コールセンターの仕事はきつい?メリットや向いている人を解説

コールセンターの仕事はきついと聞いて、転職を迷っている人もいるかもしれません。コールセンターはなぜきついといわれるのか、その理由を解説します。働くメリットや向いている人の特徴も紹介するので、参考にしてみましょう。

コールセンターがきついといわれる理由は?

ヘッドセットをした複数のオペレーター

(出典) photo-ac.com

「コールセンターはきつい仕事だ」という声を、耳にしたことがある人もいるかもしれません。まずは、きついといわれる理由を3つ挙げて解説します。

クレーム対応がある

コールセンターにかかってくる電話は、顧客からの問い合わせ・相談ばかりではありません。時には厳しい意見を言われたり、クレーマーと呼ばれる人の対応をしたりすることもあります。

自社に非がないことにも謝らなければならないケースもあり、ストレスに感じる人は少なくありません。謝罪しても怒りが収まらなかったり、理不尽な要求をしたりする相手もいるので、慣れるまではきつく感じてしまうでしょう。

しかし多くの場合、オペレーターが対応しきれない電話には、SV(スーパーバイザー)と呼ばれる責任者が代わって話をします。

ノルマがありそうなイメージ

コールセンターには、顧客からの電話にのみ対応する「インバウンド」と、顧客に電話をかけて製品・サービスを紹介する「アウトバウンド」の2種類があります。

アウトバウンドのコールセンターの場合、「ノルマを達成しなければならない」というイメージがあることも、きついといわれる理由でしょう。確かに、電話を発信するコールセンター業務では、目標を設定されることもあります。

しかし、必ず達成しなければならなかったり、目標に届かなかったからといってペナルティを受けたりすることはありません。とはいえ、周りに成績のよい同僚がいると、焦ってしまう気持ちにはなるでしょう。

覚えることが多い

製品・サービスについての知識をはじめ、覚えることの多さから、コールセンターの仕事をきついと感じる人もいるでしょう。

カスタマーサポートをするコールセンターの場合、顧客からの問い合わせに答えるための膨大な資料を渡されます。

しかし、初めから全てを覚える必要はなく、手元にトークスクリプトやマニュアルなどを置いて仕事をすることも可能です。

分からないことがあったときは、通話を保留にして資料を確認すれば問題はありません。仕事を続けていくうちに、徐々に知識は身に付いていくものです。

コールセンターで働くメリット

固定電話と資料

(出典) photo-ac.com

コールセンターは大変なことがある一方で、利点も多い仕事です。どのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

時給が高め

コールセンターのアルバイトの時給は、他の職種に比べて比較的高い傾向にあります。厚生労働省による、2021年の「賃金構造基本統計調査」の短時間労働者の時給を見ると、「電話応接事務員」の時給は1,351円です。

「飲食物給仕従事者」の時給は1,268円、「その他のサービス職業従事者」の場合は1,298円となっており、コールセンターの時給は高めであることが分かります。

24時間対応のコールセンターの場合、夜勤のシフトに入れば深夜手当も加算されるので、さらなる高収入も可能です。

参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種 1 短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

時間の融通が利く

コールセンターは希望シフト制を組んでいるところも多く、時間の融通が利きやすいのもメリットの1つといえるでしょう。

必ず希望通りのシフトに入れるとは限りませんが、飲食店などに比べると比較的自由に入りやすい傾向にあります。

そのため、育児・介護などの理由でまとまった時間が取れない人や、他の仕事とダブルワークしている人でも柔軟に働けるのが特徴です。

前日までに連絡すればシフトを変更できるところもあるため、子どもの発熱などで急に休まなければならないときでも安心です。稼ぎたい日にはたっぷりシフトを入れるなど、自分のペースに合わせて働けます。

基本的なビジネススキルが身に付く

電話応対業務を通じ、コミュニケーション能力・基本的なビジネスマナーなど、仕事に必要なスキルが身に付きます。

顧客が抱えている困りごと・相談内容を聞き取り、解決方法を提案するのがコールセンターの仕事です。そのため、判断力・適切な対応力なども養われます。

また、通話しながらパソコンを操作するデスクワークがメインなので、事務職の経験がない人にとっては、パソコンの使い方を習得できることもメリットです。

デスクワーク・電話応対などに慣れておけば、他の事務職への転職にも有利に働くかもしれません。さらに電話での対応とはいえ、さまざまな顧客と接することから、接客業へも生かせます。

コールセンターの仕事が向いている人

オペレーターの女性

(出典) photo-ac.com

「コールセンターの仕事に興味があるけれど、自分にできるか不安」という人もいるかもしれません。ここでは、コールセンターの仕事に向いている人の特徴を、2つ挙げて説明します。

コミュニケーション能力が高い人

コールセンターの仕事は、基本的にコミュニケーション能力の高い人に適しています。コールセンターのオペレーターには、顧客の意図をくみ取る力が必要です。

しかし、問い合わせをしてくる顧客の誰もが、理路整然と相談内容を説明できるわけではありません。問い合わせ内容の要領を得なかったり、話し声が小さくて聞き取りにくかったりすることもよくあります。

コミュニケーション能力が高い人ならば、上手に会話をつなぎながら、話の内容が分かりにくい顧客・怒っている相手などに対しても、スムーズに対応できるでしょう。

気持ちの切り替えが上手な人

嫌なことがあっても引きずらず、気持ちの切り替えが上手な人は、コールセンターの仕事に向いています。コールセンターでは、時に厳しい意見・クレームを受けることもあります。

自分自身が非難されているわけではないと分かっていても、気分が落ち込んでしまうこともあるでしょう。しかし、いつまでも暗い気持ちを引きずっていては、その後の業務に支障を来してしまいます。

嫌な気持ちになったときでも、自分なりの切り替え方法を持っている人なら、仕事が苦痛になる前にうまく対処できるでしょう。

コールセンターの仕事が向かない人

パソコンとヘッドセット

(出典) photo-ac.com

向いている人がいる一方で、コールセンターには向かないタイプの人も存在します。どのようなタイプの人が向かないのか、特徴を見ていきましょう。

感情移入しやすい人

話し相手に感情移入しやすい人は、コールセンターに向かないでしょう。コールセンターには、さまざまなタイプの人から電話がかかってきます。

感情移入しやすい人は高圧的な人・クレーマーに当たると、会社のサービスに対するクレームでも、「自分が責められている」と思いがちです。理不尽な意見に対して、こちらには非がないのに、つい謝ってしまうことも少なくありません。

また、丁寧に話を聞くのと、情が移って相手の話を聞きすぎるのとでは意味が異なります。顧客1人1人に注力しすぎると、効率よく業務をこなせないだけでなく、疲弊する原因にもなります。

その他、相手に話が通じないとイライラしだす人も、コールセンターの仕事は難しいでしょう。

デスクワーク・ルーティンワークが苦手な人

コールセンターの仕事は、パソコン・電話を使ったデスクワークです。ほぼ1日中座りっぱなしになるので、体を動かす仕事が好きな人には向いていないでしょう。

コールセンターの業務の中には、顧客との通話内容を会社へ報告するための、パソコンを使った事務作業もあります。パソコンを使うことに苦手意識を持っている人にとっては、面倒で負担が大きい仕事です。

また基本的に、パソコンの前で電話を受けることを繰り返すルーティンワークになるため、仕事に刺激・変化を求める人は苦痛に感じてしまう可能性があります。

コールセンターがきついときの対処法

つらそうなオペレーターの女性

(出典) photo-ac.com

コールセンターの仕事をしていてきついと感じたときのために、適切な対処法を知っておきましょう。つらさを乗り切るための対処法を、3つ紹介します。

気持ちを切り替える方法を見つける

嫌な気分を引きずらないように、上手に気持ちを切り替える方法を見つけましょう。クレーム電話に当たったときは、あまり感情を移入せず、怒りをぶつけている相手を客観的に見てみるのがおすすめです。

電話を切った後は、トイレに立ったりコーヒーを飲んだりと、いったんデスクから離れてみるのも効果的です。日頃のストレスがたまっていると感じたら、カラオケに行って大声で歌い、解消してみるのもよいかもしれません。

自分なりの気持ちを切り替える方法を持っていれば、たとえ嫌なことがあったとしても、長く仕事を続けられるでしょう。

上司・同僚に相談する

仕事や人間関係などで困っていることがあれば、現場のSV・上司に相談するのもおすすめです。

SVはオペレーターの仕事状況を分かってくれているので、相談内容を理解してもらいやすいというメリットもあります。業務上の悩みにも、自身の経験を基にした適切なアドバイスをもらえるでしょう。

上司・同僚に相談するときは、「何に困っているのか」「自分はどうしたいのか」を具体的かつ、分かりやすく伝えることがポイントです。

もしSVとの人間関係に悩んでいる場合は、さらに上の上司に相談してみるとよいでしょう。

転職する

コールセンターの仕事がどうしてもきつくて続けられないときは、転職するのも1つの手段です。現在の職場の人間関係に悩んでいる場合は、別のコールセンターに転職するのもよい方法です。

仕事内容が向かないときは、別の職種への転職を検討しましょう。コールセンターでの業務経験を生かせる仕事には、事務職・データ入力・接客業などがあります。いずれにせよ、職場を辞める前に転職先を決めておくことが肝心です。

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コールセンターはきついけれどメリットもある

ヘルプデスクで働く人たち

(出典) photo-ac.com

「コールセンターの仕事はきつい」という印象を持っている人は多いでしょう。確かに、顧客からの問い合わせ・相談に答えるためには、製品・サービスについての知識を身に付けていなければなりません。

毎日かかってくる電話の中には、厳しい意見だけでなく、クレームも多々あります。しかし、収入面・勤務時間などに関してメリットも多く、コールセンターで働いた経験が次の仕事に役立つことも少なくありません。

自由にシフトを組めるところも多いので、育児中・介護中などで長時間勤務できない人にとっても、おすすめの職種といえるでしょう。