多くの人がパソコン・スマホを日常的に使用する現代社会において、定期的な「デジタルデトックス」が重要という意見が聞かれるようになりました。デジタルデトックスのメリットとは、何なのでしょうか?具体的な方法やポイントとともに、詳しく解説します。
デジタルデトックスのメリットとは?
デジタルデトックスとは、パソコン・スマホなどの電子機器から距離を置くことにより、肉体的・精神的な疲労を軽減する取り組みです。一定期間、電子機器から離れることで、以下の効果を得られるといわれています。
時間を有効活用できる
パソコン・スマホに触れる時間を減らすことにより、限られた時間を有効に使えるようになるのがデジタルデトックスの目的であり、大きなメリットの1つです。
特に必要がないにもかかわらず、無意識にスマホを操作しているという人は少なくありません。気が付かないうちに、何時間も経過していた経験のある人も多いでしょう。
自分の仕事・生活に必要な情報を得るためならば意義がありますが、本来は必要のない情報の閲覧を続けている人もいます。
そこでデジタルデトックスにより、スマホから無駄な情報を得る時間を減らせば、自分にとって本当に重要な事柄に時間を使えるようになるでしょう。目的のある、有意義な人生を送るきっかけにもなります。
リラックスできる
デジタルデトックスにより、日常的にリラックスできる環境を整えられるのもメリットです。近年は、多くの人がパソコン・スマホでSNSを利用しています。
他者の投稿を追うのが日常化していたり、自分に必要のないコンテンツを閲覧し続けたりしている人は珍しくありません。本質的には自分に関係のない情報の収集に、貴重な時間を浪費してしまっているのが実態です。
また、電子機器を通じてさまざまな情報を長く見ていると、肉体的・精神的にも疲れてしまいます。デジタルデトックスにより不要な情報から離れ、静かに過ごす時間を大切にすることで、心身ともにリラックスでき、ストレスの軽減につながるでしょう。
体の不調が改善する
パソコン・スマホを長時間使っていると、目が疲れてしまったり、首や肩などが痛くなったりするケースがあります。
デジタルデトックスを徹底すれば、そのような不調が改善する可能性があります。日常的に疲労・体の痛みを感じる人は、ひとまず電子機器を利用する時間を制限してみましょう。
また、電子機器が発するブルーライトは、疲れ目の原因になるほか、良質な睡眠の妨げになるともいわれています。特に日頃から寝付きが悪い人や、睡眠不足に悩まされている人などは、積極的にデジタルデトックスに取り組むことをおすすめします。
デジタルデトックスのデメリット
デジタルデトックスには多くのメリットがあり、どのような立場の人にもおすすめできる取り組みです。ただし、以下のような注意点もあるので、事前に対策を立てておきましょう。
落ち着かなくなってしまう
これまで常にパソコン・スマホを使っていた人は、デジタルデトックスにより退屈を感じてしまったり、不安になったりする場合もあります。
スマホを見る時間が長かった人の場合は特に、時間を持て余してイライラしてしまうケースが珍しくありません。スマホに依存している人は、電子機器がなくても生活できるようになるまで、相応の時間がかかるものです。
しかし、電子機器に触れずに生活するのに慣れてしまえば、精神的な落ち着きを取り戻せるようになるでしょう。時間を決めて徐々にスマホに触れる時間を減らすなど、段階的にデトックスに取り組むことが大事です。
緊急時の対応が遅くなる
デジタルデトックスにより、電子機器に触れる時間を減らすことで、緊急時の対応が遅くなる可能性があります。
重要な連絡が来た際にすぐ対応できず、後から問題になるケースも考えられるので、緊急の連絡にはすぐに対応できるようにしておきましょう。家族や上司・同僚などからの連絡のみ、スマホに通知が入るようにしておくなどの工夫が必要です。
また、パソコン・スマホに触らないことで、仕事に支障が出る可能性もあります。本格的にデジタルデトックスに取り組む期間は、仕事の連絡が入らない時期にするか、事前に周知しておきましょう。
デジタルデトックスの方法
デジタルデトックスに取り組む際には、以下の流れを意識する必要があります。まずは、1日のパソコン・スマホの使用状況を、正確に把握するところから始めましょう。
1日の使用状況を把握する
自分が1日にどの程度の時間、パソコン・スマホを使っているか正確に把握する必要があります。1日の使用時間を確認できる機能が実装されているスマホも多いので、まずは自分の傾向を把握・分析してみることが重要です。
頻繁に端末を使用している時間帯が分かったら、その時間帯の利用をやめるように意識すれば、徐々にデジタルデトックスが可能になります。
仕事でパソコン・スマホを使用している時間は別として、プライベートで余計な時間を浪費している人は、まずはその時間を有効に使えるようにしましょう。
スマホに触れない環境をつくる
強制的に、スマホに触れない環境を設けるのも効果的です。仕事で日常的にパソコンを利用している人でも、スマホは業務にほとんど使用しない人も多いでしょう。
できるだけスマホを持ち運ばないようにすることで、だらだらとSNS・動画などを閲覧する時間を減らせます。
また、休日にはスマホはもちろん、パソコンからも離れて過ごすようにしてみましょう。電子機器に一切触れず、家族とコミュニケーションを取ったり、自然の中で過ごしたりする時間を増やすのがおすすめです。
端末の設定を変更する
端末の設定を変更して、情報を閲覧できない時間帯を設定するのもよいでしょう。
例えば、スクリーンタイム機能を使えば、さまざまなコンテンツ・アプリの利用制限をかけられます。うまく活用すれば、SNSで他者の投稿を閲覧したり、動画を視聴したりするのを防げます。
また、画面をモノクロの状態にしたり、端末を使用する際の手続きを多くしたりする方法もおすすめです。通知を完全にオフにしておけば、必要な時間帯以外に端末を触らずに済むようになります。
デジタルデトックスにはさまざまな方法があるので、自分なりに工夫して取り組んでみましょう。
デジタルデトックスを行う際のポイント
本格的にデジタルデトックスに取り組むならば、以下のポイントを意識することも大事です。1日や2日では効果がほとんどないので、習慣化を目指しましょう。
習慣化するのが大切
デジタルデトックスは習慣化しなければ、ほとんど意味がありません。一時的に電子機器から離れても、すぐに元の生活に戻ってしまう人が多いでしょう。
そのため、端末を利用しない日・時間帯を決めておき、自分なりのルールをしっかり守り続けることが大切です。
電子機器への依存度が高い人ほど習慣化が困難なため、強い意志が必要となります。習慣として身に付いてしまえば、その後維持するのは難しくありません。
まずは短い期間から始めて、徐々にパソコン・スマホに触れない時間を増やしていきましょう。
グッズを活用するのもおすすめ
デジタルデトックスの習慣がうまく身に付かないならば、グッズの利用も検討してみましょう。近年は、デジタルデトックスのためのグッズが、数多く販売されています。
例えば、タイマー機能付きのスマホ専用ポーチを利用すれば、特定の時間帯はポーチにロックがかかった状態になります。デジタルデトックスしたい時間をセットすれば、その時間帯はスマホを全く使えなくなるので効果的です。
また、デトックス中のイライラを防ぐため、アロマオイル・アロマキャンドルなどを使って、リラックスできる環境をつくるのもおすすめです。
日常的にパソコン・スマホで酷使した目を癒やすため、ホットアイマスクを使って体をケアするのもよいでしょう。
デジタルデトックスにチャレンジしよう
デジタルデトックスは、パソコン・スマホに依存しがちな現代人に必要な取り組みといわれており、徐々にその効果が知られ始めています。
限られた時間を有効に使えるようになり、肉体的・精神体な疲労やストレスも緩和されるので、この機会に取り組んでみましょう。
電子機器に触らない生活を実現するのが難しい人でも、少しずつ使わない時間帯を増やしていけば、ストレスの解消・睡眠の質の改善につながります。
デジタルデトックスをサポートするグッズも販売されているので、うまく活用しながら、生活の質を改善していきましょう。