第二新卒とはどういう立場?対象となる人や、転職事情を詳しく解説

近年は、第二新卒を積極的に採用する企業が増えています。第二新卒の立場で転職を考えている人にとっては追い風といえる状況なので、この機会に転職のメリットやデメリット、成功のポイントなどを確認しておきましょう。転職活動の始め方も解説します。

第二新卒とはどういう立場?

ネクタイを締める男性

(出典) photo-ac.com

第二新卒とは新卒で企業に入社後、数年の経験を有する人を指しますが、企業によって位置づけが異なる場合も珍しくありません。まずは、第二新卒の定義や対象者、既卒との違いについて整理しましょう。

第二新卒の定義と対象者

一般的に、新卒で就職して2〜3年程度の社会人経験を積んだ人を第二新卒と呼びますが、明確な定義が決まっているわけではありません。

中途採用の対象となる人材よりも経験は浅いものの、新卒よりも社会人としての経験値のある人を、大まかに第二新卒としている企業がほとんどです。

また、最終学歴によっても第二新卒の位置づけは異なり、大学卒の場合は社会人経験が3年程度で、25~26歳ぐらいまでの人が第二新卒とされています。

大学院卒の場合は、ストレートで進むと修士課程の修了が24歳程度、博士課程ならば27歳ぐらいになるため、企業によっては30歳でも第二新卒に該当するケースはあるでしょう。

既卒との違いは?

第二新卒と混同されがちな言葉に「既卒」があります。既卒は大学や短大、専門学校などの学校を卒業後、一度も就職した経験のない人です。

就職活動に失敗して浪人(就職浪人)している人や、学校を卒業しても就職する気がない場合、あるいは正社員として就職せずにフリーターの道を選んだ人などが該当します。

しかし、第二新卒と同様に明確な定義はありません。大学や短大などを卒業後、就職していない若者を漠然と指す場合もあります。ただし一般的には、卒業してから3年以内の人が既卒と呼ばれています。

第二新卒の転職状況

履歴書とペンと写真

(出典) photo-ac.com

近年は、第二新卒の採用に積極的な企業が増えているといわれますが、実際のところはどうなのでしょうか?第二新卒の転職状況をチェックしましょう。

企業の第二新卒採用は拡大傾向

結論としては、第二新卒の採用は拡大傾向にあります。多くの企業が第二新卒を採用しており、特に人手不足が問題となっている業界で顕著です。

一方で、第二新卒の立場の人も、新卒で入社したものの労働条件が合わなかったり、自分に合った仕事ではなかったりして、早々に転職を選択するケースが増えています。

厚生労働省の調査によれば、2020年における就職後3年以内の離職率は、大学の新卒就職者で31.2%、高卒の就職者では36.9%です。例年より若干下がってはいるものの、全体の3割以上の人材が、新卒で入社後、早々に離職や転職をしている状況です。

この流れはさらに拡大傾向にあり、若手人材を積極的に採用する企業側の姿勢も相まって、第二新卒の転職市場は活況を呈しています。

出典:新規学卒就職者の離職状況を公表します(2021年10月報道発表資料)|厚生労働省

企業が第二新卒を求める背景

企業が第二新卒の人材を求める理由としては、新卒採用者に比べて、社会人として最低限の知識・マナーが身に付いている点がまず挙げられます。

さらに、年齢が若く、将来的なポテンシャルを見込んで採用できる点や、新卒とほぼ変わらない採用コストである程度経験値のある人材を得られる点などがあります。

企業によって第二新卒の扱いは異なりますが、社会人としての基本を身に付けさせる手間がかからず、比較的早く戦力として活躍できる点を評価している企業が多いようです。

第二新卒が転職を決意する理由

第二新卒の転職が多い理由としては、現在の職場における給料や福利厚生などの待遇面への不満や、仕事内容のミスマッチ、職場の人間関係に関するものなどが挙げられます。

さらに、所属企業の将来性に不安を感じて、転職に踏み切る人も少なくありません。スキルアップや新しい分野へのチャレンジなどを理由として、転職に踏み切る人もいます。

個人の特性やスキルによって転職のしやすさは異なりますが、多くの業界で第二新卒を積極的に採用する企業が増えているため、転職のハードルは下がっているといえるでしょう。

第二新卒が転職するメリットは?

履歴書に書き込む男性

(出典) photo-ac.com

第二新卒が転職するメリットとしては、より環境や待遇のよい企業で働ける可能性がある点をはじめ、未経験の業界にも挑戦できる点、経験よりもポテンシャルを評価してもらいやすい点などがあります。

環境や待遇がよりよい企業で働ける

現在の労働環境や仕事内容に不満がある場合、思い切って新たな職場に移ることで仕事に対するモチベーションが上がり、仕事のストレスが解消される可能性があります。

新卒のときに比べて社会人経験を積んでいるため、より自分に合った業界や企業を探しやすいでしょう。

さらに、転職先で新たな知識やスキルを身に付けられるので、自分の理想的な形で社会人としての経験値もアップできます。転職をきっかけとして、望んでいたキャリアを進めるようになった人は数多くいるのです。

未経験の業界に挑戦しやすい

第二新卒はビジネスパーソンとしての経験は浅いものの、特定の業界に染まっておらず、知識やノウハウに偏りなども少ないため、未経験の業界にも挑戦しやすいメリットがあります。

新卒とほぼ同じと考える企業も多く、専門的な経験やスキルを問われない場合がほとんどです。そのため、中途採用での転職に比べて、業界や職種を変更しやすいでしょう。他の業界に魅力を感じている人は、早めに転職を決意した方がよいケースもあります。

ポテンシャルを買ってもらいやすい

知識やスキルより意欲や熱意を買ってもらえる場合が多いのも、第二新卒が転職するメリットの1つです。

第二新卒のやる気の高さや、育成のしやすさを評価している会社は多々あります。若いうちから自社の環境や価値観に合うように人材を育成し、長く自社で活躍してもらおうと考えている企業は、決して珍しくありません。

さらに近年は採用コストの問題から、中途採用ではなく新卒や第二新卒を積極的に採用し、育成する方針に転換している企業も目立ちます。転職を考えている第二新卒にとっては、追い風の状況といえるでしょう。

社会人としての経験を評価してもらえる

第二新卒に対して新米の社会人と変わらない評価を下す企業もありますが、新卒の人材と比べると、社会人としての最低限の経験や、基本マナーなどは評価してもらえるケースも多いでしょう。

知識やスキルよりも、熱意や仕事へのモチベーションなどを買ってもらえる点は、第二新卒が転職するメリットですが、さらに社会人経験もある程度は買ってもらえるのです。

転職後すぐに実践的な研修を受けられるので、自分に合った業界に転職できれば、やりたい仕事に早く就ける可能性が高くなります。

第二新卒が転職するデメリット

パソコンを前に考える男性

(出典) photo-ac.com

第二新卒が転職をするメリットは多いですが、一方で以下のようなデメリットもあります。メリット・デメリットの双方をよく考慮した上で、転職に踏み切るか慎重に判断しましょう。

すぐに離職する可能性を疑われやすい

第二新卒は新卒として就職後、数年ですぐに転職活動をするため、自社に入ってもすぐに離職・転職してしまうのではないかと、応募先の企業が不安に感じる可能性があります。

仕事のストレスに耐えられなかったり、すぐに不満を持ってしまったりするイメージを抱く人事担当者も、決して少なくありません。

そういった思い込みを払しょくするためにも、応募先の企業では、熱意を持って働ける点をアピールすることが大事です。

入社意欲をしっかりと示すとともに、転職先でどのように活躍したいか、どのようなキャリアを歩みたいかなど、積極的に伝えるようにしましょう。

新卒と同じ扱いになる可能性がある

社会人としての経験を買ってくれる企業がある一方で、転職先でも新卒の人材と変わらない扱いになる可能性もあります。新卒で入った企業と同じような研修を受けなければならなかったり、なかなか仕事を任せてもらえなかったりするケースも考えられます。

即戦力とはみなされないにしても、ある程度は社会人としての経験を評価してもらえる企業を、慎重に選ぶことが大事です。応募先の企業が、第二新卒の特徴や強みなどを理解しているか、事前に調べておきましょう。

第二新卒が転職を成功させるポイント

手帳に書き込む女性

(出典) photo-ac.com

第二新卒が転職に成功するためには、以下のポイントを意識することが重要です。事前にしっかりと計画を立てた上で、転職活動を始めるベストなタイミングを考えましょう。

事前に転職の計画を立てる

第二新卒の転職活動でも、一般的な転職活動と同様に、計画をしっかりと立てる必要があります。

見切り発車で転職活動を始めてしまう人も少なくありませんが、思うように転職先が見つからないケースも考えられます。後悔しないように、しっかりと将来の見通しを持っておかなければいけません。

転職活動には3カ月程度、長ければ半年以上かかる人もいるので、中長期的な視点で計画を立てておくのがポイントです。できる限り計画に沿いながら、余裕を持って活動できるようにしておきましょう。

十分に準備してから活動を始める

転職の計画を立てるとともに、十分な準備をしてから活動をスタートしましょう。第二新卒の立場で転職ができても、自分の理想のキャリアや望んでいる労働環境、仕事内容などが明確でなければ、転職後に同じような不満が出てしまう可能性があります。

しっかりと自己分析をした上で、転職先に求める要素に優先順位を付けておきましょう。絶対に譲れない条件と、ある程度妥協できる条件を決めておき、応募先を絞り込んでいく必要があります。

また、転職活動をスタートすると同時に、勤めている会社を辞めてしまう人もいますが、退職する前に転職活動を始めることが大事です。退職すると無収入になってしまうので、可能な限り次の職場を決めてから退職するようにしましょう。

応募企業についてしっかり調べる

転職したい業界の研究や、企業研究を進めておきましょう。当然ながら、実際に応募する企業の情報は十分に調査しておく必要があります。本当に自分に合っている企業か、業務内容や労働環境、世間からの評判などをしっかりと調べておきましょう。

応募企業の事前調査が不十分だと、転職後にミスマッチが生じやすく、新たな環境でも不満を感じてしまう可能性があります。転職前の状況と同じ事態にならないように、できる限り情報を集めた上で、慎重に転職先を選びましょう。

転職活動は何から始めるべき?

就職活動のイメージ

(出典) photo-ac.com

本格的に転職を決意したら、何から活動を始めるべきなのでしょうか?上記のように自分の望むキャリアや仕事を明確にした上で、まずは転職サイトや求人サイトに登録しましょう。

転職サイト・求人サイトに登録しよう

転職で利用できるサービスや媒体はさまざまですが、まずは転職サイトに登録するところからスタートしましょう。転職サイトに自分の情報を登録すれば、実際に求人案件を検索できるようになります。

どういった案件があるか確認し、具体的な業務内容や待遇、転職後に歩めるキャリアなどをチェックしましょう。近年は多くの転職サイトがありますが、掲載されている求人情報が豊富で、細かい条件で検索できるサービスが便利です。

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第二新卒として転職を成功させよう

前向きな女性

(出典) photo-ac.com

第二新卒とは、新卒で企業に就職して、社会人経験を2〜3年程度積んだ人を指すのが一般的です。25〜26歳程度の人が多いものの、短大や大学院を卒業して就職する人もいるので、22〜30歳ぐらいまでが第二新卒の範疇になり得ます。

第二新卒の転職は未経験の業界にも挑戦しやすく、ポテンシャルを買ってもらいやすいなどのメリットがある一方で、すぐに離職するのではないかと、不安を持たれやすい傾向があります。

面接ではやる気をしっかりとアピールし、その企業で働きたいという熱意を伝えるようにしましょう。

また、実際に転職活動を始めるにあたっては、しっかりと計画を立てて、十分に準備してからスタートすることが大事です。転職サイトをうまく活用しながら、自分に合った企業を見つけましょう。