データサイエンティストは、データを活用して分析する仕事です。年収はどの程度が目安なのでしょうか?平均年収と、同じ産業に属する職業との違いを見ていきましょう。仕事内容や、目指すために必要とされる知識・スキルも紹介します。
データサイエンティストの年収は?
データ分析を駆使して、企業に貢献する仕事のデータサイエンティストは、年収にするとどの程度稼いでいるのでしょうか?一般的な年収の目安を解説します。
年収に幅はあるが高収入
厚生労働省の調査によると、データサイエンティストを含む「その他の技術者」は、平均年収531万9,000円です。データサイエンティストは、所属する企業や働き方によって収入に波がありますが、基本的には高年収に分類されます。
国税庁調査による日本全体の平均年収は、443万円とされています。その他の技術者の平均年収から見ても、平均的な年収を大幅に超えていると分かります。
データサイエンティストとして本格的に働く場合、500万円以上の年収を稼ぐことは難しくなさそうです。
参考:データサイエンティスト - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|厚生労働省
属する産業との比較
データサイエンティストは、情報通信業に属する職業です。令和3年賃金構造基本統計調査を参考に情報通信業全体の平均年収を試算すると、620万6,800円となっています。
データサイエンティストと同様に、専門的な技術職に携わる「学術研究・専門・技術サービス業」の平均年収を試算すると、629万8,800円です。
全体的に、情報に関わる職業は高収入が多いと考えられます。特に専門職では、やや年収が上がり、データサイエンティストとして専門性の高い仕事をしていれば、比例して年収が上がるといえそうです。
参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 | ファイル | 統計データを探す | e-Stat
データサイエンティストの特徴と仕事内容
データサイエンティストは、具体的にどんな仕事をするのでしょうか。主な仕事内容と、職業の特徴を解説します。よく似た職業として知られる、データアナリストとの違いも見ていきましょう。
主にデータの収集・分析し経営に生かす
データサイエンティストは、主に「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータを活用し、分析します。データ収集・加工・データ分析によって導き出された結果を踏まえて、経営や事業運営の方針を提案するなど、幅広く活躍します。
例としては、スタッフが効率よく働ける方法をデータから導き出したり、データから見る動向で離職率を予測したりと、業務内容は企業によってさまざまです。
データ管理・運用・IT部門との連携で、企業の役に立つツールを作り上げるなど、求められる仕事は多岐にわたるでしょう。
注目されている背景
現在、ネット上では多くのサービスが提供されています。顧客情報だけでなく、匿名の情報も豊富です。
ビッグデータには、ユーザーのアクセス履歴や、商品を購入するまでの動向が詰まっています。技術の進化によって膨大なデータを運用・分析できるようになったことも、データサイエンスが普及し始めた要因です。
データのビジネス活用は、マーケティングやリスク分析など、多方面で必要とされています。データサイエンティストは、企業の要望に合わせてデータの収集・分析・管理する専門家として、注目を集めているのです。
データアナリストと異なる点
データサイエンティストと似た職業に、データアナリストがあります。アナリストの専門は分析であり、主にデータ収集から分析までを扱う職業です。
データの収集・分析をするという意味では、データサイエンティストも同じ役割を果たしますが、データサイエンティストの扱う分野はアナリストに比べて幅広いのが特徴です。ただ、企業によって役職名と求められる範囲が違うのはよくあります。
基本的にデータサイエンティストが仕事をするときは、課題を見つけ、問題を解決するまでがセットになっています。企業のコンサルティングや経営戦略の構築など、ビジネスへの貢献がデータサイエンティストの主な役割です。
データサイエンティストに必要な知識とスキル
データサイエンティストには、幅広いスキルが求められます。未経験では難しい仕事が多く、目指す場合は業務で求められる分野の資格や、スキルを身につけておく必要があるでしょう。データ分析で求められる主なスキルを紹介します。
データを扱うため「ITスキル」は必須
データ収集や分析には、プログラミングやデータベース設計のスキルが必要です。業務内容によっては、機械学習・人工知能に関する知識も求められるでしょう。
分析するプログラミング言語としては、Python・R言語・SQLが代表的す。目的や利用するツールによって必要なスキルが変わるため、仕事内容に応じて身につけなければなりません。開発分野を担当する場合は、他の言語を学ぶこともあるでしょう。
データの抽出や処理速度を高めるためにも、幅広いIT知識が求められます。
企業の問題解決に貢献する「ビジネススキル」
データサイエンティストの仕事は、データ分析だけではありません。企業から話を聞き、課題を見極めることも主な仕事です。
どのようなデータを収集し、分析すれば問題が解決するのか明確にするためには、ビジネス分野の知識も求められます。
クライアントと話をする機会も多く、ビジネスにおいてのコミュニケーション能力も欠かせません。データ分析の必要性や、分析を取り入れた後の結果をプレゼンテーションすることも多いでしょう。
分析したデータを生かすには、マーケティング能力やマネジメントスキルも求められます。
数学の知見を基にした「統計学に関する知識」
データ分析には、数学の知識が必要です。主に、統計学の知識やスキルが求められます。
データ分析がどのように行われ、統計が何を意味しているのか知るには、基本的な数学知識が欠かせません。確率の問題・線形代数・微分積分など、高校レベルの数学は復習しておきましょう。
数学に加えて、データ分析するツールについても勉強しておくと、より実践的なデータ分析の方法が分かります。未経験からデータサイエンティストを目指す場合でも、最低限の知識は持っておきましょう。
データサイエンティストの活躍の場
データサイエンティストは、活躍の場が広がっています。必要とされる分野や、今後の需要・将来性についても知っておきましょう。
さまざまな企業で必要とされている
データサイエンティストは、企業のカテゴリーを問わず活躍できる仕事です。データの取得や抽出のコストが下がり、どんな業種でもデータを活用しやすくなったことから、幅広い分野で必要とされています。
以前はIT業界を中心に、金融系や製薬会社など、データの取得や抽出が必須とされている業界が活躍の場となっていたようです。
現在でも、IT関連の仕事が主流ですが、製造業やコンサルティング業など、今後の需要はさらに広がっていくと考えられます。
需要・将来性も高い
インターネットが普及し、今後はさらにデータの活用が注目されます。データサイエンティストは、これからさらに活用の幅が広がっていくであろうビッグデータに関わる仕事です。
データの活用により、効率的な経営戦略を練り、マーケティングを自動化することも将来は一般的になるでしょう。そのため、これから需要が増え、働きやすくなることが想定されます。
さらに、文部科学省が大学でのデータサイエンス教育を推進していることもあり、多くの大学でデータサイエンスが必修化されているようです。今後必要となってくる職業であるからこそ、文部科学省も力を入れていると考えられるでしょう。
データサイエンティストになって高収入を目指そう
データサイエンティストは年収が高く、能力があれば安定した収入を得られる職業といえそうです。一定の学習と必要スキルを身に付ける必要はありますが、中には未経験OKの求人もあります。
「スタンバイ」では、データサイエンティストの求人情報をチェックできます。興味のある求人を見つけて、まずは応募条件を確認してみましょう。