介護職を辞めたいと思ったときの対処法!転職のポイントも解説

介護の仕事は肉体的・精神的につらいことが多く、キャリアが長い人でも「辞めたい」と思う瞬間があるものです。介護職を辞めたいと思ったときにすべきことや、辞めたくなってしまったときの対処法、さらには辞めると決めた後にすべきことを紹介します。

介護職を辞めたいと思ったら考えること

高齢者の手を取る介護士

(出典) photo-ac.com

介護職に限らず、どんな仕事に就いていても「辞めたい」と思う瞬間はあります。一時の感情で辞める選択をするのは、早すぎるかもしれません。

介護職を辞めたくなったときに、まず考えたいことを紹介します。

仕事にやりがいはあるか

日常業務を振り返ったとき「利用者の役に立っている」「社会に貢献できている」など、少しでも仕事にやりがいを感じているのであれば、介護の仕事自体を辞めるかどうか決めるのは早いかもしれません。介護職そのものではなく、現在の職場が嫌になっている可能性があります。

また「やりがいを感じているかどうか分からない」という人は、なぜ介護職に就こうと思ったのかを思い出してみるのがおすすめです。初心に帰ると、介護の仕事の魅力はもちろん、介護で成し遂げたかったこと・目指してきたことを再確認できます。

心がいったん落ち着けば「今は忙しすぎて、仕事に嫌気が差しているだけだ」と気付くかもしれません。

将来へのキャリアビジョンがあるか

数年後の自分を想像し、介護業界で働く人としてどのようになっていたいかをイメージしましょう。「数年もここで働きたくない」「今と同じように文句を言っているかも」と思うのであれば、転職も視野に入ります。

一方で「介護福祉士の資格を取りたい」「キャリアアップして生活相談員になりたい」などのイメージがあるのなら、今の状況を改善するために動いた方がよいでしょう。

介護職を辞めたいときの対処法

悩む二人の介護士

(出典) photo-ac.com

介護職を辞めたいと思ったときは、1人で抱え込まないことが大切です。メンタルに支障をきたす前に、周囲の力を借りましょう。

周りに悩みを聞いてもらう

「辞めたい」という気持ちにうまく折り合いを付けられない場合は、信頼できる人に相談するのも良い方法です。1人でモヤモヤとしていても、冷静な判断は下せません。第三者の客観的な意見を聞くことで、冷静さを取り戻せたり、次にすべきことが見えてきたりするものです。

ただし、悩み相談をするときは、きちんと相手を選ぶ必要があります。相談は信頼できる上司や同僚のみに限定し、他に広がらないようにしましょう。また聞き手が不快に思わないよう、激しい言葉で職場を批判したり、誰かを悪人にしたりするのも控えなければなりません。

また、職場に頼れる人がいない場合は、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうこともできます。ただし、違う業界で働いている人に話す場合は、具体的な解決策まで求めることが難しいことも知っておきましょう。

悩みを改善できないか確認

辞めたい理由が労働条件や職場環境なら、施設側に改善を求める方法もあります。例えば「人手不足で業務負担が大きくなりすぎている」「夜勤シフトが多すぎてきつい」「残業が多すぎて体力的に無理」などは、黙っていても改善されません。他にも同じような仲間がいれば、一緒に声を上げると組織を動かしやすくなります。

行動しても状況が改善されない場合は、今の職場に見切りを付けやすくなります。もっと条件のよい職場はあるはずなので、転職を検討してもよいでしょう。

介護職を辞めると決めた後にすることは?

退職願

(出典) photo-ac.com

介護職を辞めると決めたら、次の就職先を見つけるために動かなければなりません。辞めると決めた後にすべきことを紹介します。

辞めるタイミングはボーナス支給後

「ボーナスをもらってすぐに辞めるのは厚かましい…」などという心配は不要です。ボーナスは労働に対する正当な報酬なので、きちんと受け取ってから辞めましょう。

施設によっては、「離職する人はボーナスを減額する」などの就業規則があるのも珍しくありません。早めに離職を口にしただけで、満額がもらえなくなる恐れもあるので、離職を伝えるのは「自分が不利にならず、かつ職場にも迷惑がかかりにくいタイミング」を意識してみてください。

ボーナスを受け取った後に離職を伝える場合、少しでも円満に退職したいのであれば、支給後すぐに離職するのは避けましょう。支給日から1カ月程度空ける方が無難といえます。

在職中に転職活動する

転職活動は、在職中に行う方が収入が途絶えず安心です。働きながらであれば、焦って転職先を探す必要がないので、本当に自分に合う職場を選びやすくなります。

ただし、辞めたい理由が「メンタルや体の不調」「陰湿な職場いじめ」などであれば、職場にしがみつく必要はありません。一刻も早く離職を伝え、職場を離れましょう。

引き止めに注意

辞めると伝えると「今辞められると困る」とすがられたり、「そんな無責任な考えでは、どこに行っても通用しない」などと言われたりするケースがあります。

施設側に強く引き止められても、真正面から受け取る必要はありません。「申し訳ありませんが、○月○日に退職します」と冷静に繰り返すのが無難です。

また、離職の理由を聞かれたとき、条件や待遇の不満を出す場合は注意が必要です。職場から、改善することを約束に引き止められたり、改善の時期が不明確で結局何も変わらないケースもありえます。

なお「地元に帰る」「海外留学する」などのうそは、同じ介護業界で転職する際にも、すぐに分かってしまいます。辞めたい気持ちが強いとしても、適当なうそでごまかすのはおすすめできません。

介護職を辞めた後の転職先を決めるポイント

ノートパソコンと女性

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介護職を辞めても、合わない職業を選んでしまうと、また辞めたくなるかもしれません。ジョブホッパーにならないよう、自分にマッチする転職先をしっかりと見極めましょう。

条件の優先順位を決める

実際に転職先を探す前に「理想の職場」について考えてみましょう。思い付くさまざまな条件を書き出し、それぞれに優先順位を付けていくのがおすすめです。

例えば収入や待遇を重視する人は、基本給・ボーナス・昇給規定・福利厚生の充実度がポイントとなります。

一方、キャリアが気になるのであれば、その職場でのキャリアパスがどうなっているのかを調べなければなりません。

職場に求めるものは、一人一人異なります。安易な転職を繰り返さずに済むよう、自分の中で評価軸をきちんと決めておきましょう。

求人頻度をチェック

常に求人が出ていたり、さまざまな媒体・サイトで求人したりしているところは、社員が定着しないのかもしれません。職場環境や人間関係に問題があるケースが多いため、安易に応募するのは控えましょう。

ただし、頻繁に求人募集を行う企業の中には、事業拡大のために多くの人員が必要だったり、地方を含めて求人を行っていたりするケースもあります。

「この企業、いつも見るな」と思ったときは、募集の詳細をよく読み、ブラックか否かを適切に見極めましょう

周辺施設との給与・待遇の差

給与・待遇を見るときは、同じ業種や職種の企業と比較しましょう。相場よりもあまりに低い場合は、働いてもモチベーションが上がりにくいでしょう。

一方、あまりにも待遇や給与がよすぎるところも、何かからくりがあるのかもしれません。

例えば、人がすぐに辞めてしまうので、好待遇・高い給与で人を引き付けようとしている可能性もあります。あるいは「残業がものすごく多い」「特別な資格やスキルがある人のみが対象」などで、手取りが増えているケースもあるでしょう。

あまりにも好条件すぎる企業を見つけたら「なぜ好条件なのか」を考えてみることが大切です。

介護職を辞めたい理由から考えてみよう

悩む介護士の女性

(出典) photo-ac.com

介護職は肉体的・精神的な負担が多く、大変な仕事です。一方で「社会に貢献できる」「困っている人を助けられる」というやりがいもあり「今の職場は辞めたいけれど介護の仕事は好き」という人も少なくありません。

まずは、自分が職場を離れたいのか・介護職を辞めたいのかを明確にしましょう。

じっくり考えた上で「介護職を辞める」と決めた場合は、なるべく早めに動き出すのがおすすめです。今の職場で働きながら、次を見据えて行動しましょう。

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