庶務とはどんな仕事?主な業務内容や必要なスキルを紹介

庶務という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、具体的にどのような仕事をしているのか、分からない人もいるかもしれません。庶務の業務内容や求められるスキル、やりがい・メリットなどについて解説します。

庶務とはどんな職種?

オフィスで働く女性

(出典) pixta.jp

庶務とは、一般的な事務職の1つです。会社の中ではどのような存在なのか、具体的に見ていきましょう。似た職種である総務との違いについても解説します。

庶務は事務職の1つ

庶務とは、いわゆる一般事務と呼ばれる事務職の1つです。企業によっては「庶務課」として独立させているところもありますが、多くの場合、営業部・企画部など社内の各部署に配属されて事務作業をサポートします。

そのため、配属先によって業務内容が少しずつ異なりますが、基本的には部署内の事務全般を担う職種と考えてよいでしょう。

企業の売り上げ・利益に直接関係する仕事ではありませんが、部署内のメンバーが働きやすいようにサポートする縁の下の力持ち的な存在です。

総務との違い

庶務と混同されがちな職種に、総務があります。総務も事務職の1つですが、庶務との違いは所属先が総務部という独立した部署になる点です。

また、庶務の業務範囲は配属された部署内の事務作業ですが、総務は社員全員がスムーズに仕事ができる環境を整えるサポートをします。

具体的な総務の仕事内容は、以下の通りです。

  • 社内制度の整備
  • 社内イベントの企画・運営
  • コンプライアンス管理
  • 株主総会の運営
  • 備品の発注
  • 照明・空調など社内の施設の管理

庶務の主な業務内容

ファイルを整理する女性

(出典) pixta.jp

庶務の業務内容は、配属先によって若干の違いはあるものの、基本的な事務作業においてはどの部署でも共通します。どのような業務を担当するのか、確認しましょう。

社内外への対応

部署の窓口となり、社内外からの電話・メールなどに対応します。電話応対では、部署にかかってくる電話に出て、担当の社員に取り次ぐのが仕事です。

部署専用の直通ダイヤルがある場合は、電話に出るまでのコール数や応対の方法など、ルールが決まっていることもよくあります。

担当者が不在の場合は、必要な用件をしっかり聞き取り、間違いのないように伝えることが大切です。自分の仕事が途中でも電話が鳴れば中断するなど、臨機応変に対応しなければなりません。

また、部署への訪問客の対応も庶務の仕事です。応接室に案内してお茶を出すほか、事前に訪問が分かっているときは会議室の予約をすることもあります。

書類作成・ファイリング業務

上司や他の社員から依頼された書類を作成したり、ファイリングしたりするのも庶務の仕事に含まれます。作成する書類は、社内の内線表や取引先のリスト、会議資料などさまざまです。

部署によっては、顧客にプレゼンするための資料など、社外向けの書類を作成することもあります。売上実績表の作成や、顧客データの入力などを依頼されることもあるでしょう。

ファイリングとは、作成した資料・書類を保管することをいいます。紙の書類・データなど、保管方法は企業によってさまざまですが、基本的には誰が見ても分かりやすいように整理しておかなければなりません。

小口経費精算

経費の精算は、経理部門で行うのが一般的です。しかし、企業によっては、交通費・切手代など少額の経費を、各部署で精算するところもあります。部署内で精算する小口経費の管理も、庶務の仕事の1つです。

社員が立て替えた経費の領収書を受け取り、社内の管理システムに入力して、小口現金から精算します。小口現金とは、経費精算や現金支払いのために会社から渡されている現金のことです。

社員にとっては立て替えた経費をすぐに精算してもらえるので便利ですが、現金を管理しなければならない庶務にとっては負担が大きい仕事といえます。

郵便物などの受け取り・発送

郵便物や宅配便の荷物の受け取り・発送も、庶務の仕事です。部署内に届いた郵便物や宅配物を担当者に配ったり、他の社員から依頼されたものを社外に発送したりします。宅配便で送るときは、梱包作業をすることもあります。

宅配便の会社に集荷を依頼したり、郵便物を投函しに出かけたりするほか、状況によってはバイク便を手配するなど臨機応変に対応することが必要です。

また、宅配便の送付状をオンラインで発行するなど、業務を効率化できる方法も知っておくと便利でしょう。

庶務のやりがい・メリット

働く女性

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社内のサポート役として活躍する庶務は、やりがいを感じられることも多い仕事です。仕事をすることで得られるメリットと併せて紹介します。

社内の潤滑油として周りをサポートできる

庶務は、他の社員の仕事を支えていると実感できたときに、大きなやりがいを感じられるでしょう。庶務のサポートがあるからこそ、仕事が円滑に進むことも多くあります。

部署内の事務処理を担当するだけでなく、部署を超えてサポートすることも少なくありません。異なる部署の社員同士がスムーズに仕事を進めるために、庶務が間に入って潤滑油としての役割を果たすこともあります。

サポートをした相手から「ありがとう」と言われれば、仕事での苦労があっても報われるでしょう。

管理能力が高まる

庶務の仕事を続けていると、管理能力が高まります。庶務が担当する業務は、書類作成・ファイリング・小口経費精算など幅広いのが特徴です。

それぞれの業務が同時に発生することもあり、優先順位を付けて漏れのないように行わなければなりません。小口経費精算を担当する場合は、現金の管理も必要です。

また、各業務の締め切りが異なることも多いため、スケジュール管理能力も鍛えられます。管理能力は、他の企業に転職する際も強みとなるスキルです。

マルチタスクスキルが身に付く

庶務の業務範囲は広いため、マルチタスクスキルの習得にもつながります。自分の仕事をしているときに、他の社員から急な依頼が入ることは珍しくありません。パソコンで書類を作成している最中に、電話対応することもよくあります。

複数の業務を同時に進めていくことは、庶務にとって日常茶飯事です。慣れるまでは大変だと感じることもありますが、効率良く仕事ができるように工夫をしていくうちに、徐々にマルチタスクスキルが身に付いていくでしょう。

庶務に求められるスキル

打ち合わせ

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さまざまな業務をこなす庶務には、どのようなスキルが求められるのでしょうか?主なスキルを3つ挙げて紹介します。

ビジネスマナー

社外からの電話や来客への対応をする庶務には、最低限のビジネスマナーが求められます。窓口ともなる庶務の対応が、企業全体のイメージに影響を与えてしまうこともあるためです。

正しい敬語の使い方や、オフィスにふさわしい服装・身だしなみ、立ち居振る舞いなどについての知識を身に付けておきましょう。

庶務の仕事に特別な資格は必要ありませんが、ビジネス実務マナー検定や秘書検定など、ビジネス系の資格を取得しておくと役立ちます。

出典:ビジネス系検定

コミュニケーション能力

社内外の多くの人と接する頻度が高いため、コミュニケーション能力は必須です。1人で黙々と作業をするだけでは、庶務の役割を十分に果たしているとはいえません。

上司や他の社員への報告・連絡・相談をしながら、仕事を進めていくことが基本です。例えば、電話の取り次ぎ1つでも、相手が伝えたい内容を理解して、担当者に正しく伝達する必要があります。

仕事を依頼されたときは、内容や相手の要望を読み取る力も必要です。スムーズに仕事を進めていくには、高いコミュニケーション能力が求められるといってよいでしょう。

基本的なパソコンスキル

パソコンを使って仕事をすることが多いので、基本的なパソコンスキルも必要です。社内システム・会計ソフトなどは企業によって異なるため、入社してから研修を受けることもあります。

しかし、Excel・Wordなどのオフィスソフトを使いこなせるスキルは、あらかじめ身に付けておくのがおすすめです。ある程度のタイピングの速さも必要ですが、データ入力などでは正確性の方が重視されます。

また、事務所内のコピー機やFAXなどの機械にトラブルがあった場合、不具合の内容によっては自分で直さなければならないこともあるでしょう。

庶務に向いている人の特徴は?

働く女性

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最後に、庶務に向いている人の特徴も確認しておきましょう。主な特徴を2つ紹介します。

細かい部分に注意を払える人

細かい部分に注意を払える人は、庶務の仕事に向いています。社外向けに作る書類などでは、誤字脱字があるとそれだけで信用が薄れてしまうことも少なくありません。

データ入力では、数字を1つ間違えただけで重大な損失につながるケースもあります。小口現金の管理では、1円でも残高が合わなければ顚末書などを書く事態になる可能性もあるでしょう。

また、細かい部分に気付ける人は、相手への気遣いもできる人です。資料を分かりやすく作成したり、備品の在庫を小まめにチェックしたりと、他の社員が働きやすいようにサポートできます。

臨機応変に対応できる人

仕事の幅が広く、同時に複数の業務をこなすこともある庶務には、臨機応変に対応できる人が向いています。

「どうしても今やっている仕事を先に終わらせたい」「突然のスケジュール変更に対応するのは苦手」という人にとっては、難しい職種といえるでしょう。

庶務の仕事には、週次・月次などでルーティンワークになっているものもありますが、全て決まった流れで進むことはありません。

業務内容によっては、ミスを犯さないように集中しなければならない場面もあるものの、基本的には柔軟に対応できることが理想です。

庶務は社員の業務をサポートする仕事

オフィスで働く女性

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庶務は、一般事務と呼ばれる事務職の1つです。会社の利益に直接関係する職種ではありませんが、売り上げ目標の達成を目指す社員をサポートすることもあるため、なくてはならない存在といえるでしょう。

業務範囲が幅広いことから、経験を積むほどに管理能力・マルチタスクスキルなどが磨かれていきます。

社内外の人と関わりながら仕事を進めていくのが基本なので、最低限のビジネスマナーも必要です。基本的なパソコンスキルも身に付いていると、スムーズに仕事ができるでしょう。

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