「自分には趣味と呼べるものがないから、面接で聞かれたらどう答えてよいか分からない。」と思っている人は意外と多いかもしれません。面接で趣味を聞かれたときの答え方や、おすすめの回答例を紹介します。企業が趣味を聞いてくる意図も確認しましょう。
企業が面接で趣味を聞く目的とは?
そもそも、面接で趣味を聞く目的が分からないという人もいるのではないでしょうか?一見仕事とは何の関係もないことを面接で聞くのには、何か理由があるはずです。企業が、面接で趣味を質問する2つの目的を見ていきましょう。
人柄や適性を知るため
面接で趣味を尋ねる目的の1つは、応募者の人柄や仕事への適性を知るためです。応募者は面接の準備をしっかりしてくることが多いので、仕事や志望動機に関する質問には、ある意味「模範的な回答」ができます。
面接官はそういった模範的な回答以外にも、応募者自身の「素の姿を知りたい」と思っているものです。
趣味や休日の過ごし方を聞くことで、その人の人柄が分かるだけでなく、趣味の内容によっては職場や業務への適性を知るヒントになる場合もあります。
また、仕事以外にも打ち込めるものや夢中になれるものがあれば、上手にストレス発散しながらバランスよく働ける人材だと判断されることもあるでしょう。
リラックスさせるため
選考の判断材料としてではなく、単に応募者の緊張をほぐすために趣味を聞いているという場合もあります。面接は誰でも緊張するものですが、応募者の中には普段の力を発揮できずに終わってしまう人もいるでしょう。
趣味の話をして少しリラックスしたところで、ほかの質問にも答えてもらおうという意図があるとも考えられます。
応募者とコミュニケーションを図るきっかけにしている場合もあるので、あまり固く考えずに会話を楽しむぐらいの気持ちで答えても差し支えないでしょう。
面接で趣味を答えるときのポイント
面接で趣味を聞く目的は、応募者の人柄を知るためやリラックスさせるためといったことが多いので、あまり身構えずに答えても問題はないでしょう。
しかし、友人との雑談ではないので、どんなことを話してもOKというわけではありません。面接で趣味を伝える際に、気を付けたいポイントを2つ紹介します。
ネガティブな趣味は避ける
面接官にマイナスなイメージを与えるような、ネガティブな趣味を答えるのはNGです。例えば、お酒やギャンブルなどはあまりよい印象を与えないので、避けた方が無難でしょう。
ただし、お酒に関係する企業の面接などでは、「お酒が趣味」と伝えても悪い印象にはならないこともあります。
そういった場合でも、たくさん飲むというより「お酒についての知識を得ることが楽しい」などのように伝えるのがおすすめです。
趣味を伝える際は、ポジティブな印象を持ってもらえるようなものを選びましょう。
話が長くなりすぎないようにする
話がダラダラと長くなりすぎないよう、簡潔に話すことがポイントです。好きなことを聞かれると、つい夢中になって話し込んでしまいがちですが、面接の場だということを忘れないように注意しましょう。
面接官の中に同じ趣味の人がいる場合、話が盛り上がることもあるかもしれません。そういうときでも必要以上に長くせず、ほどほどにとどめておくよう心掛けることが大切です。
趣味がないときの対応策
誰もが趣味を持っているとは限らず、自分は無趣味だという人もいるでしょう。そのような場合でも、「趣味はありません」と答えるのはおすすめできません。
しかし、うその趣味を言うのもNGです。趣味が特に見つからないときの対応策を、2つ挙げて説明します。
休日の過ごし方を振り返ろう
趣味がない場合は、休日にどのように過ごしているか思い出してみるとよいでしょう。自分では趣味だと思っていないことでも、気軽に楽しんでいるものがあれば、それは趣味といえるかもしれません。
例えば、買い物に出かけることが多ければ、趣味はショッピングといえるでしょう。部屋の整理をするのが好きであれば、掃除が趣味と答えるのもよいかもしれません。
過去に好きだったものを思い出そう
今はもうやっていなくても、過去に夢中になっていたことがあれば、それを答えてもうそにはなりません。
音楽が好きでコンサートに行っていたことや、学生時代に野球やサッカーの部活に励んでいたことはないでしょうか?
「今は時間がなくてできないが、また再開したいと思っている」のように話をつなげることもできます。久しぶりに昔を思い出したことがきっかけで、もう一度始めてみたくなるかもしれません。
面接で使える!趣味の回答例
ここでは、面接で趣味を聞かれたときの回答例を4つ紹介します。もし同じような趣味があれば、参考にしてみましょう。
映画・音楽鑑賞
映画・音楽鑑賞を趣味と答えるときは、好きなジャンルも一緒に回答することで、人柄が伝わりやすくなります。映画館やライブ会場に足を運ぶのかや、自宅でDVDをゆっくり楽しむのかといった楽しみ方も伝えられるとよいでしょう。
【例文】
私の趣味は映画鑑賞です。アクション映画が好きで、以前は新しい作品が上映されると必ずチェックして、映画館へ足を運んで見ていました。
疲れていても、アクション映画を見るとスカッとするので、よいストレス解消になります。最近は映画館に行く時間をなかなか作れていませんが、自宅でDVDや動画配信などを見て楽しんでいます。
スポーツ
趣味はスポーツと答える人は多いでしょう。スポーツを趣味と答えると体力面をアピールでき、スポーツによっては協調性があることも伝えられます。
観戦するのが好きなのか、もしくは自分で取り組んでいるスポーツがあるのかなど、具体的に答えるのがおすすめです。
【例文】
私は野球を観戦するのが趣味です。好きなチームは〇〇で、毎年シーズンが開幕すると、できる限りスタジアムに足を運んで応援しています。
応援しているチームの勝ち負けももちろん気になりますが、外野席で周りの人と一緒に応援する一体感も好きなので、それも楽しみの1つです。
アウトドア
アウトドアを趣味にしている人は、行動力があるという印象を与えられます。仲間と行動することが多ければ、その中での自分の役割や身に付いたスキルなども併せて伝えると、よいアピールになるでしょう。
【例文】
私の趣味はアウトドアです。山や川などの自然が好きなので、仲間とよくキャンプやスキーに行っています。都会を離れて自然の中にいると、日頃の疲れを忘れてリフレッシュできるところがアウトドアのよさです。
私は車の運転も好きなので、仲間と出かけるときはいつも運転手役をやっています。キャンプの計画を立てるのも得意なので、アウトドアを楽しむときは仲間内のリーダーとして頼られることもあります。
読書
好きな本のジャンルによっても、人柄や人物像が分かるものです。また、読んだ本から何を得たかなどを加えると、向上心があると思われたり、人の意見をうまく取り入れられる人物だと評価されたりもするでしょう。
【例文】
読書が趣味です。特に歴史小説を読むのが好きで、「三国志」は何度も読み返しています。歴史上のさまざまな武将のエピソードは、仕事上の戦略などへのヒントとなることがたくさんあり、考えさせられることも少なくありません。
本を読み始めると時間がたつのも忘れて、気付くと一日が終わってしまうこともあります。
趣味で自分を上手にアピールしよう
趣味は、応募者の自然な人柄を知るよいヒントになるため、面接で聞かれることが多い質問です。
趣味がないためにどう答えてよいか悩んでいる人も、休日の過ごし方や過去に夢中になっていたことなどを振り返ってみると、趣味と答えられるものが見つかるはずです。
面接官に自分をアピールするチャンスでもあるので、上手に答えて好印象を残しましょう。
若者の就職支援を専門とするキャリアカウンセラー。アメリカの大学を卒業後、アクセンチュアを経てリクルートに入社し100社以上の新卒・中途採用のコンサルティングを経験。独立後は採用と就職活動の双方を知る「若者就職支援のプロ」として官公庁や人材企業の若年就労支援プロジェクトに携わる。全国の大学で教員やキャリアカウンセラー向けの研修を行うなど、若者支援者の養成にも力を入れている。
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