薬剤師を辞めたい理由と対処法を解説!自分のキャリアを考えよう

薬剤師はメンタル的にも条件的にも大変なことが多く、ストレスがたまりやすい業務です。「辞めたい」と思うほど悩んだときの、対処法を紹介します。今後のキャリアのために、現在の職場での不満を冷静に分析し、行動していきましょう。

薬剤師を辞めたい!メンタル面がつらいケース

薬剤師の手元

(出典) photo-ac.com

薬剤師は業務の責任が大きく、メンタル面で「つらい」と感じやすい仕事です。どのような理由でメンタル的に辞めたいと思ってしまうのかを、紹介します。

調剤過誤のプレッシャーが大きい

薬剤師は患者の健康を預かる、大切な仕事です。調剤過誤は患者の信用を失ったり、健康に被害をもたらしたりします。

重大な調剤過誤を起こしてしまうと患者の生命をおびやかす危険があり、場合によっては刑事責任・民事責任・行政責任に問われるケースもあります。

ダブルチェック体制や調剤監査システムが整っていると、調剤過誤を未然に防ぐことが可能です。しかし人手不足により職場が忙しすぎる場合、ミスが発生しやすい環境であるだけでなく、プレッシャーが大きくなってしまいます。

人間関係で気疲れしてしまう

ドラッグストアや薬局は、限られた空間で同じ従業員と作業をする職場環境です。閉鎖的な空間では距離感が近くなるので、合わない従業員がいるとストレスを感じてしまいます。

人間関係は相性の問題もあるので、自分がいくら頑張っても事態が好転しないケースもあります。1日の中で長時間居る職場で、雰囲気が悪く会話が無かったり、嫌なことがあっても相談できる仲間がいなかったりすると、職場にいる時間が苦痛になってしまうでしょう。

患者の対応がストレスになる

薬剤師は調剤だけでなく、患者に対して問診・薬の説明も行う重要な仕事です。

しかし薬を渡されるまでの長い待ち時間や、薬剤師から医師と同じ内容の問診をされることに、不満を持っている患者も多く存在します。中には薬の説明をされることも面倒だと感じている患者もいます。

患者は不満を、薬剤師に対してクレームとして訴えるのです。真摯に仕事をしていても、クレーム対応に追われるため、大きなストレスになります。

他にも患者の対応で感じるストレスには個人差があり、個々の性格によってストレスの理由が異なります。患者一人一人にじっくり対応したくても、業務量が多すぎて時間が取れないことにストレスを感じるタイプや、元々ピッキングが好きで接客は苦手というタイプなどです。

薬剤師を辞めたい!条件面が合っていないケース

薬品と水と体温計

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薬剤師の業務自体に問題がなくても、職場の環境や就業条件が合っていないと、不満がたまるものです。条件面が合っておらず、薬剤師を辞めたいと思うケースを紹介します。

業務量が多く労働時間が長い

薬剤師は調剤から患者の対応まで業務範囲が広いため、業務量が多くなりがちです。人手不足の店舗や病院だと、薬剤師にかかる負担が増え、時間外労働が発生しやすくなります。疲れがたまりやすい環境といえるでしょう。

しかし人手不足なので有給休暇が取りづらい、残業を繰り返さなければ業務が終わらないなど、悪循環に陥ってしまいます。

研修・教育体制が整っておらず知識が得られない

薬剤師は、常に新しい知識を増やしていかなければならない職業です。勤め先の研修・教育体制が整っていないと、独学で勉強しなければならず、効率が悪い状況です。

調剤未経験の新人薬剤師の場合は特に、研修やフォロー体制が整っていない環境を、プレッシャーだと感じるでしょう。ミスをして怒られるうえに、フォローをしてくれない職場では、知識が得られないばかりかストレスがたまります。

新人ではなくても、勉強会や資格取得支援などのフォローがない環境は、薬剤師としてのキャリアアップやスキルアップにつながりません。仕事に対するモチベーションが下がってしまい、辞めたいと感じることにつながります。

給与に満足できない

薬剤師は全国平均年収から見ても給与水準が高い職種です。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2021年)を基に年収を計算すると約580.5万円となり、給与所得者の平均年収443万円(国税庁の民間給与実態統計調査による)よりも高い水準となります。

薬剤師の免許を取得するためには、6年制薬学部を卒業する必要があり、その上、調剤業務や薬剤監査など、ミスが患者の命にかかわる業務であり、責任重大です。

薬剤師になるための苦労や、仕事中の緊張・ストレスを考えると、収入と業務の重さが釣り合っていないと感じる薬剤師も多いでしょう。また同じ薬剤師でも、職場や従業員同士の給与格差があると、モチベーションが保てなくなってしまいます。

真摯に仕事に取り組んでも昇給に反映されない職場だと、給与に不満を感じるでしょう。

参考:
令和3年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

薬剤師は続けるが職場を辞めたいときの対処法

相談を受ける白衣の男性

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薬剤師として現在と同じ業務に携わりたいが、職場を辞めたいと思ったときはどのように対処すべきでしょうか。悩みを解決できる可能性がある方法と、転職を考える場合の方法を紹介します。

信頼できる人に相談する

今の職場に不満があり、一人で悩んでいるときは、信頼できる人に相談してみましょう。

職場の人間関係が問題なく、信頼できる上司や先輩、同僚がいる場合は、相談することで、解決の糸口が見つかることもあります。

また職場に相談相手がいない場合は、家族や友人など、身近な人に話を聞いてもらうことも一案です。意外な解決方法や、考え方が変わるなど、前向きになる可能性もあります。

自分が不満に思っていることや、ストレスがたまっている原因を信頼できる人に話し、気持ちの整理をしましょう。

希望条件に合った職場を探す

業務内容を変えずに職場を変えたい場合は、自分の希望条件を明確にしておきましょう。譲れない条件と妥協できる条件を決めておけば、転職先も合わないという可能性を減らせます。

年収・休み・残業時間・通勤時間など、こだわる条件を具体的に数値化しておくことがおすすめです。そのためには、現在の職場に対する不満や、転職しようと思った理由を確認しておきましょう。

また転職活動を始めたら、ネットで口コミを調べたり、店舗なら足を運んで雰囲気を確認したりと、転職先の環境をチェックすることがおすすめです。

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薬剤師そのものを辞めたいと思ったときの対処法

つらそうな白衣の女性

(出典) photo-ac.com

辞めた後のデメリットを考える

薬剤師になりたいと思い、資格を取得するためにかかった時間と労力を思い返してみましょう。大学の薬学部で6年勉強し、薬学の知識を苦労して身につけました。

薬学共用試験や実務実習、卒業論文をこなした後、対策をして国家試験に挑み、苦労して薬剤師の免許を手に入れたはずです。

忙しさやストレスで薬剤師を辞めたくなっているときは、薬剤師を目指した理由や、薬剤師になって嬉しかったことを思い出してみましょう。

また一度薬剤師を辞めて他業種に転職すると、薬剤師への再就職が不利になります。他業種に就業していた期間は、薬剤師としてのブランクになるためです。

薬剤師自体を辞める前に、職場を変える・薬剤師の資格を生かした他の業務を探すなどを検討してみましょう。

ドラッグストア以外で薬剤師の資格を生かせる仕事を探す

薬剤師の資格を生かせる仕事の、代表的なものを紹介します。薬剤師はさまざまな業種で必要とされているので、選択肢を広げてみるといいでしょう。

  • MR(医療情報担当者):製薬会社にて、自社の医薬品の情報提供・意見収集を担う
  • 医薬品卸:医薬品卸企業で品質管理と情報提供を担う
  • 医療コンサルタント:医療機関の経営について分析・アドバイスし、経営戦略を提案する
  • 研究職:製薬会社・食品メーカー・化粧品メーカーにて、実験やデータ収集、分析などを繰り返し行う
  • 公務員:薬事行政や保健所など、臨床から離れる業務も多いが、収入が安定する

その他にも、治験コーディネーターやメディカルライター、学校薬剤師など、さまざまな業種で薬剤師が必要とされています。

薬剤師を辞めたいと思ったときこそ冷静に判断しよう

薬剤師の女性

(出典) photo-ac.com

薬剤師は患者の健康と命を預かる、責任の重い業務を担います。人間関係や患者の対応へのストレス、職場の条件面が合っていないなど、さまざまな理由で「薬剤師を辞めたい」と思ってしまうこともあるでしょう。

そんなときは感情的にならず、まず信頼できる人に相談したり、薬剤師の資格を生かせる他の職場への転職を検討したりして、冷静に判断するべきです。

大変な思いをして取得した薬剤師の資格を活用して、自分に合った職場を探すことがおすすめです。