期間工はやめとけといわれるのはなぜ?働く際の注意点とは

期間工について調べる中で、「やめとけ」「おすすめしない」といったネガティブな意見を見聞きした経験はありませんか?「期間工はやめとけ」といわれるのはいったいなぜなのか、その具体的な理由や、期間工がおすすめな人の特徴などを紹介します。

期間工はやめとけといわれる理由

打ち合わせをする二人

(出典) photo-ac.com

企業と有期雇用契約を直接結び、労働に従事する契約社員を「期間工」と呼びます。そんな期間工は「やめとけ」といわれるのは、いったいなぜなのでしょうか。まずは、その主な理由から確認しましょう。

スキルが身に付かず有効な経歴にならない

「期間工はやめとけ」といわれる理由としてまず挙げられるのが、スキルが身に付かず有効な経歴になりにくい点です。

期間工の仕事は、一定期間ごとに人が入れ替わる前提で運用されています。主に単純作業であり、かつ未経験の人でもすぐに仕事を進められるよう、一連の作業内容はマニュアル化されているのが一般的です。

こうした特徴から、期間工の仕事で特別なスキルを身に付けるのは基本的に難しいでしょう。仕事そのものはしっかりとこなしていても、経歴としては評価されにくい傾向にあるのです。

生活が不安定になる

正社員で勤務している人に比べると、生活が不安定になりやすいのも、「期間工はやめとけ」といわれる大きな理由の1つです。

期間工の契約期間は、一般的に3〜6カ月です。しかし多くの企業には更新制度があり、大半のケースでは最大2年11カ月まで延長できます。

多くの人が最長期間の勤務を前提に期間工を検討するものの、誰もが必ず契約更新できるとは限りません。思いがけず契約が更新されず、無職になってしまう可能性も十分に考えられるのです。

短期的な安定はあるものの、長期的な安定は得られないのが期間工といえるでしょう。

肉体的にきつい仕事が多い

人員の入れ替わりが多い期間工の仕事は、単純作業や肉体労働が多い傾向にあります。持ち場にもよりますが、以下に挙げる項目のいずれか、もしくは複数が該当するケースが多いでしょう。

  • 無理な体勢が続く
  • 立ちっぱなし
  • 重い物を持つ・運ぶ
  • 一定の作業スピードをキープし続ける必要がある(ライン作業)

また、暑さ・寒さや大きな音、強い臭いに悩まされるケースもあります。昼勤・夜勤の交代制で勤務する場合には、体内時計が狂ってしまい、寝不足や体調不良を感じる場合があるかもしれません。

いずれにせよ、ある程度体力に自信があって初めて成り立つ仕事といえそうです。

年齢を重ねると仕事がなくなる

期間工として勤務する人の中には、契約期間満了後に失業保険を受給し、受給期間が終わったら再び期間工で働くという、いわゆる「期間工ループ」で生計を立てる人もいます。

しかし前述の通り、期間工の仕事は体力がなければ成り立ちません。また、採用時には健康診断があり、体の状態によっては不採用となる可能性もあります。

こうした点を踏まえると、若く体力があり健康なうちは期間工ループを続けられたとしても、年齢を重ねれば、いずれ仕事はなくなると考える必要があるでしょう。

期間工は、あくまでも一時的な仕事として考える必要がありそうです。

期間工のメリットはある?

電話をする作業着の男性

(出典) photo-ac.com

「やめとけ」といわれがちな期間工ですが、デメリットばかりではありません。期間工ならではのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

短期間で稼ぐことができる

期間工は、比較的短期間で稼げる仕事です。勤務する企業にもよるものの、月収30万円前後が支給されるほか、入社祝い金や満了慰労金などの手当が用意されているケースが多く、初年度から年収400万円以上を稼げる可能性があります。

たとえば20代の場合、一般的な企業で年収400万円以上を稼ぐのは決して簡単なことではありません。しかし、期間工であれば十分に可能なのです。

「○年で△△△円稼ぐ」「今年中に□□を買う」といった明確な目標を持つ人にとっては、期間工はぴったりの働き方といえそうです。

衣食住が提供される

期間工を募集している企業では、遠方からの就業にも支障がないよう、寮を用意しているケースが多く見られます。

この寮は家賃や光熱費が無料で、寮内の食堂では企業の補助のもと、安価で食事が提供されています。期間工として寮生活をする間、衣食住にはほとんどお金がかかりません。

衣食住にお金がかからないということは、稼いだお金のほとんどを自由に使えるということでもあります。

遊興費や交際費、将来への貯金など、金銭的な不安なくゆとりある暮らしを楽しめるのは、期間工で働くメリットといえそうです。

期間工をおすすめできる人

作業着姿の男性

(出典) photo-ac.com

期間工として働くことを検討する中で、「自分に期間工は向いているのだろうか」と不安を覚える人は少なくありません。適性を確認するためのヒントとして、期間工をおすすめできる人の特徴をチェックしましょう。

目的がある

期間工をおすすめできる人の特徴として第一に挙げられるのが、期間工として働く明確な目的があることです。

期間工は、短期間でまとまったお金を稼げるものの、体力的にはきついと感じやすい仕事です。これといった目的を持たずに飛び込むと、思いがけず期間工ループに陥ってしまったり、「きついから無理だ」とすぐに辞めてしまったりする可能性が否定できません。

一方で、「借金を返済したい」「開業資金を貯めたい」といった明確な目標を定めて期間工に従事する人は、こうした心配がありません。期間中は真摯に仕事に向き合い、満了後にはすがすがしい気持ちで新たな一歩を踏み出せるでしょう。

正社員を目指している

期間工を募集している企業の多くが、正社員登用制度を用意しています。正社員を目指している場合、この制度を利用し期間工として働くのが向いているともいえるでしょう。

入社したい企業があっても、学歴やキャリアがネックになって諦めざるを得ないケースは少なくありません。そんな人にとって、期間工に用意されている正社員登用制度は、ぜひ挑戦したい制度です。

「憧れの企業があるものの、普通に就職活動をしても就職できそうにない」という場合は、期間工への挑戦がおすすめといえるでしょう。

単純作業が苦にならない

期間工が従事する仕事は、ライン作業などの単純作業が大半です。基本的に同じ作業の繰り返しとなるため、単純作業が気にならず、黙々とこなせる人は適性があるといえます。

一方、仕事に刺激やコミュニケーションを求める人は、期間工の仕事には残念ながら不向きです。仕事にやりがいを感じられず、強いストレスに苦しむ可能性が高いでしょう。

これまでの経験を振り返り、単純作業を楽しめたかどうかを考えてみると、自分の適性について的確に判断できそうです。

期間工として働く際の注意点

パソコンを挟み打ち合わせをする作業着の男性

(出典) photo-ac.com

期間工として働くにあたり、どのような点に注意すればよいでしょうか?主なポイントを紹介します。

思ったほど稼げない場合も

年収400万円以上が一般的な期間工ですが、場合によっては思ったほど稼げない可能性もあります。というのも、ここでいう400万円は、残業代や夜勤手当を含んでの金額だからです。

配属される部署によっては、残業や夜勤がほとんどないケースも考えられます。また、もともと残業や夜勤が多い部署だったとしても、社会情勢や企業の経営状況によって左右される場合もあるでしょう。

期間工は必ず稼げるとの前提で考えていると、のちに「こんなはずではなかったのに」と感じてしまうかもしれません。

期間工から抜け出すには

工場で作業している男性

(出典) photo-ac.com

中には、これといった目的を持たず、とりあえず期間工として働こうと考えている人もいるのではないでしょうか。期間工を終えたあと、スムーズに次のステップへ進むために意識したいポイントを紹介します。

スキルアップをする

期間工を経験するのであれば、ぜひ挑戦したいのがスキルアップです。

期間工の仕事は単純作業が多く、ほかの業種で役立つような特別なスキルが身に付くものではありません。契約期間満了後の転職を考えると、期間工として働きながら何らかの資格取得を目指すのがベストです。

もし働きながらがスキルアップするのが難しいようならば、契約期間満了後にスクールへ通ったり、職業訓練に参加したりといった方法もあります。

転職に有利なスキルを身に付けることで、転職が有利になるのはもちろん、漫然と期間工ループに陥ってしまうのを防げるでしょう。

貯金をする

期間工として働く目的もなく、将来についてもこれといった展望はない、という人におすすめなのが貯金です。

まとまったお金を用意できれば、将来の選択肢の幅が広がります。契約期間満了後にしばらくゆっくりする時間を持つこともできれば、留学したり、投資を始めたりもできるでしょう。

また、目的のない挑戦はモチベーションが下がってしまいがちですが、「お金を貯める」という目標があれば、仕事にも前向きに取り組めます。

目的を持たずに期間工になるのであれば、お金を稼ぎ、貯めることそのものを目的にするとよいでしょう。

正社員登用を目指す

前述の通り、期間工を採用している企業の多くが、期間工からの正社員登用制度を設けています。正社員登用制度を利用すれば、一般的には就職が難しいとされる上場企業に、正社員として就職する道が開けるでしょう。

なお、この正社員登用制度ですが、期間工になれば誰でも利用できるというものではありません。

正社員登用への一例としては、まず一定期間勤務した上で上長の推薦を受けます。続いて正社員登用試験を受験し、合格することにより、晴れて正社員として採用されるのです。

つまり正社員を目指すのであれば、日頃から真摯に仕事へ向き合い、周囲に認められる必要があるでしょう。

期間工になるなら計画的に

工場で作業する男性

(出典) photo-ac.com

「期間工はやめとけ」といわれる背景には、有効な経歴にならない・生活が不安定になる・肉体的にきつい・年齢を重ねると仕事がなくなるといった、期間工ならではの特徴があります。

一方で、短期間で稼げる・衣食住が提供されるなどのメリットもあるため、「短期間でお金を稼ぎたい」「正社員になりたい」といった目的のある人にとっては、非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

特に正社員は、期間工からの登用制度が用意されている企業が多く、期間工を始める目的としてはぴったりです。

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