多様化する看護師の働き方!働き方改革で何が変わる?

看護師にはどのような働き方があるでしょうか。勤務形態別と雇用形態別に働き方の種類を紹介します。看護師の働き方改革の内容についても具体的に説明しているので、現職の看護師だけでなく、看護師に復職しようと考えている人も参考にしてください。

【勤務形態別】看護師の働き方の種類

カルテに記入する看護師

(出典) photo-ac.com

勤務形態別の看護師の働き方には、主に「交代制」「日勤のみ」「夜勤専従」の3種類があります。それぞれの勤務形態にはどのような特徴があるのか、具体的に見ていきましょう。

交代制(夜勤あり)

病棟勤務の看護師の働き方で多いのが、夜勤のある交代制の勤務形態です。交代制にも「2交代制」と「3交代制」の2種類があります。

2交代制には、日勤と夜勤を12時間ずつ、日勤は8時間で夜勤を16時間など職場によって異なる場合があります。3交代制は、日勤・準夜勤・深夜勤というように、夜勤の時間帯が2つに分かれているのが特徴です。

交代制の勤務は、夜勤明けの翌日が休みとなるため、休日は不定期となり、平日が休みになることも少なくありません。不規則な生活になりがちで、体力的に負担がかかるのもデメリットといえるでしょう。

しかし、夜勤手当が付くので収入はアップするというメリットもあります。特に、2交代制の夜勤手当は3交代制より多いので、効率良く稼ぎたい人にはおすすめです。

日勤のみ

入院設備のないクリニックや、病院に勤務している看護師の場合は、フルタイムで日勤のみの常勤と呼ばれる働き方をしているのが一般的です。

日勤の場合、原則として1日8時間で、週に最大40時間までの勤務となります。週休2日制が基本なので、一般の企業と同じような勤務体系で働きたい人におすすめです。一週間のうちで休みが固定しているため予定を組みやすく、夜勤がある勤務とは異なり、生活が不規則になることもありません。

夜勤手当が付かない分、病棟勤務に比べて給与は少なくなりますが、ボーナスや退職金などの福利厚生は整っている職場が多いでしょう。

夜勤専従

夜勤専従とは、入院設備のある病院や介護施設などで、夜勤の時間帯だけ勤務する働き方のことをいいます。

夜勤専従で働いている看護師には、基本的に日勤の業務はありません。2交代制の場合、1回あたりの夜勤は約2~3時間の休憩を入れて16時間と長時間になります。人手が少ない時間帯なので、業務の負担も幅広くなりがちです。

しかし、週に2~3日だけの勤務となるので、プライベートの時間をしっかり確保したい人にはおすすめです。勤務日数の少なさの割に、夜勤手当で高収入を期待できるのもメリットといえるでしょう。

正規雇用・非正規雇用のどちらの雇用形態もありますが、非正規雇用求人の方が比較的多く、月に1~2回だけスポットで勤務している人もいるようです。

【雇用形態別】看護師の働き方の種類

2人の看護師

(出典) photo-ac.com

看護師にも正社員・派遣社員・アルバイトなど、雇用形態別の働き方があります。それぞれの働き方について、メリットやデメリットも含め詳しく説明していきましょう。

正社員

正社員とは、病院やクリニックで正規雇用として働いている常勤看護師のことです。厚生労働省の「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2020年)を見ると、約8割が正規雇用となっており、看護師の働き方のなかでも最も多いケースだということが分ります。

正社員として働くメリットは、収入が安定している点と、ボーナス・社会保険・福利厚生なども充実していることといえるでしょう。昇給もあるため、長く働くほどに収入やキャリアもアップします。

しかし、入院施設のある病院の場合は、夜勤や残業もあるので、体への負担は大きくなります。結婚や出産・育児・介護などのライフイベントがあったときに、仕事と家庭の両立が難しくなるケースもあるでしょう。

参考:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

契約社員

契約社員は、正社員と同じく雇用主である病院と直接契約する働き方です。契約社員の場合は、病院と交わす契約書に勤務条件や雇用契約の期間が定められています。

一般的に正社員より給与が低くなる傾向で、昇進や昇給もありません。病院側の都合によっては、契約が更新されないこともあるため、安定して働きたい人には不向きでしょう。

しかし、契約内容によっては夜勤や残業などがないケースもあるので、正社員より負担が少ないというメリットはあります。契約で禁止されていなければ、ダブルワークも可能です。プライベートの時間を重視したい人や、人間関係に縛られない働き方をしたい人には向いています。

派遣社員

看護師でも、人材派遣会社に登録して勤務先の病院などに派遣される働き方が可能です。派遣社員の場合、雇用契約は人材派遣会社と結ぶのが基本です。勤務条件についての交渉はすべて派遣会社が代行し、給与や福利厚生なども派遣会社の規定に基づきます。

業務の範囲は正規雇用の看護師と変わりませんが、残業や夜勤はなく勉強会などへの参加も不要です。キャリアアップや安定性という点ではあまり期待できないものの、面倒な人間関係が苦手な人や、プライベートの時間をしっかり確保したい人には向いています。

パート・アルバイト

時間単位で勤務するパートやアルバイトなどの働き方は、夫の扶養範囲内で働きたい人や、子育てや介護などで短時間だけしか働けない人に適しています。

一般的なアルバイトやパートよりは時給が高めなので、短時間でもある程度の収入を得られるのがメリットです。キャリアアップは難しいものの、ダブルワークをしたい人や隙間時間を使って働きたい人には向いています。

団体旅行に同行して健康管理をするツアーナースや、健診センターの仕事など、病院以外の求人もあります。結婚や出産でしばらく離職したあと、復職に向けてパートやアルバイトから少しずつ始めたいという人にもおすすめです。

看護師の働き方でよくある悩み

泣いている女性

(出典) photo-ac.com

看護師は、働き方によってさまざまな悩みも生まれます。どのような悩みがあるのか見ていきましょう。

生活リズムが乱れやすく夜勤がつらい

2交代制や3交代制で働いている場合、生活が不規則になりがちなので、体調を崩しやすくなります。日勤に比べて夜勤はスタッフの数が少ない分、一人当たりの業務量が多くなり、体への負担も大きくなりがちです。

また、夜間は人手が少ないため、緊急対応が必要なときにしっかり対応できるのかという不安を持つ人もいるでしょう。

不規則な生活によって乱れがちな体内時計を整えるためには、夜勤明けにしっかり日光を浴びるのがおすすめです。朝方に帰宅してそのまま就寝すると、生活リズムが狂うので、仮眠程度にし夜早めに眠るなど工夫してみるとよいでしょう。

ワークライフバランスを実現させたい

2交代制での夜勤の場合、勤務時間が16時間程度と長くなるため、結婚している人や子育て中の看護師にとっては家庭と両立しにくいのが現状です。

看護師の仕事を続けられず、退職せざるを得ない人も少なくありません。独身の場合も、休みのタイミングが不定期なことから、看護師以外の友人と会いにくいなど、プライベートを充実できないという悩みもあるようです。

結婚や出産のようにライフステージが変わった人は、日勤のみで働ける職場へ転職したり、子育て中だけパートやアルバイトで働いたりするのも一つの手段です。プライベートを重視したい人は、契約社員や派遣など時間の自由が利く働き方に変えてみるのもよいでしょう。

もっとキャリアアップしたい

自身のスキルアップや、キャリア形成に不安を抱えている看護師もいるようです。職場の教育制度が整っていない、または毎日決まり切ったルーチンワークで業務内容に変化がないなどの理由が考えられます。

現在の仕事内容に不満があるときは、院内での異動や、キャリアに応じたポストへの転職など考えてみるのもよいでしょう。看護師として5年以上のキャリアがあるなら、認定看護師など、上位資格の取得を目指すのもおすすめです。

認定看護師とは、特定の分野において熟練の技術や知識を持っている看護師のことをいいます。認定看護師になるには、認定看護師教育機関に入学し、実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)が必要です。認定看護分野には、感染管理・がん放射線療法看護・緩和ケアなど19の認定看護分野(2020年度から教育開始)が定められています。

看護師の働き方改革で何が変わる?

カルテを書く白衣の女性

(出典) photo-ac.com

2019年から順次施行されている「働き方改革関連法案」を受け、公益社団法人日本看護協会でも、看護職の働き改革の推進を行っています。この改革によって看護師の働き方はどのように変わるのでしょうか。具体的な変化について、3つのポイントを挙げて説明します。

時間外労働の上限が設定される

大企業では2019年4月から、中小企業でも2020年4月から時間外労働の上限規制が導入されました。厚生労働省の「働き方改革関連法に関するハンドブック」によれば、時間外労働の上限は、月45時間・年間360時間と定められています。

看護師が働く現場でも、時間外労働時間の上限が決められるため、上限を超えた残業はできなくなります。いわゆる「36協定」を結べば、特別な事情がある場合に限って、この時間を超えた勤務も可能です。

しかし、それでも年720時間以内・複数月平均80時間以内・月100時間未満まで(休日労働を含む)と限度が決められています。36協定を結ばずに上限を超えて働いたり、協定を結んでいても特別な場合の上限を超えて働いたりした場合は、事業者が罰則を受ける決まりです。

参考:働き方改革関連法に関するハンドブック|厚生労働省

有休取得5日を義務化する

労働基準法では、雇用日から起算して6カ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、年10日の有給休暇を与えることが規定されています。しかし、休暇を取りにくいなどの理由から、実際の有休取得率が低いため、年に5日は雇用主が時季を指定して取得させることも義務づけられました。

看護師の場合も、正社員・パートに関係なく年間10日以上の有給休暇を付与されている人は、年に5日の有休を取得することが義務化されています。有給休暇の取得方法には、看護師から申し出る「個別指定方式」のほか、雇用者側から休暇日を指定する「計画年休制度」も設定し、人手不足によって有休取得しにくいといった問題を解決しています。

参考:厚生労働省「年次有給休暇の時季指定義務」

勤務間インターバルの導入に努力する

勤務が終わってから次の勤務が始まるまでの「勤務間インターバル制度」の導入については、努力義務というかたちで盛り込まれました。

公益社団法人日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、勤務と勤務の間隔を11時間以上空けるよう提案しています。しかし、あくまでも勤務間インターバルについては努力義務のため、11時間の間隔を空けなくても罰則はありません。

とはいえ、激務による疲労で注意散漫になり、医療ミスなどを起こさないよう、患者の安全確保のためにも適切な運用が求められています。

参考:看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン | 日本看護協会

看護師も自分に合った働き方を見つける時代

受付にいる白衣の女性

(出典) photo-ac.com

看護師というと、夜勤や長時間勤務で負担の大きい職業というイメージを持つ人も多いかもしれません。確かに、大学病院や中小の入院施設のある病院での勤務は、激務になりがちです。そのため、ライフスタイルの変化によって、これまで積んできたキャリアを諦めてしまった人も少なくないでしょう。

しかし、現在ではさまざまなライフスタイルに合わせた働き方ができるようになりました。アルバイトやパートといった短時間勤務だけでなく、正社員のようにフルタイムで働きながらプライベートも充実できる、契約社員や派遣といった働き方もあります。看護師の仕事を長く続けるためにも、自分の理想とするワークライフバランスを実現できる働き方を見つけましょう。

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