ITエンジニアの主な種類と目指し方。エンジニアの年収は高い?

エンジニアは幅広い分野で活躍できる仕事です。主な種類と特徴を確認します。エンジニアを目指す方法や、一般的な年収目安についても見ていきましょう。エンジニアの種類を知ることで、自分が目指したい分野と仕事内容が明確になるはずです。

エンジニアの種類と年収

パソコンデスク

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工学の知識やスキルを生かして仕事をする「エンジニア」には、いくつかの種類があります。まずは主な種類と、年収の目安について確認しましょう。

エンジニアの種類は大きく分けて4つ

エンジニアを大まかに分類すると、開発系・インフラ系・マネジメント系に分かれます。3つに分類できない社内サポート系の仕事もあり、大きく分けると4種類です。

開発系は、主にプログラミングやソフトウェア設計・開発などに携わります。インフラ系は、保守作業やネットワーク関連に関係する仕事です。

マネジメント系のエンジニアは、営業のサポートやプロジェクト進行を担う仕事が多くなるでしょう。そのほかに、ユーザーに情報を提供するヘルプデスクや、社内のシステムを管理・構築する社内SEなどの仕事もあります。

エンジニアの年収は高い?

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2021年)によると、エンジニアの年収はいくつかの分類に分けて説明できます。

システム設計に携わるシステムエンジニアを含む「システムコンサルタント・設計者」の平均年収は、約733万円です。また、組み込みエンジニアを含む「ソフトウェア作成者」の平均年収は約523万円となっています。

上記の年収は、「企業規模計(10人以上)」の「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で試算した結果です。

なお、国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」の結果では、日本における給与所得者の平均年収は443万円のため、エンジニアの年収は一般的に平均よりも高いことが分かります。

参考:
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

開発系エンジニアの主な種類

パソコンを操作する手元

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開発系エンジニアには、多くの種類があります。主な種類を押さえておきましょう。何の開発に携わるかによって、名称が変わります。基本的な分類を覚えておくと、目指す場合の参考になるでしょう。

システムエンジニア

システムエンジニアは「SE(エスイー)」と略されるケースも多く、エンジニアの中でもよく知られる仕事です。主にシステム全体の開発・設計・保守作業などを担当します。

システム開発には、システムを構築するための要件定義や具体的な設計が必要です。その後はコーディングといった実際の開発作業に進み、テストを経て運用・保守が行われます。

システムエンジニアは要件定義から始まって、運用・保守まで全ての業務に携わるのが一般的です。幅広い知識と経験が求められる業務といえるでしょう。

プログラマー

プログラマーは、名前の通り「プログラミングを行う人」のことです。プログラミングとは、コンピューターが理解できる「プログラミング言語」を使ってコードを入力する作業を指します。

英語や数字を主とする言語で、C言語やJavaScriptなどがあります。プログラマーは、システムエンジニアが設計したシステムの概要に従って、コードを書くのが仕事です。システムエンジニアがプログラマーを兼務するケースもあります。

プログラマーになるには、プログラミング言語を覚えて適切なコーディングができるよう学ぶ必要があるでしょう。

webエンジニア

webエンジニアは、webサイトやアプリケーション開発を行う仕事です。web業界に特化し、インターネット上で見られるwebサービスのシステム開発やプログラミングに携わります。

web系のプログラミングには、PHP・HTML・CSS・JavaScriptなど、webサイト作成に必要な言語の知識が欠かせません。基盤システムやパソコン内部の設計とはやや異なる分野の知識が求められるでしょう。

webエンジニアは、主に2種類に分類されます。アプリケーションのデザインや使い勝手を左右するフロントエンドエンジニアと、システム内部のデータをプログラミングするサーバーサイドエンジニアです。どちらもWeb開発において重要な役割を果たします。

制御・組み込みエンジニア

制御・組み込みエンジニアは、機器類の内部に組み込むファームウェアを作るのが仕事です。家庭で使う電子レンジや冷蔵庫など電気製品の中にはシステムが組み込まれ、設定通りに動くようになっています。

自動車、スマートフォン・パソコンなどの通信機器にもシステムが組み込まれており、組み込みエンジニアの働く場所は多様です。

主にC言語やC++などのプログラミング言語を扱い、システムを構築・設計していきます。

AIエンジニア

AIエンジニアは、AI(人工知能)に関係する仕事です。AIの開発や作られたAIの調整、データ解析を担当します。

AIを活用したチャットボットや自動化ツールには欠かせません。今後はさらに、AIエンジニアの需要が高まっていくことが考えられるでしょう。

AI開発には、PythonやJuliaといったプログラミング言語を使用します。AIエンジニアには、プログラミング言語に関する知識だけでなく、データ解析のスキルも必要です。作り上げたAIの学習結果を解析し、精度を高めていくことが求められます。

インフラ系エンジニアの主な種類

パソコンを操作する男性

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インフラ系エンジニアは、生活に欠かせない通信サービスに関わるエンジニアです。インフラ系として知られる、主なエンジニアの種類を確認しましょう。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、ユーザーにサービスを提供するコンピューターである「サーバー」を構築・運用・保守するエンジニアです。

サーバーは、インターネットの閲覧やサービス提供に欠かせないプログラムを持ち、サーバーエンジニアは常時監視を行っています。

インターネット閲覧時にはサーバーエラーが起きる場合がありますが、エラーが発生したときにサーバーを修復するのもエンジニアの役割です。サーバーの構築にあたって、実際の配線作業も担当します。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、主に企業でネットワーク構築・運用・保守を担当する仕事です。企業の社内ネットワーク構築や、ネットワーク関連サービスの構築を行います。

ネットワーク構築全般に携わるのが特徴です。システム設計や開発はもちろん、コンピューターとルーターの接続やトラブル発生時の修復まで行います。

クライアントの規模や要望によって、仕事内容はさまざまです。簡単なネットワーク関連の接続作業から、大規模なシステム開発まで幅広い業務に対応します。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティの専門家です。セキュリティに関する知識を生かし、サーバーやシステムを構築します。

主に企業から依頼を受け、必要なセキュリティを備えたシステム設備を提供するのが仕事です。

サーバーエンジニアとして募集されるケースが多いですが、中でもセキュリティに関する業務に携わります。企業のサーバーをサイバー攻撃や情報漏えいから守る、大切な役割です。

営業系エンジニアの主な種類

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エンジニアは開発だけでなく、営業として働くケースもあります。主な営業系エンジニアの種類と特徴を押さえましょう。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、エンジニアの知識を生かして営業を担当する仕事です。システム系の製品を販売する場合、エンジニアとしての知識を持つ営業の方が説得力が増します。

専門性だけでなく、分かりやすい言葉に言い換えながら伝える説明能力も必要です。

製品やサービスの販売後は、トラブル時のサポートを担当する場合もあります。サポートを目的にクライアントを訪れる場合は、エンジニアとして問題の解消を手助けすることになるでしょう。

サポートエンジニア

サポートエンジニアは、ユーザーや企業の手助けをするエンジニアの総称です。主な分類として、カスタマーサポート・テクニカルサポート・プロダクトサポート・セールスサポートがあります。

カスタマーサポートとテクニカルサポートは、主にコールセンターでユーザーの問い合わせに回答する仕事です。カスタマーサポートは問い合わせ全般、テクニカルサポートは技術面での問い合わせに対応します。

プロダクトサポートは、テクニカルサポートと同じように、技術的な問い合わせに対応します。システム導入後のサポートとして、企業に出向くケースもあるようです。

セールスサポートは営業に携わる仕事です。仕事内容はセールスエンジニアと似ています。セールスエンジニアは営業職を兼務し、セールスサポートは営業担当の手助けをする役割です。

ITエンジニアになるには

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ITエンジニアになるには、まず何をすればよいのでしょうか?取得しておいた方がよい資格や、学んでおきたいスキルについて紹介します。未経験から目指す方法も確認しましょう。

エンジニアに必要な技術を学ぶ

エンジニアとして活躍するには、一定の技術力が求められます。資格取得によって技術を証明できるため、取得を検討するのもよいでしょう。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、エンジニアの種類を問わず知識を証明できる国家資格です。IT全般や、システム・ソフトウェア開発に必要な知識・スキルを網羅しています。

エンジニアとして、プロジェクトの責任者を目指す場合はプロジェクトマネージャ試験がおすすめです。チームで仕事をする際に必要な知識やスキルが身に付きます。

プログラミング言語を学ぶのも、エンジニアになる近道です。AI関連の仕事に役立つPythonや、多くの職種で必要になるJavaなど、まずは学びたい言語を決定しましょう。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験制度:試験区分一覧

転職サイトで経験不問の求人を探す

ITエンジニアは、未経験からでも目指しやすい職業です。IT業界は人材不足の企業も多く、未経験から育てようと考えるケースも増えています。

転職サイトで経験不問の求人を探し、条件が合いそうなものをピックアップしてみるのもよいでしょう。スタンバイではITエンジニアの求人情報を探せます。

未経験から応募できる求人も多いので、気になる仕事が見つかるはずです。まずはなりたいエンジニアの種類をいくつかに絞り込み、地域や条件で合うものを探してみましょう。

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エンジニアの種類にはさまざまある

パソコンを広げ考える男性

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エンジニアの種類は豊富です。システムの基盤を開発するだけでなく、ソフトウェアやWeb関連、機器の組み込みなど多くの仕事があります。エンジニアとしてのスキルがあれば、営業やサポートとして働くことも可能です。

未経験からでも目指せる仕事のため、資格取得やプログラミング言語の習得を検討しつつ、気になる求人があれば応募してみるのもよいでしょう。