時代の変化に合わせた新しい価値提供が求められており、テクノロジーを活用しつつ人間ならではの感性や創造性を発揮することが成功の鍵となるでしょう。

花を通じて人々に感動を届けるフラワーコーディネーター 

花屋さん

(出典) pixta.jp

フラワーコーディネーターは花を使った空間演出や装飾を手掛ける専門職です。季節や目的に合わせて花を選び、アレンジメントを作成します。

朝は花市場での仕入れから始まり、会場の下見や装飾プランの作成、花の加工や設置作業まで幅広い業務をこなします。

フラワーコーディネーターは花を通じて人々に感動を届けられるやりがいのある職業です。もしフラワーコーディネーターへの転職を考えているなら、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」がおすすめです。豊富な求人情報とサポートで、希望の条件で働ける会社が見つかります。無料で利用できるので、ぜひ一度チェックしてみてください。

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