看護師はやりがいのある仕事ですが、心や体への負担も大きく、大変なことも少なくありません。現在の職場で仕事を続けていくかどうか悩んだときのために、対処法や判断するポイントを紹介しています。
この記事のポイント
- 看護師の業務で大変なこと
- 看護師が直面しやすい悩みとして、体力的な負担のほか、人間関係や家庭との両立などが挙げられます。
- やりがいのある瞬間
- 看護師の仕事は、つらいと感じることも多い一方で、やりがいも非常に多い仕事です。仲間と協力して働けることや、人の役に立てる実感など、看護師ならではの魅力も少なくありません。
- 悩みへの対処法
- 目標設定や異動の相談、場合によっては転職も視野に入れる必要があります。自分に合った方法を見つけることが大切です。
看護師の業務で大変なことは?
看護師の仕事はやりがいがある反面、体力的・精神的な負担も大きく、仕事を続けるか迷うこともあるでしょう。人間関係や夜勤の疲れ・責任の重さなど、日々の業務で悩みやストレスを感じる場面は少なくありません。
まずは、多くの看護師が感じている「大変なこと」には、どのようなものがあるのかを見ていきましょう。
体力面で負担が大きい
看護師は、体力を大きく消耗することが多い職種です。医療業界は再就職が比較的しやすい一方で、常に人手が不足しており、少人数で多くの業務をこなさなければならない状況が頻繁にあります。
そのため、長時間勤務や夜勤が多く、体への負担は予想以上に大きくなりがちです。夜勤の際は、16時間前後の勤務時間の中で2時間~3時間の休憩を挟みながら働かなければならず、ときには1人で夜勤業務を担当することもあります。
また、寝たきりの患者の移動・体位変換・入浴介助といった身体的なケアも看護師の重要な仕事です。1人で複数の患者を同時にケアすることが多く、腰痛を抱える看護師も少なくありません。
さらに患者の急変・緊急入院の対応など、すぐに対処しなければならない場面もあり、残業も多くなりがちです。
長時間の残業や不規則な勤務が続けば、精神的にも肉体的にも負担が増えます。そのため、看護師の業務は「大変な仕事」といわれることが多い傾向です。
人間関係が難しい
看護師の仕事はチームワークが欠かせません。しかし、職場の人間関係がうまくいかないことも多く、先輩や医師からの厳しい指導やパワハラに悩むケースもあります。忙しさやストレスから、指導者が感情的になる場合も多いでしょう。
さらに、患者からの理不尽な要求や暴言に傷付くこともあり、これが原因で退職を考える看護師も少なくありません。
責任が重く強いプレッシャーがある
看護師は患者の命を預かる重要な仕事です。伝達ミスや確認不足などのささいなミスが、患者の生命に関わることもあります。そのため、常に細心の注意を払いながら働く必要があり、強いプレッシャーがかかります。
ミスを防ぐためにダブルチェックを徹底する病院もありますが、人手不足のため十分なサポートが受けられないことも多いでしょう。
患者の急変や看取りの場面がある
配属される診療科・病院によっては、患者の死に立ち会う機会もあります。看護師は患者・その家族と深く関わるため、亡くなったときのショックが大きく、自責の念や悲しみを引きずることも少なくありません。
このような経験が積み重なると、精神的に疲弊し、仕事を続けるのが辛くなることもあるでしょう。そのため、感情を適切にコントロールしながら、患者や家族と向き合うことが求められます。
家庭やプライベートとの両立が難しい
病棟勤務の看護師は、不規則な勤務スケジュールに悩まされることも少なくありません。クリニック勤務なら土日休みのケースもありますが、病院では休日が不定期であるため、家族・友人と予定を合わせるのが難しくなります。
また有給休暇申請が通らないことも少なくありません。事業主には「時季変更権」が認められており、繁忙期は有給休暇の申請が却下される可能性が高まります。加えて、人手不足の影響で希望通りに休みが取れない場合があります。
常に勉強する必要がある
医療の進歩は早く、新しい治療法・薬が次々と登場するため、看護師は常に勉強し続けなければなりません。また、診療科ごとに求められるスキルが異なるため、異動・転職の際には新たな分野を学び直す必要があります。
さらに大学病院では、学会・勉強会・症例検討会への参加が求められることもあり、仕事と学習の両立に苦労する看護師も少なくありません。
看護師は大変なことも多いがやりがいも多数◎
看護師は大変なことも多い一方で、やりがいを感じる部分も多い仕事です。やりがいを見つけられれば、仕事のモチベーションがアップするでしょう。
看護師の仕事において、どのような点にやりがいを感じている人が多いのかを理解し、自分なりのやりがいを見つけましょう。
職場の仲間と協力し目標を達成できる
看護師は、1人の患者に対して交代で看護を行うため、情報を共有しながら業務を進める必要があります。何か問題が発生した際は、看護師同士で状況を共有し、どう対応するかをともに検討する場面も少なくありません。
また医師・薬剤師などの他職種と連携しながら目標に向かうほか、患者やその家族とも信頼関係を築きながら、治療を支えることも看護師の役割です。
このように看護師は、さまざまな立場の人と協力し合う職業です。仲間と協力して目標を達成できたときは、大きなやりがいや充実感を得られるでしょう。
人の役に立てる
看護師の仕事は、誰かの役に立てるという大きな魅力があります。医師の診療や治療を支えるだけでなく、患者や家族の不安に寄り添い、精神的な支えとなる場面も多くあります。
担当した患者が元気に退院する姿を見たり、「ありがとう」と感謝の言葉をもらったりすると、「この仕事をしていてよかった」と実感できるでしょう。人の役に立つ仕事がしたい思いが強い人にとって、看護師は魅力的な職業です。
安定した収入や雇用が得られる
看護師は専門性が高い職業であり、社会的なニーズも常に安定しています。経験を積むほど収入も上がり、役職に応じたキャリアアップの道も開けています。
また働く場所も多岐にわたり、病院・クリニックだけでなく、企業・公的機関などでも活躍できる場合があります。高齢化が進む社会において、看護師のニーズは今後さらに高まるでしょう。
さらに産休・育休・介護などで一時的に離職しても、復職を支援する制度が整っている職場が多く、長く働き続けられる点も大きな魅力です。
看護師の仕事が大変に感じたときの対処法
看護師として働く中で「仕事がつらい」と感じるのは、十分に起こり得ることです。そのようなときは、状況を改善するための対策を試してみましょう。以下で負担を軽減するための4つの方法を紹介します。
仕事の目標を設定する
目の前の業務をこなすだけで精いっぱいなときは、仕事をつらいと感じてしまいがちです。改めて自分なりの目標を持つことで、視点が変わり、モチベーションの向上につながる可能性があります。
たとえば「患者さんと信頼関係を築く」「先輩の補助なしで業務をこなす」など、短期的で小さな目標を設定すれば、達成感を得やすくなります。
さらに「主任を目指す」「資格を取得する」といった長期的な目標も、振り返ったときに自分の成長を実感しやすくなるためおすすめです。
上司や先輩に相談する
信頼できる上司・先輩に相談することで、状況が大きく変わることもあります。経験豊富な先輩なら、つらい状況を乗り越えるためのアドバイスをくれるかもしれません。
また、勤務の負担が大きいと感じている場合は「勤務スケジュールを見直してほしい」など、具体的な改善策を提案してみるのも有効です。
「周りも忙しいから」と遠慮する必要はありません。体力・家庭環境は人それぞれ違うため、自分に合った働き方を模索することが大切です。
部署異動を申請する
仕事で苦痛を感じる原因が、特定の人間関係・診療科の特徴による場合、部署異動をして環境を変えるのも1つの手でしょう。
たとえば、急変対応やスピード感のある業務が苦手なら、比較的落ち着いた療養病棟などへ異動すれば負担が軽減されるかもしれません。また異動することで気持ちが切り替わり、新鮮な気分で働けるようになる可能性もあるでしょう。
ただし逃げるような形での異動をしても、本質的な問題が解決しない場合もあります。まずは今の状況を冷静に振り返り、根本的な解決策を考えることが重要です。
休職や転職を検討する
無理をし続けて、体調を崩してしまっては意味がありません。一度仕事から離れて、自分の気持ちを整理する時間を持つことで、気持ちに余裕が生まれることもあります。
また「今の職場環境が合わない」と感じる場合は、転職して新しい職場を探すのも選択肢の1つです。転職を考える際は、同じ悩みを繰り返さないために、転職先の職場環境・人間関係をしっかり見極めることが重要です。
看護師が大変なら無理せず適切に対処しよう
看護師の仕事にやりがいを感じつつも、大変さに悩むことは誰にでもあります。無理を続けるのではなく、今の状況を見直し、自分に合った対処法を試すことが大切です。職場を変える選択肢も視野に入れつつ、自分らしく働ける環境を探してみてください。
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