社会保険完備の会社の方がよい?それぞれの加入要件とメリットとは

求人情報に記載されている「社会保険完備」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?社会保険の内訳や加入要件について紹介します。社会保険完備の会社に就職するメリットとデメリットについても確認し、就職活動に役立てましょう。

社会保険「完備」とは?

健康保険証

(出典) photo-ac.com

まず、「社会保険完備」の言葉の意味を紹介します。どのような状態を完備というのか、必要な保険の種類と数について見ていきましょう。

4つ全ての保険に加入できる

社会保険は、人々が生活する上で必要とされる社会保障制度のことです。「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の4つを指します。

社会保険完備というのは、加入要件を満たせば4つの全ての保険に加入できる状態のことです。例えば、労災保険に加入できないなど、4つのうちの1つでも欠けている場合は、完備とはいえません。

社会保険の内訳と加入要件

バインダーの資料に記入する男性

(出典) photo-ac.com

社会保険という言葉を耳にしたことはあっても、4つの保険がどのようなものなのか、よく分からない人もいるでしょう。そこで、それぞれの保険の役割や加入要件、保険料の分担について紹介します。

病気やけがなど不測な事態に備える「健康保険」

健康保険は、病気やけがで診療を受けた際の治療費を軽減してくれる保険制度で、保険料は会社と労働者が折半して支払います。また、40歳以上65歳未満の介護保険第2号被保険者は「介護保険」の支払い義務があり、保険料は健康保険とまとめて徴収されます。

被保険者が1人以上いる法人事業所と常時従業員が5人以上いる個人事業所は、健康保険の加入が義務づけられています。正社員だけでなく、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が正社員の3/4以上の場合は被保険者となり、3/4未満でも一定の要件を満たせば加入が可能です。

2022年10月から段階的に短時間労働者に対する健康保険の適用要件が拡大されるため、パートやアルバイトの被保険者が増える見込みです。現在は、短時間労働者を除く被保険者の総数が常時500人を超える事業所を対象に、短期労働者であっても雇用期間が1年以上見込まれれば被保険者となることができます。

2022年10月からは、常時100人を超える事業所で雇用期間が2カ月を超えて見込まれる場合、被保険者となることに変更されます。さらに2024年10月からは、被保険者の数が常時50人を超える事業所になります。

参考:厚生年金保険・健康保険制度の案内|日本年金機構

参考:令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構

老後に備える「厚生年金保険」

老後を安心して暮らすために作られたのが、「国民年金」「厚生年金」で構成される年金制度です。厚生年金に加入すれば、20歳から60歳までの全ての国民が加入する国民年金に上乗せして、老後の年金が支給されます。また、障害状態になった場合の障害厚生年金・被保険者が亡くなった場合の遺族厚生年金も、条件付きで受け取ることが可能です。

保険料は、給与・賞与を基に32等級に分けられた標準報酬月額に保険料率を掛けて算出され、会社と労働者が半分ずつ負担します。

被保険者となる要件は健康保険と同じで、2022年10月から段階的に短期労働者の適用要件が拡大される予定です。

参考:厚生年金保険・健康保険制度の案内|日本年金機構

失業時も安心な「雇用保険」

雇用保険は、労働者が失業したときに労働者の生活の安定を図ることを目的とした制度で、失業給付金や再就職支援を受けられます。失業の予防や労働者の能力開発・向上を図る目的もあります。

対象は、適用事業に雇用されている全ての労働者です。パート・アルバイトの場合は、労災保険加入者で1週間の労働時間が20時間以上あり、31日以上の雇用見込みがあることが要件です。

保険料は会社・労働者の両方が負担しますが、保険料率が異なります。保険料率は事業の種類によっても異なり、毎年見直され変更になることが多いため、最新の保険料率を把握しておくようにしましょう。

参考:「事業主のみなさまへ ひとりでも労働者を雇ったら、労働保険(労災・雇用)に入る義務があります。労働保険適用促進パンフレット 平成29年度版」|労働基準監督署・ハローワーク (公共職業安定所)

仕事に関わるけが・病気に備える「労災保険」

正式名称が「労働者災害補償保険」である労災保険は、労働者を保護するための制度で、業務中や通勤中のけが・病気・死亡に対して給付が行われます。

雇用保険同様、事業主は、パート・アルバイトを含む全ての労働者を労働保険に加入させる義務があります。また、労災保険料は事業主の全額負担です。

事業主が加入手続きを怠っていた場合は、保険料を遡って徴収されるだけでなく、追徴金も徴収されます。

参考:「事業主のみなさまへ ひとりでも労働者を雇ったら、労働保険(労災・雇用)に入る義務があります。労働保険適用促進パンフレット 平成29年度版」|労働基準監督署・ハローワーク (公共職業安定所)

 

社会保険完備の会社に転職すると?

履歴書の入った封筒など転職のイメージ

(出典) photo-ac.com

転職先の企業が社会保険完備の場合、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれをきちんと理解し、転職活動の企業選びに役立てましょう。

社会保険完備であるメリット

社会保険完備の大きなメリットは、手厚い保障が受けられ安心して働けることです。例えば、業務外の病気やけがで労働できないときでも、要件を満たせば通算1年6カ月もの間、傷病手当金を受け取ることができます。

厚生年金保険に加入することで、将来もらえる年金受給額が増えるのもメリットです。万が一障害がある状態になってしまったときも、より多くの年金が支給されます。

いずれの保険も、保険料の半分を会社が負担してくれるので、コスパがよいことも魅力です。

社会保険完備であるデメリット

基本的には、社会保険完備の大きなデメリットはありませんが、働き方によってはマイナスに感じる人もいるかもしれません。例えば、手取りが減ってしまうことが挙げられます。

保険料を会社が負担してくれるとはいえ、労働者自身も支払いが必要になるため、手取り額が減ります。特に加入基準を若干超過する給与額の場合は、保険料の負担が大きく感じるでしょう。

社会保険の有無に着目して、安心して働こう!

手帳に記入する女性

(出典) photo-ac.com

社会保険完備とは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の4つに加入できる状態であることを指します。加入要件や保険料はそれぞれ異なるため、きちんと把握しておくことが大切です。

社会保険完備の会社に就職すると、手厚い保障が受けられたり、老後の年金受給額が多くなったり、多くのメリットがあります。毎日安心して働くためにも、就職活動する際には社会保険の有無を確認しましょう。

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