整体師になるには?必要な資格や就職までのルート、仕事内容も紹介

整体院や整体サロンで働く整体師になるには、どのようなルートがあるのでしょうか?必要な資格はあるのか、就職するまでに何をすればよいのか解説します。整体師への転職・就職を検討するに当たって、主な資格取得までのルートや、未経験でも働けるのかは気になるポイントです。具体的な仕事内容や、年収の相場についても確認しましょう。併せて、向いている人の特徴や適性も理解しておくと、転職・就職を目指す上で役に立ちます。

この記事のポイント

・整体師に必要な資格について解説
「整体師」という国家資格はなく、技術・知識を証明するには民間資格の取得が有効です。
・整体師になるにはどのようなルートがあるのか紹介
整体師になりたい場合、専門学校や通信講座で学ぶ方法が一般的です。民間の認定資格を取得することで、技術・知識を証明できるでしょう。
・整体師の仕事内容や年収相場を解説
整体師の主な仕事は、利用者に対する施術やカウンセリングです。整体師固有の年収相場は公開されていませんが、類似の職業の年収は約396万円となっています。

整体師に必要な資格とは

膝に施術を行う整体師

(出典) pixta.jp

整体師になるには、どのような資格が必要なのでしょうか?これから整体師として働くための基本的な仕組みと、知っておくべき重要なポイントについて詳しく解説していきます。

整体師になるには国家資格は不要

整体師として働くために、特定の国家資格は必要ありません。というのも、「整体師」という名称自体には法的な定義が存在しないためです。

実際の現場では、民間の整体スクールや協会が発行する認定資格を取得して働く人が多数を占めています。民間資格は法的な業務範囲を広げるものではありませんが、一定の技術や知識を習得した証明として活用できる存在です。

ただし、整体師が行える施術は「民間療法」として位置づけられ、治療ではなくリラクゼーションや健康増進を目的としたサービス提供に限定される点は理解しておく必要があります。

主要な整体師民間資格の種類と特徴

整体師になるには、さまざまな民間資格から自分の目指すキャリアに合ったものを選択することが重要です。

代表的な資格として、全国整体療法協同組合認定資格があります。この組合は厚生労働省から認可を受けており、業界内での信頼性が高い点が特徴です。

国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)には、さまざまな整体に関する資格があります。メディカルトレーナーや筋膜リリースセラピストなど、取得したい技術を中心に学べるのがポイントです。

日本メディカル心理セラピー協会の整体セラピストは、整体に関する知識や技術を全般的に身に付けられます。

柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師との決定的な違い

男性への施術を行う整体師

(出典) pixta.jp

整体師になるには国家資格が不要である一方、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師は国家資格が必要な医療従事者です。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。職業上の主な違いについて解説します。

国家資格者が行える医療行為の範囲

柔道整復師は、急性・亜急性の外傷性骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といったけがに対して治療を行う国家資格者です。

医師以外に単独で骨折・脱臼の整復固定が許されている医療系国家資格であり、応急処置が必要と判断された場合に限り施術が認められています。

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧の手技を用いた施術を行う国家資格者です。筋肉のこりや疲労回復、血行促進などの施術が可能で、医師の同意があれば保険適用での施術も実施できます。

どちらの資格も医療行為の一端として位置づけられ、医療行為ができない整体師とは仕事の範囲が大きく異なります。

保険適用の有無と料金体系の違い

国家資格者と整体師の大きな違いは、保険適用の有無です。

柔道整復師は急性外傷に対する施術で健康保険が適用され、患者の自己負担は3割または1割程度となります。あん摩マッサージ指圧師も、医師の同意書があれば健康保険の適用が可能です。

整体師の施術は民間療法として位置づけられるため、健康保険は適用されず、全額自己負担となります。

整体院での料金相場は3,000~8,000円程度で、施術時間も40~60分コースなど選択できる点が特徴です。この料金差は、利用者にとって治療費負担の大きな判断材料となるでしょう。

就職先と開業条件の相違点

国家資格者と整体師では、就職先と開業条件に明確な違いがあります。

柔道整復師は接骨院や整骨院での勤務が主流で、病院のリハビリテーション科や介護施設での機能訓練指導員として働くケースもあるでしょう。開業時は保健所への施術所開設届が必要で、厳格な設備基準や衛生管理が求められます。

対して、整体師には多様な就職先があります。整体院やリラクゼーションサロン、スポーツジム、介護施設など幅広い選択肢が存在し、開業時の法的な届出義務はありません。

ただし、整体師が接骨院で働く場合は、柔道整復師の補助業務が中心となり、医療行為以外の作業を担当します。

キャリアの柔軟性では整体師が優位である一方、安定性や社会的信頼度では国家資格者が有利といえるでしょう。

整体師資格の取得方法と費用・期間

パソコンを見ながら勉強をする男性

(出典) pixta.jp

整体師になるには、どのような方法で資格を取得すればよいのでしょうか。それぞれの取得方法には異なるメリット・デメリットがあり、費用や学習期間も大きく異なります。具体的な選択肢と特徴について確認しましょう。

専門学校での資格取得ルート

専門学校での整体師資格取得は、体系的な学習環境が魅力です。解剖学や生理学、病態学といった基礎医学から実践的な施術技術まで、プロの講師による指導を受けられます。

授業内容には、人体の構造を理解する基礎医学・各種手技療法の実習・カウンセリング技術・開業ノウハウなどが含まれます。実習設備も充実しており、実際の施術環境に近い形で技術習得が可能です。

通学期間は6カ月から2年程度が一般的で、費用相場は1年間学ぶ場合で100万円前後となっています。

社会人向けの夜間コースや土日集中コースを設ける学校も多く、働きながらでも通学しやすい環境です。同期生との情報交換や就職サポートも、専門学校ならではのメリットといえるでしょう。

通信講座・オンライン学習の活用法

働きながら整体師になるには、通信講座やオンライン学習が効果的な選択肢です。時間や場所に縛られず、自分のペースで学習を進められます。

通学講座に比べて費用が安く、コストパフォーマンスに優れている点も魅力といえるでしょう。

動画講義やテキスト教材を活用することで、実技指導も効率的に学べます。実技練習では、家族や友人に協力してもらい、学んだ手技を実際に試すことで理解が深まるはずです。

デメリットとして、対面指導が受けられない点やモチベーション維持の難しさが挙げられますが、短期間の対面指導との組み合わせやスケジュール管理によって克服できるでしょう。

整体師の具体的な仕事内容と1日の流れ

女性に施術をする整体師

(出典) pixta.jp

整体師になるには、実際の仕事内容を理解することが重要です。整体師は単に体をほぐすだけでなく、カウンセリングから術後のアドバイスまで幅広い業務を担います。整体師として活躍するための具体的な業務内容と、実際の勤務の流れについて詳しく見ていきましょう。

基本的な施術内容と手技の種類

整体師が行う施術は、利用者の体の状態に応じてさまざまな手技を使い分けます。最も基本的な「もみほぐし」は、筋肉のこりや緊張をやわらげる手技で、親指や手のひらを使って筋肉に適度な圧を加えます。

近年注目される「筋膜リリース」は、筋肉を包む筋膜の癒着を解きほぐす手技です。ゆっくりと持続的に圧をかけることで、体の柔軟性向上や可動域の改善が期待できます。

「ストレッチ整体」では、整体師が利用者の体をサポートしながら筋肉を伸ばしていきます。1人では伸ばしきれない深層筋肉にもアプローチでき、姿勢改善やけがの予防につながります。

これらの手技を組み合わせることで、利用者1人1人の症状や要望に応じたオーダーメイドの施術を提供するのが整体師の特徴といえるでしょう。

カウンセリングから施術完了までの流れ

整体の施術は、カウンセリングから始まります。利用者の症状や生活習慣を丁寧にヒアリングし、体の状態を把握することが重要です。1人1人異なる体の悩みに対して、最適な施術プランを提案します。

施術前には、体の硬い部分や痛みのある箇所に触れ、施術中は反応を常に観察しながら圧の強さや手技を調整しなければなりません。「痛みはありませんか」「この強さはいかがですか」といった声かけを欠かさず、快適に施術を受けられる環境を整えます。

施術後は、今後のケア方法や通院頻度についてアドバイスを提供し、次回の予約を設定することも重要な仕事といえるでしょう。

整体師の1日のスケジュール例

整体師の1日の働き方は、勤務先により大きく異なります。整体院に勤務する場合、多くは9時から21時ごろまでの営業時間で、中抜けシフトを採用するのが一般的です。

【整体院勤務の例】
9:00 出勤・院内清掃・スタッフミーティング
10:00 午前の施術開始
13:00 休憩(3時間程度の中抜け)
16:00 午後の施術開始
20:00 受付終了・片付け
21:00 退勤

ほとんどの場合、施術を中心とする仕事内容で、受付や雑務を兼任するケースもあります。独立開業した場合には、柔軟なタイムスケジュールの設定も可能でしょう。

整体師の就職先と働き方の選択肢

スポーツジムで施術を行う整体師

(出典) pixta.jp

整体師になる場合、どのような就職先があり、どのような働き方を選択できるのでしょうか。整体院での勤務が一般的ですが、実は多様な活動の場が存在します。具体的な就職先の特徴と働き方について確認しましょう。

整体院・治療院での勤務

整体院での勤務は、整体師になる上で一般的な選択肢です。勤務条件は院によって大きく異なりますが、月給制が中心で、指名料を設定し給料に反映しているケースもあります。

多くの整体院では未経験者でも応募可能で、入職後の研修制度が充実している点が特徴です。骨盤矯正や猫背矯正など専門性の高い施術を提供する院では、該当する技術習得が昇給の条件となることも多いでしょう。

勤務時間は9〜18時が一般的で、予約状況により残業が発生する場合があります。週休2日制を採用する院も多く、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できる環境を整えられるでしょう。

リラクゼーションサロン・スポーツジムでの勤務

リラクゼーションサロンは、整体師の就職先としてもよく知られる選択肢です。アロマセラピーやオイルトリートメントを組み合わせた施術が特徴で、リラックス効果を重視したサービスを提供します。

勤務時間は夕方から夜間のシフトが中心となり、22時以降の深夜営業を行うサロンも存在します。そのため、日中は別の仕事をしている人や、深夜割増賃金で収入アップを狙いたい方におすすめです。

スポーツジムでは、運動後のケアやスポーツ障害の予防を目的とした施術が求められます。トレーナーと連携しながら、会員の体調管理やパフォーマンス向上をサポートする役割を担うことになるでしょう。

整体師の年収相場と収入アップの方法

カウンセリングを行う整体師

(出典) pixta.jp

整体師になるには、収入面での現実的な情報を把握しておくことが重要です。整体師の年収は雇用形態や働き方によって大きく変わり、正社員・パート・独立開業それぞれに特徴があります。雇用形態別の年収相場について確認しましょう。

雇用形態別の年収相場

整体師という名称では、公的な年収相場の発表は見つかりません。参考として、手技を使ってサロンや整体院で働く「リフレクソロジスト」の年収について確認しましょう。

厚生労働省の職業情報紹介サイト「job tag」によると、リフレクソロジストの年収は約396万円です。短時間労働者(パート・アルバイト)の平均時給は1,397円となっています。

パート・アルバイトで月160時間働くとすると、1カ月の月収は22万3,520円となるため、パート・アルバイトの年収相場は約268万円と考えられるでしょう。

出典:リフレクソロジスト - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

独立開業時の収入と経営のポイント

独立開業した整体師は年収1,000万円を目指せる可能性がある一方で、経営上のリスクも伴います。

開業資金として一般的には500万~1,200万円程度が必要で、物件取得費・改装工事費・施術機器代などが含まれます。すでに所有しているマンションなどでの開業なら、初期費用は大幅に抑制できるでしょう。

売上の例として、施術単価5,000円で1日10人施術すれば月の売上は100万円を超えます。しかし、1人では定休日の設定や回転率の限界などさまざまな問題があり、高単価サービスの提供が重要となるでしょう。

収入を増やすための追加スキルと資格

整体師として収入を増やすには、基本技術に加えて専門性の高いスキルや資格を身に付けることが重要です。一般的な整体だけでは価格競争に巻き込まれやすく、高単価での施術が難しくなります。

例えば、小顔矯正や骨盤矯正、姿勢改善などを含む美容整体に関する資格・技術を身に付けるのも効果的です。女性や若年者の利用者を取り込むことが可能で、施術も比較的高単価を維持できます。

そのほか、アロマセラピー検定やリフレクソロジーなどの民間資格を併せ持つことで、総合的なリラクゼーションサービスを提供し、単価アップを狙うのもよいでしょう。

整体師に向いている人の特徴と適性

女性整体師

(出典) pixta.jp

整体師になるには、技術の習得だけでなく、この仕事に適した性格や資質を持っているかどうかも重要な判断材料です。整体師として必要な適性について、具体的な特徴と重要なポイントを見ていきましょう。

体力や忍耐力が求められる

整体師として成功するためには、身体的な体力と忍耐力が不可欠です。1日に複数の利用者を施術する立ち仕事でもあり、手や腕に相当な力を要します。特に慣れないうちは疲労や筋肉痛も起こりやすいため、身体面だけでなく精神的な強さが必要です。

有酸素運動や筋トレなどを取り入れながら体力づくりをしていくことで、整体師になったときに求められる体力が身に付くでしょう。もちろん、施術の練習を重ねることも、整体師を目指す上で大切です。

コミュニケーション能力が高い

多くの利用者から信頼される整体師になり、リピート率を高めるためには、優れたコミュニケーション能力が欠かせません。

最初のカウンセリングでは、利用者の悩みや生活習慣を丁寧にヒアリングする傾聴力が重要です。施術中は、圧の強さや痛みの有無を確認する声かけが欠かせません。

利用者が安心して施術を受けられるよう、「この強さはいかがですか」「痛みはありませんか」といった配慮ある対話が信頼関係を築きます。優れたコミュニケーション能力を持つ整体師は顧客満足度が高くなり、口コミによる新規顧客獲得率も向上しやすいでしょう。

技術力だけでなく、人間性や話しやすい雰囲気づくりも整体師の重要なスキルといえます。

継続学習と技術向上への意欲

整体師として長期的な成功を収めるには、技術の進歩への対応を続ける学習意欲が不可欠です。整体業界では新しい施術法や理論が次々と登場し、利用者のニーズも多様化しています。

継続学習の具体例として、解剖学や生理学の知識を深めることで、より的確な施術が可能になるでしょう。豊富な知識は、いずれ関連する国家資格を取得するときの足がかりにもなります。

技術向上のためには、特定の手技療法に特化した研修への参加が効果的です。スポーツ整体やリハビリテーションなど専門分野を極めることで、キャリアの幅を広げられるでしょう。

未経験から整体師への転職を成功させるポイント

求人サイトを見る男性

(出典) pixta.jp

未経験から整体師になるには、戦略的な転職活動が成功の鍵を握ります。どのようなスケジュールで準備を進めればよいのでしょうか。転職成功に向けた具体的な戦略とノウハウについて詳しく解説していきます。

転職活動のタイムスケジュール

未経験で資格がない状態から整体師への転職を成功させるには、体系的なスケジュール管理が重要です。まず、転職希望時期から逆算して計画を立てましょう。

資格取得から就職までは、半年~1年程度を目安に設定します。専門学校や通信講座での学習に3~6カ月、就職活動に2~3カ月程度を見込んでおくとよいでしょう。

働きながら資格を取得するには、無理のないスケジュールの設定を組むほか、有給休暇の活用も検討できます。

並行して、現職の退職手続きも計画的に進めましょう。就業規則を確認し、1~2カ月前には退職の意思を伝えることも大切です。余裕を持ったスケジュールを組めば、転職活動の成功率を高められます。

転職サイトの活用もおすすめ

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整体師になるには民間資格取得や求人応募が近道

男性整体師

(出典) pixta.jp

整体師には、特別な国家資格がありません。民間資格の取得や、無資格であっても整体師として働けます。

求人情報をチェックして、未経験や無資格で働ける整体院・サロンを探す以外に、専門学校・通信講座で資格取得を目指すことも検討しましょう。これから転職を考えている場合は、適性や必要な能力を考えた上で、決断することが重要です。