AWSエンジニアになるには?未経験からのキャリアチェンジ方法

AWSエンジニアは、Amazon Web Services(AWS)を駆使し、企業のITインフラを構築・運用する、現代社会において必要不可欠な存在です。AWSエンジニアになるには、どのようなスキルが必要でどんな仕事をするのか? 未経験者にも分かりやすく解説します。

AWSエンジニアの仕事内容とは?

二台のモニターを見る

(出典) pixta.jp

AWSエンジニアの仕事は、Amazon Web Services(AWS)の多様なサービスを駆使し、ビジネスニーズに応じたITシステムを構築・運用することです。主な業務内容を見ていきましょう。

クラウドインフラの設計と構築

顧客の要望をヒアリングし、AWSの豊富なサービス群の中から最適なものを選択し組み合わせてクラウドインフラを設計・構築します。

仮想サーバー、ストレージ、データベースなど、必要なリソースをAWS上に構築し、システム全体の設計を行います。

例えば、EC2インスタンスを用いたサーバー環境の構築や、VPCを利用したネットワーク設計、RDSやDynamoDBを用いたデータベースの導入、S3を用いたストレージソリューションの実装なども挙げられるでしょう。

システムの運用と保守

構築したシステムが安定して稼働するように、24時間365日体制で運用・保守を行います。

システムの監視、パフォーマンスの分析と改善、障害対応などを行い、常に最適な状態を維持することで、ビジネスの安定稼働を支えます。

具体的には、CloudWatchを使用したリソースの監視や、アラートの設定による異常検知、セキュリティグループやIAMポリシーの管理によるシステムセキュリティの強化、定期的なバックアップやパッチ適用などがあります。

さらに、Auto Scalingを活用した負荷分散の調整や、コスト最適化のためのリソース使用状況の分析なども含まれることがあるでしょう。

セキュリティ対策とコスト最適化

セキュリティ対策もAWSエンジニアの重要な仕事の1つです。アクセス権限の設定、セキュリティ監査の実施などを行い、システムを不正アクセスやサイバー攻撃から守ります。

同時に、AWSリソースの利用状況を分析し、コスト削減のための対策を検討・実行することで、企業のITコスト最適化に貢献します。

具体的なセキュリティ対策としては、IAMによるアクセス権限の管理、GuardDutyを用いた脅威検出、Inspectorによる脆弱性診断、CloudTrailでの操作ログ記録、KMSによる暗号化などが挙げられるでしょう。

AWSエンジニアに必要なスキルと知識

プログラミング

(出典) pixta.jp

AWSエンジニアとして活躍するには、以下の3つのスキル・知識が重要です。以下で詳しく解説していきます。

AWSサービスの深い理解

AWSは、200種類以上のサービスを提供しています。それぞれのサービスの機能や特徴を理解し、顧客のニーズに合わせて適切なサービスを選択・活用できる能力が求められます。

AWSのサービスは常に進化しているので、最新の情報にキャッチアップする努力も必要です。主要なサービスには、仮想サーバーのEC2、ストレージのS3、データベースのRDS、サーバーレスコンピューティングのLambdaなどがあります。

これらのサービスは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、セキュリティなど、多岐にわたる分野をカバーしています。

プログラミングとスクリプティング能力

AWSを効率よく使うためには、操作を自動化したり、特定のニーズに合わせたツールを作るためのプログラミングやスクリプトの知識が必要です。

AWSエンジニアがよく使うプログラミング言語には、Python、Ruby、PHP、Javaなどがあります。これらの言語を使うことで、AWSのコマンドラインツール(AWS CLI)を通じて自動化や、AWS専用の開発キット(AWS SDK)を使ったアプリケーション開発が可能です。

また、AWSの設定を自動化するツール(AWS CloudFormation)のテンプレート作成にも、これらのスキルが役立ちます。さらに、システム管理に欠かせないシェルスクリプトの知識も重要です。

ネットワークとセキュリティの知識

AWSはクラウドサービスであるため、ネットワークとセキュリティに関する知識は欠かせません。

ネットワークの基礎知識、セキュリティ対策のノウハウなどを習得しておくことで、安全で安定したシステムを構築・運用することができます。

さらに、定期的なセキュリティ監査やシステムの脆弱性対応も重要な要素です。

VPCの適切な設計は、システムの可用性とセキュリティに大きな影響を与えます。セキュリティグループやネットワークACLを活用し、必要最小限の通信のみを許可することで、セキュリティを強化できます。

AWSエンジニアのキャリアパスと年収

パソコンを手にしているビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

AWSエンジニアのキャリアパスは多岐にわたり、経験年数やスキルによって様々な役割を担うことができます。

経験年数別の役割と責任

未経験者の場合は、まず運用・保守などの比較的簡単な業務からスタートし、先輩エンジニアの指導を受けながら経験を積みます。

そして、経験を積むことで設計・構築、そしてプロジェクトリーダーやアーキテクトといったポジションへとキャリアアップしていくことができます。

新人エンジニアは主に基本的なAWSサービスの設定や運用を担当し、3年程度の経験を積むと、プロジェクトの中核を担う存在となり、複雑なシステム設計や最適化に携わるようになります。

5年以上のベテランエンジニアは、チームリーダーやアーキテクトとして、大規模プロジェクトの統括や技術戦略の立案を任されることが多くなります。

AWSエンジニアの平均年収と年収アップの方法

AWSエンジニアの平均年収は、求人情報サイトなどによると、約750万円とされます。会社員で約580万円、フリーランスで約800万~900万円と、他のITエンジニアと比較しても高水準です。

AWS認定資格の取得や、専門性の高いスキルの習得、そしてAWSに関する深い知識と経験を積むことによって、さらに年収アップが見込めます。

また、プロジェクトマネジメントやセキュリティ対策、クラウド移行支援などの実績を積むことで、さらなる評価が得られます。

幅広い運用スキルの習得や、インフラのコード化、データベース設計・運用の知識を深めることが効果的です。

AWSエンジニアに役立つ資格と取得方法

タイピングする手元

(出典) pixta.jp

AWSエンジニアとしてのスキルを客観的に証明し、キャリアアップを図るには、AWS認定資格の取得が有効です。また、資格取得により専門知識が深まり、業界での信頼度が向上する点も大きなメリットです。

AWS認定資格の種類と特徴

AWS認定資格には、難易度や対象者に応じて10種類があります。

基礎レベルの「Cloud Practitioner」から、専門性の高い「Solutions Architect - Professional」「DevOps Engineer - Professional」まで、自身のレベルや目標に合わせて選択できます。

例えば、「Solutions Architect - Associate」は、AWS環境の設計や提案を行うSEやコンサルタント向けの資格で、AWSの幅広い基礎知識が問われます。

一方、「DevOps Engineer - Professional」は、AWS環境におけるシステム開発・運用・自動化に関する高度な知識と経験が求められる上級者向けの資格です。

資格取得のための学習方法とリソース

AWS認定資格の取得には、さまざまな学習方法とリソースがあります。公式トレーニングコースの受講や、AWS公式ドキュメントの活用、模擬試験による対策などが有効です。

AWS公式のトレーニングコースでは、AWSの専門家から直接指導を受けることができます。

AWS公式ドキュメントは、AWSのサービスに関する詳細な情報が網羅されており、独学に役立ちます。模擬試験は、実際の試験形式に慣れることができ、弱点克服にも効果的です。

未経験からAWSエンジニアになるためのステップ

パソコンを操作するビジネスパーソン

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未経験からAWSエンジニアを目指すには、正しいステップを踏むことが非常に重要です。AWSの基本知識を習得し、実際に手を動かしてスキルを磨くことで、エンジニアとしての道を切り開くことができます。

基礎知識の習得と実践的なスキルの獲得

まずはAWSの基礎知識を習得し、AWSの無料利用枠などを活用して実際にAWSのサービスに触れながら、実践的なスキルを身に付けましょう。

オンライン学習プラットフォームや書籍などを活用することで、効率的に学習を進めることができます。

具体的には、AWSのアカウントを作成し、AWSコンソールにログインして、EC2インスタンスを起動したり、S3バケットを作成したりといった基本的な操作を練習してみましょう。

ポートフォリオの作成とインターンシップの活用

AWSで構築したシステムやアプリケーションなどをポートフォリオとしてまとめ、自分のスキルをアピールしましょう。

可能な限り、オリジナルのシステムやアプリケーションを開発し、GitHubなどで公開することで、より効果的にアピールできます。

また、インターンシップに参加して実務経験を積むことも有効です。インターンシップでは、実際の業務を通してAWSのスキルを習得できるだけでなく、企業の文化や働き方を体験することができます。

AWSエンジニアへの転身を実現しよう

デスクワーク

(出典) pixta.jp

AWSエンジニアは、IT業界の成長を支える重要な役割を担っています。未経験からでも、積極的に行動することで、AWSエンジニアへの転身は十分に可能です。

ぜひ、本記事を参考にして、AWSエンジニアを目指してください。 転職サービスの活用も有効な手段です。

例えば、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」のようなサービスを利用すれば、AWSエンジニアの求人情報を探すことができます。専門のアドバイザーに相談することで、自分に合ったキャリアプランを検討することも可能です。

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