個人営業に向いている人とは?仕事の特徴と求められるスキルを解説

個人営業に興味はあるけれど、実際の仕事内容や収入について、不安に思う人も多いでしょう。自分に向いているのかどうかも、気になるポイントです。法人営業との違いや年収の目安なども含めて、個人営業を目指す人に役立つ情報をわかりやすく解説します。

個人営業とは?仕事内容と特徴を解説

握手するビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

個人営業はその名の通り、個人に対して商品やサービスを販売する仕事です。扱う商品・サービスの具体例や仕事の魅力、法人営業との違いを見ていきましょう。

個人営業の定義と主な業務

個人向けの商品やサービスといっても、たくさんの種類があります。住宅や自動車、宝飾品などの有形商品から保険・金融・インターネット回線などの無形のサービスまで、個人営業が扱う商材もさまざまです。

不動産・自動車・保険・通信・教育など、幅広い業界で活躍できる職種といえるでしょう。営業のスタイルは、扱う商材やターゲット層によって異なります。

新規開拓のために電話をかけたり、訪問したりすることもあれば、広告を見た人からの問い合わせに対応することもあります。店舗に来た人に商品をおすすめするのも、個人営業の1種です。

顧客との接点ができたら、ニーズを丁寧にヒアリングし、最適な提案をして成約につなげます。

個人営業の特徴と魅力

個人営業の特徴として、顧客との距離が近く、信頼関係を築きやすい点が挙げられます。顧客から直接感謝の言葉をもらえると、自分の仕事が人の役に立っていると実感でき、やりがいを感じるでしょう。

また個人営業は努力が売上にダイレクトに反映されるので、モチベーション維持につながります。インセンティブにより、収入アップを見込めるのも魅力の1つです。

一方で、数値目標達成へのプレッシャーは避けられません。顧客の都合に合わせた対応が求められるため、ワークライフバランスの調整が難しい場合もあります。

個人営業と法人営業の違い

法人営業は、企業に対して商品やサービスを販売する仕事です。扱う商材の例としては、DX促進用システム・OA機器やオフィス家具・コンサルティングサービス・製造用の部品や原料などが挙げられます。

個人営業との大きな違いは、成約までのスピードです。個人営業ではほとんどの場合、交渉相手またはその家族など身近な人が決裁者となるため、成約までのスピードが速い傾向にあります。

一方、法人営業は担当者から経営陣まで複数の人を説得する必要があり、社内での検討にも時間がかかります。また個人営業では顧客に好かれる、信頼されるといった人柄が重要ですが、法人営業では論理的思考力やプレゼン能力が欠かせません。

個人営業に求められるスキルと適性

電話営業

(出典) pixta.jp

個人営業には、どのような人が向いているのでしょうか?求められる基本スキルと適性を解説します。

個人営業に必要な基本スキル

営業職には、基本的に高いコミュニケーション能力が求められます。顧客との信頼関係を築き、ニーズを的確に把握するために、まずは相手の話をじっくりと聴く力が必要です。

会話中の表情やしぐさから、顧客の興味や不安を察知し、提案の糸口とする観察力も欠かせません。一方的に提案するのではなく、顧客の立場に立って考え、双方が納得できる条件を示す気配りも大切です。

販売・接客経験がある人は、個人客とのコミュニケーションや気配りの経験をアピールすれば、採用において有利になるでしょう。

個人営業に向いている人物像

他人とのコミュニケーションを楽しめる人は、個人営業に向いています。初対面の人とも自然に会話を展開し、相手の立場に立って考えられる共感力が重要です。

個人営業は、アポイントを取り付けたり、訪問スケジュールを組んだりといった活動を全て自分で行うため、自己管理能力も欠かせません。

困難な状況に動じない強い精神力もあるとよいでしょう。顧客とのトラブルやノルマ達成のプレッシャーなど、精神的なストレスがかかる場面が多いからです。

これらの特性に加え、日々の小さな努力を積み重ねられる人なら、個人営業で成功する可能性が高いといえます。

個人営業の収入と評価基準

町を歩くビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

個人営業の収入構造と評価基準は、この職種を理解する上で重要です。平均年収、業績評価の指標、報酬体系と昇給の仕組みについて、具体的な数字や事例を交えながら解説します。

個人営業の平均年収と収入構造

個人営業の平均年収は、業界によって異なります。厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、住宅・不動産営業が579.5万円、自動車営業が533.5万円、保険営業が469.2万円となっています。

個人営業の収入は固定給だけでなく、成果に応じたインセンティブが設けられていることが特徴です。年齢や勤務年数にかかわらず、努力次第で高収入を目指せる職種といえるでしょう。

営業成績が直接収入に反映されるため、やりがいを感じやすい反面、収入の変動も大きくなる傾向があります。

出典:住宅・不動産営業 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

出典:自動車営業 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) 

出典:保険営業(生命保険、損害保険) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

個人営業の業績評価基準

個人営業の業績は基本的に、売上高や成約件数などの数値目標達成率で評価されます。数値には担当者の努力の成果が直接反映されるため、公平な評価につながるでしょう。

ただし単に数値だけで評価するわけではありません。同じ商品を同じ数売ったとしても、相手が新規顧客と既存顧客とでは、難易度が変わります。既存顧客への対応に追われ、営業活動ができずに売上が下がるケースもあるでしょう。

このため多くの企業では、いくつかのKPI(重要業績評価指標)を設定し、多角的に評価しています。月間売上目標達成率や新規顧客獲得数のほか、既存顧客維持率やクレーム発生件数などが代表的な指標です。

また、プロセス評価も重視されつつあります。日々の活動量や商談の質、顧客とのコミュニケーション能力なども評価対象となり、結果だけでなくそこに至るまでの過程も重要視されています。

個人営業の報酬体系と昇給の仕組み

個人営業の報酬体系は、先述の通り基本給とインセンティブの組み合わせが一般的です。インセンティブの内容は会社によってさまざまです。

例えば保険営業の場合、インセンティブの相場は顧客が支払う保険料の20~30%といわれています。売上金額に関係なく、1件当たり〇〇円と決まっているケースもあります。

営業スキルや顧客管理能力が向上すれば、社内での評価が高まり、昇給も期待できるでしょう。

個人営業のやりがいと厳しさ

手帳を抱えたビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

顧客との距離が近い個人営業は、やりがいも厳しさも、全て自分で受け止める仕事ともいえます。ストレス解消法も併せて、個人営業の実態を解説します。

個人営業のやりがいと醍醐味

個人営業のやりがいは、顧客との直接的な関わりから生まれます。顧客の課題解決に貢献し、成果を目の当たりにできることが、大きな魅力です。「あなただから買う」という言葉をもらえたときの喜びは格別で、自分の人柄や努力が成果に直結する実感が得られます。

また、成果が評価に反映されやすいため、年齢に関係なく高収入を得たり、昇進したりする可能性もあります。

顧客からの感謝の言葉や、努力した分だけ報われるという達成感は、個人営業ならではの醍醐味といえるでしょう。

個人営業の厳しさと課題

個人営業の厳しさは、ほぼ数字のみで評価される点にあります。売上高や顧客獲得数といった明確な指標で成果を求められるため、常にプレッシャーと隣り合わせです。同僚や部下と比べられてしまうのも、精神的な負担となるでしょう。

多くの場合、インセンティブ制度が導入されているため、成果が出なければ期待通りの収入も得られません。また顧客のスケジュールに合わせて、平日の夜や週末に仕事をするケースもあり、ワークライフバランスの維持を難しくする要因となっています。

個人営業のストレス対策と自己管理

個人営業が高いパフォーマンスを発揮し続けるには、ストレス対策と自己管理が不可欠です。さまざまなストレス解消法から自分に合う方法を選び、実践するとよいでしょう。

定期的な運動や趣味の時間を確保することは、心身のリフレッシュに効果が期待できます。上司や同僚と良好な関係を築き、いつでも相談できる環境を整えることで、精神的な負担を軽減する方法もあります。

自己肯定感を高めるために、小さな成功体験を積み重ねることも大切です。たとえ成約に至らなくても、自らアポイントを取り、商談ができた事実は立派な成功体験といえます。失敗を恐れず、学びの機会と捉える前向きな姿勢が求められます。

個人営業のキャリアパスと将来性

打ち合わせをするビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

個人営業にはマネジメント職への昇進や独立、異業種への転職など、多くの道が開かれています。AIやデジタル技術の進化に伴い、その役割も変化しつつあります。個人営業のキャリアパスと将来性を見ていきましょう。

個人営業のキャリアパス例

個人営業のキャリアパスは、多様な可能性を秘めています。一般的には、実績を積み重ねてマネジメント職や管理職へステップアップする道があります。営業力とマネジメント能力を磨くことで、会社にとって不可欠な人材となれるでしょう。

独立し、フリーランスとして活躍する選択肢もあります。高単価なインセンティブを得られる業務委託も増えており、個人営業で培った顧客とのコミュニケーションスキルは、独立後も大いに役立ちます。

扱う商材はたくさんあるので、異業種への転職も容易です。法人営業・コンサルティング・マーケティングなど、個人営業の経験を生かせる職種も多岐にわたります。新規開拓やニーズ分析のスキルは、さまざまな分野で重宝されるでしょう。

個人営業の将来性と市場動向

個人営業の将来性は、AIやデジタル技術の進化により変化しつつあり、一部の業界では、オンライン販売やAIによる自動化が進み、従来型の個人営業の需要が減少しています。

しかし、高額商品や金融・保険商品など、複雑な説明や個別のニーズに応じた提案が必要な分野では、人間の営業担当者の価値が依然として高いといえます。

今後個人営業に求められるのは、AIにはない人間らしさを生かしたアプローチです。顧客との信頼関係構築やきめ細やかなニーズヒアリング、そして柔軟な対応力は、今後も変わらず重要とされるでしょう。

一方、オンラインでの営業活動全般を担える人材の需要も、高まると予想されます。いずれにしても、市場の変化に柔軟に対応し、常に自己成長を続けることが、個人営業の将来性を高める鍵といえるのです。

実力が勝負の個人営業

外回りするビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

個人営業は、顧客との直接的な関係構築を通じて商品やサービスを販売する職種です。法人営業とは、顧客へのアプローチ方法や商談プロセスに違いがあります。

高いコミュニケーション能力や自己管理能力が求められますが、成果に応じた収入を得られる可能性が高く、夢のある仕事ともいえるでしょう。

マネージャーや営業戦略立案者、フリーランスへの転身など、営業スキルを生かせるキャリアパスの選択肢がたくさんあるのも魅力の1つです。

個人営業としてキャリアアップを目指すなら、国内最大級の求人情報一括検索サイト「スタンバイ」がおすすめです。豊富な求人情報で、理想の転職を実現します。無料で利用できるので、今すぐ新たな可能性を探してみましょう。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人情報一括検索サイトなら