事務の志望動機を書くポイントは?職種別例文や避けるべき内容も紹介

事務職に応募する場合、志望動機に何を書くか悩む場面もあるでしょう。採用担当者の目に留まる内容を書くことができれば、転職・就職がうまく行く可能性が上がります。

しかし、事務職といってもさまざまな種類があります。例えば一般事務と医療事務では、志望動機に書くべき内容は異なるはずです。志望動機を書くときの参考とするため、職種ごとの仕事内容や適性、具体的な志望動機の例文を紹介します。

志望動機で強みをアピールするコツや、避けた方がよい内容も確認しましょう。

この記事のポイント

・志望動機を書く前に職種ごとの仕事内容や適性を理解する
事務には一般事務・営業事務・経理事務・医療事務・貿易事務などの種類があり、それぞれ仕事内容や適性が異なります。
・職種ごとの志望動機例文を紹介
一般事務・営業事務・経理事務・医療事務・貿易事務の志望動機例文を紹介します。
・強みをアピールし、より印象を良くする書き方を解説
志望動機は応募した理由を述べる項目ですが、自分だけの強みをアピールすることもできます。印象を良くするためには、条件面だけの動機を書かないことや、抽象的すぎる内容を避けることも必要です。

事務の志望動機を書く事前準備【応募職種ごとのポイント】

履歴書とキーボード

(出典) pixta.jp

志望動機を書く前に、応募する仕事について把握しておかなければなりません。事務職には種類が多いため、各職種の仕事内容や適性など、基本的な情報を紹介します。

一般事務の仕事内容と求められる適性

一般事務は、幅広い事務作業に対応する仕事です。主な仕事内容を見てみましょう。

  • 書類作成や伝票の管理
  • 来客・電話・メール対応
  • データ入力作業
  • 郵便物の管理や発送業務

一般事務の仕事をこなすには、取引先や他部署とのコミュニケーションを取るための対人スキルや、入力の正確性などが求められます。

パソコンを使うことも多いため、一定のパソコンスキルも必要になるでしょう。書類作成ソフトや表計算ソフトの使用経験があると、スムーズに仕事が進められます。

営業事務の仕事内容と求められる適性

営業事務は、営業のサポートを中心とした事務作業です。基本的な仕事内容は以下の通りです。

  • 営業に関わる書類作成
  • 顧客や商品在庫の管理
  • 来客・電話・メール対応
  • 受注や発送業務

営業事務は、主に営業が販売した商品の受発注や在庫の管理など、営業職に近いところで働く事務職です。顧客と営業を取り持つためのコミュニケーションスキルや、書類作成をスムーズに行うためのパソコンスキルが必要となるでしょう。

企業によって営業事務の業務範囲は異なりますが、顧客対応や商品管理などさまざまな仕事をこなします。

経理事務の仕事内容と求められる適性

経理事務は、社内の予算や金銭管理を中心とする事務作業が中心です。

  • 入出金や売上の管理
  • 給与計算や月ごとの帳簿管理
  • 決算業務
  • 経理に関わるデータ入力や資料作成
  • 来客・電話・メール対応

基本的には金銭に関わる業務を担当するため、正確性やスピード、簿記などの知識が求められます。専門的な資格が必要となる場面もあるでしょう。特に表計算ソフトの使用経験や、計算能力が求められるケースが多くなっています。

医療事務の仕事内容と求められる適性

医療事務は、病院やドラッグストアなどで事務作業を担当する仕事です。基本の仕事内容を見てみましょう。

  • 患者の受付と会計処理
  • レセプト業務
  • 医療に関わる書類作成や管理

医療事務では、診療報酬に基づく計算を行うレセプト業務や専門的な書類作成など、一定の専門的な知識が求められる仕事が中心です。

患者・医師とのコミュニケーションを取りながら、専門スキルを生かして仕事をします。場合によっては、医療事務の資格を求められることもあるでしょう。

貿易事務の仕事内容と求められる適性

貿易事務は、外国との貿易業務を担当します。まずは仕事内容を見てみましょう。

  • 輸出入に関わる書類作成や管理
  • 通関に関する業務
  • 来客・電話・メール対応(外国語を含む可能性有)
  • 備品の管理や出荷・納入業務

貿易事務は、基本的に外国とのやりとりが中心となります。外国語でのコミュニケーションが必要となる場面もあり、語学スキルが重視されることもあるでしょう。

併せて、輸出入や通関に関する知識も求められます。

事務の志望動機でアピールできるスキル・資格

日商簿記検定のイメージ

(出典) pixta.jp

これまでの経験や保有資格は、志望動機につながる内容です。事務職に応募する際に、アピールにつながるスキル・資格を紹介します。

パソコン系のスキル・資格

事務作業では、多くの場合パソコンスキルが求められます。必要な資格は業務内容によって変わりますが、主に以下のような資格が活用できるでしょう。

  • マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
  • 日商PC検定
  • ITパスポート

事務作業でパソコンを使う場合、通常求められるのは一般的な事務処理ソフトの使用やタイピング能力です。難易度の高い資格でなくても、十分アピールになります。

上記の資格を持っているなら、志望動機の中で伝えるのもよいでしょう。

事務能力系のスキル・資格

事務の仕事をする上で、以下のような事務能力を証明するスキルや資格があると、志望動機を書く際に活用できます。

【一般の事務処理に生かせる資格例】

  • 日商簿記
  • 秘書検定
  • ビジネス実務マナー検定

【業務によって生かせる資格例】

  • TOEIC、英語検定
  • 医療事務系資格
  • 社会保険労務士

一般的な事務処理を担当する場合、基本的なマナーや簡単な会計処理能力を証明できる資格が役立ちます。

そのほか、貿易事務や外国人の対応・受付業務がある場合は英語のスキル、総務に関わるのであれば社会保険労務士など、業務によって生かせる資格は変わってくるでしょう。

事務の志望動機例文【職種別】

履歴書に記入する女性の手元

(出典) pixta.jp

事務の志望動機は、職種ごとに適切な内容が変わります。一般事務や営業事務など、主な事務職の志望動機例文を紹介します。

一般事務の志望動機例文

一般事務の志望動機には、これまでの経験や資格などを交えながら、なぜ求人に応募しようと考えたのか経緯を説明するのがよいでしょう。

【営業職から事務職へ転職するケースの例文】

「これまで3年間、〇〇の営業スタッフとして努力してきました。成績が伸び悩んでいたところ、データ入力や書類作成といった事務の仕事では適性があると認めてもらえたことをきっかけに事務職への興味が強くなり、この度貴社の求人に応募しました。貴社では〇〇の商材を扱っておられることもあり、前職での営業経験も生かしながら一般事務として会社に貢献していきたいと考えています。」

別の職種からの転職のケースではこれまでの経験・経緯をまとめ、応募先の魅力や仕事に対する熱意を伝えられる内容を考えるのがおすすめです。

営業事務の志望動機例文

営業事務の志望動機では、「営業職のサポート」や「営業職と顧客を取り持つ役割」などに重点を置いて、動機を考えてみるとよいでしょう。

【営業事務未経験の例文】

「これまで、5年間〇〇で一般事務を担当していました。その中で、周囲のサポートや顧客管理などの仕事に対する興味が強くなり、営業事務の仕事をしたいと考えるようになりました。Word・Excelでの書類作成やデータ入力作業を中心に担当していたため、書類作成の業務が多い貴社でもこれまでの経験を生かせるのではないかと考えております。営業部の皆さんが業務に集中できるよう、しっかりサポートしていきたいです。」

営業職のサポートが中心にはなるものの、基本的な業務内容はほかの事務職と似ています。営業事務以外の事務職経験があるケースでは、これまでの経験をアピールしやすいでしょう。

経理事務の志望動機例文

経理事務では金銭管理や会計処理など、入出金に関する業務が中心です。経験者は具体的な経験を伝え、未経験者は持っている資格を伝えるとアピールになります。

【経理事務未経験で資格がある場合の例文】

「これまで一般事務として5年間働いてきましたが、業務の中でも特に経理業務に興味を持ちました。働きながら日商簿記2級を取得したため、経理事務に転職をしたいと考え、貴社の求人に応募いたしました。」

【経理事務の経験がある場合の例文】

「大学卒業後、5年間〇〇株式会社で経理事務として働いてきました。転職を決意したきっかけは、今後のキャリアを考えてのことです。貴社では、経理事務として仕事を身に付けた後、税務や監査対応など専門的な業務を担当し、チームのリーダーとして活躍できる人材を募集されていると伺いました。監査対応は前職でも対応しておりましたので、ぜひチャレンジしたいと思い、応募を決めました。」

簿記の知識が必須となることが多いため、具体的に経験や資格を書くと応募の動機にもつなげやすいはずです。

医療事務の志望動機例文

医療事務は、レセプト業務などの、ほかの事務職にはない仕事が含まれます。経験がある場合は具体的な経験と併せて転職の動機を書き、未経験であればこれまでの経験で仕事に生かせる内容を盛り込むとよいでしょう。

【介護職から医療事務へ転職するケースの場合】

「大学を卒業後10年間介護の仕事をしてきましたが、体力面の不安もあり、これまで携わってきた介護業界での経験・知識を生かしつつ、医療系の仕事に転職をしたいと考えるようになりました。貴院ではリハビリに励む高齢の患者さまの対応が中心とのことで、介護の知識を生かせると考えました。医療事務は未経験ですが、◯月に医療事務管理士試験を受験し、合格しています。」

特に未経験の場合は、知識・技術の証明となる資格があると動機の裏付けもスムーズです。

貿易事務の志望動機例文

貿易事務では、輸出入を主に扱うことから専門的な知識や語学力が求められるケースも少なくありません。

志望動機を考える上で、応募先の求める人物像や必要なスキルを理解しておく必要があるでしょう。

【販売職から貿易事務へ転職するケースの例文】

「5年間、英語圏のお客さまが訪れる◯◯店で販売と接客を担当してきました。特に、貴社の求人ではスピーキング力を重視しているとのことで、接客で身に付けた会話力が生かせるのではないかと思い、応募しております。」

【貿易事務未経験の例文】

「これまでは一般事務や経理事務として事務スキルを磨いてきました。元々語学に興味があり、学生の頃には◯◯へ◯年間留学していたこともあり、◯◯語の日常会話程度は可能です。求人に◯◯(国名)語のスキルを求めるとあり、これまでの事務経験と留学経験が生かせるのではないかと思い応募を決めました。」

専門的な知識や語学力をそれほど必要としない求人もあるため、求人内容をよく読み見極めることが大切です。

事務の志望動機で自分だけの強みをアピールするコツ

履歴書を確認する採用担当者

(出典) pixta.jp

書類整理や顧客対応など、似通った業務が多い事務職で、自分だけの強みや動機をアピールするにはどうすればよいのでしょうか?基本的なコツを紹介します。

応募先に合わせた内容を書く

志望動機には、できる限り応募先独自の内容を盛り込みましょう。たとえ事務職として入社するのであっても、応募先の業種や提供しているサービスは異なります。

応募先に合わせた内容を心掛けることで下調べができていることをアピールでき、ミスマッチも防げるでしょう。

また、業種に関した内容だけでなく、その中でも応募先を選んだ理由を伝えられるとさらに好印象です。

入社後の将来像を描く

入社後の将来像が見えてくる志望動機は、採用担当者にとって魅力的です。

会社に定着し、活躍してくれそうな人材であると思ってもらえれば、採用にもつながりやすいでしょう。

志望動機の中で、入社後にやってみたい業務を伝えるなどの工夫で、自分の強みをアピールできます。「〇〇の業務にチャレンジしてみたいと思い応募した」という内容は、志望動機として自然です。

業務内容だけでなく、どのように成長していきたいのか、中長期的なキャリアについても触れると、入社後の将来像がより描きやすくなります。

事務の志望動機で避けた方がよい内容

履歴書の志望動機欄

(出典) pixta.jp

事務職に応募する場合、志望動機に書くのは避けた方がよい内容もあります。たとえ正直な動機であっても、なるべく避けた方がよい内容とは、どのようなものなのでしょうか?

条件面だけを重視している

応募する職種を問わず、条件面だけを動機にするのはあまり好ましくありません。アルバイト・パートであればある程度認められることもありますが、条件面だけの志望動機は熱意が低く感じられます。

給与や福利厚生が魅力的な会社であっても、基本的には仕事に関する志望動機を書くよう心掛けましょう。

具体的な仕事内容以外にも、応募先独自の特徴を盛り込むのも熱意や強い動機を表現するときに有効です。

抽象的でぼんやりしている

「会社の理念に共感したので」のような、抽象的な志望動機もよくありません。共感した理由や、具体的なエピソードがなければ、誰にでもどの企業に応募したとしても書ける内容になってしまい、採用担当者に熱意が伝わらないでしょう。面接で志望動機について質問されたとき、答えられなくなる恐れもあります。

特に事務の業務内容は多くの会社で共通しているため、「データ入力が得意だから」のように、抽象的で他人と似通った志望動機になりがちです。

できるだけ具体的に、自分の経験や応募先ならではの特徴を加えることで、ぼんやりとしたイメージになることを防げます。

事務職応募の際は志望動機の書き方を考えよう

履歴書と黒いパンプス

(出典) pixta.jp

事務職に応募する場合、魅力的な志望動機を考えられると採用に近づきます。応募先の業種や提供サービスなどを理解し、それぞれに合わせた内容を考えるのがポイントです。

これから事務職の求人を探そうと考えているなら、求人情報一括検索サイト「スタンバイ」を活用してみましょう。

まずは応募したい求人を見つけた上で、応募先がどのような企業なのか詳しい企業情報を調査することが大切です。事務職に対する熱意や思いがあるなら、そうした気持ちも余さず伝えるようにしましょう。

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