イベントナースの仕事内容とは?必要なスキルやメリットを紹介

イベントナースは、コンサートやスポーツイベントの舞台裏で、人々の安全を支える医療の専門家です。通常の病院勤務とは異なる環境で働くイベントナースの仕事内容や、なるための方法を紹介します。また、メリットやデメリット、適性も確認しましょう。

イベントナースとは?基本的な仕事内容と役割

笑顔の女性看護師

(出典) pixta.jp

イベントナースは、コンサートやスポーツイベントなどで医療サポートを提供する、重要な役割を担っています。まずは、業務内容や勤務形態、病院勤務の看護師との違いについて見ていきましょう。

イベントナースの定義と主な業務

イベントナースは、コンサートやスポーツイベントなどの会場で、医療サポートを提供する看護師です。救護所・医務室で待機し、急病人・けが人への応急処置や救急搬送の判断、熱中症対策などの予防活動を行います。

「一次救命処置」と「ファーストエイド」の範囲内で応急手当を行い、医師の指示なしでの診療行為はできません。医師不在の環境で迅速な判断が求められるため、高度な医療知識と臨機応変な対応力が必要です。

イベントナースの勤務形態と労働条件

イベントナースは、主に単発のアルバイトや短期の契約社員として働き、自身のスケジュールに合わせて仕事を選択できます。日給制が一般的で、1万円前後から始まり、イベントの内容や時間によって2万円以上になることもあるでしょう。

季節による求人数の変動で、収入は不安定になりがちですが、多様なイベントでの経験を積める点が魅力です。ただし、イベントごとに環境が変わるため、高い適応力と柔軟性が求められます。

イベントナースと病院勤務看護師の違い

イベントナースは単発契約が多く、応急処置や健康管理が中心です。一方、病院勤務は継続的な雇用で、幅広い看護スキルが求められます。給与面では、イベントナースは日給制、病院勤務は月給制が一般的です。

労働時間は、イベントナースがイベント開催時間に限定されるのに対し、病院勤務は夜勤などの変則勤務があります。また、病院勤務の方がさまざまな症例を経験でき、スキルアップの機会も多いでしょう。

イベントナースのメリットとデメリット

笑顔でメモを取る女性看護師

(出典) pixta.jp

イベントナースの仕事には、メリットとデメリットが存在します。多様な経験を積める機会や柔軟な働き方といったメリットがある一方で、収入の不安定さや専門性の維持といった課題もあります。以下、それぞれの側面を詳しく見ていきましょう。

イベントナースのメリット

イベントナースは、コンサート・スポーツ大会・修学旅行など、多様な現場で医療スキルを生かすことができます。通常の病院勤務では得られない、貴重な経験を積む機会が豊富です。

また、単発の仕事が多いため、自分のスケジュールに合わせた勤務が可能です。他の仕事との両立や、育児中のスポット勤務にも適しています。

さらに、イベント関係者や参加者との交流を通じて、コミュニケーション能力や柔軟性を磨くこともできるでしょう。

イベントナースのデメリット

イベントナースの主な課題は、開催頻度や規模による収入の変動と、専門性の維持です。医師が常駐していない環境で、単独判断を求められるため、高度な医療スキルと迅速な判断力が必要となります。

しかし、イベントナースの仕事だけでは、これらのスキルを維持・向上させる機会が限られるでしょう。また、毎回異なるスタッフとの連携が必要なため、高いコミュニケーション能力も求められます。

イベントナースに必要なスキルと経験

会議中の医療従事者たち

(出典) pixta.jp

イベントナースには、一般的な医療知識に加え、緊急時の迅速な判断力や多様な人々とのコミュニケーション能力が求められます。その経験は、キャリアの幅を広げる貴重な機会となり得るでしょう。以下では、必要なスキルや資格、キャリアパスについて解説します。

イベントナースに求められる医療スキルと資格

イベントナースには、看護師免許に加えて、3年以上の臨床経験が求められることが少なくありません。特に、救急看護や外来勤務などの経験があると有利です。

救命処置スキルの習得も不可欠で、AEDの操作や心肺蘇生法に精通していることが求められるでしょう。医師不在の環境で適切な処置を行うため、冷静な判断力と応用力も重要です。

一部のイベントでは、救急救命士の資格が求められることもあるようですが、一般的には必須ではありません。求められるスキル・資格は、イベントの内容や雇用主によって異なるため、具体的な条件を確認することが重要です。

イベントナースに役立つコミュニケーション能力

イベントナースは、医療スタッフ・主催者・参加者など、さまざまな人々と円滑な意思疎通を図る必要があります。特に救護が必要な人やその家族に対して、状況を分かりやすく説明し、安心感を与えることが重要です。

また、予期せぬ事態への臨機応変な対応力と、サービス業としての丁寧な言葉遣いも求められます。高いコミュニケーション能力を生かして、イベント参加者の安全確保に貢献します。

イベントナースのキャリアパスと将来性

イベントナースの経験で培われた危機管理能力・臨機応変な対応力は、救急医療や災害医療の分野でも生かすことができるでしょう。

また、医療イベントのコーディネーターやコンサルタントとして、キャリアを発展させられる可能性もあります。語学力を身に付けることで、国際的なイベントや海外での医療支援活動への参加も可能です。

病院や診療所での勤務に戻る際にも、イベントナースの経験は貴重なスキルとして評価される可能性があるでしょう。

イベントナースになる方法は?

タブレットを使って情報を共有する看護師たち

(出典) pixta.jp

イベントナースには、どのような人が向いているのでしょうか?また、求人情報の探し方や、イベントナースとしてキャリアをスタートする際のポイントもチェックしましょう。

イベントナースに向いている人の特徴

イベントナースには、予期せぬ事態に対する臨機応変な対応力と、イベントスタッフや来場者との円滑なコミュニケーション能力が不可欠です。

また、一人で医療対応を行う場合もあり、高い責任感も求められます。長時間勤務や屋外での活動が多いので体力が必要なほか、さまざまな環境の変化に柔軟に対応できる適応力も必要です。

1日単位の単発の仕事が基本となるため、自分のペースで働きたい人に適しています。

イベントナースの求人情報と応募方法

日本イベントナースセンター(JENC)などの専門機関や医療系求人サイトで、イベントナースの求人を見つけることができます。応募には、看護師または准看護師の免許が必要で、Webサイト上の登録フォームから必要情報を入力します。

書類選考と面接を経て採用が決定され、初めての就業時には事務局のサポートを受けられる場合もあるようです。給与や待遇は案件によって異なるため、各事業所へ確認しましょう。

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イベントナースとしてキャリアスタートする際のポイント

イベントナースとしてキャリアを始める際は、BLSやAEDの資格取得など、基本的な救急処置スキルの習得が重要です。イベント医療に特化した研修や講習会への参加を通じて、現場での対応力を高めることが推奨されます。

初めは小規模なイベントから経験を積み、徐々に活動範囲を広げていくのがおすすめです。また、収入の変動に備えた資金計画も大切です。常に新しい医療知識の習得を心がけることが、成長につながります。

まとめ

屋外で笑顔の看護師

(出典) pixta.jp

イベントナースは、医療スキルとコミュニケーション能力を生かし、さまざまな場面で活躍できる魅力的な職種です。病院勤務と比べて自由度が高く、幅広い経験を積める一方、収入の不安定さや専門性の維持が課題となります。

適性や興味に応じて選択できるキャリアオプションとして注目され、関連分野へのキャリア展開も可能です。求人情報を活用し、自身の適性を見極めながらキャリアをスタートすることが重要です。