ビジネスシーンでは高い柔軟性が求められます。柔軟な思考があると発想力によって新たなアイデアを生み出せたり、状況に応じた臨機応変な対応ができるようになったりします。ビジネスを進める上で柔軟性があるメリットや柔軟性を鍛える方法を紹介します。
この記事のポイント
- ビジネスシーンで重要となる柔軟性とは、適応能力や発想力の高さ
- 体の柔らかさではなく、広い視野で周囲を見渡しながら対応できるスキルを指す
- 柔軟性を損なう思考習慣に要注意
- 自分が正しいと思い込む人や失敗を恐れて新しい挑戦ができない人は、柔軟性を損なう思考習慣になっている
- 柔軟性を高めるためには常日頃から意識することが大切
- <周りの意見に耳を傾けながら、自身の知識と経験を増やすことが大切。
ビジネスにおける「柔軟性」とは
ビジネスにおける柔軟性とは、変化する状況やニーズに迅速かつ適切に対応できる力のことです。それぞれ具体例を見ていきましょう。
変化に適応できる思考の柔軟さを指す
ビジネスシーンで求められる「柔軟性」とは、体の柔らかさではなく、物事の捉え方や変化への適応力といった思考の柔軟性を意味します。
柔軟性が高いと自身の考えに固執することなく、新たな環境や新たな視点を受け入れやすい傾向があります。
柔軟性が高い場合にできることとして、以下が挙げられます。
- 新しい仕事への適応力
- クライアントからの急な変更要請への冷静な対応力
- 自身の意見だけでなく相手の意見にも耳を傾ける傾聴力 など
ビジネスでは急なトラブルや交渉はつきものです。変化の多いビジネスシーンにおいて柔軟性は欠かせないスキルといえるでしょう。
柔軟な思考による発想力にも期待
ビジネスでの柔軟力とは適応力のほかに発想力を指すこともあります。企業を取り巻く環境が変化する時代においては、固定観念に縛られた考えではなく時代のニーズに合わせた新しい発想が重要です。
柔軟な思考による発想力はマーケティング施策や売上向上のためのアイデアなど、企画職で必要とされる重要なスキルです。画期的な新しいアイデアが生まれることで、競合他社と差別化できる利点もあります。
また作業分担やタスク管理の方法など、日々の業務をスムーズに行うための小さな工夫を実践して生産性を高めるのも、柔軟な思考による発想力あってこそといえるでしょう。
ビジネスを進める上で柔軟性があるメリット
ビジネスを進める上で柔軟性があると適切な対応ができたり、感情に振り回されることなく冷静に判断できたりするなど、さまざまなメリットがあります。
広い視野を持って物事を見たり、古い慣習にこだわることなく新しい発想を生みだしたりなど、会社にとっても重宝する人材になるでしょう。
臨機応変な対応ができる
ビジネスにおいて柔軟性があると、状況に応じて臨機応変な対応ができるようになります。
考え方自体が柔軟であれば「必ずこうすべきだ」という凝り固まった考えになりません。急な変化が生じても、慌てることなく現時点で最善の対応を考え実行できます。
これまで企業の求人募集で「指示を待つのではなく、自ら考えて率先して動ける人」という記述を目にしたこともあるのではないでしょうか。このように企業にとっても臨機応変な対応ができる人材は重要なのです。
感情に振り回されず、冷静に判断できる
ビジネスの場において柔軟性があれば、想定外のトラブル発生時にも、感情に振り回されることなく冷静に判断できます。
人は誰でも責任感からくるプレッシャーや、失敗への恐怖など、自然と湧き上がる感情を持ち合わせています。これらの感情は、ときに仕事のパフォーマンスにも影響を与えますが、柔軟性があれば自分の感情に左右されにくく、安定した業務を続けられます。
また柔軟性があることにより、目先の出来事ではなく業務成果に重点を置いて考えるようになります。トラブルが生じても自分の感情で動くのではなく、チームや会社にとって重要なことを優先して行動できるようになります。
広い視野を持ち、問題を柔軟に解決できる
柔軟性があると広い視野を持って問題を解決できます。ビジネスシーンで難しい問題に直面したときに自分だけで解決を試みるのは得策ではありません。
例えば「〇〇さんならどう考えるだろうか」「前回はこうだったけど、次は全く違う答えになるかもしれない」などさまざまな想像をはたらかせ、自分なりの仮説を立てたり、詳しい人にアドバイスをもらったり、周りを積極的に巻き込んで問題解決に向かいましょう。
自分だけの意見ではなく第三者の意見も含めていろんなシーンを想定できるため、問題解決能力も高くなりやすいのです。
慣習や固定観念を打破し、新しい発想を生む
柔軟な発想力を持った人は、企業にとって非常に貴重な存在です。
柔軟性がある人なら企業内の古い慣習や、常識とされてきたことに疑いの目を向けられます。もし柔軟な思考がなければ時代に沿わないやり方に対して反発したり批判したりしてしまうかもしれません。
しかし柔軟な思考があれば事態が好転する方法を前向きに考え、効率的かつ生産性を高める業務の進め方を提案できます。これらの行動は会社にとっても非常に有益なものになるでしょう。
柔軟性を損なう思考習慣
柔軟性があることはビジネスでは大きなメリットになることを解説しました。柔軟な思考を持つためには、柔軟性を損なう思考習慣とはどんなものでしょうか。
自分に当てはまるかチェックしてみましょう。
自分が正しいと思い込む
柔軟性を損なう思考習慣の1つが、自分が全て正しいと思い込んでいることです。特に、長く特定分野に携わっているという理由で、自分のやり方にこだわりが強すぎて、人の意見を受け入れられなくなっている人は要注意です。
自分だけの考えに閉じることで、狭い視野のなかでしか物事を考えられなくなり、柔軟な思考から遠ざかってしまいます。
特定の分野で知見や経験がある人はそれが強みになります。しかし抱える課題によっては、必ずしも自分の考えが正しいとは限りません。
「自分が正しい=相手は間違っている」と思い込まず、一度相手の話を聞いてみたり、他者の提案を検討したりするなど、柔軟性を持てるように努力してみましょう。
失敗を恐れ新しいものを受け入れない
失敗は誰にとっても怖いものです。しかし失敗を過度に恐れるあまり、新しいことに挑戦できなければ、自分自身の成長は見込めず、社内からの良い評価も期待できません。
特に失敗を恐れる人は完璧主義な側面があります。完璧主義者はミスなく確実に業務を進めるため、会社にとっては強みになります。
しかし新たな価値観を得たり、経験を積んだりするチャンスに乏しいため、いつまでもスキルアップできなかったり、視野が狭いままになったりする可能性もあります。
失敗するのが怖い人は、「もし失敗したらAプラン、それでも駄目ならBプランにしよう」と、事前に備えることで失敗する怖さを軽減できます。
「新しいチャレンジなしでは自身の成長もない」ということを肝に銘じて、積極的に行動してみましょう。
活躍できる人材に!柔軟性を高める方法
柔軟性がある人は、ビジネスにおいて活躍できることは間違いありません。
現状、自分の柔軟性が足りないという人は、日々ちょっとした意識をすることで、柔軟性を高めることができます。毎日の仕事を効率的に進めるためにも、ビジネスにおける柔軟性向上を目指していきましょう。
さまざまなことにチャレンジする
柔軟性を高めるためには、さまざまなことにチャレンジしながら経験を積むことが重要です。
いつもと変わらない日常を過ごしているだけでは、どうしても新しい視点や斬新なアイデアは生まれにくいものです。しかし、積極的に新しいことに挑戦することで、今までとは異なる考え方や価値観に触れる機会を得ることができます。
それは、自身の視野を広げ、柔軟な思考を養う上で、非常に有意義な経験となるでしょう。
まずは、セミナーへの参加や習い事を始めてみたり、今の状況に満足していないなら転職をしたりなど、新しい環境に身を置くことを意識してみましょう。
時間に余裕を持ち、周りの意見を大切にする
ビジネスにおいて柔軟性を高めるためには、時間的な余裕を持つことと、周囲の意見に耳を傾けることが重要です。一見すると関連性が薄いように思えますが、時間に追われるほど選択肢は狭まり、柔軟な対応が難しくなります。
しかし、時間に余裕があれば、周囲の状況を把握し、さまざまな人の意見を取り入れることができ、結果として視野が広がります。考える時間や行動に移す時間を十分に確保することで、状況に応じた柔軟な対応が可能となるでしょう。
さらに、時間の余裕は心の余裕にもつながります。常に穏やかな気持ちで冷静な判断を下せるよう、時間に余裕を持った行動を心がけることが大切です。
知識のインプット・多様な価値観を知る
柔軟な思考で決定を下したり、新しい提案をしたりするためには、知識や多様な価値観も必要です。さまざまな分野の本を読んだり、たくさんの人と接して関わったりすることで、知識量を増やし、価値観の幅も広げることができます。
日常生活の中でも「常にインプットする」「学びを得る」ことを念頭に置いて行動すると、自分の引き出しが増えます。意思決定の難しい場面でも、過去得た知見・経験から、現状に合わせたアクションができるので、企業にとってもぜひ一緒に働きたい人材といえるでしょう。
柔軟な思考を身につけ、仕事に活かそう
移り変わりの早い時代において、柔軟性はなくてはならないスキルです。臨機応変に対応できる柔軟な思考を持つ人は、業種や職種を問わず、どの企業でも活躍できるでしょう。
自分自身にビジネスでの柔軟性が足りていないと感じる人は、新しいことにチャレンジして知識を深めたり、他者の意見を受け入れて広い価値観を持つように努力したりすることが大切です。
日頃から広い視野で物事を捉え、柔軟な思考を身につけていきましょう。