知らない人と話をすると緊張してしまう人や、職場の人間関係に悩みがちな人は「コミュニケーションが苦手な人」といえます。できるだけ人と関わらなくてよい仕事をしたいと、考える人もいるでしょう。おすすめの仕事や、仕事を探すコツを紹介します。
コミュニケーションが苦手な人におすすめのデスクワーク
デスクワークを希望しているときは、できるだけ1人で可能な作業を選択しましょう。主な職種と、コミュニケーションが苦手な人に向いている仕事内容を紹介します。
データ入力がメインの事務職
事務職の中には、データ入力を中心とした仕事があります。頼まれたデータ入力をコツコツ進めていく作業であれば、コミュニケーションの必要はほとんどありません。
データの入力方法の確認や、提出後のやりとりは求められますが、事務職の中では1人で黙々と続けられる作業です。
一般事務は、会社の方針によるものの、データ入力やメールでのやりとりが中心であれば、コミュニケーションを取る機会は少ないでしょう。
通常、社内の上司・同僚と連携を取り、顧客・取引先への連絡も必要になるため、人との関わりが絶対ないとは言い切れません。
しかし、事務職といっても営業業務・受付業務なども含まれる場合は、コミュニケーションが多い傾向です。営業社員との連携や顧客対応、来客対応が中心となるため、仕事内容を確認しておきましょう。
営業事務の場合、営業社員が外回り中に事務所でデータ入力をする仕事であれば、負荷が少ない可能性があります。
プログラマー
プログラマーは、システムやアプリ開発のプログラミングをする仕事です。地道にコード入力を続けるため、人との交流は多くありません。
エンジニアとのコミュニケーションは重要ですが、設計・開発の軸を決める役割はエンジニアや営業が担っているため、多くの人とコミュニケーションを取る必要はないでしょう。
設計に沿って正しいコードが入力できるのであれば、手直しや確認のやりとりも省けます。テレワークに対応している会社も多く、在宅に切り替えるとチャットやメール、Web会議が中心となり、さらに1人での作業が増えるでしょう。
Webライター
Webライターは、クライアントの要望に沿って記事を書く仕事です。出勤が必要なタイプとフルリモートが可能なタイプに分かれますが、在宅勤務が可能な会社も多いでしょう。
リモートの場合、やりとりの多くはチャットやメールです。Web会議を行うケースもあるものの、記事執筆・修正に取りかかる時間が長くなっています。執筆は基本的に1人で担当し、修正依頼や編集作業も文字でのコミュニケーションが基本です。
記事執筆や編集、Webメディア制作に関わりたいと感じるなら、Webライターの求人を探してみましょう。
コミュニケーションが苦手な人におすすめの肉体労働
肉体労働の中には、コミュニケーションをあまり必要としないものもあります。コミュニケーションが苦手な人に向いている職種と、仕事内容を確認しましょう。
警備員
商業施設やビルの警備員は、見回り・監視・誘導が主な仕事です。中でも監視・巡回を中心とする作業は、コミュニケーションが苦手でも問題ありません。
周囲とのコミュニケーションが必要となるのは、異常があったときの確認や、定期報告程度です。ただ、2人以上の体制であれば、同僚とのコミュニケーションは求められるかもしれません。
また、車や人の誘導を中心とする警備員は、移動のお願いや訪問の目的を確認するなど、対外的なコミュニケーションを求められるケースも多くなります。仕事の内容や、1人で巡回が可能かどうかを確認すると、希望の仕事が見つかりやすいでしょう。
工場・倉庫の作業員
工場・倉庫での作業は、1人で黙々と進める作業が多くなっています。特にシール貼りや封入作業など、1人で完結する軽作業ならほとんど会話の必要はないでしょう。
頼まれた作業が終わると報告・確認が必要ですが、大きな問題がない限り単純作業を続けられます。
複数人が協力する流れ作業であっても、ミスをしない程度に習熟していれば会話はほとんど発生しません。チーム制を採用している工場でない限り、雑談や質問に悩まされることはないでしょう。
単純作業や製造に興味がある人や、手先が器用な人であれば慣れるのも早いはずです。周囲のサポートを必要としなくなるまで、それほど時間はかからないでしょう。
長距離ドライバー
トラックの長距離ドライバーは、荷物の積み降ろしと運転が主な仕事です。1人体制であれば、運転中は気楽に過ごせます。距離を問わず、1人で作業をするドライバーであれば、コミュニケーションが苦手でも心配ないでしょう。
人と接するのは、出勤時のあいさつや荷物の積み降ろし時が中心で、毎日同じ荷物を同じ場所に運んでいるようなら、会う人も限られます。
車の運転に抵抗がなく、大型免許を取得する予定があれば、長距離ドライバーを検討してみてもよいでしょう。拘束時間は長いものの、運転中や休憩時間を1人で過ごせるのはメリットです。
配達員
配達員は、会社や個人の家に荷物を届ける仕事です。運転と荷物の積み下ろしが中心で、コミュニケーションは少なくなります。荷物の受け渡しはすぐに終わるため、人と顔を合わせるといっても短時間です。
郵便や小型サイズの荷物であれば郵便受けに入るため、配達の内容によっては顔を合わせることもほとんどありません。宅配ボックスへの配達や置き配指定も増えており、あまり人と話したくない人に向いています。
ただし、再配達の依頼やトラブルが起きたときの対応を求められるケースもあります。クレーム対応の際は、普段よりもコミュニケーションが難しくなるため、会社の方針や無理のないスケジュールで仕事ができるか確認しておきましょう。
清掃員
清掃員は、ビルや施設などの清掃を担当する仕事です。短時間のアルバイトを探しているのであれば、1人で黙々と掃除をする求人が多数あります。
清掃員としてフルタイムで働きたい場合は、複数の施設・ビルを管理する会社が適しているでしょう。管理している施設を順番に回り、清掃していきます。
規模や業態によってはチーム制で働くこともあり、雰囲気は会社ごとに異なります。清掃以外の業務が加わることも多いため、求人を探すときは仕事内容や雰囲気を詳しくチェックしましょう。
低ストレスで働くための仕事の選び方
コミュニケーションによってストレスがたまる場合は、自分に合う職場を見つけることが重要です。コミュニケーションが苦手な人が、仕事探しの際に注意しておきたいポイントと、仕事の選び方を解説します。
コミュニケーションが苦手な理由を把握する
「コミュニケーションが苦手」といっても、内容によって向いている仕事は変わります。さまざまな人と会うことが苦手であれば、たとえ短時間であっても多くの人と接する仕事は向いていないでしょう。
特定の同僚・上司とのコミュニケーションに悩む場合は、1人で店番や事務所の管理をする仕事が向いているかもしれません。
対面でのコミュニケーションが苦手でも、電話や文字であれば問題ないケースもあります。リモートが可能な仕事や、できるだけ会話の少ない単純作業であれば、問題なく仕事を進められる可能性があります。
仕事内容と一緒に職場の雰囲気をチェック
コミュニケーションが苦手な場合、職種だけでなく職場の雰囲気も重要です。具体的な仕事内容や雰囲気を知りたいときは、口コミもチェックしましょう。
転職先が店舗や一般に公開されている施設であれば、実際に見に行ってみると雰囲気が分かります。
たとえ1人でできる作業であっても、人間関係が難しい職場では、期待とは違う結果になってしまうかもしれません。面接の際に見学ができるようであれば、従業員の人柄や指示の仕方を確認しておきましょう。
面接対策もチェック
面接が苦手な場合、対策と心構えが大切です。面接を受ける前の準備と、面接中に心掛けることを紹介します。
事前に練習をしておく
面接でのコミュニケーションが心配なときは、しっかり事前に練習し、できるだけ不安要素を取り除いておきましょう。
面接対策をしていない場合、コミュニケーションが苦手であるかどうかを問わず、質問に答えられないケースがあります。
面接対策として練習をする場合は、家族や友人に面接官役を頼むか、ハローワークの模擬面接を活用するなど、実際の面接に近い形での練習を検討しましょう。
話すときは前を向いて話す
コミュニケーションが苦手な場合、自分の話している内容に自信がなくなり声も小さくなりがちです。しかし、面接官に答えを聞き返されたり、もう一度最初から話してほしいと言われたりすると、余計にパニックになってしまいます。
できるだけ声がしっかり届くよう、前を向いて話すよう心掛け、発音にも気を付けましょう。前を向くと声が通り、相手に伝わりやすくなります。
直接目を見て話すのはコミュニケーションが得意な人でも難しいため、胸元や首の辺りに視線を向けるなど工夫しましょう。
コミュニケーションが苦手な人の割合は?
コミュニケーションがうまくいかないと、自分に問題があるように感じてしまうこともあります。他の人は、コミュニケーションに関してどう考えているのでしょうか?苦手とする人の割合を紹介します。
約5割の人が苦手意識を持っている
文化庁が行っている「国語に関する世論調査」の「平成23年度」版において、「人とのコミュニケーションについて」に関する回答を見ると、初めて会った人との会話に対して「どちらかというと苦手である」「苦手である」と回答した人の合計は約5割です。
人間関係の構築や慣れるまでに時間がかかる人は多く、コミュニケーションが苦手であっても大きな問題はないといえそうです。
また、「平成24年度」版によると、6割を超える人が「相手の意図と自分の受け取り方が違っていた」「自分の言いたいことがうまく伝わらなかった」という経験を持っています。
そのため、たとえコミュニケーションがうまくいかなかったとしても、自分だけが悪いと責める必要はないでしょう。
無理をするより自分に合う仕事を見つけよう
コミュニケーション能力に不安があるときは、自分の性質に合う仕事を見つけるとうまくいきます。同じ職種であっても、業務内容・職場の雰囲気によってコミュニケーションの難易度は変わるため、企業研究・自己分析をしっかり行いましょう。
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