公務員の志望動機はどう書く?例文や動機がない場合の対処法を紹介

公務員の志望動機は審査の際に重視されるポイントです。しかし、どのように書いてよいか悩む人も多いでしょう。公務員の志望動機の書き方や例文を紹介します。志望動機がない場合の対処法も解説するので、悩んでいる人は参考にしてみてください。

公務員の志望動機の内容は?

スーツの女性

(出典) pixta.jp

公務員の採用活動では人物重視の傾向が高まっているため、志望動機は面接担当者が重要視する項目の1つです。自己PRにもつながるので、仕事への熱意や自分のスキルを伝える内容にまとめましょう。

携わりたい仕事を書く

公務員に応募する場合は、その職域でどのような仕事をしたいかを明確に書きましょう。ただ「仕事を頑張りたい」と書くのではなく、希望する部署や携わりたい取り組みなどを具体的に書くことがポイントです。その部署や取り組みに興味を持つ理由も提示する必要があります。

例えば、自治体で福祉関係の仕事に携わりたい場合は「福祉関係に関心があるので、地域包括ケアの促進に関わりたい」など、興味や関心を理由にしてもよいでしょう。仕事内容を具体的に書くことで、公務員としての仕事への熱意をアピールできます。

貢献したい気持ちを伝える

公務員の仕事を通じて、国や地域にどのように貢献したいかを伝えることも大切です。例えば現在住んでいる自治体に応募する場合、地元への愛着を書くだけでは具体性に欠けます。

「地元をより住みやすい地域へと変えるために、このようなことに取り組みたい」など、日頃から感じている自治体の改善点や課題などを挙げると具体性が増します。携わりたい仕事において、自分がどう貢献したいかを掘り下げて伝えるのもおすすめです。

ただし、問題点を指摘するだけの内容にならないよう注意しましょう。あくまでも、地域をより良くするために貢献したい気持ちを伝えることが大切です。

仕事に生かせる資格や強みもアピールする

仕事へのやる気や貢献へのモチベーションに加えて、自分の強みやスキルも書いておくことがポイントです。採用する側は、民間の企業で身に付けたスキルやノウハウを生かした仕事ができる人物を採用したいと考えています。

例えば営業経験がある人なら、コミュニケーション能力やプレゼンのスキルを強みとして、「住民からの問い合わせにもスムーズに対応できる」「地域に向けた広報活動に役立てられる」などとアピールするのも効果的です。

具体的な資格を取得していれば、資格を保有していることだけでなく、生かし方まで伝えられるとよいでしょう。

公務員の志望動機を書くコツ

履歴書の志望動機欄

(出典) pixta.jp

公務員になりたいという気持ちをしっかり伝えるには、面接担当者が読んで納得できる志望動機にすることが大切です。説得力のある志望動機を書くためのコツを、3つ紹介します。

公務員でなければならない理由を明確にする

なぜ民間企業ではなく公務員なのか、という理由を明確にしておきましょう。国や地域に貢献したいという理由だけでは、公務員ではなく民間企業にも共通します。公務員でなければならない理由を考えておくことが重要です。

そのためには、公務員と民間企業の活動や事業の内容の違いを知っておくことが必要です。営利を目的としない支援活動やインフラ整備などに興味があるなど、公務員にしかできない仕事を理由にするのもよいでしょう。

業務内容を把握しておく

ひと言で公務員といっても、職域によって業務内容は異なります。自分が応募する職域が取り組んでいる課題や業務内容をしっかり把握しておきましょう。例えば、国家公務員と地方公務員では業務の範囲やサービス内容が異なります。

地方自治体でも、市区町村の職員と都道府県庁職員とでは仕事の内容や役割が違います。国や自治体のウェブサイトや広報誌などに、取り組み内容や政策などが載っているので、目を通しておくのがおすすめです。

業務内容や役割について把握しておくことで、携わりたい仕事や希望する理由も具体的に伝えられるため、説得力のある志望動機になるでしょう。

その自治体を選んだ理由を明確にする

自治体に応募する場合は、なぜその地域を選んだのかという理由も明確にしておきましょう。地元の自治体の場合は、地元への愛着を具体的に伝えるのがポイントです。

生まれ育った場所ではなくても、かつて住んでいた経験があったり、両親の出身地で子どもの頃によく訪れたりしたなどの接点があれば、そこから地域への思いにつなげるのもよいでしょう。

地元以外の場合は、その自治体の課題解決に貢献したい、取り組みに魅力を感じているなど、政策や活動内容などを理由にするという方法もあります。自治体についてしっかり下調べしているというアピールにもつながるでしょう。

公務員の志望動機に書かない方がよい項目

ストップのイメージ

(出典) pixta.jp

公務員の志望動機として好ましく思われないものもあります。面接担当者からの印象を下げないために、避けた方がよい内容についても知っておきましょう。

福利厚生などの待遇面

収入や福利厚生などが安定しているなど、待遇面についての理由を志望動機に書くのは避けましょう。国や地方自治体を母体としている公務員は、民間企業と比べて安定感があるのも魅力の1つです。

しかし、それをそのまま志望動機にしては、面接担当者に良い印象を与えません。仕事への熱意や前向きな姿勢が伝わらないばかりか、採用してもしっかり職務を果たしてくれないのではないかと不安にさせてしまうでしょう。

待遇面には触れず、入職してどのように活躍したいかという気持ちを伝えることが大切です。

プライベートを充実させたい

プライベートを充実させたいという志望動機は、仕事へのやる気が感じられず、公務員でなければならない理由にも当てはまらないため避けた方が無難です。

しかし、ワークライフバランスを考えたいという理由そのものは、働き方改善が叫ばれている現代では一概に悪いとも言えません。

「現職は残業が多いので、もっと子育てにも積極的に参加できる職場で働きたい」「地域のために役立つ資格やスキルを身に付ける時間が欲しい」など、面接担当者が納得できる言い方に工夫してみるとよいでしょう。

公務員の志望動機の例文

ノートに書き込む

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公務員の志望動機を具体的にどう書けばよいか思いつかないという人も多いでしょう。そこで、応募先の自治体別に志望動機の例文を紹介します。

市役所の志望動機の例文

市役所出の仕事に対する志望動機には、その自治体が取り組んでいる政策や取り組みへの関心と、自分のキャリアを結びつけるとよいでしょう。

私は子どもが好きで、現在保育の仕事に関わっています。保育士として働きながら、子どもを預ける場所がなく困っている保護者が多いことも知りました。

そんなとき、〇〇市が子育て支援に熱心に取り組んでいることを知り、ぜひ自分の経験を生かして取り組みに貢献したいと考えました。

都道府県庁の志望動機の例文

都道府県庁での仕事は、市町村の行政サービスのサポートなど地域社会全般に関するものです。志望動機にも、地域全体への貢献などを理由に盛り込むとよいでしょう。

私は地域社会の発展に深い関心を持っています。現職の営業職で培ったコミュニケーションスキルや課題解決能力を生かし、地域の課題解決に貢献したいと考えました。県民の皆さんが安心して暮らせるような施策を立て、推進していきたいと思います。

国家公務員の志望動機の例文

国家公務員を志望する場合は、国が抱える課題の解決や、国民の生活を守るための施策などに貢献したい気持ちを伝えましょう。生かせる資格やスキルがあれば積極的にアピールするのがおすすめです。

国家公務員の職務とは、国民の利益を守ることだと考えています。私はプログラマーとして、クライアントの業務効率化などに取り組んできました。

IT技術に関するスキルを生かし、情報システムの面から国家の安全や経済発展を支える仕事に携わりたいと考えています。

公務員の志望動機がない場合の対処法

パソコンに向かい考え事をする女性

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志望動機がまったく思い浮かばないという人もいるかもしれません。しかし、公務員の面接では、必ず志望動機を聞かれます。志望動機を見つけるための対処法を2つ紹介します。

取り組んでいる課題について調べてみる

志望動機を考えるには、ウェブサイトなどで応募する公務員の職域について調べてみることがおすすめです。国や自治体では、環境や教育・文化、防災・危機管理などさまざまな課題に対する取り組みを行っています。

そういった取り組みの中に、自分の経歴やスキルを生かせるものがあれば、志望動機へとつなげられます。

自治体に応募する場合は、応募先以外の地域の取り組みなどについても調べておけば、その地域ならではの特色にも気付けるため、「なぜうちを志望するのか」といった面接担当者からの質問にも、しっかり答えられるようになるでしょう。

なぜ公務員になりたいかもう一度よく考える

なぜ公務員を目指したのか、理由をもう一度考えてみましょう。自分はどういう仕事をしたいのか、どのような社会を作りたいかなど、思い付くことを書き出してみるのがおすすめです。

資格や技術を持っているときは、仕事にどう生かせるか考えてみるのもよい方法です。最初はとりとめなく書いていくだけでも構いません。徐々に自分の考えが明確になってきたら、志望動機としてまとめてみましょう。

社会人が公務員になる方法は2つ

セミナーを受ける女性

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民間企業に就職した人でも、公務員への転職は可能です。社会人が公務員になる方法は2つあります。それぞれの方法と、社会人から公務員になる際の試験について詳しく解説します。

一般枠と社会人枠

社会人が公務員に転職する際は、「一般枠(大学卒業程度枠)」と「社会人枠(民間経験者採用枠)」のどちらかの採用試験を受けることになります。

一般枠は主に新卒者や第二新卒者を対象とした枠で、職域によって上限は異なるものの、受験資格として年齢のみを要件にしているのが一般的です。

一般枠には新卒の学生も含まれるため、社会人の経験が有利に働く可能性もあります。一方、社会人枠は年齢要件に加え、社会人としての経験年数も受験資格として求められます。

自治体の場合、地域によって差はありますが、最低でも5年程度の社会人経験が必要です。一般枠に比べて採用人数が少ないので倍率も高くなりがちですが、社会人としての経験を重視していることから、自分の職務経験やスキルをアピールしやすいというメリットもあります。

1次試験は筆記

一般枠・社会人枠どちらも、1次試験として筆記試験を行います。

【試験内容】

  • 一般枠…教養択一・専門択一・論文(課題式)
  • 社会人枠…教養択一・論文(課題式・職務経歴・経験論文)

教養択一は、数的処理や文章理解を問われる「一般知能分野」と、歴史・生物・化学などが出題される「一般知識分野」に分かれています。

社会人枠の試験も一般枠と同じ大卒程度レベルに準じているのが基本ですが、公務員の職域によって、各分野の出題数や合計の問題数は異なります。

社会人枠の教養択一試験の配点比率は一般枠に比べて低いといわれてはいるものの、最終的な合否判断の基準にもなるため、しっかり対策しておくことが必要です。

また、社会人枠の論文試験では、課題式のほかに社会人としての経験に関しても出題されるのが特徴です。

2次試験は面接

2次試験の面接は、「個別面接」「集団討論」などの形式で行われます。個別面接では、1人の受験者に対して3~4人の面接官が、15~20分ほど質疑応答を行います。社会人枠の採用では、職務経験に関する面接に比重を置いているのが特徴です。

民間での経験を公務員の仕事にどう生かしたいかといた質問をされることもあります。志望動機についても聞かれるので、明確に答えられるよう準備しておきましょう。国家公務員や地方上級試験の2次試験では、個別面接に加えて、集団討論を実施する場合もあります。

集団討論では、数人のグループで課題について議論し、最終的な意見をまとめます。自分の意見を伝えるだけでなく、相手の話を聞いて共通認識を求めることが重要です。

自治体の場合、2次試験の面接後、3次試験としてさらに面接を実施するケースもあります。応募の際に、受験要項をしっかりチェックしておきましょう。

公務員の志望動機は具体的かつ明確に書こう

履歴書を読む面接官

(出典) pixta.jp

公務員の志望動機を書く際は、「社会に貢献したいから」という漠然とした内容ではなく、具体的に書くことが重要です。そのためには、国や自治体の課題や取り組み、力を入れている政策などを事前に調べておくことが必要です。

また、民間経験のある社会人の採用にあたっては、一般企業で培ったスキルやノウハウを生かせる人材が求められています。公務員の仕事に強みとなる経験や実績があれば、積極的にアピールすることも大切です。

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