営業スキルをアップするには?役立つ資格や今日からできる方法も

営業として働いている人は数多くいますが、そのスキルの高さは個人によってさまざまです。営業スキルを磨くことで、勤め先で活躍できるだけでなく、転職時にも役立ちます。営業スキルを上げるための方法や、スキルアップに役立つ資格について紹介します。

営業としての3つのコアスキル

打ち合わせの様子

(出典) photo-ac.com

営業として活躍するのに必要な能力には、何があるのでしょうか?まずは、営業で成果を上げていくために、根幹を成す3つのスキルを解説します。

コミュニケーション能力

顧客や取引先と直接会話する機会が多い営業職において、コミュニケーション能力は欠かすことができません。

コミュニケーション能力の高さは、相手との意思疎通がスムーズに図れ、相手が快適に感じるかどうかによります。

たとえ、提案書を作成する能力に長けていても、コミュニケーション力がないと、相手は「この人と取引したい」と思わないでしょう。
つまり、営業としての「一丁目一番地」といえるこのコミュニケーション能力をしっかり磨くことは基本中の基本なのです。

ヒアリング力

優秀な営業であればあるほど、相手の要望やニーズを引き出すヒアリング力が高いといわれています。

自社や自分のことを知ってもらうために、一生懸命話さなければと考える営業は少なくありませんが、より大切なのは「いかに相手に自分や自社のことを話させるか?」です。相手の話に耳を傾け、顧客が何を求めているのかを引き出しましょう。

また、顧客との何気ない会話において相手が発した情報を覚えておき、さりげなく「確か○○さんって××ご出身でしたよね?」といった感じで話すと、「この人はきちんと話を聞いてくれている」と信頼感や親近感を与えることができます。

課題発見力

顧客との対話の中で、「相手(人・企業)が何に困っていて、何を必要としているのか?」といった課題を発見する力も必要です。

例えば、文房具メーカーの営業が商談に行き、顧客から「新しい店舗ができるので、ペンを100本注文したいです」と、ペン100本の受注をもらったとします。

そこで、「新しい店舗ができると、バタバタして引き継ぎや情報の共有漏れが増えてるのではないか?」という課題を推測し、「社員間での情報共有に役立つ付箋がありますよ」と提案できるかもしれません。

それに対し、相手が「確かに情報の共有漏れの懸念は感じていたんです。それはありがたい提案です!」という反応を示せば、ペン100本とに加えて付箋の受注ができる可能性があります。

このように、顧客の潜在的な課題も見つけられるようになると、顧客から重宝され、かつ売上を上げることができる営業になっていけるでしょう。

営業スキルを身に付けるための日々の工夫

手帳に記入する

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それでは、営業に必要なスキルを身に付けるためには、どうしたらよいのでしょうか?基本的な営業スキルを習得するための日常の工夫について紹介します。

商談の振り返りを行う

1回1回の商談を場当たり的にこなしていくだけでは、なかなかスキルは向上していきません。

まずは、商談後にうまくいった点やいかなかった点、相手との話の内容などを振り返って整理する習慣をつけましょう。

そうすることで、自分のどういう点を改善したり、伸ばしたりすると営業成果に繋がるかが分かるようになり、営業としてのスキルアップしていけるようになります。

先輩や上司のノウハウを吸収する

結果を残している先輩や上司のノウハウを吸収するのも、成長への近道です。仕事の進め方や顧客への対応の仕方などを観察し、参考になる部分は積極的に取り入れていきましょう。

可能であれば、商談に同行させてもらうのもおすすめです。顧客と先輩や上司の間のやり取りを直接目の当たりにすることで、対応の仕方をリアルに理解でき、自身の営業活動にも生かせます。

また、営業において心掛けていることを直接聞くのも有効です。活躍している営業のマインドややり方を知ることで、自分自身のモチベーションの向上やスキルの改善につながるでしょう。

情報収集を怠らない

営業として信頼されるには、知識の量が要となります。顧客側はプロの意見を期待しているため、相手の会社についてはもちろんのこと、業界全体の動向なども常に把握しておくと頼りにされるでしょう。

また、自社の商品・サービスを実際に使ってみることで、ユーザー視点を獲得することが可能です。

ただ単に商品・サービスのよさを伝えるだけでなく、使ってみた上で顧客にとってどのようなメリットがあるかを伝えられると、信ぴょう性もアップします。

売り込む自社の商品・サービスのほか、相手の会社情報・最新ニュース・業界の流れなど、アップデートされる数々の情報を常にキャッチしておきましょう。

営業スキルをさらにアップさせる方法

デスクで打ち合わせをする様子

(出典) photo-ac.com

続いて、営業スキルを大きく向上させるための3つの方法を紹介します。営業としての可能性をさらに広げられるよう、高みを目指してスキルアップのための行動をしていきましょう。

明確な目標を設定する

今後営業として活躍するための明確な目標を設定することで、その達成のためにやるべきことや改善すべき課題が見えてきます。「売上〇円達成」や「〇カ月で資格取得」など、具体的な数字を出して設定するとより効果的です。

例えば、「1年後にチームリーダーに昇進する」という目標を掲げた場合、達成するには昇進の根拠となる実績が必要になるでしょう。

「1年後に昇進したい→半年後には売上〇万円達成→そのためには××件の新たな提案と成約率を2割向上させる必要→そのためにニーズヒアリング力と提案書作成力の向上が必須」というように逆算します。

このように、高い意識を持ちながら目標に向かって日々の努力を行うことで、スキルアップにつながっていきます。

商談のフィードバックをもらう

先輩や上司に商談に同行してもらい、商談のフィードバックをもらうとスキルアップに役立ちます。第三者の視点で評価してもらうことで、自身では気付いていない強みや課題点を見つけることが可能です。

特に、自身の強みを伸ばしていくことで、ほかの人と差別化された唯一無二の営業スタイルを確立できます。課題点を改めるのももちろんですが、強みを伸ばす方が成果を上げる近道になります。

評価を聞くのはこわい・緊張するという気持ちになるかもしれませんが、今後のためにも一度他者の視点から見てみると、その効果を実感するでしょう。

研修やセミナーに参加する

営業スキル向上のための研修やセミナーは、数多く開催されています。セールストークや提案・クロージングの仕方など、さまざまなジャンルのセミナーが開かれているため、社内・社外のものを問わず参加してみると勉強になるでしょう。

主に営業スキルを上げたいと考えている同志が参加するため、そういった人たちと触れ合うことで、刺激やモチベーションの維持にもつながります。

近年ではオンラインセミナーも充実しているため、地方に住んでいる人や忙しくて時間が取れない人は、オンラインでの参加もおすすめです。

営業のスキルアップに役立つ資格

バインダーを手に記入する

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営業職として働くのに資格は不要ですが、資格を持っていることでスキルアップや転職に有利になります。特に、営業スキルのアップに役立つ2つの資格について紹介します。

営業士

営業士は、日本営業士会が認定するマーケティング・セールスのスペシャリストの資格です。初級・上級・マスターの3段階に分かれており、難易度によって試験内容も異なります。

初級は営業の全般的な基礎知識、上級は営業やマネジメントにおける応用知識、そしてマスターは経営に関する高度な知識が求められます。

試験は年2回開催されているため、自身の立場や目指すキャリアに応じたレベルを、一度受けてみるのもよいでしょう。

日本営業士会公式サイト/営業士初級、上級、マスター資格認定/

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対する助言を行う専門家です。コンサルタントの国家資格ではありますが、経営目線で営業の話ができるようになるため、営業職にもおすすめの資格です。

経営やマーケティングの知識を含めた提案ができると、顧客からの信頼度も一気に上昇します。

試験の難易度は高いですが、持っておくと営業としてのスキルアップだけでなく、ほかの仕事にキャリアチェンジする際にも役立つでしょう。

J-SMECA 中小企業診断協会

営業職としてキャリアアップ転職するには?

履歴書とペン

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営業のスキルを生かして転職する場合、キャリアアップを狙うにはアピールとなる強みが必要です。営業職としてキャリアアップ転職するための、2つのポイントについて解説します。

マネジメントスキルを高める

営業としての基本的なスキル・知識に加え、人や組織を管理するマネジメントスキルがあるとアピールポイントになります。

営業としてキャリアアップするには、営業のスペシャリストになるか、部下を育成する管理職になるかの、大きく分けて2つの道があります。

特に管理職としてキャリアを積みたいと考えている人にとっては、マネジメントスキルは不可欠です。

マネジメントスキルがあることで、間違いなくキャリアの幅は広がるため、キャリアアップを目指す場合は身に付けておくとよいでしょう。

違う業界に転職する

あえて現職とは異なる業界に転職し、新しい環境に身を置いて一からスキルを構築していく方法もあります。

業界が変わっても、営業職の基本的な仕事内容は同じですが、業界特有のやり方・知識など新たに吸収することもたくさんあるでしょう。

多くの業界を経験することで、営業としての引き出しも増えていきます。挑戦や刺激を求める人は、異業界への転職がおすすめです。

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営業スキルを磨いてトップセールスになろう

握手をする二人

(出典) photo-ac.com

営業職は、ほとんどの企業で必要とされる大切な仕事です。需要がある分求人数も多く、初心者でも応募可能な求人もたくさんあります。

また、特別な資格も必要ないため、営業として働くこと自体のハードルはそこまで高くはありません。

しかし、営業として働く人が多いからこそ、スキルを身に付けて周りとの差をつけることが重要です。さらなる高みを目指していきたい人は、営業士や中小企業診断士といった資格を取得するのもおすすめです。

セールスとしてキャリアアップするためにも、できることをコツコツと積み上げてスキルアップしていきましょう。

西野浩輝
【監修者】All About 営業ノウハウガイド西野浩輝

大阪大学大学院修了。リクルート在籍時は部門初のMVPに2度輝くなどトップ営業として活躍。2003年にマーキュリッチを創業し一部上場企業の経営者から新人まで対象層は幅広く、顧客数は300社超。著書は「5分で売れる! 営業ノウハウ」「営業力がUPするプレゼン術」等12冊、計21万部のベストセラー作家。
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