ソーシャルワーカーの仕事内容を徹底解剖!必要な資格や種類も知ろう

ソーシャルワーカーに興味を持ったものの、どのような仕事をするのかピンとこないという人は多いのではないでしょうか。ソーシャルワーカーの仕事内容やソーシャルワーカーに必要な資格についても紹介するので、転職を検討している人は参考にしましょう。

ソーシャルワーカーの仕事内容や特徴

ネームタグをつけて歩いている人

(出典) pexels.com

ソーシャルワーカーは特定の就業場所ではなく、行政や民間の枠を超えた場所で、支援が必要な人に対し、幅広いサポートをする仕事です。ソーシャルワーカーの仕事内容や特徴について、詳しく解説します。

ソーシャルワーカーは複数の職種を指す

「ソーシャルワーカー」は、特定の資格と誤解されがちですが、実際は複数の職種を指す言葉です。

ソーシャルワーカーとは、経済的・身体的・心理的な事情など、さまざまな理由から生活が困難な人たちを支援・サポートする人の総称です。

また「社会福祉士」「精神保健福祉士」などの国家資格を持つ人の総称として使われるケースもあります。

医療機関でソーシャルワーカーとして就職する場合は、これらの資格を必須としているところもあります。しかし、資格を持っていなくても、ソーシャルワーカーとして仕事ができる場合もあります。

社会的困難を抱える人をサポートする仕事

生活に困窮している人や、生活を維持するのが難しい人は、医療施設・介護施設・福祉施設・学校など、さまざまな場所に存在します。

ソーシャルワーカーは、支援を必要としている人の相談に乗り、各自に応じた行政サポートをするのが仕事です。

ソーシャルワーカーとして働く際は「社会福祉士」や「精神保健福祉士」などの資格が必要な職場もあるため、資格を取得した上で「ソーシャルワーカー」として就業する人が多いのが現状です。

ソーシャルワーカーの働き方は多様

ソーシャルワーカーは、身につけた専門知識を生かしながら、高齢者や障がい者など、生活に困っている人たちの支援・サポートを行っています。

働く場所は、医療機関以外にも、介護施設・高齢者施設・学校・自治体など多岐にわたり、それぞれの場所に応じてソーシャルワーカーの呼び名が変わります。

医療施設ならサポートするのは患者で、介護施設なら介護利用者と、働く場所によって支援する対象者が変わるため、仕事内容も異なります。

ソーシャルワーカーは、職場先により多様な働き方が特徴です。

介護のソーシャルワーカーのおもな種類

車いすに乗る高齢者

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ソーシャルワーカーは、介護の現場でも活躍できる職種です。介護のソーシャルワーカーの種類と、仕事の内容について解説します。

相談に乗り解決を目指す「生活相談員・支援相談員」

介護施設や高齢者施設などにおいて、利用者を支援・サポートするソーシャルワーカーを「生活相談員」や「支援相談員」と呼びます。

生活相談員は、介護施設の相談窓口として、入居者や入居予定者の相談に乗り、必要に応じて、医療機関などとの連携を図り解決を目指す仕事です。

一方、支援相談員が働く施設は、介護老人保健施設です。入居者や退所者に対し、介護サービス・リハビリ支援・生活サポートなどを行います。

この2つの職種の仕事内容には、介護利用者のサポートという意味では同じですが、次のような違いがあります。

  • 生活相談員…おもに入所者の悩みに対応する
  • 支援相談員…在宅復帰を目指す人のサポートをする

介護利用者にとって、適切なサポートをしてくれる生活相談員や支援相談員は、欠かせない職種といえます。

介護サービス計画を立てる「ケアマネージャー」

ケアマネージャーは、別名を「介護支援相談員」ともいいます。ケアマネージャーは、介護施設や高齢者施設において、施設利用者それぞれにあったケアプランを立てるのが仕事のメインです。

介護プランは、利用者の介護度合いや、心身状態によって異なるため、それぞれに合った適切なケアプランを考えなくてはいけません。

また、サービスが開始された後も、作成したケアプランに沿った介護を受けているかなど、経過観察を行う必要があります。

介護以外のおもなソーシャルワーカーの種類

患者と話をする医師

(出典) pexels.com

ソーシャルワーカーは、介護施設に限らず、さまざまな場所で活躍できる職種です。おもなソーシャルワーカーの種類と仕事内容について解説します。

医療ソーシャルワーカー

医療機関で働くソーシャルワーカーのことを「医療ソーシャルワーカー」または「メディカルソーシャルワーカー」と呼びます。

医療ソーシャルワーカーがかかわるのは、医療機関を利用する患者やその家族で、おもな仕事内容は次の通りです。

  • 病気が原因で心理的な負担を強いられている人や、その家族に対する心理的ケア
  • 医療費の支払いなど、経済的な困難を抱える患者に対する解決に向けたサポート
  • 退院後の社会復帰に向けたサポート

問題を解決するために、医療機関などの各機関と連携を図り、調整していくことも医療ソーシャルワーカーの重要な役割といえます。

スクールソーシャルワーカー

スクールソーシャルワーカーは文字通り、学校において児童・生徒のサポートをする仕事です。

学校でいじめや不登校などの問題を抱える児童・生徒に対し、当事者の家庭・友人・学校・地域といった周りの環境に働きかけて、問題解決を目指します。

スクールカウンセラーと、スクールソーシャルワーカーは混同されがちですが、当事者の心に寄り添って問題の解決を図るスクールカウンセラーとは、役割が明確に分かれます。

ファミリーソーシャルワーカー

ファミリーソーシャルワーカーは、別名を「家庭支援専門相談員」といい、働く場所は児童養護施設や乳児院です。

ファミリーソーシャルワーカーのおもな仕事内容は、保護者への支援・家庭問題を抱える子ども(その保護者)のケア・里親のとりまとめなどがあります。

また、施設を退所した後も問題がないように、相談やサポートを行います。

ファミリーソーシャルワーカーとして働くには、児童養護施設などで5年以上の勤務経験や、社会福祉士などの資格が必要となるケースが一般的です。

サイキアトリックソーシャルワーカー(PSW)

サイキアトリックソーシャルワーカー(PSW)は、精神科がある病院や社会福祉施設で就業します。

これらの施設を利用する患者、もしくは受診前の患者の中でも、精神的な問題が理由で生活が困難な人を対象に相談し、社会的サポートをするのがおもな仕事です。

患者それぞれの状況や心身の状態に応じて、支援やサポートを行います。

サイキアトリックソーシャルワーカー(PSW)として働くためには、国家資格である「精神保健福祉士」の資格が必要です。

ソーシャルワーカーに求められるおもな資格

勉強する人

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ソーシャルワーカーとして働く際に、資格は必須ではありません。しかし、職種によっては特定の資格が採用条件になるケースもあります。ソーシャルワーカーに関係するおもな資格について解説します。

社会福祉士

社会福祉士は国家資格です。試験は年に1回実施されており、出題範囲が広く、専門的知識が必要で、合格率は約31%と難易度が高い試験になっています。

受験資格には細かな規定があるため、資格取得を考えるなら、まずは自分がどのような方法で受験資格を得られるのかを知る必要があります。

例えば、福祉系大学(4年制)を卒業している場合は、福祉に関する指定科目を履修することで受験資格を得られますが、一般大学(4年制)を卒業している場合は、一般養成施設など(1年以上)での履修が必要です。

参考:
社会福祉士の資格取得方法|厚生労働省
第34回社会福祉士国家試験合格発表|厚生労働省

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健福祉分野で活動する専門職の国家資格です。

精神保健福祉士の就業先は、医療分野・障がい者福祉分野・行政などが一般的です。精神的な障害や病気を抱えている人に対し、生活していく上での問題解決や、社会復帰への支援を行います。

受験資格は、福祉系大学(4年制)を卒業している場合は、指定科目を履修していることや、一般大学(4年制)を卒業している場合は、一般養成施設などで1年以上の履修を受けることなど、社会福祉士と同様に細かな規定があります。

社会福祉士と比較すると、合格率は約64%と難易度はやや低めになっています。

参考:
精神保健福祉士国家試験|社会福祉振興・試験センター
第23回精神保健福祉士国家試験合格発表|厚生労働省

働きながら資格取得を目指し理想のソーシャルワーカーに

車いすの人と杖をつく人

(出典) unsplash.com

ソーシャルワーカーは、生活が困難な人の相談に乗り、社会的支援・サポートを行う重要な職種です。資格がなくてもソーシャルワーカーとして働けますが、特定の資格を取得することで、より専門的で条件のよい仕事に就くことも可能です。

ソーシャルワーカーへの転職を考えるなら、働きながら資格取得を目指す方法もあります。

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