医療事務の仕事はやめとけといわれるのはなぜ?理由とやりがいを紹介

医療事務への転職を検討している人の中には、医療事務はやめとけという意見が気になっている人もいるでしょう。おすすめできない理由やメリットを把握すれば、転職すべきか判断しやすくなります。医療事務はやめとけといわれる理由を見ていきましょう。

「医療事務はやめとけ」はなぜ?

泣く女性を慰める

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「医療事務はやめとけ」といわれるのは、主に医療事務として働いたことのある人が発している言葉です。どのような経験から医療事務をおすすめできないと考えているのでしょうか。

仕事が激務・イメージと異なる

医療事務は事務職の一種として、一般的な事務職と同じような仕事だと思われがちです。しかし、医療事務の仕事は激務である場合が多く、イメージと違うと感じる人が多いのが一因でしょう。

医療事務は一般の事務仕事に加えて、患者とのやりとり・院内の案内業務・患者の治療スケジュールを立てるといった仕事もあります。また、緊急の仕事が入ることもあります。

その他にも専門用語や覚えることが多く、慣れないうちは思っている以上に大変だったり、病院事務として働く場合は、総務や経理の知識を求められて仕事がより忙しくなることもあります。

ブラックな病院の存在

「医療事務はやめとけ」といわれる理由の1つに、ブラックな病院の存在が挙げられます。長時間労働を強いられたり、残業代が支払われなかったりするケースもあるようです。

病院には、昔から変わらない習慣・仕事内容などにより、長時間勤務が当たり前になっている側面があります。医療事務の仕事でも同様に、長時間労働や膨大な作業量を求められがちです。

医療業界が慢性的な人材不足に陥っていることもあり、従業員が少なければ、1人あたりの業務負担が大きくなってしまいます。長時間労働やサービス残業が増えれば、医療事務は激務の割に稼げないと感じてしまうでしょう。

体調管理に気を使う

病院で働く医療事務は、患者と接する機会が多く、感染症をもらうリスクも高いので、普段から体調を整えておく必要があります。

仕事量が多く、なかなか休めないことも、医療事務が体調管理に気を配らなければならない理由の1つです。責任感が強い人は、体調不良で休んでしまうと、周囲に迷惑をかけてしまうと考え、それがストレスにもなってしまうようです。

医療事務は、他の職種以上に体調管理を重視せざるを得ないため、精神的に疲れてくると、医療事務の仕事に限界を感じてしまうこともあるようです。

医療事務のやりがいやメリットは?

白衣の女性

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「医療事務はやめとけ」といわれる一方で、医療事務の仕事には、やりがいやメリットもあります。医療事務が気になっているのなら、ポジティブな側面も知っておきましょう。

地域・社会に貢献できる

医療事務スタッフは、病院で患者を診察・治療することはもちろんありません。しかし、裏方として医師や看護師の仕事をサポートする医療事務は、医療従事者として重要な役割を担っています。

医療事務スタッフがいなければ、受付やレセプト業務といった仕事は、医師や看護師が行わなければなりません。医療事務スタッフがいるからこそ、医師や看護師は本来の業務に集中できるのです。

また、地域密着型の病院で働いている医療事務スタッフは、医師や看護師とともにイベントなどへ参加する機会も多くなります。医療事務は1人の医療従事者として、さまざまな形で地域や社会に貢献しているという実感を得られるでしょう。

患者や周囲から感謝の言葉がもらえる

医療事務スタッフは、患者と接する機会が多いため、患者やその家族から感謝の言葉をもらう機会が多くあります。温かい言葉をかけられればうれしくなり、モチベーションも高まるでしょう。

特に診療所やクリニックで働いている場合は、患者との距離がより近くなるため、親しく接する人も多くなるでしょう。回復に向かっている患者の様子を見られるのも、医療従事者として喜びを感じられるものです。

医療事務は患者だけでなく、一緒に働いている医師や看護師からも感謝されるケースがあります。このように、多くの人から感謝されることも医療事務のやりがいといえます。

医療業界は需要も高く将来性がある

高齢化が進む日本では、医療の需要がますます高まる傾向にあるため、医療事務も常に求められる職種になるでしょう。医療事務のスキルや経験があれば、将来的にも仕事に困ることが少ないでしょう。

医療事務経験者が転職する場合、ブランクや年齢がネックになることは、ほとんどないようです。出産や育児で現場を離れていた期間があっても、再就職しやすいことはメリットです。

医療機関が全国各地にあることもポイントです。結婚や配偶者の転勤などで引っ越しても、引っ越し先の地域にある医療機関で働けます。

医療事務の仕事に就くには?

デスクで勉強する女性

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無資格・未経験でも医療事務への挑戦は可能です。ただし、資格を取得しておけば、より有利に転職活動を進められます。

資格がなくても挑戦できる仕事

国家資格を取得しなければ働けない医師や看護師と違い、医療事務は資格がなくても働けます。

未経験者歓迎の求人も多いため、無資格・未経験でも挑戦しやすい仕事だといえます。採用された後に、業務内容を教えてもらえるので、医療業界に携わりたかった人も転職しやすいでしょう。

ただし、全くの未経験からいきなり正社員を狙うのは無謀です。正社員募集の求人を見つけても、経験者が優遇される可能性が高くなります。未経験者が医療事務に挑戦する場合は、まずアルバイトやパートから始め、経験を積んでいきましょう。

資格を取得すると採用率が高まる

医療事務の仕事に資格は必須ではありませんが、医療事務系の資格を取得しておくと採用率が高まります。代表的な医療事務資格は以下の通りです。

  • 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
  • 医療情報実務能力検定試験
  • 診療報酬請求事務能力認定試験

いずれかの資格を取得している人は、医療事務の一般業務や、レセプト業務の能力があると証明できます。診療報酬請求事務能力認定試験は、他の資格試験よりも難易度が高いともいわれているので、しっかり勉強時間を確保する必要があるでしょう。

資格を保持していれば、業務に役立つ知識も身に付くため、未経験者でも転職で有利になります。また、資格手当をもらえる職場もあります。

医療事務に向いている人の特徴

笑顔の女性

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自分が医療事務に向いていることが分かれば、転職に対してより前向きに考えられるようになるでしょう。医療事務に向いている人の特徴を紹介します。

明るく笑顔の多い人

病院の窓口で受付業務を行う医療事務スタッフは、病院の顔となる存在です。患者が最初に顔を合わせる病院スタッフとなるため、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。

病院の受付として患者と接する際は、明るさや思いやりの心を持つことが重要です。誰からも好印象を持たれるような接客ができる人は、医療事務に向いています。

一部の接客業や販売業のように、過度に明るく振る舞う必要はありません。自然に笑顔が作れる人や、普段から明るい人なら、病院の受付業務もスムーズに始められるでしょう。

几帳面で数字に強い人

会計業務やレセプトの点数計算を行う業務など、医療事務は数字に関する仕事が多くなります。いずれも病院の収益に関する重要な業務であり、正確さとスピードが重要です。

几帳面で数字に強い人なら、これらの業務も気軽に進められるでしょう。会計業務やレセプト業務はミスが許されないため、大ざっぱな人には向きません。

また、医療事務には患者の個人情報を管理する仕事もあります。カルテや保険証を雑に扱うと、個人情報の漏えいにつながりかねないため、几帳面な性格の人が向いているといえます。

守秘義務があるので口が堅い人

医療事務に限らず、医療従事者には業務で知った患者の情報を口外してはならないという守秘義務があります。家族や親しい友人に話すのも、守秘義務違反に当たる恐れがあります。

悪気なく、話題の1つのように話してしまわないように注意しなければなりません。このくらいだったらいいだろうと、考えない口の堅さが必要です。

うわさ話が好きな人や、どうしても誰かに話さなければ気が済まない人は、トラブルを引き起こしてしまう恐れがあります。病院に迷惑をかけることにもなるため、自分の性格を自己分析した上で、医療事務に向いているかどうかも考えてみましょう。

医療事務に向いていない人の特徴

頭を抱える白衣の女性

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おとなしい人や内向的な人は、医療事務に向かないでしょう。トラブル時にパニックになりやすい人も、転職先として他の職種を検討するのが無難です。

おとなしく内向的な人

医療事務は、一般的な事務作業だけでなく、病院の受付業務も行わなければなりません。患者とのやりとりも医療事務の重要な仕事です。

患者と接する際は、明るく聞き取りやすいよう、はきはきとしゃべる必要があるため、おとなしく内向的な人には向きません。雰囲気が暗い人や、声が小さい人が受付をすると、病院の印象も悪くなってしまうと考えられます。

患者の中には、耳が聞こえにくい高齢者も多く、スムーズに会話ができないケースもあるでしょう。人との関わりが苦手な人も、話が通じない相手にイライラしやすくなるため、医療事務には不向きといえます。

トラブル時にパニックになりやすい人

急患が担ぎ込まれたり、調子の悪い子どもが嘔吐したりと、病院ではさまざまなトラブルが発生します。医療行為は医師や看護師が行いますが、状況によっては緊急の連絡やちょっとした手助けなどの対応を求められることがあるでしょう。

それ以外にも、患者やその家族からクレームを受けることもありえます。どのような内容の話であれ、まずは冷静に対応することが重要なので、想定外のことが起きたときにパニックになりやすい人には向かない面もあります。

医療事務は自分に合った職場なら働きやすい

白衣の女性

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「医療事務はやめとけ」という意見をどう捉えるかは人それぞれです。医療事務にはやりがいやメリットもある上、人によっては向き不向きもあります。自分に合った職場であれば、メリットの方が上回り働きがいもあるでしょう。

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