事務職の種類にはどんなものがある?仕事内容や適性をチェック

一口に事務といっても、さまざまな種類があります。これから事務職を目指す人は、それぞれの違いを知って、自分に向いている種類を選びましょう。採用選考では、職種に合った適切なアピールをすることが大事です。事務の種類ごとの仕事内容や適性を紹介します。

未経験でも挑戦しやすい事務の種類

事務作業をする手元

(出典) photo-ac.com

事務職は種類にもよりますが、経験が必要とされる求人ばかりではありません。数ある事務系職種の中でも、未経験者が挑戦しやすい種類を見てみましょう。

一般事務・OA事務

一般事務は、社内で生じる事務作業全般を引き受ける職種です。書類作成・入力業務・電話対応・来客対応など、必要に応じてさまざまな作業を担当します。基本的には所属する部署内の事務作業が業務範囲と考えましょう。

専門的な技能を必要とせず、未経験者でも応募しやすいところが一般事務の魅力です。職場の人々とやり取りしながら業務が進むようにサポートするため、コミュニケーション能力が求められます。

なお、現在は一般事務がパソコンやコピー機などのOA機器を使わないケースはほぼないので、以前は別の職種として区分されていた「OA事務」と実質的に同じ職種です。

受付事務

受付事務は、企業や施設の入口での対応を任されます。来客から来訪の目的を聞き取り、必要事項の記入を促したり担当部署に取り次いだりする仕事です。

セキュリティ上の観点から来訪者の情報を記録する必要があり、施設内の案内もします。必要に応じて送迎の手配や、施設内にある会議室の予約受付を担当する場合も珍しくありません。

決まった部署内で勤務する事務職とは違い、不特定多数の人と接するので、接客経験を生かせる仕事です。事務の経験がなくても、コミュニケーションを取るのが好きな人なら採用されやすいでしょう。

企業の顔として見られる機会も多い受付事務には、丁寧で親切な対応が求められます。人見知りの人や、臨機応変な対応が苦手な人には向いていません。

営業事務

営業事務は営業部門の仕事に関わり、営業職をサポートする役割を持ちます。営業職がスムーズに働けるようなスケジュール調整から、営業担当の代理としての顧客対応まで幅広く対応する仕事です。

自分が目立つよりも、陰から営業担当を献身的にサポートできる人が営業事務に向いています。

見積もりや請求書といった資料を作成する仕事なので、細かい作業を正確かつスピーディーに行うスキルも必要です。売上目標や営業進捗の確認など、数値に関連した業務が少なくありません。

企業によって扱う製品やサービスが異なるため、必ずしも経験が必要ではなく未経験者を募集しているケースもあります。目標達成意識が高い人や、営業経験がある人は優遇される可能性が高いでしょう。

企業の運営に大きく関わる事務の種類

資料を開く男性

(出典) photo-ac.com

事務は縁の下の力持ち的な役割を持ち、どんな企業であっても必要な仕事です。企業の運営に大きく関わる、事務の種類を見ていきましょう。

総務事務

総務部で働く事務職を、総務事務と呼びます。総務部はほかの部署では扱わない、企業にとって必要なすべての業務を担うのが特徴です。

営業職とは違って努力の結果が数値に表れにくいものの、企業や社員を総合的にサポートする重要な役割を担っています。企業を陰から支えたい人や、地味な作業の繰り返しでも不満を感じにくい人にぴったりです。

業務内容は、社内外の広報・従業員の健康管理・安全衛生管理・契約書管理など多様です。イベントの企画や社内ルールの決定といった、正解がないものに取り組む機会もあり、決断力が必要となります。

人事・労務事務

人事事務は人事戦略・人材募集・採用などを行います。組織に役立つ人材を育成できるので、やりがいがある仕事です。労務事務と兼任する場合が多く、同時に給与計算・福利厚生・保険の手続きなど、労働環境に関する業務も担う場合が少なくありません。

労務を担うケースでは、労働基準法違反にならないよう、従業員の働き方に気を配る必要があります。

人事も労務も従業員の個人情報を取り扱うので、守秘義務を理解できない人や口が軽い人には向いていません。几帳面な性格で、決められたルールを守れる人でなければ務まらないでしょう。

専門性が高い事務の種類

経理デスク

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事務職の多くは特別なスキルが不要で、未経験でも比較的採用されやすい傾向です。しかし職種によっては、専門知識が必須なものもあります。専門性が高い事務の種類を確認しましょう。

経理事務

経理事務は、会計ソフトやExcelなどのツールを使って、企業の活動状況を金銭面から記録・計算する仕事です。

給与計算・現金の出納管理・帳簿記入・報告書の作成など、金銭に関する業務全般を担当します。数字に強い人や、注意力がある人に向いている事務職といえるでしょう。

決算期には多忙を極め、残業が長引くことも少なくありません。期限に間に合うように必要な書類を作成しなければならないため、スケジュール管理能力や粘り強さも求められます。

無資格でも採用されるケースはありますが、「日商簿記検定」を持っていると有利です。応募条件として、資格の取得を求める企業もあります。

簿記 | 商工会議所の検定試験

貿易事務

貿易事務は商社や通関業者に勤め、貿易に関わる業務に携わります。関係書類の作成や代金の支払い方法といった、貿易をする上で必要な専門知識が求められる事務職です。

商品の到着予定や貨物輸送の状況などを総合的に把握し、顧客や取引先からの問い合わせにも対応します。外国の取引先とやりとりをする都合上、ある程度の語学力も必要です。

企業によって求められる語学力のレベルは異なりますが、TOEICで700点以上を取っていると有利になるでしょう。語学力を生かして働きたい人や、国際的な仕事に興味がある人に向いています。

医療事務

医療事務は、病院やクリニックで窓口対応・レセプト業務・医師と患者の橋渡しなどに携わります。

レセプトとは診療報酬明細書のことで、医療にかかった費用をまとめたものです。窓口業務やカルテの管理だけでなく、健康保険の保険者に診療報酬を請求する業務も、医療事務が担う重要な仕事となっています。

必ずしも資格を取得する必要はありませんが、業務をスムーズに進めるには医療保険制度や医療報酬点数といった専門的な分野の知識が必要です。医療事務にはいくつかの民間資格があり、持っていると有利になります。

患者と接する機会がある医療事務には思いやりの心が求められるため、周囲への気づかいができる人は適性があるでしょう。また、レセプトにミスがないよう、誤入力を見過ごさない注意力がある人に向いています。

参考:
医科医療事務管理士技能認定試験 | JSMA 技能認定振興協会
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)|資格試験/技能認定|日本医療教育財団
医療事務認定実務者試験|診療報酬資格認定全国医療福祉教育協会
試験概要|公益財団法人日本医療保険事務協会

事務職に共通して求められるもの

事務作業をする女性

(出典) photo-ac.com

さまざまな種類がある事務職の中でも、共通して求められる能力があります。何を求められているのかが分かれば、面接対策に役立つでしょう。これから事務職を目指す人が、チェックすべき能力について紹介します。

臨機応変に対応する能力

種類を問わず、事務職には臨機応変に対応する能力が求められます。例えば、急ぎの書類を作成している最中でも、電話が鳴れば対応しなければなりません。

1つの業務に集中している際も、別の業務を頼まれたら優先して取りかかる必要があります。迷ったときは先輩や上司に相談し、適切な行動を選べるスキルが欠かせません。

オフィス内で活躍するには、仕事の優先順位を考えつつスケジュール通りに進める工夫が必要です。

仕事を正確に素早くこなす力

うまく事務作業を進めるには、データ入力や書類作成を素早く正確にこなす力が必要です。「正確だが時間がかかる」「仕事が早いけれどミスが多い」という人は、マイナスの評価を受けます。

請求書や見積もりといった書類の提出は、期限が設けられている場合がほとんどです。正確さと素早さの両方が求められることを意識し、その仕事ごとに設定された締め切りに間に合うように仕上げる力が求められます。

自分に向く事務の仕事を見つけよう

事務のイメージ

(出典) photo-ac.com

事務系の仕事にはさまざまな種類があり、それぞれに仕事内容や求められる能力が異なります。特別な知識やスキルを必要としないものは、未経験でも採用されやすい傾向です。

自分の資質や適性などを考えて種類を選ぶと採用される可能性が高まり、生き生きと働けるでしょう。

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