データサイエンティストに向いている人とは?現状と将来性も解説

データサイエンティストに向いている人には、いくつかの特徴的な性質が見られます。どのような資質を持つ人が向いているのか、詳しく見ていきましょう。向いていない人の特徴や、必要とされるスキルも解説します。併せて、転職のポイントも確認しましょう。

この記事のポイント

データサイエンティストに向いている人の特徴
データサイエンティストに向いているのは情報収集や論理的思考が得意な人です。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストになるには、情報科学やITのスキルが求められます。
データサイエンティストに転職するためのポイント
転職を検討している場合は、スキルを身に付けることが大切です。

データサイエンティストに向いている人の特徴

パソコン作業をする二人

(出典) pixta.jp

データを分析し、さまざまな課題を解決する「データサイエンティスト」には、どのような人が向いているのでしょうか?まずは、向いている人の特徴を紹介します。

情報収集能力に長けている

データサイエンティストは、分析の対象となるデータを収集します。適切な情報を集めるには、情報収集能力が必要です。

データの使い道として、マーケティング施策の検討や不良品発生の原因追求などが挙げられます。データ収集のツールを使いこなす知識や、情報の取捨選択などさまざまな能力が求められるでしょう。

情報収集能力が高ければ精度の高いデータが集まり、課題解決にもつながるはずです。

論理的思考ができる

論理的思考は、データの収集や分析の際に欠かせない考え方です。必要な情報を見極め、正しく分析するためにも、論理的な考え方ができる人がデータサイエンティストに向いています。

しっかり筋道を立てて考えることができれば、矛盾や誤りが起きる可能性は低くなるはずです。データから導き出された結果を正確に把握するためにも、常に根拠を求める姿勢が大切になるでしょう。

数学やIT系の分野に興味がある

データサイエンティストは、分析に数学やIT系の知識を使います。例えば、統計やITツールを使うことが一般的です。

元々数字に強く、システム開発などに興味を持っていれば、勉強が苦になりません。常に新しい知識を学び、ツールの活用や情報収集に生かすことが求められる仕事のため、数学やIT分野に興味・関心が強い人が、データサイエンティストに向いているといえるでしょう。

データサイエンティストに向いていない人の特徴

パソコンの前で考える男性

(出典) pixta.jp

データサイエンティストに向いていないのは、どのような特徴を持つ人なのでしょうか?適性があるかを判断するためにも、向いていない人のよくある特徴も把握しておきましょう。

細かい作業や計算が苦手

データサイエンティストの仕事の多くは、細かい作業や計算が必要です。コツコツとした仕事が苦手な場合は、適性が低いかもしれません。

結果が出るまでにも時間がかかり、課題が解決されないときには何度も同じ作業を繰り返すことになります。地道にデータ収集や分析、再検討を繰り返すことに苦痛を感じる場合、向いていないといえるでしょう。

柔軟な対応力に欠ける

データ収集・分析の際に突発的なトラブルが起きた場合、柔軟に対応する力が求められます。また、新たな手法を見つけ出し、最適な方法で分析を行うためにも柔軟な思考・行動は必要です。

データを扱う仕事であるからといって、毎回対応が同じなわけではありません。柔軟さに欠ける場合は、エラー・トラブルが起きたときに苦労する可能性があります。

表面的なイメージに対する憧れが強すぎる

データサイエンティストの仕事に対して憧れを持っている場合は、現実とギャップがないか確認する必要があります。

例えば、「1人で仕事が完結でき自由に働ける」というイメージがある場合、仕事内容によっては誤っている可能性があります。実際には、クライアントや企業内の他部署と密にやりとりをする必要があり、コミュニケーションが不得手だと苦労するかもしれません。

また、年収の高さや雰囲気の格好良さなどに憧れが強い場合、自分が持つスキルとのギャップに悩む可能性もあります。転職を目指す理由が憧れだけになっている場合は、実際の仕事について調べる努力が必要です。

データサイエンティストに必要なスキル

プログラミングをする男性

(出典) pixta.jp

データサイエンティストには、複数のスキルが求められます。実際の仕事内容に応じて、必要なスキルは少しずつ異なりますが、ここでは基本的に求められるスキルと、おすすめの資格について確認していきましょう。

情報科学分野のスキル

データサイエンティストには、情報科学分野のスキルが求められます。主な分野として、人工知能・統計学・情報処理などが挙げられるでしょう。

初めて情報科学分野について学ぶ場合は、統計検定2級や人工知能に関するG検定など、入門に適した検定の受検を検討しましょう。

すでにデータサイエンスの知識をある程度持っている場合は、統計検定準1級・1級やE資格などが目標になります。

出典:統計検定:Japan Statistical Society Certificate
出典:G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
出典:E資格とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

IT技術に関するスキル

データ分析を行う際はITツールを使うことも多いため、データサイエンティストにはIT技術に関するスキルが求められます。主な分野として、プログラミング言語・SQL・データ分析ツールの知識が該当するでしょう。

Python3エンジニア認定試験やOSS-DB技術者認定試験に合格すれば、仕事に必要な言語やデータベースの知識を証明できます。

また、IT分野の幅広い知識を得るために、入門として基本情報技術者試験を受けてみるのもよいでしょう。基礎的な知識を持っている技術者には、応用情報技術者試験が適しています。

出典:Pythonエンジニア認定試験 | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ
出典:LPI-Japan OSS-DB
出典:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
出典:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ビジネス課題を解決するスキル

データサイエンティストの目的は、データ分析やシステム開発によってビジネス課題を解決することです。そのため、技術的な知識・スキル以外に、ビジネス面での能力も求められます。

ビジネスに関する主な分野としては、プレゼン能力・データ倫理・AI倫理・コンプライアンスなどが求められるでしょう。

経営やITの知識を基礎的に身に付けたい場合は、ITパスポートや基本情報技術者試験といった試験を受けるのもおすすめです。

出典:【ITパスポート試験】情報処理推進機構

データサイエンティストの現状と将来性

パソコン操作をする男性

(出典) pixta.jp

データサイエンティストを目指すにあたって、現状の需要や将来性は気になるところです。ここでは、現在の傾向や今後の動向に関して解説します。

現時点での市場需要の傾向

データサイエンティストは、現時点でも需要のある仕事です。厚生労働省の職業情報紹介サイト「job tag」によると、2023年時点でのハローワークの有効求人倍率は2.83倍となっています。

つまり、求職者1人に対して2.83件の求人が出ているということです。求人ごとに必要な経験・スキルはありますが、十分な能力があれば選べる仕事は多いでしょう。

また、総務省が公表する「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、IoT・AI等のシステム・サービスの導入状況は増加傾向にあります。導入している企業は、2021年時点で14.9%、2023年時点で16.9%です。

システム導入に伴って、データサイエンティストを求める企業も増加していることが考えられます。

出典:データサイエンティスト - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
出典:令和5年通信利用動向調査の結果|総務省

今後の需要も見込まれ将来性がある

IT分野は今後需要が伸びると考えられており、国がデータサイエンティストを育てるための教育を推進しています。

人工知能の開発・進化も進んでいるため、今後はますます需要が伸びていくことが想定されるでしょう。

AIの進化によって、データ分析の一部はAIに代替される可能性はありますが、人間が行うべき仕事も多く、将来性は高いといえます。

データサイエンティストに転職するためのポイント

ビジネスセミナー

(出典) pixta.jp

データサイエンティストは、高度なスキルを生かして活躍する専門的な仕事です。転職するには、どのようなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?特に、未経験や異業種からの転職では注意が必要です。

講座やスクールでスキルを学ぶ

データサイエンティストの求人は、経験者・有資格者を募集しているものが多くなっています。新卒・第二新卒などポテンシャル採用が中心となる時期を除くと、ある程度の経験・スキルが必要です。

転職を目指すにあたって、経験・スキルが足りていないと感じる場合は、講座やスクールでスキルを学びましょう。ビジネスパーソン向けのオンライン養成講座や休日・夜間に通えるスクールを活用すれば、社会人でも無理なくスキルを身に付けられます。

関連職に就いて技術を身に付ける

IT技術職や分析関連の職種経験がない場合は、データサイエンティストへの転職が難しい可能性があります。完全未経験で資格もない場合は、まず関連職に就いて技術を身に付けることも検討しましょう。

例えば、プログラマーやITエンジニアは、未経験OKの求人も少なくありません。プログラミングやデータベースの知識・技術を身に付けてから、データサイエンティストを目指すのもよいでしょう。

もちろん、現時点でスキルが十分にある場合や、第二新卒でポテンシャル採用を目指すのであれば、データサイエンティストの求人応募にチャレンジできます。求人を探すときは、仕事・求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を活用してみましょう。

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データサイエンティストの向き不向きを知ろう

オフィスで働く男性

(出典) pixta.jp

データサイエンティストに向いているのは、理系脳と粘り強さを兼ね備えている人です。興味・関心だけでなく、情報収集や論理的思考が得意かどうかでも、適性が見極められます。

異業種からの転職を検討している場合は、向き不向き以外に、仕事に必要なスキル・資格を保有しているかもポイントです。まだ経験・スキルが浅いと考えられるときには、スキルを身に付けられる講座や、関連職への転職も検討しましょう。