副業でWebデザイナーに挑戦したいと思いながらも、どんなスキルが必要なのか分からずにためらっている人は少なくありません。現実的に可能なのかどうかも含め、Webデザイナーの副業を行うために必要な情報を整理していきましょう。
Webデザイナーは副業でもできる?
働き方改革を通じ、政府が副業や兼業を推進する中で、自分に挑戦可能な副業について考える人が増えています。選択肢の1つとしてWebデザイナーを検討する場合、実際に実現は可能なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
初心者・未経験でも可能
Webデザイナーは、初心者や未経験からも十分に副業として目指せる仕事です。
近年、インターネットが広く普及し、IT人材の需要が高まる一方で、日本の労働人口は減少の一途を辿っています。
経済産業省により2018年に公表された「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、今後IT人材の需要と供給とのギャップは開き続け、2030年には79万人の人材不足に至るとの試算がなされています。
今後十分な需要が見込まれることから、副業としてWebデザインに挑戦することは十分に可能です。
一方で、Webデザイナーの仕事内容は幅広く、請け負う仕事によっては高いスキルが求められます。門戸は広く開かれているものの、地道な努力や経験が必要な仕事といえるでしょう。
参考:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果|経済産業省
副業でWebデザイナーになるメリット
副業としてWebデザイナーの仕事をすることには、たくさんのメリットがあります。中でも特に大きなメリットを確認しましょう。
場所・時間を選ばない
Webデザイナーの仕事は、基本的に特別な道具や場所が必要ありません。パソコン1台あれば、自宅やカフェ・コワーキングスペースなど、どこでも自由に作業が可能です。
オフィスに足を運ぶ必要がないため、移動時間も節約できます。隙間時間を有効利用できることから、本業との兼ね合いという副業ならではの問題もクリアしやすいでしょう。
本業を持ちながら無理なく副業ができるのは、Webデザイナーの大きな魅力といえそうです。
スキル・実績を積めば高単価案件も
どのようなジャンルの仕事であれ、初心者のうちは比較的簡単な案件を請け負うのが一般的です。作業の難易度に伴い単価も低い傾向にあるでしょう。
しかしWebデザイナーは、スキルの高さによって請け負える仕事に大きな幅がある職業です。経験を重ね、スキル・実績を積んでいく中で、高単価の案件を請け負うことも不可能ではありません。
請け負う仕事や単価の変化によって自分のスキルアップを実感できるのは、Webデザイナーを副業にする醍醐味の1つといえそうです。
Webデザイナーとして転職することも可能
副業としてWebデザイナーを検討する人の中には、「将来的にはWebデザイナーを本業にしたい」という人が少なくありません。
副業での経験は、Webデザイナーへの転職にも非常に有利に働きます。仕事の実績を提示することで、転職活動をスムーズに進められるでしょう。
仮に始めから転職を考えているわけではなかったとしても、「転職する」「副業として続ける」「独立する」など、将来の選択肢が増える点は大きなメリットといえます。
スタンバイでは、Webデザイナーの求人情報も数多く紹介しています。副業OKの案件も多いため、将来の目標や方向性をクリアにするヒントとしてチェックしてみるのがおすすめです。
副業Webデザイナーに必要なスキル
実際にWebデザイナーを目指すにあたり、必要なスキルにはどのようなものがあるのでしょうか?Webデザイナーへの理解を深めるための参考として確認していきましょう。
Webデザイン・デザインツールの知識
副業でWebデザイナーを目指す上で必須となるのが、Webデザインとデザインツールの知識です。
デザインの4大原則「近接」「整列」「対比」「反復」や、色彩・配置・フォントなどは、Webデザインを行うにあたっての基本となる知識です。
また、写真加工ソフトのPhotoshopや、グラフィックデザイン作成ソフトの Illustratorは、基本のデザインツールとして、まず扱えるようになっておきたいソフトといえます。
どんなに優れたデザインセンスを持っていたとしても、そのセンスを表現できるデザインやツールに関する知識がなければ、十分に実力を発揮できません。スムーズに副業Webデザイナーになるためにも、必要な知識はしっかりと押さえておきましょう。
プログラミングスキル
プログラミングにまつわるスキルも、副業Webデザイナーを目指す上で身に付けておきたい大切なスキルです。
ひと口にプログラミングといっても、その対応範囲は「プログラム設計」「コーディング」「バグ修正」など多岐にわたります。
このうち、特に大切なのがコーディング(HTMLやCSSなどのプログラミング言語を使ったソースコードの作成)で、副業Webデザイナーを目指すなら必須スキルといってよいでしょう。
ただし、WordPressなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使用したWebページであれば、それほど専門的な知識は必要ありません。自分のスキルに応じた仕事を選ぶことで十分に対応できるでしょう。
自己管理能力
本業を持ちながら仕事を請け負う副業Webデザイナーは、仕事に費やせる時間に限りがあります。本業としてWebデザインに取り組む人とは異なり、1日の時間を自由に使うことはできません。
そこで大切になるのが自己管理能力です。自己管理が求められる主な項目として、以下が考えられます。
- 本業と並行して対応できる受注量を見極める
- 自分のスキルに見合った仕事を見極める
- クライアントとスムーズなコミュニケーションを図る
- スケジュールを管理する
- 期日までに納品する
自己管理能力が欠けている場合、受注から納品までのいずれかの段階でトラブルが生じる可能性が高まります。責任感を持って仕事を完遂するためにも、自己管理能力は必要不可欠な要素といえるでしょう。
営業力
企業に所属して仕事をするWebデザイナーとは違い、副業Webデザイナーは仕事を受注するために自分から行動しなければなりません。
安定して仕事を受注するためには、自分を売り込み、クライアントに「この人に任せたい」と思わせられる営業力が必要です。
一からWebデザイナーに挑戦する場合、どうしても実績に欠けるため、始めは思うようにいかないかもしれません。どんな場面でも必要以上に気落ちせず、上手に気持ちを切り替えながら自分を売り込む前向きさが大切になるでしょう。
仕事はどうやって見つける?
副業でWebデザイナーとして仕事をする場合、案件はどのように見つければよいのでしょうか?初心者でも無理なく仕事を見つけられるおすすめの方法を紹介します。
友人・仕事上のつながりから見つける
副業Webデザイナーが仕事を見つけるにあたり、まず注目したいのが現実での人脈です。
例えば、本業でIT関連の仕事をしている人であれば、Webデザインを発注しているクライアントとのつながりを持っている可能性が高いでしょう。本業がまったくの他業種だったとしても、友人・知人の伝手を辿ることで仕事を受注できるかもしれません。
身近なところから少しずつ仕事を請け負い、実績を積み上げていくことで、Webデザイナーとして無理なくステップアップできるでしょう。
ネットを利用して見つける
Webデザインの仕事を探すなら、クラウドソーシングや転職・求人サイトなど、ネット上で発注されている案件や求人にも注目してみるのがおすすめです。
クラウドソーシングや転職・求人サイトは、掲載されている案件の難易度もさまざまで、初心者でも挑戦しやすいという特徴があります。
1つの案件に対し応募が複数ある場合、ほかの人に仕事が回ってしまうこともありますが、その分、自分のスキルに合った仕事探しができるでしょう。
そのほか、SNS上で発注されている案件に応募したり、自身のSNSで実績を公開し、受注につなげたりといった方法もあります。
世界と一瞬でつながれるネットならではのメリットを活用して、たくさんのチャンスをつかみましょう。
自分のWebサイトを作る
Webデザイナーとして案件の受注を目指すなら、忘れずに行いたいのが自分のWebサイト作りです。
自身のサイトは、Webデザイナーにとってスキルをアピールする場となります。自己紹介や得意分野・実績はもちろんのこと、クライアントから掲載許可を得た実際の作品を掲載すれば、ポートフォリオとしても活用できるでしょう。
サイト上に問い合わせページを設置し、クライアントが直接連絡できるようにすることで、案件の受注につながるでしょう。魅力的なポートフォリオを用意できれば、サイト経由での依頼がどんどん増える可能性もあるはずです。
副業でWebデザインをする際の注意点
副業Webデザイナーとして活躍するためには、事前に知っておきたい注意点がいくつか存在します。トラブルなく仕事を続けるために特に大切なポイントを整理していきましょう。
自分のレベルに合った仕事を選ぶ
Webデザインの仕事を請け負うにあたり、第一に意識したいのが、自分のレベルに合った仕事を選ぶことです。
仮に「これくらいなら大丈夫だろう」とスキル以上の仕事を請け負ってしまった場合、求められたレベルの作品を納品できなかったり、そもそも完成させられなかったりといった事態を招きかねません。
クライアントに大きな迷惑をかけるだけでなく、自分自身の評価を落としてしまう結果になるでしょう。
場合によっては、レベル以上の仕事に多くの時間や労力を費やしてしまい、本業に悪影響が出る可能性も考えられます。
決して無理をせず、レベルや納期に余裕を持った仕事選びをするのがおすすめです。
所得が20万円以上になると確定申告が必要
副業での所得(収入から必要経費を差し引いた金額)が20万円を超えた場合、必要になるのが確定申告です。
受注が安定しないうちは、自分がどれくらい副業で収入を得ているのか正確に把握できていないケースが少なくありません。しかし、20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしなかった場合、それはれっきとした脱税になってしまいます。
中には「少しくらいならバレないだろう」と考える人もいるかもしれませんが、それは誤りです。クライアント側が誰にいくら報酬を支払ったかについての情報を税務署に対し提供しているため、調査が入れば事実はたちまち明らかになります。
副業で収入を得た際は、その金額について正確に把握しておく必要があるのです。
副業で実績を積んで転職もおすすめ!
今後の需要が見込まれる上に、時間や場所に縛られず作業ができるWebデザイナーは、副業にぴったりの仕事です。基本的な知識やスキルを身に付け、簡単な案件から無理せず受注していくことで、スキルアップしながら安定収入を得られるでしょう。
取り組み方によっては、本業のWebデザイナーとしての転職も可能です。未来の可能性を広げる選択肢の1つとして、副業Webデザイナーを目指してみてはいかがでしょうか。