インフラエンジニアに資格は必要?おすすめの資格7選を紹介

クラウドサービスの普及が進んでいることもあり、ITインフラの開発に携わるインフラエンジニアの需要が高まっています。インフラエンジニアへの転職を検討しているなら、スキルの証明に役立つおすすめの資格をチェックしておきましょう。

インフラエンジニアに資格は必要?

二画面でプログラミングする男性

(出典) photo-ac.com

インフラエンジニアに限らず、エンジニアとして働く上で資格は必須ではありません。ただし、資格を持っていると転職で有利に働く可能性があります。

免許制ではないので必須資格はない

インフラエンジニアの主な仕事内容は、サーバーやネットワークといったITインフラの設計・構築・開発・保守・運用です。ITサービスの基盤となる部分に携わる業務を担当します。

インフラエンジニアは免許制ではないため、必須となる資格はありません。採用側は資格より実務経験を重視する傾向があるため、無資格でも働ける可能性は十分にあります。

ただし、ITインフラ系の資格を持っていればスキルを証明できるため、転職の際に有利です。ハイレベルな作業を任せられる人材として認められやすくなるでしょう。

未経験から転職希望の場合は?

未経験者がインフラエンジニアに転職しようとする場合、採用側は適性を判断しにくいでしょう。資格を持っていなければ、知識やスキルがあることの証明もできません。

実務経験がないことはマイナスになってしまいますが、保有資格を示して知識やスキルだけでも証明できれば、資格も実務経験もない人よりは評価が高くなるでしょう。

資格を取得することで、適性や意欲をアピールできる点もポイントです。保有資格の難易度が高いほど、適性や意欲の高さを証明できるため、転職で有利になる可能性があります。

おすすめの資格4選「国家資格」

セミナー

(出典) photo-ac.com

インフラエンジニアが取得しておくべき資格の種類は、国家資格と民間資格に大別できます。まずはおすすめの国家資格を確認しましょう。

ITパスポート試験(IP)

ITパスポート試験は、IT全般について基礎的な知識があることを証明できる資格です。ITに関する総合的な内容を学べるため、インフラエンジニアとしての基礎能力を身に付けられます。

ITを経営に生かすための知識や、AI・IoT・ビッグデータなどの新技術について学習できる点が特徴です。セキュリティ・ネットワーク・プロジェクトマネジメントの知識も習得できます。

情報処理技術者試験の中では難易度が最も低く、未経験者が最初に挑戦する資格としておすすめです。IT系の資格をまったく保有していない人は、ITパスポート試験からチャレンジするとよいでしょう。

【ITパスポート試験】情報処理推進機構

基本情報技術者試験(FE)

ITエンジニアの登竜門として位置付けられている基本情報技術者試験は、IT人材として活躍するために必要な能力を証明できる国家資格です。ITパスポート試験に比べ、より実務に寄せた内容の問題が出題されます。

基本情報技術者試験で証明できるのは、ITサービス・システム・ソフトウェアを作る上での基本的な知識やスキルです。

ITパスポート試験より難易度は高くなりますが、情報処理技術者試験の中では比較的易しい部類の資格といえます。ITパスポート試験と同様、インフラエンジニア未経験者が最初に取得する資格としておすすめです。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験

応用情報技術者試験(AP)

基本情報技術者試験の上位資格として位置づけられている資格が、応用情報技術者試験です。基本情報技術者試験の内容をより掘り下げた問題が出題されます。

ITを活用した戦略の立案やサービス・システムの構築について、独力で行える知識・技術を担保する資格です。システム開発に主体的に携われる能力がイメージされます。

基本情報技術者試験の合格率が20%台であるのに対し、応用情報技術者試験の合格率は20%を割り込むケースもあります。IT系国家資格の中でも難関の部類に入る資格です。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:応用情報技術者試験

情報処理安全確保支援士試験(SC)

クラウドサービスの普及に伴い、情報セキュリティを重視する企業が増えています。セキュリティ関連の知識・スキルを証明できる資格が、情報処理安全確保支援士試験です。

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティスペシャリスト試験の後継資格として2017年にスタートしました。応用情報技術者試験に比べて難易度はさらに上がりますが、持っていれば重宝される人材になれるでしょう。

セキュリティ関連の資格を保有する人材はまだまだ少ないため、インフラエンジニアを目指す人におすすめの資格です。インフラエンジニアからセキュリティエンジニアへのキャリアアップを狙う場合にも役立ちます。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:情報処理安全確保支援士試験

おすすめの資格3選「民間資格」

パソコンを操作している手元

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インフラエンジニア向けの民間資格を取得するなら、ネットワーク・サーバー・データベースの資格を選ぶとよいでしょう。それぞれの領域でおすすめの民間資格を紹介します。

CCNA

CCNAは、ネットワーク関連機器大手のシスコシステムズ社が認定する資格です。同社認定資格の中でも入門的なレベルに位置づけられています。

CCNAの主な出題範囲は、ネットワーク・セキュリティの基礎やIPサービスです。近年のクラウドサービスの普及を受け、自動化とプログラマビリティといった領域も対象とされます。

ネットワークエンジニアを目指す場合に取得すべき資格といわれていますが、ネットワークを扱うインフラエンジニアにとっても、チャレンジする価値のある資格です。

CCNA - Training & Certifications - Cisco

LinuC レベル1

Linuxサーバーの基礎知識・構築・管理・運用スキルを担保する資格がLinuC レベル1です。レベルが3段階に分かれているLinuC試験の、下位資格に位置付けられています。

ITシステムで使われているサーバーOSの大半はLinuxです。Linuxサーバーの知識やスキルを証明できるLinuC レベル1は、インフラエンジニアにとっても取得する価値のある資格といえます。

LinuC レベル1の試験内容は、101試験と102試験の2つから構成されており、両方の科目に合格しなければ資格を取得できません。有意性の期限は5年間で、有意性を維持するためには、認定日から5年以内に再認定が必要です。

LinuCレベル1 Version 10.0 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan

ORACLE MASTER Bronze DBA

ORACLE MASTER Bronze DBAは、データベース管理者としての基本知識を証明できる民間資格です。Oracle Databaseを業務に使用している企業で重宝されるでしょう。

ORACLE MASTERの試験区分には、Bronze以外にSilverやGoldもあります。Bronzeはエントリーレベルですが、広範囲の知識を問われるため、事前の対策が不可欠です。

現在はBronze DBA Oracle Database Fundamentals (1Z0-085-JPN) 試験に合格すれば、ORACLE MASTER Bronze DBAの資格を認定されます。

ORACLE MASTER Bronze DBA 2019 (Available only in Japan) | Oracle University

資格取得のための勉強方法は?

ノートとペン

(出典) photo-ac.com

インフラエンジニア向けの資格を取得するための勉強方法を、2種類に分けて紹介します。それぞれのメリット・デメリットを確認し、自分に合った方法で学習を進めましょう。

独学で資格対策をする

インフラエンジニア向けの資格は、独学で取得することが可能です。資格ごとに特化した参考書で学べるほか、学習サイトや動画などネットの活用でも勉強できます。

独学のメリットは、自分のレベルに合わせて学習できる点です。エンジニアの基礎をある程度習得できている人なら、基本を省略して専門分野から勉強を始められます。通信講座やスクールに比べ、コストも抑えられるでしょう。

ただし、学習中に分からない項目があっても、基本的には自力で解決しなければなりません。疑問を放置したまま勉強を進めると分からない点が増えていき、途中で挫折してしまう恐れがあります。

通信講座・スクールの利用

インフラエンジニアへの転職に役立つ資格は、通信講座・スクールでも取得できます。独学に自信がない人や基礎から体系立てて学びたい人は、通信講座やスクールを利用するのがおすすめです。

通信講座やスクールなら質問できるため、分からない問題の解決もしやすくなるでしょう。志を同じくした仲間と、資格取得に向けて切磋琢磨できるのもメリットです。

独学に比べてコストがかかる点がデメリットではあるものの、既に離職中の場合は職業訓練校を活用すればコストも抑えられます。

勉強時間を捻出する方法

勉強机のパソコン

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働きながら転職活動を進める場合は、資格取得のための勉強も仕事の合間に進めなければなりません。本業が忙しくてなかなか時間を確保できない人は、勉強時間を捻出するコツを押さえておきましょう。

すきま時間の活用

仕事をしながら資格の取得を目指す場合は、勉強時間をどれだけ確保できるかが合否を分けるポイントといえます。移動中や昼食休憩などのすきま時間を有効活用しましょう。

いつでも学習できるように常にテキストを持ち歩いたり、スマホやタブレットですぐにテキストを見られるようにしたりすれば、無駄な時間の削減につながります。

すきま時間とじっくり勉強できる時間とで、学習内容を分けておくのもおすすめです。目を通すだけで勉強になる内容はすきま時間に、PCを使って学習したい内容は余裕がある時間に勉強するとよいでしょう。

勉強時間は朝がおすすめ

資格取得のための勉強は朝に行うのがおすすめです。1日の疲れがたまっている夜間より、体や頭の疲れが取れてすっきりしている朝の方が、集中して勉強に取り組めます。

勉強時間を朝にシフトする場合は、安易に睡眠時間を削らないようにしましょう。朝の勉強時間の分だけ早く寝るようにすれば、今まで通りの睡眠時間を確保できます。

朝に集中して勉強すると決めたら、毎朝継続して勉強に取り組むことが重要です。休日も夜更かしをせず、平日と同じ生活リズムをキープしましょう。

資格取得でインフラエンジニアを目指そう

勉強する女性

(出典) photo-ac.com

インフラエンジニアになるために資格は必須ではありませんが、資格を持っていると転職で有利に働きます。適性や意欲をアピールできる点も、資格取得のメリットです。

インフラエンジニアに役立つ資格の内容や難易度を比較し、自分のレベルに合った資格からチャレンジしてみましょう。

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