仕事を探す上で多くの人が重視する「自分のペースでできる仕事」とは、具体的にどのような職を指すのでしょうか。自分のペースでできる仕事の定義と職種を紹介します。転職を検討している人は、ミスマッチを防ぐためにも自分に合った職種を選びましょう。
自分のペースでできる仕事の定義はさまざま
自分のペースでできる仕事には具体的な定義がないため、人によってイメージするものはさまざまです。転職後に後悔しないためにも下の4つをチェックし、自分が重視するポイントは何かを明確に考えた上で転職活動に進みましょう。
時間・納期に余裕がある
スケジュールに余裕がなく時間や納期に追われる働き方をしていると、自分のペースで仕事を進められません。仕事において納期が設定されているのは一般的ですが、余裕があるかどうかは企業によって異なります。
転職先の職種や企業を選ぶときは、納期設定に余裕があるところを選ぶとよいでしょう。納期や締め切りがあっても十分な余裕が確保されていれば、日々の業務を自分のペースで進められます。
同様の理由で、厳しいノルマが定められている職種・企業も自分のペースで働きにくいため、注意が必要です。
働く場所を自由に選べる
企業によっては在宅ワークやサテライトオフィスでの勤務など、さまざまな形のリモートワークを取り入れています。そのような企業を選択すると働く場所を選べるため、ワークスタイルの自由度が高まります。
毎日決められた時間に決められた場所に行くという働き方自体に自由度がないと感じている人は、リモートワークに積極的な企業を選ぶと満足しやすいでしょう。
業務のほとんどがオンラインで完結する仕事や、ITエンジニア・デザイナーなどは場所を問わず働ける職種の代表例です。
人間関係が複雑でない
業務に伴うコミュニケーションコストが大きかったり、職場の人間関係が複雑だったりすると自分のペースで働くのは難しくなります。例えば、チームワークが重視される職場では、頻繁な打ち合わせや協調が求められ、自分のペースでの作業が難しくなることがあります。
ビジネスは人と人とのつながりであるため、コミュニケーションや人間関係を全く意識しなくてよい仕事はありません。
しかし、コミュニケーションの量が少ない仕事は存在します。例えば、リモートワークやフリーランスなど、自宅で独立して作業する仕事では、対人コミュニケーションが限定的になることがあります
従って、複雑な人間関係に悩んでいる人は、コミュニケーションの量が少ない仕事を選ぶとよいでしょう。ドライバーなど、大部分を1人で進められる仕事がこれに該当します。
細かい進め方が決まっていない
マニュアルによって進め方が細かく決められていて、やり方を考える余地がない仕事もあります。そのような仕事を担当していると、自分のペースで進めるのではなく、ひたすら決まった手順を繰り返すだけになりがちです。
やりがいを失う結果にもつながるため、自分のペースで働きたい人はマニュアル化された仕事ではなく、裁量が大きく試行錯誤しながら進めていく仕事がおすすめです。
ただし、裁量が大きければその分責任も大きくなるため、その点を意識しておきましょう。
仕事を自分のペースで進めるポイント
どのような仕事であっても、ある程度は自分のペースで進められます。他人や周囲の環境に左右される部分を減らすには、何を意識すればよいのでしょうか。仕事の進め方をコントロールするコツを紹介します。
自分の仕事と他人の仕事を明確に分ける
自分のペースで仕事を進めるには、仕事の分量を正確に把握して工数を見積もり、適切な作業時間を割り当てる必要があります。そのためには、最初の段階で自分が担当する仕事と他人に任せる仕事を明確に分けなければなりません。
チームで仕事を進めるケースでは、チームメンバー1人1人が担当する仕事を明確にします。その上で自分の担当分野にかかる時間を計算し、期日から逆算してペースを配分するとよいでしょう。
自分のペースで仕事を進めたい人には、1人で完結する職も向いています。仕事を1人で完結できる環境とは、自分の担当範囲が明確な状況を意味するためです。
1人で完結する仕事は、各工程にかかる時間を計算して期日から逆算すればペースを決められます。
やらなければならないことを明確にする
限られた時間を有効活用するには、日々のタスクに優先順位を付ける必要があります。タスクには優先順位が高いものと低いものがあり、場合によってはやらなくてもよいものもあるでしょう。
そのため、まずはタスクをリストアップして以下の手順で優先順位を決めます。
- 重要なものと重要でないものに分ける
- 緊急性があるものとないものに分ける
- 以下の順番でタスクを処理する
- 重要かつ緊急性がある
- 重要ではあるが緊急性がない
- 重要ではないが緊急性がある
- 重要ではなく緊急性もない
上記のうち、「重要ではなく緊急性もない」タスクは、あえてやらないという選択肢もあります。限られた時間を有効活用して最大限の成果を目指すには、タスクの取捨選択が重要です。
自分のペースでできる仕事の例
自分のペースで働きたい人に向いている仕事には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。代表的な職種を4つ見ていきましょう。
トラックドライバー
トラックを含めた貨物自動車のドライバーは、仕事時間の大部分を1人で過ごします。そのため、他者とのコミュニケーションが少ない環境です。
比較的小型のトラックで近距離配送を担当する人もいれば、大型トラックで長距離輸送を担当する人もいます。いずれの場合でも、1人でトラックを運転して指定場所に貨物を運ぶ仕事には変わりありません。
指定時刻までに荷物を届けられれば途中の運行スケジュールや休憩のタイミングは自分で決められます。仕事の進め方が細かく決められているわけではなく、自分のペースを乱されるケースは少ないでしょう。
ITエンジニア・デザイナー
ITを活用してさまざまなシステムを設計・開発する職の総称がITエンジニアです。Web業界やソフトウェア業界など、働く業界によって具体的な仕事内容は異なりますが、いずれも比較的自分のペースで働けます。
チームで進める業務が多いものの、基本的に1人1人が担当する範囲は明確に決まっています。期日までに仕事を完了できれば、どのように進めるかは各エンジニアに任されている環境です。
同様の理由で、Webサイトやアプリケーションのデザイン、UIを設計するデザイナーも自分のペースで働きたい人におすすめです。
セールススタッフ(営業職)
基本的に1人で活動できるセールススタッフもおすすめの職種です。セールススタッフは成果を上げなければならないものの、成果を出せていれば営業手法やプロセスは問われません。
従って、試行錯誤して成果を出したいと考えている人に向いている仕事です。出した成果をきちんと評価して報酬に反映してほしいと考えている場合にも向いています。
企業によっては目標やノルマに追われる可能性があるものの、自由なやり方で働きたいと考えている人には魅力的な職種といえるでしょう。
研究・開発職
集中して仕事に取り組みたい人に向いている職の1つが、研究・開発職です。研究職は新技術の開発と実用化にコミットします。開発職は、既存技術や新技術を使って製品を生み出すのが主な仕事です。
研究・開発職はチームで進めるケースが多いものの、各スタッフの業務内容が決まっているため、いずれも1人で長時間集中し続けられる職といえるでしょう。
さらに、新しいものを創造して世の中に送り出すという役目もあり、その分やりがいがある仕事です。
自分のペースで仕事できる企業とは?
一般的に自分のペースで進めやすい職種といっても、企業によって具体的な仕事が異なるため必ずしも働きやすい環境であるとはいえません。そのため、転職するときは注意深く企業を選びましょう。自分のペースで働きやすい企業の特徴を紹介します。
フレックスタイムやリモートワークに積極的
時間面の自由度を高めたいと考えている人は、フレックスタイムやリモートワークに積極的な企業を選ぶとよいでしょう。以下はそれぞれの内容です。
- フレックスタイム:総労働時間を定めつつ、出退勤時刻や1日の労働時間をスタッフの裁量に任せる制度
- リモートワーク:場所を問わず仕事を進める業務形態
働く時間をある程度自由に選びたいならフレックスタイム導入企業を、場所にとらわれず働きたいならリモートワーク導入企業を選ぶとよいでしょう。
各スタッフの裁量に任されている範囲が広い
マニュアルでやり方が細かく決められている仕事もあれば、裁量権が大きく各スタッフに任されている部分が多い仕事もあります。自分のペースで働きたいと考えているなら、後者の仕事を選ぶとよいでしょう。
裁量権が大きければ自分で試行錯誤して業務に取り組む必要があるため、その分やりがいがあります。成果につながったときは大きな喜びを感じられるでしょう。
一方で、裁量権が大きい仕事は1人1人の責任も大きくなります。転職してから後悔しないためにも、メリットばかりではないと覚えておきましょう。
自分のペースでできる仕事に転職するコツ
実際に転職するときは、ミスマッチを防ぐためにも条件を明確に掲げて自分に合った企業を選びましょう。どのように転職活動を進めればよいのかを意識したいポイントとともに紹介します。
自分が求める条件を明確にする
自分のペースでできる仕事をしたいといっても、転職先に求める具体的な条件は人によって異なります。そのため、まずは自分が求める条件を具体的に書き出しましょう。
条件を書き出したら、確実に実現したい条件と妥協してもよい条件に分類します。転職で全ての条件を満たす企業を探し出すのは現実的ではないため、ある程度柔軟性を持たせます。
また、自分のペースでできる仕事を探そうと考えるあまり、他の条件をおろそかにしないように注意しましょう。適切な報酬を得られるか、福利厚生に問題がないかなど、長く働く上で大切な要素もあるためです。
転職先の業界・職種を定める
転職先に求める条件が決まったら、業界・業種選びに進みます。基本的にはこれまでの経験やスキルを生かしてキャリアアップしやすい同業界・同職種を目指すとよいでしょう。
ただし、同業界・同職種で転職目的を実現できないときや、業界全体の将来性に不安を感じているときは、異業界・同職種に転職するのも1つの方法です。
状況によっては異業界・異職種への転職を目指した方がよいケースもありますが、上記で紹介したタイプに比べて転職難易度は高くなります。
経験・スキルを発揮できる企業を探す
転職をキャリアアップや報酬アップにつなげたいなら、経験やスキルを高く評価してくれる企業を探しましょう。これまでの経験やスキルを生かせる仕事であれば、転職後にすぐ即戦力として活躍できます。
満足できる転職を実現するためにも、まずはこれまでのキャリアを振り返ってみましょう。その上で自分が実現したいキャリアプランとそのために生かせるスキルが何かを考えます。
企業を選ぶときには、自分のスキルを発揮できるだけでなく望んでいるキャリアプランを実現できるかも考えましょう。
自分のペースで仕事ができないときの対処法
自分のペースで仕事を進められずに悩んでいるとしても、さまざまな事情で転職に踏み切れないケースもあります。そのようなときは、今の環境でできるだけ努力するのも1つの方法です。何にどのように取り組めばよいかを紹介します。
必要に応じて交渉する
納期が現実的でなかったり1人で負いきれない仕事を抱えていたりするなら、すぐに管理者に交渉しましょう。できることとできないことを明確にした上で、早い段階で交渉することは強固な信頼関係を構築するためにも欠かせません。
場合によっては、管理者側が業務量や納期設定を正しく認識していないケースも考えられます。そのようなケースでは交渉による改善も見込めるため、まずは話し合ってみるとよいでしょう。
コミュニケーションコストを低減する
業務上のコミュニケーションコストが高くて仕事のペースを乱されているなら、コミュニケーションの分量を減らす努力を払いましょう。必要なコミュニケーションはきちんと取りつつも、不要なコミュニケーションは省く必要があります。
できるだけコミュニケーションを減らせば、本当にやらなければならない仕事に集中できるようになるでしょう。他者にペースを乱されるリスクを減らす結果にもつながります。
ビジネスチャットやメールをはじめとした、自分のタイミングでコミュニケーションが取れる非同期コミュニケーションを主体にするのもおすすめです。
自分にとっての適職を見つけて転職しよう!
一言で自分のペースでできる仕事といっても、どのような仕事環境を求めるかは1人1人異なります。そのため、転職するときは自分に合った仕事を見つけることが欠かせません。
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