転職先としてインフラ企業が気になっているのなら、業界の特徴について理解を深めておくのがおすすめです。業務内容や向いている人を知っておけば、自分に適した転職先を見つけやすくなるでしょう。インフラ企業の仕事内容やメリットを紹介します。
インフラ企業とは？
インフラ企業とは、どのような企業のことを指すのでしょうか。まずはインフラ企業の基礎知識を理解しておきましょう。
社会に必要な基盤を支える仕事
インフラとは、生活や産業の基盤となる施設や設備のことを指します。社会に必要な基盤を支える仕事に携わる企業が、インフラ企業です。
インフラという言葉は英語の「Infrastructure」を略したものであり、そもそもは基盤や下部構造を意味します。これが転じて、国家や社会に必須となる基本的な施設を意味するようになったのです。
学校・病院・鉄道・道路・上下水道・電線など、私たちはさまざまなインフラに囲まれて生活しています。IT化が進む現在においては、インターネットも重要なインフラの1つです。
企業によって仕事内容は大きく異なる
インフラにはさまざまな種類があるため、インフラ企業の仕事内容も、企業により大きく異なります。インフラ企業に転職したい場合、まずはインフラを大まかなジャンルに分けて考える必要があるでしょう。
インフラ企業は、エネルギー系・交通系・生活系・空間系の4種類に大きく分類できます。それぞれのジャンル内でさらに細かく分かれ、最終的には専門性の高い仕事内容になるのです。
インフラ企業を転職先として探す際は、自分の興味が持てるジャンルかどうか確認した上で、性格・スキル・実績がそのジャンルに適しているかどうかについても確かめることが重要です。
インフラ企業の種類と仕事内容
インフラ企業の種類は大きく4つに分けられます。それぞれの特徴や含まれるインフラの種類、大まかな仕事内容を見ていきましょう。
電気・ガスなど「エネルギー系」
エネルギー系のインフラ企業は、電気・ガス・石油などに関連した仕事に携わります。電気・ガス・石油は、いずれも私たちの生活に欠かせないものです。
エネルギーを作り出す仕事だけでなく、企業や家庭に供給する仕事も、インフラ企業が担っています。例えば電気の場合は、変電所や電線に関係する企業もインフラ企業です。
日本のエネルギー自給率は先進国の中でも極めて低く、エネルギー資源の大半を輸入に頼っています。電力は国内の発電所で作られているものの、発電に必要なエネルギーは輸入に依存しているため、エネルギー系のインフラ企業は海外にも数多いのです。
電車・バスなど「交通系」
物流や運輸面で私たちの生活を支えている企業が、交通系インフラ企業です。鉄道・バス・航空などに関連する企業が該当します。
駅・道路・道路照明・信号機・トンネルといった設備の建設・管理も、交通系インフラ企業の仕事です。バス会社・鉄道会社・航空会社・高速道路管理会社などが、交通インフラ業界に含まれます。
特に公共交通機関は都心部でのニーズが高く、業績が安定しているのが特徴です。人の足となる交通機関だけでなく、物資を運ぶトラック業界や貨物輸送業界も交通系インフラに含まれます。
ゴミ処理・上下水道など「生活系」
生活系の代表的なインフラとしては、ゴミ処理や上下水道が挙げられます。テレビ・ラジオ・電話といった業界も、生活インフラに該当するジャンルです。
近年はインターネットやスマホが普及したことにより、ネット通信関連の企業も重要な生活系インフラ企業として扱われるようになっています。いまやIT系インフラは生活に欠かせないものであり、災害時はIT系インフラの早期復旧が図られます。
IT系インフラの関連分野は、比較的新しく必須となったジャンルです。需給のバランスが落ち着いている他のジャンルと異なり、今後もより発展していくことが予想されます。
公共施設・湾岸施設など「空間系」
空間系インフラとは、公共施設や港湾施設などの管理を行う仕事です。例えば市役所や図書館といった公共施設や、沿岸部の水門や排水機場、河川の堤防や橋などの港湾施設の管理を担当します。
これらの施設は、平常時はもちろん、非常時において私たちの生活を守るためのものでもあり、安全な暮らしに欠かせないインフラといえるでしょう。
空間系インフラは、その多くが高度経済成長時代に建てられているため、老朽化への対応が問題となっています。音声ガイドやバリアフリーのニーズへの対応も、インフラ企業に求められているものです。
インフラ企業に転職するメリット
インフラ業界は転職市場において人気が高く、多くの転職希望者の応募が集まります。働く上で、インフラ企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
社会に貢献する実感を得られる
インフラ業界の大きなメリットに、インフラを通して社会に貢献できる点が挙げられます。人々の生活の基盤に関われるため、世の中の役に立っていることを実感しやすいのです。
企業によっては、自分が携わったサービスの利用を間近で見られる機会もあるでしょう。社会への貢献感が新たなモチベーションを生むため、仕事に対するやる気をキープしやすい点もメリットです。
転職先でも重要な仕事に関わりたい人や、自分の仕事にやりがいを求めたい人には、インフラ企業が適しているでしょう。
経営に安定感がある
社会の基盤となるインフラは生活に欠かせないものであるため、インフラに関わる仕事は景気に左右されにくい特徴があります。経営に安定感があることもインフラ企業のメリットです。
安定した収益を上げられている企業が多いため、インフラ業界は各種手当や福利厚生が充実している傾向があります。年収が高い企業が多い点も特徴です。
前職で待遇面に不満を感じていた場合は、インフラ企業に転職することで待遇面が改善する可能性があります。同じ会社で長く働きたい人にも、経営が安定しているインフラ企業が向くでしょう。
ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい
インフラ業界は基本的に残業が少なく、休日が多い傾向があります。プライベートの時間を確保しやすいため、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすいでしょう。
インフラ業界は公共性の高い事業が多く、自然と独占状態に近い形になります。独占状態になると勤務サイクルが安定するため、残業や休日出勤も少なくなるのです。
ただし、自社が手掛けるインフラが災害時に損害を受けた場合、企業によっては夜間や休日であっても復旧作業にあたらなければならなくなるでしょう。
インフラ企業のデメリット
インフラ企業にはメリットだけでなく、デメリットもあります。転職先で後悔することがないように、インフラ業界のデメリットやリスクも理解しておきましょう。
転勤が多い
多くのインフラ企業では転勤があります。インフラ企業への転職を検討する際は、転勤の可能性を覚悟しておかなければなりません。
大半のインフラは全国各地に存在しているため、勤務先も全国にわたります。海外に支店がある企業なら、国内だけでなく海外への転勤の可能性もあるでしょう。
インフラ業界で借り上げ社宅や住宅手当などの福利厚生が手厚くなっているのは、転勤が多いのも理由の1つになっているのです。
保守的な社風の会社が多い
インフラ企業のデメリットとしては、保守的な社風の会社が多い点も挙げられます。経営が安定しているということは、昔のやり方がそのまま残っているケースも多いのです。
上下関係を重視したり、昔ながらの飲みの場を通したコミュニケーションが盛んに行われたりする企業も多いでしょう。
したがって、人によってはインフラ企業の保守的な社風になじめない恐れもあります。保守的な社風の会社は、ルールが厳しかったり激務が続いたりする傾向がある点もデメリットです。
インフラ企業に向いている人は？
インフラ企業にはどのような人が向いているのでしょうか。インフラ企業で活躍できる人に共通した特徴を知り、転職活動の参考にしましょう。
責任感が強い
インフラ業界の仕事は、社会への貢献度がやりがいにつながる一方で、社会の基盤を守ることに対する責任も発生します。
人々の生活を支える使命感や責任感を持てなければ、重圧がプレッシャーになってしまいかねません。責任感の強い人こそ、インフラ企業に向く人材です。
自分に与えられた仕事を最後までしっかりやり遂げるためにも、責任感が必要になります。インフラ企業に応募する際は、責任感の強さをアピールすれば有利になるでしょう。
コミュニケーション能力が高い
インフラ企業が欲しがる人材には、高いコミュニケーション能力も求められます。企業によっては、幅広い年齢層や立場の人とのコミュニケーションが必要となるためです。
チームでの作業が多くなる企業では、周囲の人たちとの積極的なコミュニケーションがとれなければ、業務上のミスを未然に防止できないでしょう。顧客に迷惑をかける事態にもなりかねません。
コミュニケーション能力の高さを自分の強みだと感じている場合は、応募書類や面接でコミュニケーション能力を積極的にアピールしましょう。
手に職を付けたい
インフラ業界の仕事は、各ジャンルで高い専門性が必要になります。働いているうちに専門的なスキルや知識を習得できるため、手に職を付けたい人にもおすすめです。
例えば、大規模な施設の建設に携わる場合は、発注者の立場で一連の仕事に関われるでしょう。仕事をしながらその道のプロになることが可能なのです。
手に職を付けられれば、たとえ再度転職することになっても、同じジャンルのインフラ企業に再就職しやすくなります。専門性を極めつつ、キャリアアップによる年収増を図ることも可能です。
転職を成功に導くために行動しよう
インフラ企業に転職できれば、社会への貢献度を強く実感できるでしょう。経営に安定感があることやワーク・ライフ・バランスを実現しやすいことも、インフラ企業に転職するメリットです。
インフラ業界には大きな魅力があるため、転職活動中はライバルも多くなります。転職を成功に導くためには、きちんと対策する必要があるでしょう。
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