冬のボーナスはいつ支給されるのか?仕組みと支給対象者をチェック

多くの企業では、夏と冬にボーナスが支給されます。冬のボーナスが支払われるのは、具体的にいつでしょうか? 一般的な時期の目安と、支給条件について見ていきましょう。転職時にボーナスをもらうためのコツや、ボーナスから引かれる税金・保険料も解説します。

冬のボーナスはいつ支給される?

賞与のお札と封筒

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冬のボーナスの支給時期は12月です。一般企業と公務員で、支給日のルールは異なります。それぞれの支給時期と主な特徴を見ていきましょう。

一般企業:多くの場合は12月の初旬

民間の一般企業では、12月上旬の支給が一般的です。企業によっては、支給時期が12月下旬のこともあります。民間企業では査定時期や振込日を自由に設定できることから、冬のボーナスの支給日もばらつきがあるのでしょう。

毎月の給料とは、別の日に振り込まれることが多いようです。ボーナスの支給日や設定に決まりはないため、会社によって違いが出てきます。

自分の会社がいつボーナスを振り込むのかは、契約書や就業規則といったルールをまとめた書類を確認しましょう。

国家公務員:12月10日

公務員は、ボーナスの支給日が決まっています。国家公務員の冬のボーナス支給日は、12月10日です。土日祝日に当たるときは、直前の金曜日が支給日となっています。

査定期間は6月2日〜12月1日で、民間のボーナス支給日の時期とあまり変わらないといえるでしょう。

地方公務員は自治体のルールによって支給日が変わりますが、おおむね12月10日のようです。

ボーナスの支給対象者と仕組み

書類をチェックするイメージ

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ボーナスの支給条件・支給対象者はどのように決まるのでしょうか? 雇用形態や在籍期間など、ボーナスをもらうために必要な条件を紹介します。

査定期間を満たす必要がある

冬のボーナスをもらう条件は、査定期間中とボーナス支給日の在籍です。査定期間は民間企業なら4月〜9月が一般的ですが、公務員は6月〜12月となっています。

両方の条件を満たしたとしても、企業ごとにルールは異なります。退職予定や中途入社のケースでは、就業規則または管理部門に確認しましょう。退職・在籍の定義や企業独自のルールによって、ボーナスの支給対象が変わることもあるためです。

査定期間が4月から始まるため、冬のボーナスは新入社員でももらえます。対して、夏のボーナスは査定期間が前年度のため金額が少なくなることが多いようです。

正社員以外は対象になりにくい

ボーナスの支給対象は、正社員のみとしているところがよく見られます。契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなどは、対象外となっているところが多いでしょう。

2020年以降「同一労働同一賃金」が義務化されたことにより、正社員と同じ労働をしている場合は対象となる可能性もあります。同一労働の判断基準や、ボーナス・退職金が対象となるかは整備中の企業が多いでしょう。

現状では、正社員以外にボーナスが出るとしても、寸志として少額が支給されるケースが多いようです。利益が出たとき社員に還元する仕組みのため、基本的に正社員が優遇されます。

参考:同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省

ボーナスの平均支給額は?

お札とグラフ

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冬のボーナスの平均支給額について、全体の平均値と業種ごとの特徴を見ていきましょう。ただし、平均額はあくまでもボーナスが多い企業を含めた数字です。実際には、事業所規模や企業の利益によって、支給額は変動します。

冬のボーナス平均値は「38万787円」

厚生労働省の毎月勤労統計調査(2021年度末分)の「支給事業所における
労働者一人平均賞与額」を見ると、冬のボーナスの全体平均は38万787円です。事業所規模や企業の利益によって変わりますが、おおむね基本給の1~2カ月分に設定されています。

業種別で見ると、製造業は50万2,134円で前年から3.4%の増加です。卸売・小売業では、34万4,023円が支給され、前年から3.6%増えています。対して、医療・福祉では30万8,301円と、前年からは0.3%の減少です。

冬の平均賞与額は令和元年、令和2年と立て続けに減少していましたが、2021年末賞与は前年比0.1%増となり、回復のきざしが見えています。

参考:毎月勤労統計調査 令和4年2月分結果速報等[P13]|厚生労働省

転職時にボーナスで損をしない方法は?

お札を数える

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転職の時期によっては、ボーナスをもらえなくなる可能性があります。支給対象者や、退職を伝えるタイミングは意識しておきましょう。できるだけボーナスをもらってから退職するためのコツを解説します。

ボーナス支給に関する就業規則をチェック

転職を考えたときは、ボーナスの支給の有無で年収に大きな差が出ます。もらってから辞める方が、大幅な年収アップです。損をしないためには、就業規則で支給条件を確認しておきましょう。

ボーナス支給日まで在籍するだけでは、支給の対象から外れる可能性もあります。企業によって在籍の定義は異なるため、注意しましょう。

また、退職予定日によっては評価に影響を与える可能性もあります。時期によっては、減額も考えられるでしょう。ボーナスの支給金額や有無は企業が決定権を持っているため、正当な理由があれば減額も可能です。

ボーナス支給後に退職を伝える

確実にボーナスをもらいたいのであれば、ボーナスの支給が終わってから退職の意思を伝えましょう。すでに査定が終わり、支給も完了していることから減額のリスクはなくなります。

ボーナス支給を終え、数週間~1カ月程度間を空けると退職の意思も伝えやすいでしょう。

ただし、支給直後の退職の場合、企業側がボーナスの返還を求めることはありえます。全額返還は可能性が低いとしても、「今後も継続して働いてくれる人への期待値」が含まれている場合、多少の減額は考えられるでしょう。

支給後、ある程度間を空けて退職となるよう調整するのがおすすめです。

しっかり引き継ぎ期間をとる

ボーナス支給後に退職を伝えるとしても、引き継ぎ期間は十分にとりましょう。企業側にも誠意が伝わり、ボーナス支給後でも罪悪感なく退職ができます。ただし、就業規則をチェックし、「支給からすぐ辞めた場合にボーナスがどうなるか」を調べておきましょう。

引き継ぎ期間の目安としては、1~2カ月程度です。新たに人材を募集する必要があるときは、長めに考えておいた方がよいでしょう。

基本的に、退職の意思は2週間前までに伝えればよいこととなっていますが、引き継ぎを考えると最低1カ月は間を空けるのがおすすめです。就業規則で退職前の申し出の期限が定められているときは、就業規則に従いましょう。

ボーナスだけに固執しないこともポイント

転職はタイミングが重要です。よい求人が出ているときにボーナスを気にしていると、なかなか応募ができません。ボーナスの支給前を避けたいと悩んでいるうちに、希望の求人がなくなってしまうことも考えられます。

今後のキャリアや希望を考えれば、ボーナスよりも魅力的な求人を重要視する方がよいでしょう。どうしてもやりたい仕事があるときは、ボーナスをあきらめて転職を優先する姿勢も必要です。

年収がアップする企業に転職すると、ボーナスをもらえなくてもトータルで収入が上がることもあります。早めの転職で、転職先でのボーナス査定対象に入ることもできるでしょう。まずは自分に合う求人を探すところから始めるのが、転職活動のポイントです。

ボーナスにかかる税金・保険料

データとお札と電卓

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ボーナスには、給与と同じように税金と保険料がかかってきます。額面と手取りが変わるため、注意が必要です。何が差し引かれるのか、それぞれの計算方法も見ていきましょう。

所得税

ボーナスには、所得税がかかります。給与にかかる所得税とは、計算が別です。賞与に対する所得税率は前月の社会保険料控除後の給与と扶養親族数によって変化し、0~45.945%まで細かい設定があります。

社会保険料控除後の賞与が28万円の場合、扶養親族0人では6.126%、1人では4.084%です。扶養親族0人では引かれる所得税は1万7,152円となります。

家族が多く、扶養親族が多ければ所得税率が低くなるため、賞与にかかる税金は有利です。扶養親族は年末調整のときに記入します。親族の書き忘れがないよう、気をつけましょう。

参考:賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 4 年分)

健康保険料

賞与からは、健康保険料も引かれます。毎月給与から差し引かれる社会保険と同じものです。

ボーナスの金額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に、健康保険料率を掛けて計算しましょう。健康保険料率は、自治体によって変動します。

東京都の場合、介護保険第2号被保険者に該当しない場合は9.84%、介護保険被保険者は11.64%です。健康保険料は事業主が半分を負担するため、実際に従業員が支払う保険料は導き出された金額の半分になります。

賞与30万円、9.84%の保険料率で計算すると、従業員の支払いは1万4,760円です。

参考:令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

雇用保険料

賞与から引かれる保険料には、雇用保険料もあります。ボーナスにかかる雇用保険料を導き出すには、標準賞与額に雇用保険料率を掛けましょう。

雇用保険料率は、一般事業・農林水産および清酒製造事業・建設事業で変化します。一般事業の雇用保険料率は0.95%です。このうち0.65%は事業主側が負担するため、従業員にかかる雇用保険料は0.3%となります。

なお、2022年10月1日より雇用保険料の改正があり、事業主負担0.85%、従業員負担0.5%に上がります。30万円の賞与では、1,500円が雇用保険で引かれる計算です。

参考:令和4年度雇用保険料率のご案内|厚生労働省

厚生年金保険料

ボーナスから引かれる厚生年金保険料の金額は、標準賞与額に18.3%を掛けたものです。なお、健康保険料と同様に厚生年金保険料は半分を会社が負担するため、従業員が支払う金額は導き出された金額の半分となります。

標準賞与額が30万円であれば、従業員が支払う厚生年金保険料は2万7,450円です。所得税率が低い人は、ボーナスから引かれる税金・保険料の中で、厚生年金保険料が大きな割合を占めることになるでしょう。

仕組みを理解して賞与をきっちり受け取る!

お金を計算する

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ボーナスを受け取るには、支給条件を満たす必要があります。雇用形態や労働状況によっては支給されないこともあるため、就業規則を確認しましょう。

転職を考えているときは、ボーナスをもらってから退職を伝えることで年収の低下を防げます。ただし、自分に合う求人を見つけた場合はボーナスにこだわらず、適切なタイミングで転職活動を始めましょう。