介護職のワーカーとして働く!仕事内容から給料・やりがいまで一挙解説

介護の現場で働く介護職は、高齢化社会が進む現代において重要な役割を担う仕事の1つです。介護職ワーカーを目指す場合、介護職について幅広い理解が必要です。介護職ワーカーの種類や仕事内容・やりがい・給料まで詳しく解説します。

介護職ワーカーとはどんな仕事?

介護職ワーカーと高齢者

(出典) photo-ac.com

介護職ワーカーとは、介護の現場で働く「介護職」や「介護士」のことを指します。中でも「介護士」は資格の1つと間違いやすい言葉ですが、実際は特別な資格ではなく「職種」を意味することを覚えておきましょう。介護職ワーカーの仕事内容について、解説します。

高齢者の自立支援を助ける介護職

介護職というと、高齢者の身の回りの世話や手助けをする仕事を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。

もちろん、これらも介護職の業務内容に含まれますが、介護職の本来の目的は「高齢者の意志を尊重しながら、できる限り自分の力で生活していけるようにサポートする」ことです。

介護職には、高齢者の自立支援を助ける大きな役割があります。「人生100年時代」といわれる現代では、介護職の需要は増え続けています。今後の社会において、介護職が求められる場面はますます加速するでしょう。

働く施設によって仕事内容が異なる

介護職ワーカーとして働くためには、どんな仕事をしたいのか、自分なりに精査することが大切です。介護職の仕事は職種や施設の種類が多く、それぞれ仕事内容が異なるためです。

介護職ワーカーが働く主な施設は以下のような場所があります。

  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • グループホーム
  • ケアハウス
  • デイサービスセンター

それぞれの介護施設によって、介護を受ける人の要支援・介護認定のレベルや施設の運営方法が異なるため、職種が同じであっても仕事内容が変わります。

介護職ワーカーのおもな職種と仕事内容

介護士の女性

(出典) photo-ac.com

介護職ワーカーのおもな4種類の職種を、具体的な仕事内容とともに解説します。

①高齢者の世話・支援をする介護士

介護の現場で、介護利用者の身の回りの世話から相談・支援といった介護サービス全般を行うのが介護士です。

介護士が働くおもな施設は、介護保険施設・老人ホーム・高齢者の自宅などさまざまで、施設に応じて仕事内容が異なります。

例えば、介護利用者の自宅なら、掃除・食事の支度・トイレや風呂の介助など、生活に関係するサポートが一般的です。

また、介護保険施設や老人ホームなどの場合は、施設のスケジュールに合わせて利用者の世話やレクリエーションの実施、日常の管理などを行います。

介護士という肩書は同じでも、仕事内容は働く施設によって違いがあります。介護職ワーカーを目指す上では、自分がどんな仕事をしたいのか精査することが大切です。

②介護保険の相談にのるケアマネージャー

介護を受ける際は、介護保険サービス(※)を利用するのが一般的です。

ケアマネージャーは「介護支援専門員」ともいわれ、介護を受ける高齢者が介護保険サービスを使う際に、介護利用者それぞれに応じたケアプランを作成することがおもな仕事です。他にもサービス事業者との調整や、介護給付費の管理などを行います。

ケアマネージャーの仕事は、介護保険の専門家ともいわれています。介護保険に関する相談にのることもあるため、専門的な知識が必要です。

そのため、ケアマネージャーになるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格して働く資格を得る必要があります。

※介護保険適用で受けられるサービス。介護法に基づいて認定され、厚生労働省のホームページで事業所や施設が公表されている

参考:公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

③訪問型で介護を行うホームヘルパー

ホームヘルパーは、訪問介護員のことを指します。ホームヘルパーの仕事は、おもに介護を必要とする人の自宅に出向き、日常生活や身の回りの世話・通院の手伝いを行うのが一般的です。

なお、ホームヘルパーに仕事を依頼するには要件があります。要介護認定を受けた人のみが対象で、高齢者であれば誰でもよいという訳ではありません。

またホームヘルパーの仕事内容は、介護の程度によっても異なります。ホームヘルパーの仕事の目的は、介護者の日常生活のサポートなので、目的と結びつかない家事などは利用できません。

④施設の窓口対応を行う介護事務・受付

介護保険は、利用金額のうち1割から3割(所得によっては2割または3割)が利用者の負担になり、残りの金額は市町村が負担する決まりです。

介護事務のおもな仕事内容は、介護で発生する介護報酬の請求です。他にも利用者への請求書・領収書の発行や、受付窓口・電話対応などもあります。

施設によっては、介護士のサポートが仕事内容に含まれるケースもあり、仕事内容は施設によって幅があります。

参考:介護保険制度の概要|厚生労働省

介護職ワーカーに役立つおもな資格

介護士と女性

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介護職ワーカーとして働くために、持っていると役立つ資格があります。おもな3つの資格について解説します。

介護職員初任者研修

未経験で介護の仕事に就くなら、まずはじめに持っておきたい資格が「介護職員初任者研修」です。入浴や着替えなど、利用者の身体に触れてサポートする介護は「身体介護」にあたります。

買い物などの生活援助とは異なり、一定の研修を経て専門知識を身に付けてからでないと、無資格者1人で身体介護を行うことはできません。

介護職員初任者研修では、身体介護を含む介護職の基本的な知識や技術が習得できます。資格の取得には講義・演習を含む130時間の研修を受講し、全課程を修了後の修了試験に合格しなければなりません。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位に位置する資格です。受験資格に制限はないため、介護職員初任者研修を受けていなくても受講ができます。

ただ試験内容は、ある程度介護の知識がないと難しいため、介護職未経験の場合は、介護職員初任者研修を受講してから受ける人が多い傾向です。

研修時間が450時間と長いため、就業しながら資格取得を考えている人は、じっくりスケジュールを組んだ上で受講するのがおすすめです。

介護福祉士実務者研修の研修機関や費用などの詳細は、厚生労働省のサイトで詳しく確認できます。

介護福祉士国家資格

「介護福祉士」は数ある介護系資格の中でも、唯一の国家資格です。

介護福祉士の資格を持っていることは、介護に関する高い専門知識や技術を持っていることの証明となり、一度取得すれば介護福祉士の資格を生かした仕事で活躍できます。

とくに介護福祉士は、介護職の中では施設長・管理者・チームリーダーなど、組織を引っ張っていく立場に求められる資格です。

資格を持っていることで働き方の幅が広がる上、資格手当の額も他の資格と比べて高い傾向です。

介護職ワーカーの給与の傾向

電卓とお金と手帳

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介護職ワーカーとして働くとき、実際の基本給・手当・残業代がどのくらいなのかは気になるところです。介護職ワーカーの給与の傾向について解説します。

介護職の平均給与

介護職の給与は、おもに基本給・手当・賞与の3つからなります。また正社員であれば、施設での勤続年数や残業代・能力給・通勤手当・各種手当などが加算されるのが一般的です。

厚生労働省の調査結果によると、介護士(勤続年数8.7年/平均年齢44.7歳)の平均給与は、31万6,610円となっています。なおこの調査での介護士は、介護支援専門員やケアワーカー・事務員は含みません。

全職種の平均給与は、年収443万円(月収目安36.9万円(ボーナス含む))となっており、介護職の給料は平均よりも低いことがわかります。

介護職が仕事内容の割に給料が低いのは、介護職が未経験からでも働ける間口の広さも理由の1つです。介護職は求人数が多い職種ですが、雇用する側は給料をあえてアップしなくても介護職を希望する応募者が多い仕事だからです。

参考:
令和3年度介護従事者処遇等調査結果 P144 第79表|厚生労働省
令和3年分民間給与実態統計調査 P13|国税庁

資格所持で手当が加算されることも

介護職の報酬は、仕事内容に関係する介護の資格を持っていることで「資格手当」として加算されるケースがあります。

資格の手当の有無は、働く施設によっても変動があり、手当がある場合も支給額は異なるので、事前の確認が必要です。

資格の難易度や、資格と仕事との関係性によっても手当額は変わってくるので、介護に関する資格を持っている場合は、働く施設で手当の支給に該当するのかを調べておくとよいでしょう。

介護職ワーカーのやりがいや魅力

車いすの高齢者と介護士の女性

(出典) photo-ac.com

介護職ワーカーは、人との触れあいが軸にあるので、人の温かさを日々感じられる仕事です。そんな介護職ワーカーのやりがいや魅力について解説します。

人の役に立つ実感が持てる

介護職ワーカーのやりがいとして大きいのは、人の役に立てるということを日々感じられることでしょう。

介護を利用している人からはもちろん、介護者の家族からも感謝される場面が多く、仕事へのやりがいを感じる介護職ワーカーが大半です。

人とのつながりが大切な仕事であり、介護を利用する人との触れあいや会話から、人の優しさを感じたり、人生の先輩である介護利用者から元気をもらったりすることもあります。

こうした大きなやりがいは、介護職ワーカーにとって仕事を続けていける心の支えになります。

景気に影響なく安定して働ける

日本は現在高齢社会であり、今後も高齢者の割合はさらに大きくなるといわれています。介護を必要とする高齢者にとって、介護施設や介護職ワーカーは必要不可欠な存在です。

そのため介護職は、景気に左右されにくく、安定した需要がある仕事といえます。

中でも介護についての専門的知識を持つ介護職ワーカーは、社会から求められる仕事です。介護職ワーカーとしての経験や資格は、この先も介護職に就く上で、大きな強みになることは間違いありません。

介護職ワーカーにとって、介護職が景気に影響されにくい、安定した職ということは大きな魅力です。

働き方を精査して自分が目指す介護職ワーカーに

笑顔の介護士と高齢者

(出典) photo-ac.com

介護職ワーカーの仕事内容は、職種や施設によってさまざまです。介護利用者の日常生活の世話やサポートなど、仕事内容は決して楽ではありません。しかし、高齢者の自立支援を手助けする責務や、相手から受ける感謝は、仕事へのやりがいにつながります。

介護職ワーカーになるためには、自分がどのような働き方をしたいか精査することが重要です。その働き方にあった理想の求人を見つけましょう。

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