SES営業の仕事内容を分かりやすく紹介。未経験者が知るべきポイントも解説

IT業界で注目を集めるSES営業は、未経験でも高収入が期待できる職種です。しかし、その仕事内容や必要なスキルはまだ多くの人に知られていません。本記事では、SES営業の具体的な業務内容や成功するために求められるスキルを徹底解説します。

SES営業とは?基本的な仕事内容と役割

商談

(出典) pixta.jp

SES営業のSESとは「System Engineering Service(システム・エンジニアリング・サービス)」の略称です。営業職ではありますが、ITエンジニアと深く関わります。SES営業の役割や主な業務内容を見ていきましょう。

SES営業の定義と特徴

SES営業とは、IT業界特有の営業職で、主にエンジニアの人材派遣を扱います。通常の営業職と異なり、商品ではなく「人」を提案するのが特徴です。

具体的には、顧客企業のIT人材ニーズを把握し、最適なエンジニアをマッチングする役割を担います。

  • 新規顧客の開拓
  • 既存顧客との関係維持
  • エンジニアの選定と紹介
  • 契約締結までのフォローアップ

IT業界の急速な変化に対応するため、常に最新の技術トレンドや市場動向にアンテナを張る必要があります。

高度なコミュニケーション能力や基本的なIT知識はもちろん、顧客(クライアント)とエンジニアの要望を的確に理解するスキルや提案力も重要です。

SES営業の主な業務内容

SES営業の主な業務内容は、大きく「アポイントの取得」「商談」「紹介業務」「フォローアップ」に分けられます。

アポイント取得した後、顧客企業との商談に臨みます。商談では、開発システムの内容や必要なスキルといった詳細な要件を確認し、条件に合うエンジニアを探します。人材を紹介したら終わりではなく、継続的なフォローアップも行わなければなりません。

これらの業務を通じて、SES営業は顧客企業とエンジニアの橋渡し役となります。例えば、AI開発プロジェクトに適したPython経験者を探し出し、顧客企業に提案するといった具合です。

コミュニケーション能力とIT知識を最大限に駆使し、顧客とエンジニアの双方の満足度を高める必要があります。

SES営業の1日のスケジュール

打ち合わせ

(出典) pixta.jp

SES営業の1日は、情報収集から始まり、クライアント対応、フォローアップまで多岐にわたります。未経験者であっても理解しやすいよう、SES営業の典型的な1日のスケジュールを詳しく解説していきます。

午前は1日の準備と情報収集

SES営業の1日は、朝の準備から始まります。出社後にメールチェックを行い、その日の予定を確認します。

朝会や営業部会議で最新の案件情報や市場動向を共有した後、技術者や取引先からの連絡に対応するのが一般的です。重要な情報を見逃さないよう注意深く確認しなければなりません。

午前中の後半には、取引先と打ち合わせに向かいます。ここでは、新規案件の獲得や既存案件のフォローアップを行い、信頼関係を築きます。新規取引先との初回面談では、自社の強みをアピールし、今後の協力関係の基盤を作ることが重要です。

午後からはクライアント訪問と商談

SES営業の午後は、クライアント訪問と商談が中心です。多くの企業では、午後の時間帯を顧客との直接的なコミュニケーションに充てています。これは、既存顧客との信頼関係構築を重視するSES業界の特性によるものです。

訪問時には、クライアントのニーズを丁寧に聞き取り、適切な提案を行います。また、エンジニアの状況や新規案件の情報共有も行います。

週15件、月間60件という具体的な訪問目標を設定している企業も少なくありません。 効率的な営業活動のため、訪問時に次回の打ち合わせをセッティングすることもあるようです。

打ち合わせ時間は、短縮しすぎないように注意する必要があります。十分な時間をかけて丁寧に対応することで、トラブルの未然防止や顧客ニーズの深い理解につながる可能性があるためです。

1日の締めくくりはフォローアップと翌日の準備

夕方からは、日中の商談や訪問の結果を整理し、顧客管理システムに入力するのが通常です。システム入力を通じ、チーム全体での情報共有が可能となります。続いて、エンジニアとのマッチング作業を行い、案件に適した人材を選定します。

訪問先の資料作成や提案書の修正といった翌日の準備も欠かせません。 夜には、遠方のクライアントや多忙な担当者とのWeb会議を設定することもあります。これは、効率的な時間活用と柔軟な対応力を示す重要な機会です。

最後に、1日の振り返りと翌日のスケジュール確認を行います。この習慣により、常に先を見据えた営業活動が可能になります。

SES営業に必要なスキルと身に付け方

握手する二人

(出典) pixta.jp

SES営業の成功には、特定のスキルが求められます。ここでは、SES営業に必要な主要なスキルとその効果的な習得方法を紹介します。

コミュニケーション能力の重要性と向上方法

顧客企業とエンジニアの双方と良好な関係を築き、最適なマッチングを実現する上では、コミュニケーション能力が必要です。

クライアントに対しては、プロジェクトの目的や求めるエンジニア像を的確にヒアリングし、潜在的なニーズを引き出さなければなりません。

エンジニアに対しては、仕事内容や条件を分かりやすく説明するとともに、キャリアプランやスキルアップの希望を聞き出す必要があります。コミュニケーション能力を向上させるには、日々の業務で意識的に実践することが大切です。

例えば、「相手の立場に立って考える」「積極的に質問する」「相手の表情や態度に注目する」などの姿勢が求められます。社内外の勉強会やセミナーに参加し、多様な人々と交流することも有用です。

IT知識の習得

顧客のニーズを正確に理解し、適切なエンジニアを提案するためには、基本的な技術用語や開発プロセスといったIT知識が不可欠です。

未経験者は、IT業界で頻繁に使用される用語や略語を理解することから始めましょう。Java、Pythonなどのプログラミング言語やクラウドサービスの基礎知識を身に付けることをおすすめします。

基礎知識を身に付けたら、システム開発の基本的な流れを学びます。要件定義・設計・開発・テスト・運用保守といった各フェーズの概要を理解することで、顧客との会話がスムーズになります。

オンライン学習プラットフォームや技術書を活用し、継続的な学習を目指しましょう。社内のエンジニアに質問したり、技術勉強会に参加したりすることで、実践的な知識を得られます。

ビジネススキルの磨き方

SES営業に求められるビジネススキルの中でも、交渉力と提案力は特に重要です。交渉力を磨くコツは、Win-Winの関係性を意識し、相手の立場や利益を考慮しながら自社の利益も確保することです。

例えば、顧客の予算と希望するエンジニアのスキルのバランスを取る際には、柔軟な条件交渉が求められます。

提案力向上には、顧客の業界や課題に関する深い理解が不可欠です。日頃から業界動向や技術トレンドをチェックし、顧客のビジネスに付加価値を提供できる提案を心掛けましょう。

これらのスキルを磨くには、ロールプレイング練習や先輩社員の商談同行、社内外の研修参加が効果的です。

SES営業のキャリアパスと将来性

対面での打ち合わせ

(出典) pixta.jp

SES営業は、キャリアアップの機会が豊富で将来性のある職種です。ここでは、SES営業のキャリアパスと将来の展望について詳しく解説します。

SES営業のキャリアパス

SES営業には、段階的に成長できるキャリアパスがあります。まず、新人営業として経験を積み、顧客との信頼関係を構築していくことが第一歩です。

実績を重ねれば、チームリーダーやマネージャーへと昇進するチャンスが広がります。高度な技術知識を身に付けることで、ITコンサルタントとしての道も開けるでしょう。

キャリアアップの各段階では、求められる役割も変化します。例えば、マネージャーになれば、チーム全体の業績管理や戦略立案が主な仕事となります。一方、ITコンサルタントへの転身を選べば、より専門的な提案力が求められるでしょう。

SES営業の経験を生かし、独立する選択肢もあります。顧客ネットワークと業界知識を武器に、自身のSES企業を立ち上げる道も開かれています。

キャリアアップには、継続的なスキルアップと自己研さんが欠かせません。IT技術の進化は速いため、常に最新トレンドをキャッチアップする姿勢を維持しましょう。

SES営業から派生する転職先と必要スキル

SES営業の経験は、多様な転職先への扉を開きます。例えば、IT知識と営業スキルを生かせる「システム関連の営業職」は、自然な選択肢の1つです。顧客のニーズを理解し、最適なシステムを提案する能力が求められます。

また、「コンサルティングファーム」への転職も魅力的です。IT分野の知見を生かし、企業の経営課題に対してソリューションを提供する役割を担えます。やりがいと高収入の両方が期待できるでしょう。

さらに、近年注目を集めているM&A業界も、SES営業経験者の活躍の場となっています。IT企業の買収や合併において、技術面での評価や統合計画の立案に貢献できます。

転職を成功させるためには、自身のスキルを明確に把握した上で、アピールすることが重要です。さらに、IT業界に精通したエージェントを活用することで、より適切な求人情報を得られる可能性が高まります。

IT業界の動向とSES営業の将来性

IT業界の急速な発展に伴い、SES営業の将来性は非常に明るいといえます。デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速により、企業のIT人材需要は今後も高まると予測されています。 この需要の高まりは、SES営業にとって大きなチャンスとなるでしょう。

AI技術の進化により、SES営業の業務効率化が進むことも期待されます。例えば、AIによる最適なエンジニアマッチングシステムの導入で、より精度の高い人材提案が可能になるかもしれません。

一方で、SES営業には新たな課題も生まれています。リモートワークの普及により、エンジニアの地理的制約が減少し、グローバルな人材獲得競争が激化する可能性があります。SES営業には国際的な視野と多様性への理解が求められるでしょう。

SES営業の年収とインセンティブ制度

商談

(出典) pixta.jp

SES営業の年収は、経験や実績によって大きく変動します。ここでは、SES営業の平均年収や年齢別の推移、高収入を目指すためのコツについて詳しく解説します。

SES営業の平均年収と年齢別推移

SES営業の年収は、経験や能力、成果によって大きく変動します。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、SES営業に違い「営業(IT)」の年収は2023年調査で約620万円です。

新卒のSES営業の年収は300万〜400万円程度ですが、インセンティブにより実際の収入は増える可能性があります。 経験を積むにつれて基本給が上がり、案件の規模や単価も上昇するため、中堅以降のSES営業の年収は平均に近い600万〜800万円程度になります。

優秀な営業では1,000万円を超えることも珍しくありません。しかし、成果主義の側面が強いSES営業は、契約数によってインセンティブが大きく左右されます。

出典:営業(IT) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

高収入を目指すためのSES営業のコツ

SES営業で高収入を目指すには、顧客のニーズを深く理解し、的確な提案を行う必要があります。IT業界の最新トレンドや技術に精通し、クライアントに価値ある情報を提供できれば、信頼関係を築きやすくなるでしょう。

エンジニアとの良好な関係構築も欠かせません。優秀なエンジニアを確保し、適切なマッチングを行うことで、高単価案件の獲得につながります。

さらに、営業活動の効率化も重要です。CRMツールを活用し、顧客情報を適切に管理することで、フォローアップの質が向上し、リピート案件の獲得率が上がります。

新規開拓に注力して月間契約数を倍増させたケースや、特定業界でエキスパートとなり、高単価案件の連続獲得に成功した事例もあります。

SES営業の魅力とキャリアアップの可能性

営業職

(出典) pixta.jp

SES営業は、IT人材を企業に派遣する仕事で、リード獲得やエンジニア紹介、フォローアップが主な業務です。一般的な営業職と違い、コミュニケーション能力や情報収集力のほかに、ITの知識が求められます。

SES営業のキャリアパスは多様です。管理職や独立、他職種への転職も可能で、IT業界の需要拡大に伴い将来性も期待されています。努力次第では高収入が目指せるでしょう。

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