人と関わらない仕事には何がある?メリット・デメリットも紹介

人との関わりが少ない仕事には、『在宅』『接客がない』『1人でできる』などの特徴があります。人と接するのに疲れた人は、自分に向いている仕事についてじっくり考えてみましょう。人と関わらない仕事のメリット・デメリットや、おすすめの職種を紹介します。

人と関わらない仕事のメリット

俯瞰で見るパソコンと印刷されたグラフ

(出典) photo-ac.com

世の中にはさまざまな職種があり、探せば人との関わりが少ない仕事も見つかります。たくさんある仕事の中から、あえて『人と関わらない仕事』を選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

自分のペースで仕事ができる

人と関わらない仕事には、業務の進捗管理がしやすかったり、自由に裁量を利かせられる部分が大きかったりなどのメリットがあります。

グループ作業や人との接触が多い仕事は、どうしても『相手待ち』『相手との意見の擦り合わせ』が多くなるものです。予定通りに業務が進まなかったり、お互いの見解が合わなかったりして苦労することもあるでしょう。

しかし、個人で進められる範囲が大きい仕事なら、他人の進捗状況や都合を考慮しなければならないシーンが少なくなります。

他人の都合に振り回されにくくなり、ストレスなく業務に集中できるでしょう。

人間関係に悩まされない

人と関わることが少なければ、自然と対人トラブルのリスクも下がります。「職場の人間関係に悩まされたくない」と考える人にはメリットが大きいでしょう。

職場の人間関係には、個人ではコントロールしにくい側面があります。どんなに合わない人でも、業務上の関わりがあるのなら最低限のやりとりは必要です。

「イヤだな」「苦手だな」と感じながら働くこととなり、仕事のモチベーションやパフォーマンスは落ちていくでしょう。

他人とコミュニケーションを取ったり、自分の意見を主張したりするのが苦手な人は、特に対人ストレスを多く受けがちです。

人との関わりが少ない仕事を選び、快適な環境で働くことで、心理的な負担が軽減できれば、より良い結果を生むことにもつながるでしょう。

人と関わらない仕事のデメリット

領収書やボールペン、電卓

(出典) photo-ac.com

「人と関わりたくない」という思いだけで仕事を選ぶと、自分が本当にやりたいことから遠ざかってしまう可能性もあります。人と関わらない仕事のデメリットについても、きちんと理解しておきましょう。

仕事を選ぶとき、心にとどめておきたいポイントを紹介します。

収入が下がる可能性がある

一般的に、人と関わらない仕事には『単純作業』『未経験OK』の仕事が多く見られます。複雑かつ難易度の高い業務や、スキルや経験が必要とされる仕事と比較すると給与も少なく、一定以上の収入を得るのは難しいかもしれません。

また、スキルがある人はフリーランスも選択できますが、収入の保証がない点は要注意です。フリーランスは会社員のように、安定的に給料が得られるわけではありません。

収入は受注量に比例するため、『収入ゼロ』が続くことも十分にあり得ます。

キャリアアップが難しい場合がある

人と関わらなくても完結する仕事は、『誰でもできる仕事』が少なくありません。単純作業の繰り返しで、長年勤めてもスキルやキャリアが身に付かない可能性もあるのです。

いざ転職したいときもアピールできるものがなければ、大きなデメリットとなるでしょう。

業務のスキル・コツ・経験の多くは、人から教えてもらったり、人と関わったりすることで得やすくなるものです。

人と関わらない仕事を選ぶことは、既に専門的なスキルを身に付けている場合を除き、視野を広げるチャンスが減ってしまう可能性があります。

人と関わらない仕事【在宅仕事】

白いノートパソコンを打つ人

(出典) photo-ac.com

ある程度のスキルがあれば、在宅で黙々と仕事をこなすことが可能です。他人とのやりとりは、メールやビジネスチャットが主となるケースが多いため、対人ストレスを感じるシーンは少ないでしょう。

ここでは、在宅でできる人と関わらない仕事を紹介します。

Webライター

Webライターとは、インターネット上に公開されるさまざまな記事を作成する仕事です。

報酬は文字数・記事数ごとに設定されるのが一般的で、業務委託契約でフリーランスとして働いたり、雇用契約を結んで企業専属ライターになったりする働き方があります。

基本的には、パソコンと向き合って黙々と働けるため、人と関わらない仕事を探す人に適しています。初期投資が少なく始められる上、中には専門スキル不要・低難易度の案件もあるので、初心者でも取り組みやすいでしょう。

ただし、Webライターで一定収入を得ている人は、積極的な営業やSNSによる情報発信などもしています。人との直接的な関わりは少ないものの、ある程度の社交性があった方が、報酬を得やすい傾向にあります。

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザイン・設計などを行う仕事です。

近年では、社会全体のデジタル化が進んでいることから、Webデザイナーのニーズも高まっています。スキルがあれば、在宅のみで収入を得ていくことは難しくありません。

報酬は、案件ごとに支払われるのが一般的で、対応範囲が広いほど報酬も高額になります。例えば、Webデザインのみ対応可能な人より、サーバー知識やWebマーケティング知識のある人の方が有利です。

極力人と関わらなくても働けますが、フリーランスとして成功するなら、提案力やサポート力は必要です。ある程度のコミュニケーションスキルがないと、安定的にクライアントを獲得するのは難しいかもしれません。

プログラマー

プログラマーは、プログラミング言語を使ってシステムやアプリを構築する仕事です。システムエンジニアが定めた仕様書・設計書通りに、プログラミングを行います。

Webデザイナーと同様にニーズは高く、在宅でもフリーランスとして活動できるでしょう。

ただし、プログラマーでも経験やスキルは重視される傾向にあります。一定レベルをクリアしていないと、高収入を得るのは難しいかもしれません。

また、プログラマーの仕事には、『サーバーの保守・管理に関わる仕事』『高い機密性が求められる仕事』『システムやアプリの動作チェックの仕事』などもあります。

これらは現場での対応が不可欠なため、必然的に人との関わりが必要となるでしょう。

翻訳家

翻訳家は、外国語の文章を日本語に翻訳したり、日本語の文章を外国語に翻訳したりする仕事です。

ただし、一般の人がイメージするような『書籍の翻訳』『映像の翻訳』に携われるのは、実績のあるごくわずかな人のみです。翻訳家になりたいのであれば、企業ニーズが高まっている『ビジネス系の翻訳』を目指すのよいアイデアです。

翻訳家としての主な働き方には、企業の翻訳専門社員として働く方法と、フリーランスで働く方法があります。「絶対に人と関わらない仕事がよい」という人は、社員同士の付き合いがいらないフリーランスの翻訳家を目指しましょう。

人と関わらない仕事【接客が少ない仕事】

俯瞰で見るパソコン作業する人

(出典) photo-ac.com

在宅でなくとも、職種によっては人と関わらずに働けます。「人と関わりたくないけれど、自宅で孤独に働くのもイヤ」という人は、顧客対応や渉外業務が少ない仕事を選びましょう。

「人と関わらない仕事をしたい」という人におすすめの職種を紹介します。

一般事務

一般事務は、データ入力・書類整理・郵便物の仕訳などが主な業務内容です。

時には顧客対応や電話応対もありますが、長時間の対応が求められることは少ない傾向です。営業やマーケティングなどと比較すると、個人でこなす業務の割合が多く、自分のペースで働きやすい仕事といえるでしょう。

しかし、一般事務は人と関わりたくない人には向いている仕事ですが、給与が高いとはいえないのが現状です。また、外注化・システム化が進んで採用枠が減る傾向もあり、競争率は高くなっています。

経理・会計

経理・会計は、企業におけるお金の動きを管理・可視化するのが主な仕事です。

企業によって任される範囲・内容は異なりますが、『売上管理』『給与や保険の計算』『決算書の作成』などが主な業務内容となるでしょう。基本的にデータを見ながらの仕事となるため、人と関わることはそう多くありません。

ただし、人と関わりたくない人に向いているとはいえますが、経験が重視される傾向にある点は覚えておきましょう。即戦力を期待して求人を出す企業も多く、経験ゼロだと採用される確率は低くなります。

書籍の校正・校閲

書籍の校正・校閲は、文章の誤字脱字を修正したり、ファクトチェックや文法チェックをしたりする仕事です。媒体によって定められたルールがある場合は、それに則っているかどうかもチェックしなければなりません。

非常に細かな作業となるため、高い集中力と文章に向き合う忍耐力が求められます。業務中、人と関わることはほぼないでしょう。

校正・校閲の求人は、出版社・新聞社・広告会社などで探せます。校正・校閲の専門会社もあるので、チェックするのがおすすめです。

また、フリーランスとして働く場合は、クラウドソーシングサイトなどで案件を受注できます。

人と関わらない仕事【1人作業の仕事】

交通整理をする男性

(出典) photo-ac.com

デスクワークやパソコン作業に抵抗がある人は、1人で作業できる仕事がおすすめです。特別なスキルがなくても働ける、人と関わらない仕事を紹介します。

工場作業員

工場作業員は、さまざまな製品・食品を作るのが主な仕事です。自動車・お弁当・電化製品など、さまざまな業種の仕事が見つかるでしょう。

業務内容は、ベルトコンベヤーから流れてくる製品の組み立て・検品をする『ライン作業』や、指示されたものを取り出す『ピッキング』などがあります。基本的には1人作業のため、業務中は人と関わることはありません。

学歴や経験を問わない求人も多く、採用率が高めなのも魅力です。

トラック運転手

トラック運転手の業務は、基本的に『運転』『積み荷の上げ下ろし』です。荷物を積んだり下ろしたりする際に人と関わることはありますが、長時間ではありません。人と関わらない仕事を探す人に適しているといえます。

近年では、ECサイト・フリマアプリなどの普及によって、運送業は慢性的な人手不足だといわれています。トラック運転手の需要は高く、仕事を見つけるのは難しくありません。

運転距離・積み荷・業務形態などを比較して、「これならできそう」というものを見つけましょう。

なお、学歴などは問われませんが、運転免許証は必要です。中型以上のトラックは普通自動車運転免許では運転できないため、車種に応じた運転免許を取得する必要があります。

警備員

警備員は、警備を行うのが仕事です。種類は『警備業法』によって分類されており、施設の警備・機械の警備・雑踏の警備・交通誘導などが含まれます。

警備は2人以上で行うこともありますが、業務中に無駄話をすることはありません。黙って業務にあたれるため、人と関わることが苦手な人もストレスを感じずに済むでしょう。

また、警備業にはさまざまな国家資格・公的資格があります。確実に資格を取得していけば、キャリアアップも夢ではありません。将来性・働きがいがあるのも大きな魅力です。

ビル管理スタッフ

ビル管理スタッフの仕事は、ビルの管理・メンテナンスを行うことです。職場は、ホテル・企業ビル・商業ビルなどさまざまであり、求人も多く見つかります。

ビル管理スタッフとして働けば、人と関わるシーンは多くありません。黙々と作業したい人・自分のペースで働きたい人にはマッチしているでしょう。

ただし設備によっては、資格所有者しか触れないもの・メンテナンスできないものがあります。ビル管理スタッフとして働くためには、必要な資格を取得しなければなりません。

例えば、『二級ボイラー技士』『危険物取扱者乙種4類』『第二種電気工事士』『第三種冷凍機械責任者』は取っておくのが望ましいといわれます。

人と関わらない仕事にまつわるQ&A

芝生の上の「Q&A」

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『人と関わらない仕事』というキーワードで検索してみると、いろいろな疑問が湧いてくるかもしれません。特に多いのは、『本当に人と関わらなくてよいのか?』『自分に合う仕事はどうやって探したらよいのか?』ではないでしょうか?

それぞれの回答について詳しく見ていきましょう。

全く人と関わらないで済むの?

厳密にいうと、人と関わらない仕事とは『人とのコミュニケーションの負担が少ない仕事』です。

例えば、フリーランスでも仕事を請けるクライアントとのやりとりは必要になります。また、事務員や工場・警備の仕事でも、同僚とあいさつや世間話くらいはするはずです。

人や企業から報酬をもらったり、会社に顔を出したりする以上『人との関わりが完全にゼロ』の仕事はほぼ存在しないと考えましょう。

今回紹介した仕事は、コミュニケーションスキルが仕事の質に影響しないものばかりです。営業や接客業などと比較して、人との関わりを最低限に抑えやすく、対人ストレスに悩まされにくい仕事といえます。

人と関わらない仕事の探し方は?

仕事を探すときは、求人サイトをチェックしましょう。スマホから検索できるため、わずかな隙間時間を利用して仕事を探せます。

詳細な検索機能を備えているサイトもあり、細かく条件を付けて『人と関わらない仕事』を探すことが可能です。

求人サイトで人と関わらない仕事を探すポイントは、業務内容や企業が求める人物像をしっかりとチェックすることです。

例えば、『顧客対応をお任せします』『人とコミュニケーションを取るのが好きな人』などとある求人は、避けた方が無難かもしれません。

求人サイトによっては、サイトから直接気になる求人に応募できます。スマホで全て完結するため、仕事探しにかかる手間や時間を大幅に削減できるのも魅力です。

また、転職エージェントを利用するのも1つの方法です。担当のエージェントに『人と関わらない仕事』などの希望を伝えれば、ぴったりの仕事を紹介してくれる可能性も高くなるでしょう。

自分の力が発揮できる仕事を探そう

ファイルを持つ作業着姿の男性

(出典) photo-ac.com

人と関わらない仕事とは、『1人で作業できる仕事』『自分の裁量で業務を進められる仕事』のことです。会社員として働くなら、事務職・工場作業員・警備員など、黙々と働きやすい仕事をチェックしましょう。

一方、「自分1人でやっていく」という人は、フリーランスとして独立するのもおすすめです。人との関わりがゼロになるわけではありませんが、関わりを減らすことはできます。

人との関わりがストレスになると、仕事への熱意やパフォーマンスが落ちてしまいます。求人内容を精査して、「これなら自分の力が発揮できるはず」と思える仕事を見つけましょう。