プログラマーは活躍の幅が広く、分野によって種類が分かれるため、目指す方向性を明確にすることが大切です。どのような種類があるのか、それぞれの特徴とともに紹介します。仕事内容や年収などの基本情報や、将来性についても確認しましょう。
プログラマーの種類
プログラマーとひと言でいっても携わる仕事によって必要な知識やスキルが異なります。それぞれの主な仕事内容や特徴を紹介するので、どのようなプログラマーを目指したいのか決めるのに役立てましょう。
webプログラマー
webプログラマーは、webシステムの開発を行うのが主な仕事です。例えば、ECサイトのプログラム作成などです。
ECサイトで欲しいものをキーワード検索すると、商品が表示されます。商品をクリックすると詳細を確認でき、購入ボタンを押すとショッピングカートに移動、決済といった一連の流れを構築します。
使用する言語は、開発のどの部分に関わるかによって異なりますが、「HTML」「CSS」「JavaScript」「Ruby」「PHP」「Python」などです。
アプリケーションプログラマー
近年はスマホやタブレットが普及しているため、多くの人はアプリケーションを使用したことがあるのではないでしょうか?
アプリケーションプログラマーは、主にスマホやタブレット、PC向けのアプリケーションのプログラムを作成するのが仕事です。そのほかにも、業務系やWeb系のアプリ開発もあります。
どのようなアプリ開発を行うのかによって、使用する言語が異なります。スマホのアプリ開発で使われる言語は、主にAndroidであれば「Java」、iOSであれば「Swift」が代表的です。
AI系プログラマー
AI系プログラマーは、アプリケーションプログラマーの一種で、主にAIシステムのアプリケーション開発が仕事です。多くのデータを入力・分析してAIに学習させ、AIが独自に計算したり予測したりできるようにプログラムします。
多くの業界でAI技術が求められており、需要が非常に高く、将来性がある分野です。AI関連の需要が高まっている反面、AIプログラマーが少ないので、市場価値が高まる傾向にある分野といえるでしょう。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーの主な仕事は、ゲームを動かすためのプログラミングをすることです。バグの修正やコンテンツのアップデートなども含まれます。
主にブラウザー・スマホ・コンシューマーゲームがあり、「C#」・「C++」・「JavaScript」など、それぞれ用いる言語が異なります。近年、需要が高いのが、スマホで簡単にゲームを楽しめるスマホアプリゲームです。
経験を積み高いスキルを持つゲームプログラマーの中には、フリーランスとして活躍する人やヒット作の開発に関わる仕事に抜擢される人もいます。
組み込み系プログラマー
組み込み系プログラマーの主な仕事は、家電や電子機器などに組み込むシステムのプログラミングです。
例えば、洗濯機やエアコンにはマイコンと呼ばれる小型のコンピューターが搭載されており、一定の水量や温度になったときに動作するようにプログラムされています。このように、さまざまな条件下で特定の動作をするようにプログラムしていきます。
組み込み系のシステムには、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアも組み込まれているケースも珍しくないため、ハードウェアの知識も必要です。使用言語は複数ありますが、「C」の習得が必須とされています。
汎用系プログラマー
汎用系プログラマーは、汎用機のシステムを組むプログラマーです。汎用機とは、メインフレームと呼ばれるコンピューターで全ての情報処理作業を行うシステムを指します。
かつては処理ごとにコンピューターを使い分ける必要がありましたが、汎用機が開発されたことで、1台で行えるようになりました。クローズドなシステムのため、セキュリティを強固にする必要がある金融機関などでも用いられています。
さまざまな言語が使われていますが、よく使われているのは「COBOL」「Java」などです。
オープン系プログラマー
オープン系プログラマーは、パソコンを主軸としたシステム開発が仕事です。汎用機のシステムをパソコンに落とし込むため、パソコンベースでシステムを組みます。
テクノロジーの進化によって高性能なパソコンが開発されたことで普及した分野ですが、市場が限られているため、将来的な需要は低いともいわれています。
主な使用言語は、「Java」や「PHP」です。近年は「Ruby」や「Python」なども使用されています。
通信系プログラマー
通信系プログラマーの主な仕事は、ネットワーク機器を実装するためのシステムを組むことです。例えば、ルーターやモデム、ソフトウェアモジュールなど、ネットワーク関連に特化した開発を行います。
4Gから5Gへの移行など、技術が急速に進化している分野なので、常に新しい技術や情報を得て、柔軟に対応できる能力が求められます。開発を進める上で、通信規約なども把握しておく必要があるでしょう。主な使用言語は「C言語」「C++」「Java」です。
セキュリティ系プログラマー
セキュリティ系プログラマーは、情報セキュリティに特化したシステム開発を行います。例えば、個人情報の漏えいやウイルス感染など、サイバー攻撃から情報を守るためのネットワークを構築したり、必要な機器を導入したりするのが仕事です。
専門的なプログラマーというよりも、セキュリティを考慮したプログラミングができる人材が求められています。今後さらにサイバー攻撃が多様化していくと予測されているため、セキュリティの知識があるプログラマーの需要は増すでしょう。
「C言語」「C++」「Java」が、主な使用言語です。
プログラマーの将来性
職業を選ぶ上で、将来性があるかどうかは重要なポイントの1つです。プログラマーは、安定した職業なのでしょうか?また、プログラマーとして活躍するために必要な項目についても確認しましょう。
将来性が危ぶまれる理由
プログラマーの将来性が危ういという情報を耳にし、不安を感じている人もいるのではないでしょうか?将来性が危ぶまれている主な理由は、AIや自動プログラミング技術の進化です。
しかし現時点においては、AIや自動プログラミングによってできることは、まだかなり限られています。
人間と比べてコミュニケーション能力や論理的思考能力が劣るため、システムエンジニアからの指示を的確に読み取り、論理的な開発をするのは難しいのが現状です。そのため、すぐに取って代わられる心配はないと考えられています。
また、人件費の安い国への業務委託も、将来が危ぶまれている理由の1つです。海外の企業への業務委託自体は今後も広がっていくと予測されていますが、企画や詳細設計などの上流工程は、国内で行うのが一般的でしょう。
スキルを上げていく努力は必要
すぐにプログラマーの仕事がなくなるとは考えにくいですが、必要とされる人材になるには、常にスキルを磨く努力が必要です。IT業界は速いペースで進化を続けている分野なので、常に新しい技術や情報に目を向け、身に付けていく必要があります。
例えば、将来需要があるとされる言語を習得することも、スキルアップにつながります。需要の高い言語を使いこなせれば、それだけ必要とされる機会が多くなるでしょう。
プログラミングスキルを磨くだけでなく、それ以外のスキルも身に付けると強みになります。AIでは難しいとされるコミュニケーション能力を高めたり、上流工程も担えるようになったりすることで、ほかのプログラマーとの差別化が可能でしょう。
プログラマーの基本情報
プログラマーには種類があり、それぞれ具体的な仕事内容が異なります。ここでは、基本的な仕事内容について紹介します。年収についても確認しましょう。
仕事内容はプログラムを組むこと
システムの設計を担っているシステムエンジニアが指示した全体のシステムを、実際に動かせるようにするためのプログラムを組むのがメインの仕事です。
例えば、「詳細をクリック」を押すと、詳細が記載されたページが表示されるというように、想定した通りに動くようコードを書いていきます。
ミスがないように書くだけでなく、同じ動作を指示するにも複数の書き方があるため、分かりやすさやメンテナンスのしやすさも重視されます。
また、システム上のバグを発見するためにテストを繰り返すのも、仕事の一環です。指示通りに設計しても、思うように動かないケースは珍しくありません。修正とテストを繰り返し、スムーズに動くようにします。
プログラマーの年収もチェック
職業分類では、アプリケーションなどを含むソフトウェア開発のための設計やプログラミングを行う「ソフトウェア作成者」に該当します。
厚生労働省が公開している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模計10人以上の場合、「きまって支給する現金給与額」は35万3,300円、「年間賞与その他特 別給与額」は99万100円です。「きまって支給する現金給与額」に12カ月をかけて、「年間賞与その他特別給与額」を足した年収に換算すると、約523万円になります。
企業規模計1,000人以上の場合は、「きまって支給する現金給与額」が40万9,000円で、「年間賞与その他特別給与額」が135万9,500円です。年収は約627万円と高くなります。ただし、年収は経験やスキルにもよるため、未経験者の場合は、上記の金額よりも低い場合もあるでしょう。
参考:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
目指すプログラマーを明確にしよう
プログラマーは、設計に基づき実際に動かせるようにプログラムを組んだり、バグを発見・修正したりするのが主な仕事です。しかし、プログラマーには大きく分けると8種類あり、目指す分野によって必要な言語やスキルが異なります。
AIや自動プログラミング技術の進化によって将来が危ぶまれているものの、現状ではすべての工程を担うのは難しく、すぐに取って代わられることはないでしょう。
ただし、必要とされるプログラマーであり続けるためには、新しい技術を吸収したり、プログラミング以外のスキルを磨いたり、スキルアップに向けた努力が大切です。
まずは、具体的にどのようなプログラマーの求人があるのかチェックしてみましょう。未経験者向けも含め、求人が豊富なスタンバイなら、「こだわり条件」での検索も可能です。目指すプログラマーの求人が見つかるでしょう。