キャリア採用とは?中途採用との違いや転職のポイントについて

キャリア採用と中途採用は、どちらも新卒以外の採用という意味では似ていますが、明確な違いがあります。キャリア採用とはどういう意味か、転職するときのポイント、キャリア採用に積極的な職種などを解説していきましょう。

キャリア採用とは?

面接をする女性

(出典) photo-ac.com

キャリア採用とはどういうことなのか、採用基準や中途採用との違いは何なのか、まずは基本的なポイントをチェックしてみましょう。

スキルや職種経験を持つ人材を採用

新卒採用はこれからスキルや資格を身につけてほしいと期待を込め、将来性を見越してビジネス経験がなく学校を卒業したばかりの人材採用を指します。これに対してキャリア採用は、就業経験があり、多くの場合では同じ業界・職種の経験がある人が主に採用される、即戦力を期待した採用です。

企業側は育成の手間が新卒採用よりも少なく、応募者側は今までの知識を生かせるという点で双方にメリットがある採用方法といえます。

そのため、キャリア採用の募集要項を見ると、「〇〇業界での実務経験○年以上」「マネージャー経験者」といった具体的な応募条件が書かれています。

中途採用との違い

中途採用も、新卒以外での採用という点では同じです。また、キャリア採用と中途採用がほぼ同じ意味で使われる場面もあります。

ただし、キャリア採用が即戦力を期待した意味合いを持つのに対して、中途採用には異業種への転職や実務経験がほぼない第二新卒採用も含まれています。異業種への転職となれば、マネージャーやエンジニアといった特定の職歴ではない限り、即戦力になりにくいのが一般的です。この点が、キャリア採用とのニュアンスの違いといえます。

キャリア採用に積極的な職種

資料を手に歩く女性

(出典) photo-ac.com

キャリア採用に積極的な職種の中で、代表的と言われる職種をいくつか紹介します。

営業・営業企画

営業や営業企画は、ともにスキルが身につくまで時間のかかる職種です。ノウハウがなければ、営業で好成績をあげるのは難しいでしょう。

業界特有のスキルや柔軟性が必要な場面が多いこともあり、このタイプの職種は即戦力を望まれることが多いという特徴があります。

特に企業によっては、マーケットを新規開拓するところから始めなければいけないパターンもあり、経験がある方が有利なためキャリア採用に積極的です。

IT系関連職

SEやプログラマーといった職種は、使用言語やシステム開発など専門知識が必要になってきます。

即戦力が求められるケースも少なくないため、キャリア採用として募集をかけやすい職種です。未経験で入れる企業もありますが、採用率の高さで言えば職種経験がある方が望ましいでしょう。

さらに言えばIT系の職業は日進月歩の業界なので、経験やスキルを持っていることに加え、新しいスキルを学ぶ意欲があるかが求められます。

製造業関連職

現在、製造業は危機的とも言える人手不足の状態です。有効求人倍率で見れば、3倍以上求職者より企業の方が上です。

「1倍」を上回ると企業数の方が求職者数より多いことを示しているため、この数字はかなりの人手不足だと見ることができます。経験者であれば、有利な条件で転職先を探すことができるでしょう。

また資格を生かしやすい職種でもあり、フォークリフト運転技能者やCAD利用技術者、電気主任技術者などがその代表例です。

参考:第1-1-55図 業種別従業員数過不足DIの推移|中小企業庁

キャリア採用の転職を成功させるためには?

パソコンを作業しながらノートを書く

(出典) photo-ac.com

キャリア採用で成功しやすくなるポイントは何でしょうか。情報収集などの事前準備や心構えといった面から解説しましょう。

今までのキャリア・実績の棚卸し

今の自分に何ができるのかを把握することで、キャリア・実績を再確認できます。得意不得意や今まで身につけたスキルの棚卸しをするということです。

このとき、自分の強みだけでなく弱みも同時に把握しておけば、自分に合った転職先を探しやすくなります。

キャリアや実績については面接や履歴書を作成する際にも必要になってくるため、自分の強みをアピールするためにもしっかり整理しておきましょう。

棚卸しのときに役立つ考え方として、1日の仕事の流れを整理するというものがあります。

その中でウェイトが重い業務に着目し、そのタスクをこなすためどういった工夫をしているかを考えましょう。そこで自分ができていることが、強みでありアピールの際に伝えられるポイントとなるでしょう。

転職の目的を具体的に考える

転職は大きく環境が変わるため、迷いがある状態ではなかなか踏みだしにくいものです。しかし転職の目的を具体化することで、迷いは少なくなります。

転職に何を求めているのか、なぜ今の仕事を辞めたいと思っているのか、といった点を明確にしておきましょう。

そこから逆算していけば、転職活動をいざ始めるときに、何のスキルが必要で、どのように取得すればいいかという計画が立てやすく、キャリア採用が近づきます。

目的をはっきりさせておくことで、企業を選びやすくなったり、志望動機を固めることもできたりするため、一石二鳥と言えるでしょう。

キャリア採用企業の情報収集

転職したい企業がキャリア採用をしているところであれば、事前に企業の情報を集めておくことが大事です。

業界内での成績、将来のビジョンなどを確認しておけば意欲の高さをアピールでき、採用されやすくなるでしょう。また収入や待遇、職場の環境なども知っておくことで安心できます。

IT系など、キャリア採用に対して積極的な業界に転職したいのであれば、なるべく多くの情報を集めましょう。そのなかから、自身の転職の目的や転職の軸に合わせ取捨選択をしていくと、納得のいく転職活動になるでしょう。

キャリア採用を狙う際の履歴書のポイント

履歴書

(出典) photo-ac.com

キャリア採用を狙う上で、履歴書でアピールすべきポイントを解説します。主に焦点を当てるのは、職歴欄と資格です。

一番のポイントは職歴欄

キャリア採用では即戦力としての働きが求められます。そのため、企業側が重要視しているのは職歴欄・スキルの有無です。

入社後の活躍がイメージできるような内容であれば、好印象を与えられるでしょう。ポイントは、わかりやすく時系列で記入すること、またたとえ短期間でも勤務した職歴は書くことです。空白期間があると、面接でそこを突っ込まれてしまう恐れがあります。

よりアピールしたい項目がある場合は、経験してきた仕事の多様さ、深さを具体的に伝えるようにするのがおすすめです。

有利になる資格取得も考えて

スキルを履歴書でアピールするのが難しそうな場合、本格的に転職活動する前に、まず資格取得を考えるという手もあります。

資格を持っていることが採用に直結するとは限りませんが、資格を取得することは無駄にはなりません。特に実務経験を補う形で専門知識・スキルをアピールできるような関連資格は、転職に有利に働きやすくなります。

自分のキャリアに今必要なのは何か、何の資格を取れば自分の強みをさらにアピールできるかを考えましょう。強みを伸ばせるような資格も良いですし、あえて新しいスキルを取得して、できることの多さをアピールするのも有効です。

キャリアを生かす転職は情報収集や職歴が大事!

スーツを着てネクタイを締める男性

(出典) photo-ac.com

キャリア採用では、即戦力であることが何よりも大きいポイントになります。そのため自分が培ってきたキャリアをどのように生かし、どのようにアピールするかを考えることが大切です。

実際の転職活動ではキャリアとアピールポイントをしっかりと職歴欄に書いて、面接では自分が即戦力として貢献できる人材であることを伝えなければいけません。

まずは、キャリアの棚卸しをして自分の考えをまとめておきましょう。同時に、企業の情報をしっかりと集め、自分のキャリアを生かすことができるかどうかを見定めます。取った方が有利となりそうな資格あれば、先に取得するのも内定への近道かもしれません。

こういった準備は、キャリア採用を有利に進めるためには欠かせないポイントになるでしょう。